刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第166条(法務大臣に対する苦情の申出)
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- 被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。
- 2.第百五十七条第二項の規定は、前項の苦情の申出について準用する。
- 3.法務大臣は、苦情の申出を受けたときは、これを誠実に処理し、処理の結果を苦情の申出をした者に通知しなければならない。ただし、その者が釈放されたときは、この限りでない。
この条文の基本情報
法務大臣に対する苦情の申出とは何ですか?
定義法務大臣に対する苦情の申出とは、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条に定められた規定で、「被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条(法務大臣に対する苦情の申出)は、日本の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に含まれる条文です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条の条文原文は「被収容者は、自己に対する刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で、法務大臣に対し、苦情の申出をすることができる。」で始まります。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条は第三款 苦情の申出に置かれています。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の公布日は平成17年5月25日です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条の前の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第165条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条の次の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第167条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第166条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第166条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000050 - 本サイト収録
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第166条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000050/166
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事収容施設法166条により、被収容者は自己が受けた処遇について書面で法務大臣に苦情を申し出られる。法務大臣は誠実に処理し結果を通知するが、釈放後は通知不要。
Q · 刑務所の中から法務大臣に直接苦情を出せるの?
出せる。ただし本人名義の書面が必要で、釈放後は返事が来ない
刑事収容施設法166条により、刑務所や拘置所の被収容者は、施設長の措置その他自己が受けた処遇について、書面で法務大臣に苦情を申し出ることができます。法務大臣は誠実に処理し、結果を通知しなければなりません。ただし措置を取り消す義務まではなく、申出人が釈放されると通知義務もなくなります。取消しを求めるなら審査の申請(157条)など別の手続を併用します。
解説
刑務所や拘置所の塀の内側から、法務大臣に宛てて書面で苦情を出せる。166条は、この経路を被収容者の権利として定めている。家族が収容されているあなたが押さえておくべき点は三つある。第一に、対象が広い。審査の申請(157条)は法律が列挙した特定の措置にしか使えない。一方、苦情の申出は「その他自己が受けた処遇」まで含む。診察がなかなか受けられない、職員に侮辱的な言葉を浴びせられた、といった列挙外の不満も書ける。第二に、本条には期間制限の定めがない。第三に、限界がある。法務大臣が負う義務は「誠実に処理し、結果を通知する」ことまでで、措置を取り消す義務はない。しかも本人が釈放されると、通知の義務もなくなる(3項ただし書)。つまり本条は即効性のある救済手段ではなく、施設の外に記録を残すための仕組みとして使うのが正しい。出した書面と返ってきた通知は、後で国家賠償を請求したり、弁護士会に人権救済を申し立てたりするときの足場になる。
法的な位置づけ
刑事収容施設法166条は、刑事施設の被収容者が、刑事施設の長の措置その他自己が受けた処遇について、書面により法務大臣に苦情を申し出る権利を定める規定である。法務大臣は申出を誠実に処理し、その結果を申出人に通知する義務を負うが、申出人が釈放されたときはこの限りでない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出来事を具体的に記録する 日時・場所・関わった職員の特徴・同室者や目撃者の有無・出来事の内容をメモにまとめる。具体性があるほど調査を避けにくく、後の証拠価値も高まる
- 2.手続を選ぶ 懲罰など法律が列挙した措置が相手なら審査の申請(157条)、身体への違法な有形力の行使なら事実の申告(163条)も検討する。列挙外の処遇全般は苦情の申出で扱える
- 3.法務大臣宛ての書面を作成・提出する 被収容者本人の名義で、受けた処遇の内容と求める対応(診察・謝罪・再発防止など)を明記し、書面で法務大臣宛てに提出する。控えを手元に残す
- 4.提出日を外部に共有する 面会や手紙で、提出した日付と概要を家族や弁護士に伝える。施設の外に日付の記録が残れば、その後の処遇の変化との関連を後から示しやすい
- 5.結果通知を保管し次の手段につなぐ 法務大臣からの結果通知を保管する。解決しない場合は、通知を材料に弁護士会の人権救済申立てや国家賠償請求を弁護士と検討する
よくある質問 AI による整理
Q1苦情の申出とは何ですか?
刑務所や拘置所の被収容者が、受けた処遇への不満を書面で法務大臣などに伝える制度です。刑事収容施設法166条が法務大臣宛ての根拠規定です。
Q2刑務所での扱いがひどいとき、どこに相談できますか?
本人は法務大臣・監査官・施設長への苦情の申出、審査の申請、事実の申告が使えます。家族は弁護士や弁護士会の人権救済窓口に相談できます。
Q3法務大臣への苦情の申出の書き方は?
本人が書面で、日時・場所・関わった職員・具体的な出来事・求める対応を明記します。控えを残し、提出日を家族や弁護士に伝えておくと後で役立ちます。
Q4苦情の申出はいつまでに出せばいいですか?
166条自体に期間制限の定めはありません。ただし釈放されると法務大臣の結果通知義務がなくなるため、結果を受け取りたいなら在所中に出す必要があります。
Q5苦情を出せば懲罰は取り消されますか?
本条で法務大臣が負うのは誠実な処理と結果通知の義務までで、取消義務はありません。懲罰の取消しを求めるなら審査の申請(157条)や訴訟を検討します。
Q6家族が代わりに法務大臣へ苦情を出せますか?
本条で申出ができるのは被収容者本人に限られます。家族名義の手紙は本条の苦情として扱われないため、本人に書き方を伝え、弁護士につなぐのが現実的です。
Q7拘置所にいる未決の人も苦情を出せますか?
出せます。本条の対象は刑事施設の被収容者で、刑務所の受刑者だけでなく拘置所の未決拘禁者なども含まれます。警察の留置場は別の仕組みです。
Q8苦情の申出の結果はどうやって分かりますか?
法務大臣が処理の結果を申出人本人に通知します(166条3項)。ただし申出人が釈放された後は、通知しなくてもよいとされています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1法務大臣に出した苦情って、本当に大臣本人が読むんですか?
大臣が一通ずつ目を通すわけではなく、実際の調査は法務省の担当部局が行うのが通常である。それでも本条3項は、法務大臣に誠実な処理と結果の通知を義務付けている。宛先が施設の外にあることに意味がある。実務のポイント:施設長宛ての苦情(168条)は施設の中で完結しやすい。同じ内容でも宛先を変えると、調べる主体が変わる
Q2苦情を出したら、中でもっとひどい扱いをされませんか?
法律は、申出をしたことを理由とする不利益な取扱いを禁止している。また、申立ての内容を職員に知られずに出せるよう、施設に措置を講じることも求めている。実務のポイント:報復が心配なら、出した日付を面会や手紙で弁護士や家族に伝えておく。外部に日付が残っていれば、その後の処遇の変化との関連を後から示しやすい
間違えやすい点 AI による整理
- 「苦情を出せば処分は取り消されるのか」という問いの立て方がそもそもずれている。本条が法務大臣に課しているのは、誠実に処理して結果を通知することまでだ。懲罰などの取消しを求めるなら、審査の申請(157条)や訴訟という別のルートを最初から選ぶ必要がある。道具を取り違えると、時間だけが過ぎていく
- 警察署の留置場にいる家族も同じように法務大臣へ苦情を出せる、と考える人が多い。しかし本条の対象は刑事施設(刑務所・拘置所など)の被収容者だ。留置施設については、同じ法律の中に都道府県公安委員会を相手とする別の苦情の仕組みがある。宛先を間違えた書面は、本条の手続に乗らない
- 家族から見れば「中にいる人の訴え」でも、法律の上では申出人は被収容者本人に限られる。熱意のこもった家族名義の手紙は、本条の苦情としては扱われない。外にいるあなたの役割は代筆ではない。本人が書けるように情報を届けることと、外部の支援者につなぐことである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 申出・申請の相手 | 166条:法務大臣(施設の外) | 157条(審査の申請):矯正管区の長 168条:刑事施設の長(施設の中) |
| 対象 | 施設長の措置その他自己が受けた処遇全般 | 法律が列挙した特定の措置に限定 自己が受けた処遇全般 |
| 方式 | 書面に限る | 書面 口頭または書面 |
| 得られる効果 | 誠実な処理と結果通知(釈放後は通知義務なし)、取消義務なし | 措置の取消し・変更の裁決を求められる 施設内での処理と通知 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も受刑者の陳情・申訴の経路を法律で定め、申訴を経た後の行政訴訟の途も整備している点で、日本より司法救済への接続が明示的
韓国は法務部長官などへの請願制度を定めており、施設外の機関に訴える経路という点で日本の本条と類似する
ドイツは施設長への不服申立権を定め、別途裁判所への申立て(§ 109以下)の途を用意している
米国連邦刑務所では行政救済手続を経ることが訴訟提起の前提とされており、苦情手続の利用が訴訟の入口として機能する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家族が本人の代わりに法務大臣へ書けるのか? 面会で父から「持病の薬を三週間もらえていない」と聞かされた。本条で申出ができるのは被収容者本人だけなので、父自身に書面を書いてもらう必要がある。あなたにできるのは、書き方を伝えること、控えを残すよう勧めること、並行して弁護士に相談することだ
- あなたは刑務官で、ある受刑者があなたの言動について法務大臣に苦情を出した。苦情を出したことを理由にその受刑者を不利益に扱えば、それ自体が違法になる。勤務記録を保全し、上司に報告することが先だ
- 出所まであと二週間。在所中に受けた暴言について苦情を出すか、本人が迷っている。釈放されれば、法務大臣は結果を通知しなくてよくなる。結果を書面で受け取りたいなら、今週中に出すのが現実的なラインだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 出来事の日時・場所・関わった職員・目撃者を書き出す2. 求めること(診察、謝罪、再発防止など)を一文で明記し、書面で法務大臣宛てに提出する3. 懲罰など法律が列挙した措置が相手なら、審査の申請(157条)を並行して出す4. 暴行など身体への違法な有形力の行使は、事実の申告(163条)も検討する5. 家族は弁護士への相談や、弁護士会への人権救済申立てで外から支える
訴えられた側:1. 苦情が出たことを理由に処遇を変えない。不利益な取扱いは禁止されている2. 勤務記録・診療記録・日誌類を保全する3. 事実関係を上司に報告し、法務省の調査に正確に応じる4. 事実誤認があれば記録で反証する。本人に直接接触して反論したり、撤回を促したりすることは避ける
時効(請求できる期限):本条の苦情の申出には期間制限の定めがない。ただし釈放後は、法務大臣の結果通知義務がなくなる(3項ただし書)。審査の申請は、措置の告知があった日の翌日から30日以内(最新の改正状況をご確認ください)。国家賠償を請求する場合は、国家賠償法4条により民法が適用され、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:監獄法を全面的に見直す刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律が成立し、審査の申請・事実の申告・苦情の申出からなる不服申立て制度が整備された
- 2.平成18年(2006年) 改正:未決拘禁者等の処遇も取り込む改正により、法律名が現在の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に改められた
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