刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律 第71条(新聞紙に関する制限)
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刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。
この条文の基本情報
新聞紙に関する制限とは何ですか?
定義新聞紙に関する制限とは、刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条に定められた規定で、「刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条(新聞紙に関する制限)は、日本の刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に含まれる条文です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条の条文原文は「刑事施設の長は、法務省令で定めるところにより、被収容者が取得することができる新聞紙の範囲及び取得方法について、刑事施設の管理運営上必要な制限をすることができる。」で始まります。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条は第八節 書籍等の閲覧に置かれています。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律の公布日は平成17年5月25日です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条の前の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第70条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条の次の条は刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第72条です。
- 刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律第71条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第71条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000050 - 本サイト収録
刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律(平成十七年法律第五十号)第71条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000050/71
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事収容施設法71条は、刑事施設の長が法務省令に従い、被収容者が取得できる新聞紙の範囲と取得方法に、管理運営上必要な制限を加えられると定める。記事内容の規制は70条の領域である。
Q · 拘置所や刑務所にいる家族に、新聞を自由に差し入れられないのはなぜ?
範囲と入手方法の制限で、記事内容の検閲は70条の問題です
刑事収容施設法71条により、刑事施設の長は法務省令の定めに従い、被収容者が取得できる新聞紙の範囲(銘柄・部数など)と取得方法を、管理運営上必要な限度で制限できます。これは記事の中身を審査する規定ではなく、内容に着目した閲覧禁止は70条の要件で判断されます。また未決段階で接見等禁止決定(刑事訴訟法81条)が出ている場合は、差し入れを止めているのは施設ではなく裁判所側の決定です。
解説
差し入れた新聞が、なぜか本人に届かない。留置されている家族や友人に新聞を送ろうとして、そこで初めてこの条文の存在を知る人が多い。71条が刑事施設の長に与えているのは、新聞の「中身」を検閲する権限ではない。どの銘柄をどこまで認めるか、何部までか、どのルートで買わせるか、つまり「範囲及び取得方法」を、管理運営の必要という理由で絞る権限である。ここが分かれ目で、記事を消したり閲覧そのものを禁じたりする内容規制は70条、その手前で蛇口の口径を細くするのが71条。争おうとするとき、相手が70条の処分なのか71条の一般的制限なのかで、主張すべき筋も、不服申立ての経路も変わる。よど号ハイジャック新聞記事抹消事件(最大判昭和58.6.22)が示したのは、収容されていても新聞を読む自由は憲法上の保護を受け、その制限には障害発生の相当の蓋然性が要るということだ。
法的な位置づけ
刑事収容施設法71条は、被収容者が取得することのできる新聞紙の範囲および取得方法について、刑事施設の長が法務省令の定めるところにより、刑事施設の管理運営上必要な制限を加えることを認める規定である。記事内容を理由とする閲覧禁止(同法70条)とは区別され、銘柄・部数・入手経路といった外形的事項を対象とする。
手順
- 1.止めている根拠と主体を特定する 差し入れを断られたら、その場で根拠を確認する。71条・省令による範囲や取得方法の制限か、70条の閲覧禁止か、あるいは裁判所の接見等禁止決定(刑事訴訟法81条)か。日時・担当者・告げられた文言をメモに残す
- 2.指定された取得方法を確認し代替ルートを探す 施設が認める銘柄・部数・購入経路(自弁購入の方法など)を確認し、それに沿った入手が可能か検討する。信書で記事の写しを送る場合は信書の規制が別途かかる点にも注意する
- 3.書面で理由の説明を求める 施設長宛に、制限の根拠条項と管理運営上の必要性を具体的に説明するよう書面で求める。弁護人がいれば弁護人名義で行うと効果的。72条の時事報道に触れる機会の確保状況もあわせて確認する
- 4.不服申立て・訴訟の期間を確認する 施設内の審査の申請・苦情の申出の経路と期限を確認し、処分性を争う余地があれば取消訴訟の出訴期間(処分を知った日から6か月)を起算点から逆算して弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1刑事収容施設法71条とは?
刑事施設の長が、被収容者の取得できる新聞紙の範囲と取得方法を、法務省令に従い管理運営上必要な限度で制限できるとする規定です。
Q2拘置所に新聞は差し入れできる?
原則として閲覧は認められますが、銘柄・部数・入手経路は71条と省令に基づく施設の運用で絞られます。窓口で指定の方法を確認するのが第一歩です。
Q3未決拘禁者は新聞を読める?
読めるのが原則です。ただし71条の範囲・取得方法の制限は未決拘禁者にも及び、接見等禁止決定がある場合は差し入れ自体が止まることがあります。
Q4刑務所で購読できる新聞は何部まで?
部数の上限は法律本文には書かれておらず、法務省令と各施設の運用で定められます。具体的な数は施設に確認する必要があります。
Q5刑務所の新聞制限は違法?
71条自体は制限を認めていますが、「管理運営上必要な」限度に限られます。必要性を具体的に説明できない一律の運用は、違法と評価される余地があります。
Q6新聞の差し入れ拒否に不服申立てできる?
施設の措置であれば、同法の審査の申請や苦情の申出の経路があります。処分性が認められる場合は取消訴訟も検討対象となり、出訴期間に注意が必要です。
Q7よど号新聞記事抹消事件とは?
昭和58年の最高裁大法廷判決で、被拘禁者の新聞閲読の自由は憲法上保障され、制限には障害発生の相当の蓋然性が必要と示した先例です。
Q8拘置所で外国語の新聞は読める?
一律に禁止されてはいませんが、検査体制などを理由に範囲が絞られることがあります。制限の必要性は施設側が具体的に説明すべき事項です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1刑務所って、新聞の記事を黒く塗りつぶしたりするって本当ですか?
かつて行われ、最高裁も一定の場合に適法としました(よど号ハイジャック新聞記事抹消事件、最大判昭和58.6.22)。ただしその枠組みは障害発生の相当の蓋然性を要求するもので、抽象的なおそれでは足りません。現行法では内容に踏み込む制限は70条、範囲と取得方法の制限は71条と根拠が分かれています。実務のポイント:抗議書面で根拠条文を取り違えると、施設側は「それは70条の話ではありません」の一言で会話を終えられる。相手がどちらの条文で動いているかを確定させるのが先。
Q2差し入れを断られたとき、結局だれに文句を言えばいいんですか?
施設の措置であれば施設長が相手で、制度としては審査の申請や苦情の申出の経路があります(同法157条以下、現行の条項を要確認)。ただし未決の段階で接見等禁止決定が出ている場合、止めているのは裁判所側であって施設ではありません(刑事訴訟法81条)。実務のポイント:窓口で「裁判所の決定で止まっているのか、施設の運用で止まっているのか」と一度聞くだけで、その後数か月の動き方が変わる。聞かない人は、効かない相手に半年抗議し続ける。
Q3新聞が読めないくらい、たいしたことじゃないのでは?
自分の事件の報道を一切読めないまま公判に臨む未決拘禁者を想定すれば、情報遮断は防御の問題に直結します。72条は施設長に、備付けや放送により主要な時事の報道に触れる機会を与えるよう努める義務を課しており、完全な遮断は法の想定外です。実務のポイント:71条の制限を単独で攻めるより、72条の機会付与が実際にどう運用されているかを数字で示す方が効く。備付紙の銘柄と部数、放送の時間帯は、記録として出てくる性質のものだ。
Q4外国語の新聞も同じように入りますか?
範囲の制限は71条と省令に基づき施設ごとの運用に委ねられており、検査や翻訳の負担を理由に外国語紙が事実上絞られることがあります。もっとも「管理運営上必要な」という限定がある以上、その負担の中身は具体的に説明される必要があります。実務のポイント:外国籍の被収容者の事案では、制限の理由が「確認できる体制がない」という人員の問題に帰着することが多い。それは条文上の必要性ではなく施設側の体制の問題であり、そこを指摘されると運用が動く余地が出る。
間違えやすい点 AI による整理
- 「刑務所が新聞を検閲している」という問いの立て方が、そもそもずれている。71条は記事の中身を読んで止める条文ではなく、どの新聞を何部、どの経路で入手させるかを決める条文だ。中身に踏み込む判断は70条の閲覧禁止であり、要件も争い方も別物。「検閲をやめろ」と抗議しても、71条の制限は一ミリも動かない。
- 差し入れる側から見れば「届かないのは嫌がらせ」だが、法律から見れば「管理運営上必要な制限」という抽象的な授権の行使にすぎない。この落差が厄介なのは、感情で抗議する側に対し、施設側は条文と省令を示すだけで会話が終わる構図になること。崩すには、必要性と合理性が欠けていることを具体的な事実で示すしかない。
- 未決拘禁者にも制限が及ぶことは比較的知られている。知られていないのはその深刻さの方で、接見等禁止決定(刑事訴訟法81条)が付いている場合、新聞や雑誌の差し入れ自体が裁判所側の決定で止まっている。刑事施設にいくら抗議しても解決しない。止めた主体が違えば、使う道具も準抗告や抗告という刑事手続内の不服申立てに変わる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の対象 | 71条:新聞紙の範囲(銘柄・部数)と取得方法 | 70条:書籍等の内容に着目した閲覧禁止 72条:時事の報道に触れる機会の付与 |
| 条文の性質 | 施設長に制限権限を授権 | 一定の要件下で閲覧を禁止する権限 施設長の努力義務 |
| 判断の基準 | 刑事施設の管理運営上の必要性(省令で細目) | 規律秩序への障害・罪証隠滅のおそれなどの要件 備付けや放送による主要な時事報道へのアクセス確保 |
| 争う際の主張の軸 | 制限の必要性・合理性の欠如を具体的事実で示す | 要件該当性と障害発生の蓋然性の不存在 機会付与の運用実態の不十分さ |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は2020年施行の監獄行刑法全面改正で受刑者の閲読に関する規定を整備した。日本同様、施設の管理上の必要による制限が問題となる
韓国も新聞・雑誌の購読を原則認めつつ、施設の安全と秩序を理由とする制限を法律で定める
ドイツ連邦行刑法は新聞・雑誌の購読を認め、行刑目的や施設の安全・秩序を危うくする場合に限り個別に制限しうる構造。現在は州行刑法が主
米国では受刑者宛の出版物の制限について、正当な刑事施設上の利益と合理的に関連するかという基準で審査される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 拘置所にいる弟に地元紙を差し入れようと窓口へ行ったら、「指定の方法を通してください」と返された。嫌がらせではない。71条の委任を受けた省令と施設の運用で、取得方法そのものが絞られている。
- もし逮捕されたのが自分で、判決までの一年間、自分の事件を報じる新聞が読めなかったらどうなる? 未決拘禁者、つまりまだ有罪判決を受けていない人にも71条の制限は及ぶ。無罪推定を受けている段階で自分に関する報道にアクセスできないまま公判に臨むことの意味を、外にいる人はまず考えない。
- 差し入れを断られてから、争える時間は無限ではない。個別の拒否に処分性が認められる余地がある場合、取消訴訟の出訴期間は処分を知った日から6か月(行政事件訴訟法14条)。施設内の申出だけで数か月を使い切ってから弁護士に相談すると、期間の方が先に閉じていることがある。なお処分性の有無自体が実務上の争点になる。
- あなたが窓口に立つ職員の側だとしたら。降りてくるのは条文ではなく運用の前例で、判断基準は「これまでどうしてきたか」になる。71条の「管理運営上必要な」という文言は、現場では必要性の吟味ではなく前例の踏襲に化けやすい。だからこそ、外から具体的な事実を書面で突きつけられたときにだけ、運用は動く。
- 友人の弁護人から「新聞そのものは差し入れられないから、記事をコピーして信書で送れないか」と相談された。書籍等の閲覧の規制と、信書の発受の規制は別建てで、根拠条文も判断権者も違う。どちらの蛇口が閉まっているのかを特定できれば、迂回路が見えることがある。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 断られたその場で根拠を確認する。70条の閲覧禁止(内容規制)か、71条と省令による範囲・取得方法の制限か。日時、担当者、言われた文言をメモに残す。2. 施設長宛に書面で理由の開示を求め、制度上の苦情の申出も併用する。3. 本人には備付紙や放送の利用状況を確認させ、情報が完全に遮断されていないか記録させる(72条)。4. 弁護人がいれば早期に共有する。処分性を争う余地があるなら、起算点は最初の拒否の日として扱われうる。
訴えられた側:1. 71条は「管理運営上必要な」という限定付きの授権であり、必要性を説明できない一律運用は違法評価を受けうる。根拠省令の条項と、制限の目的・手段の対応関係を文書化しておく。2. 内容に踏み込む判断は70条の要件(規律秩序への障害、罪証隠滅のおそれ)で処理し、71条で代用しない。根拠条文の取り違えは、それ自体が違法事由になりうる。3. 72条の機会付与を並行して確保し、情報の全面遮断という状態を作らない。
時効(請求できる期限):本条自体に期間の定めはない。施設内の不服申立てのうち審査の申請には期間制限(おおむね告知から30日以内)があり、苦情の申出は扱いが異なるため、根拠条項ごとに確認が必要(最新の改正状況をご確認ください)。個別の拒否に処分性が認められる場合、取消訴訟の出訴期間は処分を知った日から6か月、処分の日から1年(行政事件訴訟法14条)。国家賠償で争うなら、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。
改正沿革 AI による整理
- 平成17年(2005年) 明治41年制定の監獄法に代わる法律として、刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律が成立。書籍等の閲覧について、原則自由と制限要件を条文レベルで明示する構造が導入された
- 平成18年(2006年)改正・平成19年(2007年)施行 未決拘禁者および死刑確定者の処遇規定を加え、法律名が刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律へ変更された。本条自体の文言が同改正で動いたか否かは人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 新設:監獄法に代わる刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律が成立し、書籍等の閲覧の原則自由と制限要件を条文化。本条の制定時の条番号・文言は要確認
- 2.平成18年(2006年) 改正:未決拘禁者・死刑確定者の処遇規定を統合し、法律名を刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律に改称(平成19年施行)。本条文言への影響は要確認
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