家事事件手続法 第263条(意見の聴取の嘱託)
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- 調停委員会は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。
- 2.前項の規定により意見の聴取の嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めるときは、家事調停委員に当該嘱託に係る意見を聴取させることができる。
この条文の基本情報
意見の聴取の嘱託とは何ですか?
定義意見の聴取の嘱託とは、家事事件手続法第263条に定められた規定で、「調停委員会は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 家事事件手続法第263条(意見の聴取の嘱託)は、日本の家事事件手続法に含まれる条文です。
- 家事事件手続法第263条の条文原文は「調停委員会は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取することを嘱託することができる。」で始まります。
- 家事事件手続法第263条は第三節 家事調停の手続に置かれています。
- 家事事件手続法の公布日は平成23年5月25日です。
- 家事事件手続法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 家事事件手続法第263条の前の条は家事事件手続法第262条です。
- 家事事件手続法第263条の次の条は家事事件手続法第264条です。
- 家事事件手続法第263条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第263条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052 - 本サイト収録
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第263条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/423AC0000000052/263
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点家事事件手続法263条は、調停委員会が他の家庭裁判所又は簡易裁判所に事件の関係人の意見聴取を嘱託できると定める。嘱託は裁量で、当事者に請求権はない。
Q · 遠くに住む家族の意見を、家事調停で地元の裁判所から届けてもらうことはできる?
できる場合がある。ただし調停委員会の裁量で、請求権はない
家事事件手続法263条により、調停委員会は他の家庭裁判所又は簡易裁判所に、事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取するよう嘱託できます。嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めれば家事調停委員に聴取させることもできます。ただし嘱託は調停委員会の裁量であり、当事者に請求権はありません。実務ではまず電話会議・ウェブ会議(54条)が検討されることが多いため、遠方の事情は上申書で早めに伝えることが重要です。
解説
家庭裁判所の調停は「呼ばれた裁判所に行けなければ終わり」だと思われがちだが、法律はそう作られていない。家事事件手続法263条により、調停委員会(裁判官と調停委員でつくる話し合いの場)は、別の家庭裁判所や簡易裁判所に「この人の意見を聞いてきてほしい」と依頼(嘱託)できる。依頼を受けた裁判所は、相当と判断すれば地元の家事調停委員に聴き取りを任せることもできる。対象は「事件の関係人」なので、当事者本人だけでなく、子を実際に育てている祖父母のような人も含まれうる。東京の調停に、沖縄に住む当事者や関係者の声を乗せる経路が、条文上ちゃんと用意されているのだ。ただし使うかどうかは調停委員会の裁量で、あなたに請求する権利があるわけではない。だからこそ、遠方・病気・介護・DV などの事情を具体的に伝えて「頼む」側に回れるかどうかで、実際に使われるかが変わってくる。なお実務では、まず電話会議やウェブ会議(54条)が検討されることが多い。
法的な位置づけ
家事事件手続法263条は、家事調停における意見聴取の嘱託を定める規定である。調停委員会は、他の家庭裁判所又は簡易裁判所に対し、事件の関係人から紛争の解決に関する意見を聴取するよう嘱託することができ、嘱託を受けた家庭裁判所は、相当と認めるときは家事調停委員に聴取を行わせることができる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出頭が難しい事情と資料を整理する 期日通知が届いたら、距離・勤務・病気・介護・DVの不安など出頭が難しい具体的理由を書き出し、診断書、勤務表、介護認定書類などの裏付け資料をそろえる
- 2.担当書記官に参加方法を相談する 事件番号を伝えて担当書記官に電話し、ウェブ会議・電話会議(54条)で参加できるか、地元の家庭裁判所又は簡易裁判所での意見聴取(263条)の余地があるかを確認する
- 3.上申書で希望する方法を書面化する ウェブ会議での参加、それが難しければ地元裁判所での意見聴取、と段階をつけて希望と理由を上申書にまとめ、資料を添えて第一回期日前に提出する。関係人(祖父母など)の意見聴取を求める場合は、その人が果たしてきた役割も具体的に書く
- 4.聴取の場で要点を簡潔に伝える 嘱託先の裁判所で意見を述べる際は、感情ではなく希望する解決内容とその理由を簡潔に伝える。発言は調停委員会に伝わる前提で、事前に要点をメモにしておく
よくある質問 AI による整理
Q1家事調停の意見聴取の嘱託とは?
調停委員会が、別の家庭裁判所や簡易裁判所に、事件の関係人から紛争解決に関する意見を聴き取るよう依頼する仕組みです(家事事件手続法263条)。
Q2家事調停 欠席したらどうなる?
欠席が続くと自分の言い分が調停に反映されないまま不成立となり、事件によっては審判手続に移ることがあります。欠席前に事情を裁判所へ伝えることが大切です。
Q3家事調停 ウェブ会議で参加できる?
家事事件手続法54条により、裁判所が相当と認めれば電話会議・ウェブ会議の方法で期日の手続を行えます。遠方の場合は書記官に早めに相談しましょう。
Q4家事調停 上申書 書き方は?
事件番号、出頭が難しい具体的理由、希望する参加方法(ウェブ会議や地元での意見聴取)を簡潔に書き、診断書や勤務表などの裏付け資料を添えます。
Q5簡易裁判所で家事調停の意見を聴いてもらえる?
263条は嘱託先に簡易裁判所を含めています。家庭裁判所の本庁・支部が遠い地域でも、地元の簡裁で意見聴取が行われる可能性があります。
Q6嘱託で話した内容は相手に知られる?
聴取結果は調停委員会に伝えられ、判断材料になりえます。家事調停記録は裁判所の許可を得て閲覧・謄写されうるため(254条)、相手に伝わる前提で話すべきです。
Q7家事調停 移送 申立て できる?
事件自体を別の裁判所へ移す移送は9条の要件に従い裁判所が判断します。移送が難しい場合でも、意見聴取の嘱託やウェブ会議という別経路があります。
Q8家事調停委員とは?
最高裁判所が任命する非常勤の職員で、裁判官とともに調停委員会を構成し、当事者の話を聴いて合意形成を助けます。受託裁判所で意見聴取を担うこともあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1遠くに住んでて行けないんですけど、調停って地元の裁判所で受けられないんですか?
事件そのものを地元に移すには移送(9条)の判断が必要で、簡単ではない。ただ、意見を伝える場面に限れば、調停委員会が地元の家庭裁判所や簡易裁判所に聴取を嘱託できる(263条)。実務のポイント:実務では、まず電話会議やウェブ会議(54条)で足りるかが検討されやすい。「移送してほしい」とだけ書くより、「ウェブ参加、それが難しければ地元での意見聴取を」と段階をつけて頼むほうが通りやすい
Q2おばあちゃんが孫をずっと育ててきたんです。本人じゃないけど、意見を聞いてもらえますか?
263条の対象は「事件の関係人」なので、当事者でない親族も含まれうる。遠方に住んでいれば、その地域の裁判所に聴取を嘱託するという選択肢もある。実務のポイント:誰の意見を聞くかは調停委員会の裁量なので、「祖母が〇年間、日常の養育をしてきた」という事実を、保育園の連絡帳などの資料と一緒に示すと、聴く必要があると判断されやすくなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「遠くて行けないから、調停は欠席するしかない」と考えるのは、問いの立て方が間違っている。本当に考えるべきは「自分の意見を、どの経路で調停委員会に届けるか」である。電話会議・ウェブ会議(54条)、書面の提出、263条の嘱託と、選べる経路は一つではない
- 嘱託による意見聴取があることを知っていても、「どうせ形だけ」と甘く見る人は多い。だが聴き取った内容は調停委員会に伝えられ、話し合いの方向を左右しうる。遠方の調停委員の前でうっかり感情的に話したことも、そのまま東京の調停委員会に届くと考えておくべきだ
- 当事者から見れば「意見を聞いてもらう権利」に見えるが、法律上は調停委員会が「できる」ことにすぎない。請求権ではなく裁量である。この落差を知らずに「当然やってくれる」と待っている間に期日は進み、不成立の判断が近づいていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 何をする規定か | 263条:関係人から紛争解決に関する意見を聴取するよう他の裁判所に嘱託 | 54条:電話会議・ウェブ会議の方法で期日の手続を行う 61条:他の家庭裁判所等に事実の調査を嘱託 |
| 主体 | 調停委員会 | 家庭裁判所(相当と認めるとき) 家庭裁判所 |
| 得られるもの | 関係人の「意見」 | 遠隔地からの手続参加そのもの 判断の基礎となる「事実」 |
| 当事者の請求権 | なし(調停委員会の裁量) | なし(裁判所の相当性判断) なし(裁判所の裁量) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は家事事件法で調解を定め、他法院への証拠調べの嘱託は民事訴訟法に規定がある。本条のような調解段階の意見聴取専用規定との対応関係は要確認
ドイツは裁判所間の共助(Rechtshilfe)を一般的に定め、家事事件でも他裁判所の裁判官による聴取が利用される
フランスは国内の嘱託(commission rogatoire interne)により他の裁判所に審理行為を依頼できる
米国では子の監護事件について、他州での証言録取や裁判所間の協力を統一法で定めている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 別居した配偶者が東京家裁に婚姻費用の調停を申し立てた。あなたは転勤先の札幌で夜勤のある仕事をしており、平日に何度も東京まで通えば仕事を失いかねない。欠席を重ねれば話し合いの場に自分の言い分が一度も出ないまま不成立、審判へ進む。欠席する前に、裁判所へ事情を書面で伝えておくことが分かれ道になる
- 親権をめぐる調停で、子を三年間実際に育ててきた祖母は離島に住んでいて、高齢なので本土の家庭裁判所まで来られない。祖母の意見を聞かないまま、調停は進んでしまうのだろうか? 近くの家庭裁判所や簡易裁判所で祖母の意見を聴いてもらうよう嘱託する道が、条文上ある
- あなたは申し立てられた側。相手方の親族が地元の裁判所で「意見」を述べ、その内容が調停委員会に届いた。遠くで話された言葉も、あなたの調停の判断材料になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 期日通知が届いたら、出頭が難しい具体的な理由(距離、勤務、病気、介護、DV の不安)を整理し、診断書や勤務表などの資料をそろえる2. 担当の書記官に電話で相談し、ウェブ会議や電話会議(54条)で参加できるか、地元の裁判所で意見を聴いてもらえるか(263条)を確認する3. 上申書で希望する方法と理由を書面にして出す4. 聴取の場では感情ではなく、希望する解決の内容と理由を簡潔に伝える
訴えられた側:1. 相手方や関係者が遠方で意見聴取を受けると分かったら、その内容が調停委員会に伝わる前提で、反論したい点を書面にまとめる2. 聴取結果の記録を見たいときは、記録の閲覧・謄写の許可申請(254条)を検討する3. 「遠方の人の意見」一つに流されないよう、自分の主張の裏付け資料(養育の実績、収入資料など)を期日ごとに出す
時効(請求できる期限):本条に固有の時効や期限はない。ただし調停は期日ごとに進み、欠席が続くと不成立で終わり、審判に移ることがある。婚姻費用や養育費は、実務上、調停を申し立てた時点からの分が認められることが多いので、手続の遅れはそのまま金額に響きうる(最新の運用は裁判所に確認すること)
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)制定、平成25年(2013年)1月1日施行 家事審判法に代わって家事事件手続法が制定され、調停委員会による意見の聴取の嘱託が本条に定められた。その後の IT 化関連改正で本条の文言が変わったかどうかは、人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成23年(2011年) 新設:家事審判法に代わる家事事件手続法(平成23年法律第52号)の制定に伴い、調停委員会による意見聴取の嘱託が本条に定められた。平成25年(2013年)1月1日施行。その後の改正による文言変更の有無は要確認
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