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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律 第116条(理事が自己のためにした取引に関する特則)

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  1. 第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。)をした理事の第百十一条第一項の責任は、任務を怠ったことが当該理事の責めに帰することができない事由によるものであることをもって免れることができない。
  2. 2.前三条の規定は、前項の責任については、適用しない。

この条文の基本情報

理事が自己のためにした取引に関する特則とは何ですか?

定義理事が自己のためにした取引に関する特則とは、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条に定められた規定で、「第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条(理事が自己のためにした取引に関する特則)は、日本の一般社団法人及び一般財団法人に関する法律に含まれる条文です。
  2. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条の条文原文は「第八十四条第一項第二号の取引(自己のためにした取引に限る。」で始まります。
  3. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条は第八款 役員等の損害賠償責任に置かれています。
  4. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の公布日は平成18年6月2日です。
  5. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条の前の条は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第115条です。
  7. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条の次の条は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第117条です。
  8. 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第116条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000048
  • 本サイト収録一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成十八年法律第四十八号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000048/116

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点一般法人法116条は、自己のために法人と直接取引した理事の損害賠償責任について無過失の抗弁を封じ、113条から115条の責任軽減も適用しないと定める。

Q · 一般社団法人の理事が自分で法人と取引して損が出たら、承認を取っていても責任を負うの?

負う。無過失の反論は通らず、一部免除も使えない

一般法人法116条1項により、84条1項2号の取引のうち自己のためにした取引をした理事は、111条1項の損害賠償責任について「自分に帰責事由はない」という理由で責任を免れることができません。理事会等の承認を得ていても同じです。さらに同条2項により、113条の一部免除、114条の定款に基づく免除、115条の責任限定契約はいずれも適用されず、残る免除の道は112条の総社員の同意による全部免除だけです。

解説

無報酬で引き受けた業界団体や学会の理事。その法人に自分名義のビルを貸す、自分が持っている機材を売る。理事会の承認さえ取れば終わり、と思っているなら、116条はその想定を一段飛び越える。84条1項2号の取引のうち「自己のためにした取引」、つまりあなた自身の計算で法人と直接取引した場合、111条1項の損害賠償責任について「自分に落ち度はなかった」という反論が封じられる。承認を得ていても、価格が相場どおりのつもりでも、法人に損害が出れば責任は残る。無過失責任である。さらに2項が効く。通常なら使える責任の一部免除(113条)、定款に基づく理事会等での免除(114条)、責任限定契約(115条)が、この責任にだけは一切使えない。理事の責任という広い地面の中で、ここだけが逃げ道を塞がれた一区画になっている。なお一般財団法人の理事にも同じ規律が準用される。

法的な位置づけ

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律116条は、理事の自己取引に関する責任の特則である。84条1項2号の直接取引のうち自己のためにした取引を行った理事について、111条1項の任務懈怠責任を無過失責任とし、113条から115条に定める責任の一部免除、定款に基づく免除および責任限定契約の適用を排除する。一般財団法人の理事にも準用される。

よくある質問 AI による整理

Q1一般社団法人の理事の自己取引とは何ですか?

理事が自分自身を当事者として法人と売買・賃貸借などの取引をすることです。一般法人法84条1項2号が規律し、社員総会(理事会設置法人では理事会)の承認が必要です。

Q2一般法人法116条の無過失責任とはどういう意味ですか?

自己のためにした直接取引で法人に損害が生じた場合、理事は「自分に落ち度はなかった」と主張して責任を逃れられないという意味です。損害と因果関係は別途争えます。

Q3無報酬の理事でも自己取引の責任を負いますか?

負います。116条は報酬の有無を問いません。報酬額が意味を持つのは113条の一部免除の場面ですが、116条2項はその113条自体を適用除外にしています。

Q4理事の自己取引の責任は免除できますか?

112条の総社員の同意による全部免除だけが可能です。113条の一部免除、114条の定款に基づく免除、115条の責任限定契約はいずれも使えません。

Q5理事の責任追及はいつまでできますか?

116条自体に期間制限はなく、民法166条1項の一般の消滅時効(知った時から5年、行使できる時から10年)が基準になります。退任しても責任は残ります。

Q6一般財団法人の理事にも116条は適用されますか?

適用されます。一般財団法人の理事についても同様の規律が準用されるため、財団の理事が自己のために財団と直接取引した場合も無過失責任となります。

Q7理事の自己取引は違法ですか?

承認を得れば取引自体は有効に行えます。違法ではありませんが、法人に損害が出た場合の責任が通常より重く、無過失の抗弁と一部免除が封じられる点が特徴です。

Q8D&O 保険で理事の自己取引の賠償はカバーされますか?

一般に、私的な利益に関わる取引に起因する賠償は免責条項で除外されていることが多いです。加入済みでも、保険証券の免責事由欄を必ず確認する必要があります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1理事会でちゃんと承認を取ってるのに、それでも責任を負うんですか?

負う。84条1項の承認は取引を法人との関係で有効にするための手続であり、111条1項の損害賠償責任とは別枠である。116条1項はさらに、自己のためにした直接取引に限って「自分に帰責事由はない」という反論まで封じる。実務のポイント:弁護士が最初に見るのは承認決議の有無ではなく、議事録に取引条件の根拠資料が添付されているかどうかだ。承認の事実は争点にならないが、条件の妥当性は損害額の争点として最後まで生きる

Q2自分の会社を通して取引すれば、116条は避けられるんですか?

条文上は外れる。116条1項の対象は84条1項2号の取引のうち「自己のためにした取引」に限られ、自分が支配する会社を含む第三者のためにした取引は111条の原則に戻り、帰責事由のないことを主張できる。実務のポイント:ただし実質的な利益がその理事本人に帰属する場合に「自己のため」と評価されうるかは、実務上も解釈が分かれている論点である。形式的な名義の付け替えだけに頼った設計は、訴訟で最初に突かれる箇所になる

Q3もう理事を辞めたんですが、それでも請求されますか?

される。111条の責任は在任中の任務懈怠に対するもので、退任によって消滅しない。116条の責任も同じで、体制が変わってから前任者の取引が洗い直される例が多い。実務のポイント:理事の交代期は、新体制が過去の取引を点検する最も典型的なタイミングだ。退任前に、自分が関与した取引の議事録や根拠資料をどこまで閲覧、入手できるか確認しておかないと、数年後に反論材料を何も持たないまま請求を受けることになる

Q4全額は無理でも、いくらか減らしてもらうことはできませんか?

113条の一部免除は116条2項で明文上排除されており、114条の定款による免除も115条の責任限定契約も同様に使えない。制度として残るのは112条の総社員の同意による全部免除だけで、一部だけ削る中間の道がない。実務のポイント:実務では免除ではなく和解という形で実質的な減額に着地させる。ただし社員による責任追及の訴え(いわゆる社員代表訴訟)が絡むと和解にも手続上の制約がかかるため、社員構成を確認してから交渉の型を選ぶ

間違えやすい点 AI による整理

  • 理事会で承認を取れば責任は消えると思われているが、84条1項の承認は取引を法人との関係で有効にするための手続であって、111条の損害賠償責任とは別の話である。承認は責任を消さない。116条はそこに輪をかけて、無過失の主張まで封じる
  • 「自己取引は責任が重い」と知っている理事は多いが、その重さの正体まで知っている人は少ない。重いのは金額の上限でも刑罰でもなく、免除ルートの本数である。通常の任務懈怠責任なら最終的に報酬を基準とした最低責任限度額まで圧縮できるが、116条の責任にはその圧縮弁がない。全額か、総社員の同意による全部免除か、中間がない
  • 「自分は無報酬だから責任も軽いはずだ」という問いの立て方そのものがずれている。報酬の有無が効いてくるのは113条の一部免除(最低責任限度額が報酬額を基準に算定される)の場面であり、116条2項はその113条を適用除外にしている。無報酬であることは、この責任については有利にも不利にも働かない
比較の観点この条文ほかの条文
責任の性質116条:自己のためにした直接取引は無過失責任(帰責事由なしの抗弁不可)111条:任務懈怠による過失責任(帰責事由なしを主張できる)
84条:取引の承認手続を定めるのみで、責任そのものは規定しない
対象となる取引84条1項2号の取引のうち自己のためにした取引に限る理事の任務懈怠全般(第三者のための取引・間接取引を含む)
競業取引・直接取引・間接取引(84条1項1〜3号)
免除・責任軽減の可否112条の総社員の同意による全部免除のみ。113〜115条は適用除外112条の全部免除に加え、113条・114条・115条の軽減が使える
(取引規制の条文のため該当なし)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第223条・財團法人法

台湾は董事の自己取引を監察人の代表等の手続で規律し、財団法人には利益迴避規定を置くが、日本のような無過失責任と免除排除の明文は見当たらない

韓国
상법 제398조

韓国は取締役等と会社の取引に取締役会の事前承認を要求する。非営利法人は民法64条の特別代理人制度で利益相反に対処する

ドイツ
BGB § 181・§ 31a

ドイツは自己契約を原則として制限しつつ、無償の理事には軽過失の責任を軽減する規定を置く。無報酬理事への配慮の方向が日本と対照的

アメリカ
Revised Model Nonprofit Corporation Act, Subchapter 8F

米国モデル法は利益相反取引について開示と独立した承認によるセーフハーバーを設け、手続を踏めば責任追及を制限する構造をとる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 理事を務める業界団体が事務所を移転することになり、あなた名義のビルを貸す話がまとまった。次の理事会は7日後。承認決議さえ通れば安全だと思っているが、賃料が後に「相場より高かった」と評価されれば、承認があっても116条の責任は残る。残り7日でやるべきは決議の根回しではなく、相見積もりと賃料査定を議事録の添付資料として確定させる作業だ
  • 理事が自分の会社を通さず、個人として法人に物を売ったらどうなる? 84条1項2号の「自己のためにした取引」に当たり、116条の無過失責任の射程に入る。同じ物を自分が支配する会社の名義で売れば「第三者のためにした取引」となり、116条1項は適用されず111条の原則に戻る。名義一つで責任の構造が変わる
  • 退任した元理事に、法人から請求書が届く。在任中に法人から譲り受けた備品の値段が安すぎた、という理由だ。辞めた後でも、在任中の自己取引の責任は追いかけてくる
  • 一般社団法人の社員(会員)として総会に出たあなたの手元に、「前理事の責任を免除する」議案が回ってきた。116条の責任は113条の一部免除が使えないため、この議案は総社員の同意(112条)でしか成立しない。あなた一人が反対すれば、免除は通らない
  • 法人から訴えられた元理事の側に立ってみる。「取引条件は市場価格どおりで、理事会の承認も得ていた」という主張は、116条の下では免責事由にならない。争える余地が残るのは「法人に損害が生じたか」「因果関係があるか」「そもそも自己のためにした取引か」の三点だけだ

取るべき行動

被害を受けた側:法人側または社員側として動く場合。1. 対象取引が84条1項2号の直接取引か、3号の間接取引かを切り分ける。116条が使えるのは2号のうち理事自身の計算による取引だけ2. 理事会議事録、契約書、支払記録を確保し、取引条件と市場価格の差額を損害として数値化3. 116条の下では理事側の無過失主張が封じられるため、立証の軸を「損害の発生と額」に集中させる4. 免除議案が出たら、113条が使えない以上、総社員の同意が必要である点を総会で明示する

訴えられた側:1. まず自分の取引が「自己のためにした取引」か「第三者のためにした取引」かを法的に評価する。後者なら116条1項は適用されず、帰責事由のないことを主張できる2. 116条が適用される前提でも、損害の発生、額、因果関係は争点として残る。取引当時の相場資料、鑑定、代替案の比較を集める3. 一部免除は封じられているため、現実的な着地は総社員の同意による免除か、和解による実質的減額の二本4. 社員数と構成を早期に確認し、どちらの型で交渉するかを先に決める

時効(請求できる期限):116条自体に特別の期間制限はなく、111条1項の責任には一般の消滅時効(民法166条1項、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年)が適用される。起算点は原則として当該取引により法人に損害が生じ、法人が賠償を請求できる状態になった時。理事を退任しても在任中の責任は消えず、時効期間の経過だけが防御線になる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

解釈上の論点:116条1項の「自己のためにした取引」の範囲について、形式的な名義を基準とするか、実質的な利益の帰属(計算)を基準とするかで解釈が分かれうる。自ら支配する会社名義の取引が含まれるかは実務上の争点となる

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)制定時 一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の制定により置かれた規定で、株式会社の取締役に関する会社法428条と同一構造の加重責任を非営利法人の理事へ移した。その後の改正の有無および内容は未検証のため、人的確認が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)の制定により新設。会社法428条と同一構造の自己取引責任の特則を一般社団・財団法人の理事に導入した

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一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の全文を見る所属する編章節を開く:第八款 役員等の損害賠償責任

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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