刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第32条(死刑確定者の処遇の原則)
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- 死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。
- 2.死刑確定者に対しては、必要に応じ、民間の篤志家の協力を求め、その心情の安定に資すると認められる助言、講話その他の措置を執るものとする。
この条文の基本情報
死刑確定者の処遇の原則とは何ですか?
定義死刑確定者の処遇の原則とは、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条に定められた規定で、「死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条(死刑確定者の処遇の原則)は、日本の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に含まれる条文です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条の条文原文は「死刑確定者の処遇に当たっては、その者が心情の安定を得られるようにすることに留意するものとする。」で始まります。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条は第一章 処遇の原則に置かれています。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の公布日は平成17年5月25日です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条の前の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第31条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条の次の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第33条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第32条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第32条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000050 - 本サイト収録
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第32条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000050/32
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事収容施設法32条は、死刑確定者の処遇にあたり心情の安定を得られるよう留意すべきと定め、必要に応じて民間の篤志家の協力を求め助言・講話等の措置を執ることを求める。
Q · 死刑確定者の「心情の安定」って、面会できるかどうかに関係あるの?
努力義務の条文だが、面会・信書の許否判断に直結する
刑事収容施設法32条1項は、死刑確定者の処遇に当たり心情の安定を得られるよう留意すると定めます。この理念は120条(面会)と139条(信書)に取り込まれており、親族等以外でも「心情の安定に資すると認められる者」であれば面会や信書の発受が許されます。逆に、その判断は刑事施設の長の裁量に委ねられるため、申請者側は交流の経緯など具体的な材料を示すことが重要になります。
解説
拘置所の面会受付で断られた支援者が受け取る説明は、ほぼ決まって同じ一語である。「心情の安定を害するおそれがある」。その言葉の出所がこの32条だ。条文は二項だけ、しかも「留意するものとする」「措置を執るものとする」という穏やかな努力義務の顔をしている。ところがこの「心情の安定」は、120条(死刑確定者の面会)と139条(信書の発受)で、誰が会えて誰が会えないかを決める法律上の判定要件に化ける。つまり本条は、死刑確定者を守る理念であると同時に、外の世界との回路を閉じる側の正当化根拠にもなる。第2項が国の職員ではなく「民間の篤志家」を名指しするのも偶然ではない。あなたが押さえるべきなのは条文の優しさではなく、保護と遮断が同じ一語から出ているというこの配線である。
法的な位置づけ
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律32条は、死刑確定者の処遇原則を定める規定である。第1項は処遇に当たり死刑確定者が心情の安定を得られるよう留意することを求め、第2項は必要に応じて民間の篤志家の協力を得て、心情の安定に資する助言、講話その他の措置を執ることを定める。
よくある質問 AI による整理
Q1死刑確定者の処遇原則とは?
刑事収容施設法32条が定める原則で、死刑確定者が心情の安定を得られるよう留意することが処遇の基本とされています。受刑者のような改善更生は目的に掲げられていません。
Q2死刑囚 面会 できる人は誰?
120条1項により、親族、重大な用務のある者、心情の安定に資すると認められる者からの申出は許すものとされます。それ以外の者も同条2項の要件を満たせば許されることがあります。
Q3死刑囚 手紙 出せる?
139条が死刑確定者の信書の発受を定めています。面会と同様に、親族や心情の安定に資すると認められる者などとの発受が認められ、それ以外は施設の判断に委ねられます。
Q4教誨師 とは?
刑事施設で被収容者の宗教的な求めに応じて教誨を行う民間の宗教者です。施設職員ではなく、32条2項の「民間の篤志家」の典型例とされています。
Q5心情の安定 意味 刑事収容施設法
死刑確定者が精神的な平穏を保てる状態を指す法律上の概念です。32条の処遇原則であると同時に、120条・139条で面会や信書の許否を判断する物差しにもなります。
Q6死刑確定者 面会 不許可 どうする?
理由を具体的に確認し、交流の経緯を示して再申請するのが第一歩です。処分に不服があれば矯正管区の長への審査の申請(157条以下)を期間内に検討します。
Q7死刑確定者 単独室 なぜ?
死刑確定者は原則として単独室で処遇されます。心情の安定への配慮と施設の規律維持が理由とされ、その分、外部との面会や手紙の一回一回の意味が重くなります。
Q832条 努力義務 法的効果はある?
32条自体は努力義務的な書き方ですが、その理念が120条・139条の要件に組み込まれているため、個別の不許可処分の適否を審査する際の解釈指針として働きます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1死刑が確定した人に、家族じゃなくても会えるんですか?
会える道はあります。120条1項は親族のほか、法律上・業務上の重大な用務がある者、そして「心情の安定に資すると認められる者」を挙げ、同条2項はそれ以外の者との面会も一定要件で許せるとしています。実務のポイント:申請書の「関係」欄に「友人」とだけ書くと3号該当の判断材料がゼロになります。文通の実績や支援の経緯を先に積み、それを添えて申請する順番が結果を分けます
Q2教誨師って公務員じゃないんですか。無給で行ってるんですか?
教誨師は施設職員ではなく民間の宗教者で、基本的にボランティアです。32条2項が「民間の篤志家の協力を求め」と書いているのはそのためで、背景には憲法20条3項の政教分離があります。実務のポイント:宗教教誨は本人の希望が前提で(68条、69条)、施設側から特定宗教を勧めることはできません。逆に言えば、本人が希望を口にしない限り誰も来ません。希望の意思表示そのものが手続の起点です
Q3「心情の安定」を理由に断られたら、もう打つ手なしですか?
打つ手はあります。面会や信書に関する処分については、矯正管区長への審査の申請(本法157条以下)や苦情の申出の仕組みがあり、処遇の違法を理由とする国家賠償請求(国家賠償法1条)も別軌道で可能です。実務のポイント:過去には、具体的な支障を示さずに外部交通を一律に制限した運用が訴訟で争われた例があります。争点は「制限したこと」ではなく「個別の理由を示さなかったこと」に立つことが多い
Q4死刑確定者も刑務作業をしているんですか?
義務ではありません。死刑確定者は懲役・拘禁刑の受刑者ではないため、30条が受刑者について掲げる改善更生の目的も適用されず、32条は心情の安定だけを処遇原則としています。作業は本人が希望した場合の運用です。実務のポイント:作業がないぶん、一日の大半を単独室で過ごすことになります。面会一回、手紙一通、教誨一回の重みが受刑者とはまるで違う。だからこそ、その一つを止める判断の根拠条文を知っておく価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 死刑確定者が長期間ひとりで拘禁されることは、多くの人が知っている。知られていないのは、その孤立を一段深める決定が「あなたの心を乱さないため」という保護の言葉で下される点だ。善意の理念と、結果としての遮断が、同じ32条から出てくる。深刻なのは制度の冷たさではなく、優しい文言のまま回路が切れることである
- 「死刑確定者は受刑者だから刑務作業をしている」という前提そのものが誤っている。死刑確定者は懲役や拘禁刑の受刑者ではなく、作業は義務ではない(本人が希望した場合に行う運用)。だから32条は30条のような「改善更生」を目的に掲げず、心情の安定だけを掲げる。目的の違う人間を、同じ物差しで想像してはいけない
- 努力義務の規定だから実務では効かない、と読み飛ばされがちだが逆である。120条・139条が「心情の安定に資する」「心情の安定を害するおそれ」を明文の要件として取り込んでいるため、32条の理念は個別の不許可処分が適法か違法かの審査に直結する。処分を争うときの出発点は、ここに置かれている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 32条:死刑確定者 | 30条:受刑者 31条:未決拘禁者 |
| 処遇の中心目的 | 心情の安定を得られるよう留意 | 改善更生の意欲の喚起と社会生活に適応する能力の育成 未決の者としての地位の考慮、逃走・罪証隠滅の防止、防御権の尊重 |
| 外部の協力 | 民間の篤志家による助言・講話その他の措置を明記 | 矯正処遇(作業・指導)を通じた社会復帰支援が中心 弁護人との接見など防御活動の確保が中心 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も死刑を存置しており、死刑定讞者は執行まで施設に収容される。宗教者やボランティアによる支援の位置づけは日本と比較する価値がある
韓国は死刑制度を存置しつつ長期間執行していない。死刑確定者の処遇は同法の規定に基づき、心理的安定への配慮も論点となる
ドイツは基本法で死刑を廃止しており、死刑確定者の処遇規定自体が存在しない
米国は州ごとに死刑制度と death row の処遇が異なり、長期隔離の是非が訴訟で争われることもある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 確定から十年、兄に会いに行った弟は「親族です」と告げて面会室に通された。では、二十年支え続けてきた元同僚はどうなる? 120条1項3号の「心情の安定に資すると認められる者」に当たると刑事施設の長が判断すれば会える。その判断の物差しを与えているのが32条だ
- 教誨師として拘置所に通うボランティアがいる。国家公務員でも施設職員でもない民間の宗教者が、死刑確定者と向き合う。その席を法律上用意しているのが32条2項である
- 再審請求の準備中、弁護人は確定者本人から事件当時の記憶を引き出す必要に迫られている。ところが支援者の面会が「心情の安定を害する」として不許可になり、本人は急速に口を閉ざしていく。死刑の執行は事前に告知されない。残された時間が何日あるのかを、誰も知らないまま動くことになる
- 拘置所の処遇担当者になったあなたの机に、面会申請の束が積まれている。許せば心が乱れるかもしれない、断れば孤立が深まるかもしれない。どちらに転んでも根拠条文は同じ32条。この条文はあなたの判断を支えると同時に、裁量の重さをあなた一人の肩に置く
- ジャーナリストが確定者と往復書簡を交わそうとして、信書の発受を不許可にされた。139条の判断もまた「心情の安定」を通過する。取材の自由と処遇原則が、拘置所の郵便物受付という地味な場所で正面衝突している
取るべき行動
被害を受けた側:1. 不許可の日付・担当部署・告げられた理由を、その日のうちに書面で記録する2. 施設に対し理由の書面提示を求め、自分が120条1項3号(心情の安定に資すると認められる者)に当たる事情を、交流の経緯・手紙の実績として具体的に書いて再申請する3. それでも覆らないなら、矯正管区長への審査の申請(本法157条以下)または苦情の申出を検討4. 再審請求中であれば、弁護人と窓口を一本化し、誰が何回申請したかの一覧を作る。個別の不許可の積み重ねが、後の違法性判断の材料になる
訴えられた側:処遇する側・判断を求められる側に立った場合。1. 「心情の安定を害するおそれ」は抽象的な懸念では足りず、具体的な事情の摘示が求められる点を前提に記録を残す2. 許可・不許可の理由を定型文で済ませず、当該申請者との関係・過去の経緯を個別に書く3. 32条2項の篤志家による助言・講話の機会を、遮断の代替として積極的に組む4. 一律運用は過去に国家賠償訴訟で争われている。前例踏襲が最大のリスクだと認識する
時効(請求できる期限):不許可処分を争う審査の申請は、処分の告知があった日の翌日から起算して30日以内(本法158条、最新の改正状況をご確認ください)。処遇の違法を理由とする国家賠償請求は、損害および加害者を知った時から3年(民法724条)。なお死刑の執行時期は本人にも家族にも事前告知されないため、実務上は「いつでも終わりうる」前提で動くほかない
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)改正、平成19年(2007年)6月1日施行 監獄法を全面改正した平成17年法は当初受刑者のみを対象としていたが、未決拘禁者と死刑確定者の処遇規定を加える改正が行われ、本条が新設された。法律名も『刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律』へ改称。それまで通達運用にとどまっていた『心情の安定』が、初めて法律上の処遇原則として明文化された
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:受刑者のみを対象としていた平成17年法を改正し、未決拘禁者と死刑確定者の処遇規定を追加。本条が新設され、法律名も現行名に改められた(平成19年6月1日施行)。
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