銀行法 第2条(定義等)
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- この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。
- 2.この法律において「銀行業」とは、次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
- 一預金又は定期積金の受入れと資金の貸付け又は手形の割引とを併せ行うこと。
- 二為替取引を行うこと。
- 3.この法律において「定期積金」とは、期限を定めて一定金額の給付を行うことを約して、定期に又は一定の期間内において数回にわたり受け入れる金銭をいう。
- 4.この法律において「定期積金等」とは、定期積金のほか、一定の期間を定め、その中途又は満了の時において一定の金額の給付を行うことを約して、当該期間内において受け入れる掛金をいう。
- 5.この法律において「預金者等」とは、預金者及び定期積金の積金者(前項に規定する掛金の掛金者を含む。)をいう。
- 6.この法律において「総株主等の議決権」とは、総株主又は総出資者の議決権(株式会社にあつては、株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項(特別清算事件の管轄)の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)をいう。
- 7.この法律において「株式等」とは、株式又は持分をいう。
- 8.この法律において「子会社」とは、会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社をいう。この場合において、会社及びその一若しくは二以上の子会社又は当該会社の一若しくは二以上の子会社がその総株主等の議決権の百分の五十を超える議決権を保有する他の会社は、当該会社の子会社とみなす。
- 9.この法律において「主要株主基準値」とは、総株主の議決権の百分の二十(会社の財務及び営業の方針の決定に対して重要な影響を与えることが推測される事実が存在するものとして内閣府令で定める要件に該当する者が当該会社の議決権の保有者である場合にあつては、百分の十五)をいう。
- 10.この法律において「銀行主要株主」とは、銀行の主要株主基準値以上の数の議決権の保有者(他人(仮設人を含む。)の名義をもつて保有する者を含む。以下同じ。)であつて、第五十二条の九第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第二項ただし書の認可を受けているものをいう。
- 11.第八項又は前項の場合において、会社又は議決権の保有者が保有する議決権には、金銭又は有価証券の信託に係る信託財産として所有する株式等に係る議決権(委託者又は受益者が行使し、又はその行使について当該会社若しくは当該議決権の保有者に指図を行うことができるものに限る。)その他内閣府令で定める議決権を含まないものとし、信託財産である株式等に係る議決権で、当該会社又は当該議決権の保有者が委託者若しくは受益者として行使し、又はその行使について指図を行うことができるもの(内閣府令で定める議決権を除く。)及び社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第百四十七条第一項又は第百四十八条第一項の規定により発行者に対抗することができない株式に係る議決権を含むものとする。
- 12.この法律において「持株会社」とは、子会社(国内の会社に限る。)の株式等の取得価額(最終の貸借対照表において別に付した価額があるときは、その価額)の合計額の総資産の額(内閣府令で定める方法による資産の合計金額をいう。)から内閣府令で定める資産の額(内閣府令で定めるところにより算出した額をいう。)を除いた額に対する割合が百分の五十を超える会社をいう。
- 13.この法律において「銀行持株会社」とは、銀行を子会社とする持株会社であつて、第五十二条の十七第一項の認可を受けて設立され、又は同項若しくは同条第三項ただし書の認可を受けているものをいう。
- 14.この法律において「銀行代理業」とは、銀行のために次に掲げる行為のいずれかを行う営業をいう。
- 一預金又は定期積金等の受入れを内容とする契約の締結の代理又は媒介
- 二資金の貸付け又は手形の割引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
- 三為替取引を内容とする契約の締結の代理又は媒介
- 15.この法律において「銀行代理業者」とは、第五十二条の三十六第一項の内閣総理大臣の許可を受けて銀行代理業を営む者をいう。
- 16.この法律において「所属銀行」とは、銀行代理業者が行う第十四項各号に掲げる行為により、同項各号に規定する契約において同項各号の預金若しくは定期積金等の受入れ、資金の貸付け若しくは手形の割引又は為替取引を行う銀行をいう。
- 17.この法律において「電子決済等取扱業」とは、次に掲げる行為を行う営業をいい、「電子決済等関連預金媒介業務」とは、第二号に掲げる行為をいう。
- 一銀行の委託を受けて、当該銀行に代わつて当該銀行に預金の口座を開設している預金者との間で次に掲げる事項のいずれかを電子情報処理組織を使用する方法により行うことについて合意をし、かつ、当該合意に基づき預金契約に基づく債権(以下この号において「預金債権」という。)の額を増加させ、又は減少させること。
- 一当該口座に係る資金を移動させ、当該資金の額に相当する預金債権の額を減少させること。
- 二為替取引により受け取つた資金の額に相当する預金債権の額を増加させること。
- 二その行う前号に掲げる行為に関して、同号の銀行(以下「委託銀行」という。)のために預金の受入れを内容とする契約の締結の媒介を行うこと。
- 18.この法律において「電子決済等取扱業者」とは、第五十二条の六十の三の登録を受けて電子決済等取扱業を営む者をいう。
- 19.この法律において「外国電子決済等取扱業者」とは、この法律に相当する外国の法令の規定により当該外国において第五十二条の六十の三の登録と同種類の登録(当該登録に類するその他の行政処分を含む。)を受けて電子決済等取扱業を営む者又は当該外国の法令に準拠してこれに相当する業務を営む者をいう。
- 20.この法律において「認定電子決済等取扱事業者協会」とは、第五十二条の六十の二十五の規定による認定を受けた一般社団法人をいう。
- 21.この法律において「電子決済等代行業」とは、次に掲げる行為(第一号に規定する預金者による特定の者に対する定期的な支払を目的として行う同号に掲げる行為その他の利用者の保護に欠けるおそれが少ないと認められるものとして内閣府令で定める行為を除く。)のいずれかを行う営業をいう。
- 一銀行に預金の口座を開設している預金者の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該口座に係る資金を移動させる為替取引を行うことの当該銀行に対する指図(当該指図の内容のみを含む。)の伝達(当該指図の内容のみの伝達にあつては、内閣府令で定める方法によるものに限る。)を受け、これを当該銀行に対して伝達すること。
- 二銀行に預金又は定期積金等の口座を開設している預金者等の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて、電子情報処理組織を使用する方法により、当該銀行から当該口座に係る情報を取得し、これを当該預金者等に提供すること(他の者を介する方法により提供すること及び当該情報を加工した情報を提供することを含む。)。
- 22.この法律において「電子決済等代行業者」とは、第五十二条の六十一の二の登録を受けて電子決済等代行業を営む者をいう。
- 23.この法律において「認定電子決済等代行事業者協会」とは、第五十二条の六十一の十九の規定による認定を受けた一般社団法人をいう。
- 24.この法律において「指定紛争解決機関」とは、第五十二条の六十二第一項の規定による指定を受けた者をいう。
- 25.この法律において「銀行業務」とは、銀行が第十条及び第十一条の規定により営む業務並びに担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)その他の法律により営む業務並びに当該銀行のために銀行代理業を営む者が営む銀行代理業をいう。
- 26.この法律において「電子決済等取扱業務」とは、電子決済等取扱業者が営む第十七項各号に掲げる行為に係る業務をいう。
- 27.この法律において「銀行業務等」とは、銀行業務又は電子決済等取扱業務をいう。
- 28.この法律において「苦情処理手続」とは、銀行業務等関連苦情(銀行業務等に関する苦情をいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十二において同じ。)を処理する手続をいう。
- 29.この法律において「紛争解決手続」とは、銀行業務等関連紛争(銀行業務等に関する紛争で当事者が和解をすることができるものをいう。第五十二条の六十七、第五十二条の六十八及び第五十二条の七十三から第五十二条の七十五までにおいて同じ。)について訴訟手続によらずに解決を図る手続をいう。
- 30.この法律において「紛争解決等業務」とは、苦情処理手続及び紛争解決手続に係る業務並びにこれに付随する業務をいう。
- 31.この法律において「紛争解決等業務の種別」とは、紛争解決等業務に係る銀行業務及び電子決済等取扱業務の種別をいう。
- 32.この法律において「手続実施基本契約」とは、紛争解決等業務の実施に関し指定紛争解決機関と銀行業関係業者(銀行又は電子決済等取扱業者をいう。以下同じ。)との間で締結される契約をいう。
この条文の基本情報
定義等とは何ですか?
定義定義等とは、銀行法第2条に定められた規定で、「この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 銀行法第2条(定義等)は、日本の銀行法に含まれる条文です。
- 銀行法第2条の条文原文は「この法律において「銀行」とは、第四条第一項の内閣総理大臣の免許を受けて銀行業を営む者をいう。」で始まります。
- 銀行法第2条は第一章 総則に置かれています。
- 銀行法の公布日は昭和56年6月1日です。
- 銀行法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 銀行法第2条の前の条は銀行法第1条です。
- 銀行法第2条の次の条は銀行法第3条です。
- 銀行法第2条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第2条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/356AC0000000059 - 本サイト収録
銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)第2条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/356AC0000000059/2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点銀行法2条2項は銀行業を、預金の受入れと資金の貸付けを併せ行うこと、または為替取引を行うことと定義する。為替取引は単独でも銀行業に当たる。
Q · 預金も貸付けもしていない送金サービスでも、銀行法の規制を受けるの?
受けます。為替取引の単独提供も銀行業です
銀行法2条2項は銀行業を二類型で定義します。1号は「預金又は定期積金の受入れ」と「資金の貸付け又は手形の割引」を併せ行うこと、2号は「為替取引を行うこと」です。2号は単独で銀行業に該当するため、預金を集めず一円も貸していなくても、他人の依頼で資金を移動させる仕組みを業として提供すれば銀行業の定義に入ります。免許がなければ同法4条1項違反となり、受け皿としては資金決済に関する法律2条2項の資金移動業登録があります。
解説
32項にわたる定義の羅列。読み飛ばしたくなるが、ここで引かれているのは「免許なしに触れたら犯罪になる領域」の外周線である。効き目が一番鋭いのは2項だ。「預金の受入れ」と「資金の貸付け」を併せ行えば銀行業、そして為替取引は、それ単独で銀行業になる。つまり、他人の依頼を受けて資金を動かす仕組みを業として提供すれば、預金も集めず一円も貸していなくても、あなたの事業は銀行業の定義に入る。受け皿として資金決済に関する法律2条2項の資金移動業登録が用意されているが、免許も登録もなければ4条1項違反で刑事罰の射程だ。逆に21項を読めば、あなたがスマホに入れている家計簿アプリが銀行法の登録業者であることも分かる。定義条文は、誰が金融庁の監督下にいるかの名簿である。
法的な位置づけ
銀行法2条は、同法で用いる用語の定義規定である。1項は銀行を「4条1項の免許を受けて銀行業を営む者」と定め、2項は銀行業を、預金等の受入れと資金の貸付け等を併せ行う営業、または為替取引を行う営業と定義する。以下、銀行代理業、電子決済等取扱業、電子決済等代行業、指定紛争解決機関等の定義が置かれる。
よくある質問 AI による整理
Q1銀行業の定義とは?
銀行法2条2項が定めます。預金等の受入れと資金の貸付け等を併せ行う営業、または為替取引を行う営業の二類型で、後者は単独で該当します。
Q2為替取引とは何ですか?
顧客から離れた隔地者間の資金移動を、現金を直接輸送せずに行う仕組みを引き受けることを指します。銀行法2条2項2号により単独で銀行業に当たります。
Q3送金代行は違法ですか?
業として行えば銀行法2条2項2号の銀行業に当たり、免許も資金移動業登録もなければ4条1項違反となり刑事罰の射程に入ります。
Q4電子決済等代行業の登録は必要ですか?
銀行法2条21項の行為(送金指図の伝達、口座情報の取得提供)を業として行う場合、52条の61の2の登録が必要です。
Q5銀行代理業の許可はどこで取れますか?
内閣総理大臣の許可(銀行法52条の36第1項)で、実務上は金融庁・財務局が窓口です。2条14項の代理・媒介行為が対象です。
Q6銀行の子会社の基準は何%ですか?
銀行法2条8項により、総株主等の議決権の50% 超を保有する会社が子会社です。孫会社も子会社とみなされます。
Q7主要株主基準値はいくつですか?
銀行法2条9項で総株主の議決権の20% です。重要な影響を与えることが推測される内閣府令の要件に該当する場合は15% に下がります。
Q8銀行とトラブルになったらどこに相談できますか?
銀行法2条24項の指定紛争解決機関に苦情処理手続・紛争解決手続を申し立てられます。銀行は32項の手続実施基本契約で応諾義務を負います。
この条文についての質問 AI による整理
Q1友達の分をまとめて海外に送金してあげて、手数料を少しもらう。これもダメなんですか?
継続的・反復的に「業として」行えば、2項2号の為替取引に当たり、銀行免許または資金決済に関する法律2条2項の資金移動業登録が必要になります。一回の親切と営業の境目は、反復性と対価性です。実務のポイント:摘発の引き金は金額の大きさより「口座の回転」です。第三者の資金が自分の口座を通過した記録は銀行の異常検知に必ず残り、刑事事件になる前に口座凍結が先に来る。この順序を知っていれば、そもそも手を出さない
Q2銀行と揉めていますが、弁護士を立てて訴訟するしかないんでしょうか?
24項の指定紛争解決機関(銀行業では全国銀行協会)に、苦情処理手続と紛争解決手続を申し立てられます。銀行側は32項の手続実施基本契約により手続への応諾義務と資料提出義務を負うため、無視という選択ができません。実務のポイント:この手続は原則無料で、しかも担当が支店から本部の専門部署に移ります。窓口で三か月押し問答するより、申立ての意思を伝えた時点で交渉相手の権限が変わる
Q3家計簿アプリに銀行口座を連携させるのって、安全なんですか?
21項2号の電子決済等代行業に該当する事業者は52条の61の2の登録が必要で、金融庁の登録簿で確認できます。登録業者には銀行との契約締結や情報の取扱方針の公表が課されています。実務のポイント:2017年の改正以降、正規業者はネットバンキングの ID とパスワードを預かる方式から API 接続へ移りました。今でも ID とパスワードの直接入力を求めてくるサービスは、銀行との契約か登録のどちらかが欠けている可能性を疑う余地がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「銀行を名乗らなければ銀行法は関係ない」という理解は逆である。1項は名称ではなく免許と業務実態で銀行を定義し、2項は行為の中身だけを見る。「○○ペイ」「○○ウォレット」と名乗ろうが、為替取引を業として行えば銀行業の定義に入る。名前を工夫することは、定義から逃げる手段にならない。
- 「預金を集めるだけで貸し出さなければ銀行業ではない」。2項1号の読み方としては、これは正しい。深刻なのはその先である。出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律2条が「業として預り金をしてはならない」と別枠で禁じており、銀行業に当たらないことは安全を意味しない。定義の外に出た瞬間、別の法律の射程に入る構造になっている。
- 「自分は少額だから規制対象外か」という問いの立て方そのものが誤っている。2項は金額の閾値を一切置いていない。少額かどうかが効くのは資金決済に関する法律の資金移動業の類型分けの話で、銀行業該当性は取扱額が小さくても成立する。金額は「免許か登録か」の分岐で効くのであって、「規制されるかどうか」の分岐では効かない。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規制の門 | 2条2項の銀行業 → 4条1項の免許 | 2条14項の銀行代理業 → 52条の36第1項の許可 2条21項の電子決済等代行業 → 52条の61の2の登録 |
| 行為の中身 | 自ら預金受入れ+貸付け、または自ら為替取引を行う | 銀行のために契約締結の代理または媒介を行う 送金指図の伝達、または口座情報の取得と提供を行う |
| 資金の保有 | 利用者資金を自ら受け入れる | 資金は所属銀行が受け入れる(2条16項) 資金に触れず情報と指図のみを扱う |
| 審査の重さ | 免許制で最も重い。資本金・体制・収支見込みを審査 | 許可制。所属銀行の指導監督が前提 登録制。銀行との契約締結と方針公表が要件 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は銀行の種類を法定し、第29条で非銀行による預金受入れ・国内外為替業務を包括的に禁止する。日本のように「為替取引の単独提供=銀行業」と定義で切り出す構造ではなく、禁止規定側で射程を確保する
韓国も定義規定で銀行業を画定するが、為替業務の位置づけと電子金融取引法との切り分けが日本と異なる(詳細は要検証)
ドイツは Bankgeschäfte を列挙型で定義し、預金業務・与信業務・決済業務等を並列に置く。日本2条2項の二類型より列挙が細分化されている
米国は連邦法の bank 定義に加え、送金業は州ごとの money transmitter license で規律される。日本のように単一の国法で為替取引を銀行業に取り込む構造ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし、あなたが留学生コミュニティ向けに「手数料2% で母国へ送金します」というサービスを始めたとしたら? 預金も貸付けもしていないから金融業ではない、という感覚は法的に通らない。為替取引の単独提供は2項2号の銀行業であり、資金移動業の登録もなければ4条1項違反になる。
- 自社アプリに利用者の銀行口座残高を読み取る機能を載せる。開発は完了し、公開まであと10日。この機能は21項2号の電子決済等代行業に当たり、52条の61の2の登録が必要になる可能性が高い。登録審査は数か月単位である。リリース日を動かすか機能を切るか、その判断を今週のうちに下すしかない。
- 住宅ローンの相談に乗ってくれた不動産会社の担当者が、そのまま銀行のローン契約の申込書まで取りまとめていた。これは14項2号の銀行代理業に当たる行為で、52条の36第1項の許可がなければ無許可営業である。後でトラブルになったとき、その担当者が許可業者かどうかは金融庁の登録簿で確認できる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が正規業者かを金融庁の免許・許可・登録一覧で照合する。銀行、銀行代理業者、電子決済等代行業者、資金移動業者のいずれにも載っていなければ無免許・無登録営業の疑いが立つ2. 送金記録、チャット履歴、手数料の合意内容を全部保存する3. 無登録業者なら警察(生活安全部門)と金融庁の金融サービス利用者相談室へ同時に情報提供する4. 相手が正規の銀行なら、訴訟の前に24項の指定紛争解決機関へ申立てる。申立ての費用は原則無料である
訴えられた側:1. 自社の金の流れ図を一本ずつ引き、2項の「預金受入れと貸付けを併せ行う」か「為替取引」に触れる線がないか潰す2. 為替取引に触れるなら、銀行免許ではなく資金決済に関する法律の資金移動業登録という受け皿が使えるか検討する3. 判断がグレーなら金融庁の法令適用事前確認手続(ノーアクションレター)で書面の見解を取る。後の主観的要素の争いで決定的な材料になる4. すでに提供中なら、まずサービス停止と利用者資金の分別保管を先行させる。提供継続は加重要素として扱われる
時効(請求できる期限):無免許での銀行業の営みは銀行法61条の罰則の射程にあり、法定刑は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の範囲で、公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項)。継続的に営業していた場合は最終行為時から起算される。利用者側の損害賠償請求は民法166条(債権5年または10年)または724条(不法行為は知った時から3年、行為時から20年)。指定紛争解決機関への申立てに法定期限はないが、銀行側の取引記録の保存期間が実務上の壁になる(刑罰の額は最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成9年(1997年)前後 銀行持株会社制度の導入に伴い、持株会社および銀行持株会社の定義が追加された(施行年次は要検証)
- 平成13年(2001年) 主要株主規制の導入により、主要株主基準値および銀行主要株主の定義が新設され、議決権20%(一定要件下は15%)という敷居が条文上に置かれた
- 平成17年(2005年) 銀行代理店制度が銀行代理業へ改組され、銀行代理業・銀行代理業者・所属銀行の定義が新設された
- 平成21年(2009年) 金融 ADR 制度の導入により、指定紛争解決機関・苦情処理手続・紛争解決手続・手続実施基本契約の定義が新設された
- 平成29年(2017年) オープン API 対応として電子決済等代行業および電子決済等代行業者の定義が新設され、家計簿アプリ等の口座情報取得が登録制の下に置かれた
- 令和2年(2020年) 電子決済等取扱業、電子決済等関連預金媒介業務などの定義が新設され、銀行に代わって預金債権額を増減させる事業が登録制の対象になった
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