家事事件手続法 第116条
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- 裁判所書記官は、次に掲げる場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者又は登記所に対し、戸籍の記載又は後見登記等に関する法律(平成十一年法律第百五十二号)に定める登記を嘱託しなければならない。ただし、戸籍の記載又は同法に定める登記の嘱託を要するものとして最高裁判所規則で定めるものに限る。
- 一別表第一に掲げる事項についての審判又はこれに代わる裁判が効力を生じた場合
- 二審判前の保全処分が効力を生じ、又は効力を失った場合
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 家事事件手続法第116条は、日本の家事事件手続法に含まれる条文です。
- 家事事件手続法第116条の条文原文は「裁判所書記官は、次に掲げる場合には、最高裁判所規則で定めるところにより、遅滞なく、戸籍事務を管掌する者又は登記所に対し、戸籍の記載又は後見登記等に関する法律(平…」で始まります。
- 家事事件手続法第116条は第五節 戸籍の記載等の嘱託に置かれています。
- 家事事件手続法の公布日は平成23年5月25日です。
- 家事事件手続法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 家事事件手続法第116条の前の条は家事事件手続法第115条です。
- 家事事件手続法第116条の次の条は家事事件手続法第117条です。
- 家事事件手続法第116条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第116条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/423AC0000000052 - 本サイト収録
家事事件手続法(平成二十三年法律第五十二号)第116条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/423AC0000000052/116
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点家事事件手続法116条は、後見開始など別表第一の審判や保全処分が効力を生じたとき、裁判所書記官が戸籍の記載や後見登記を嘱託すると定める。対象は最高裁判所規則で限定される。
Q · 家庭裁判所の審判が出たら、戸籍や登記は自動で書き換わるの?
対象の審判なら書記官が嘱託する。氏の変更などは自分で届出が必要
家事事件手続法116条により、後見開始などの別表第一の審判や審判前の保全処分が効力を生じると、裁判所書記官が戸籍事務を扱う市区町村長や登記所に記載・登記を嘱託します。ただし対象は最高裁判所規則で定める事項に限られます。氏の変更許可(戸籍法107条)や調停・審判による親権者変更(戸籍法79条)などは、当事者が自分で届け出なければ戸籍は変わりません。
解説
家庭裁判所の審判書を受け取っただけでは、手続きはまだ終わっていない。戸籍や登記に結果が載って、はじめて銀行や役所がその結果を前提に動く。家事事件手続法116条は、その「載せる作業」を誰がやるかを決めている。後見開始や親権喪失などの審判が効力を生じると、裁判所書記官(裁判所の手続き事務を担う職員)が、戸籍を扱う市区町村長や登記所に「記載・登記してほしい」と直接依頼する。この依頼を嘱託という。あなたが役所に届け出る必要はない。ただし対象になるのは、最高裁判所規則で指定された事項だけである。たとえば氏の変更の許可を受けても、自分で届け出なければ戸籍の氏は変わらない。調停離婚後の親権者変更も同じで、自分で届け出る必要がある。自分の審判が「裁判所が載せてくれる類型」なのか「自分で届け出る類型」なのか。ここを取り違えると、許可をもらったのに何も変わっていない状態が何か月も続くことになる。
法的な位置づけ
家事事件手続法116条は、戸籍記載等の嘱託を定める規定であり、別表第一に掲げる事項についての審判又はこれに代わる裁判、及び審判前の保全処分が効力を生じ又は失った場合に、裁判所書記官が戸籍事務管掌者又は登記所へ戸籍の記載又は後見登記等を嘱託する義務を定める。対象は最高裁判所規則で限定される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.審判書受領時に嘱託か届出かを確認 審判書を受け取ったら、その場で書記官に「この審判は嘱託対象か、当事者の届出が必要か」を確認する。氏の変更許可や親権者変更など届出型であれば、必要書類と届出先を聞いておく
- 2.確定証明書を申請する 即時抗告ができる審判は確定まで効力を生じない(家事事件手続法74条)。告知から2週間経過後、家庭裁判所に確定証明書を申請し、確定日を把握する
- 3.登記・戸籍への反映を確認する 嘱託対象の場合、確定後に書記官が戸籍事務管掌者又は登記所へ嘱託する。後見登記なら東京法務局に登記事項証明書を請求し、反映を確認する
- 4.届出型は期限内に自分で届け出る 嘱託対象でない審判は、戸籍法の定めに従い市区町村に届け出る。親権者変更など届出期間がある類型は、確定から10日以内などの期限に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍記載の嘱託とは何ですか?
裁判所書記官が、審判の結果を戸籍に記載するよう市区町村長に直接依頼する手続です。家事事件手続法116条が根拠で、当事者の届出は不要です。
Q2後見登記はいつ完了しますか?
後見開始の審判は即時抗告期間2週間の経過で確定し、その後に書記官が東京法務局へ嘱託します。告知から数週間かかるのが一般的です。
Q3親権停止は戸籍に載りますか?
載ります。親権停止や親権喪失の審判が効力を生じると、書記官の嘱託により子の戸籍に記載されます。本人の届出は不要です。
Q4氏の変更許可の後は何をすればいい?
戸籍法107条に基づき、審判書謄本などを添えて自分で市区町村に届け出ます。届け出るまで戸籍の氏は変わりません。
Q5審判前の保全処分も登記されますか?
後見命令などの保全処分は、効力を生じたときと失ったときの双方で登記の嘱託対象になりえます。家事事件手続法116条2号が根拠です。
Q6登記事項証明書はどこで取れますか?
後見登記事項証明書は東京法務局後見登録課への郵送請求のほか、全国の法務局・地方法務局本局の窓口でも請求できます。請求権者は限定されています。
Q7後見の審判が取り消されたら登記はどうなる?
取消しの審判が効力を生じると、書記官が登記の変更・終了を嘱託します。当事者が法務局に申請する必要は原則ありません。
Q8嘱託が遅れている場合どこに問い合わせる?
審判をした家庭裁判所の担当書記官に問い合わせます。確定日と嘱託日を確認すれば、登記完了の見込みがつかめます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1後見の審判が出たのに、銀行が「登記がまだ」って言うんです。いつ終わるんですか?
後見開始の審判は即時抗告ができるため、確定するまで効力を生じない(家事事件手続法74条)。確定後に書記官が東京法務局へ登記を嘱託する(同116条)。そのため、告知から登記完了までは数週間かかるのが通常である。実務のポイント:確定証明書の申請は自分から行わないと、手元に届かないことが多い。確定日を把握しておき、その後に家庭裁判所へ登記嘱託の状況を問い合わせるのが最短ルートである。
Q2裁判所で許可をもらった名字の変更、戸籍に反映されてないんですけど?
氏の変更許可は、116条の嘱託対象ではない。許可の審判を受けた後、戸籍法107条に基づいて自分で市区町村に届け出る必要がある。実務のポイント:許可の審判書と確定証明書を持って届け出るのが通常の流れである。確定証明書の申請を忘れると、役所の窓口で受理されずに二度手間になる。審判書と一緒に申請しておくとよい。
間違えやすい点 AI による整理
- 「家庭裁判所の審判なら、結果は全部裁判所が戸籍に反映してくれる」と思われがちだが、嘱託されるのは最高裁判所規則で限定された事項だけである。氏・名の変更許可、子の氏の変更許可に基づく入籍、別表第二の親権者変更などは、自分で届出をしなければならない。
- 成年後見が付いたことは、本人の戸籍に書かれてしまうのでは、と心配する家族は多い。平成12年(2000年)の成年後見制度の開始以降、後見開始は戸籍ではなく後見登記ファイルに登記される。この登記は一般には公開されず、証明書を請求できるのも本人・後見人・一定の親族などに限られる。親族の結婚や就職に響くのではないかという不安は、制度の前提から外れている。
- 「書記官が遅滞なくやるのだから、審判の翌日には登記されている」というのは時間感覚のずれである。即時抗告ができる審判は、確定するまで効力を生じない(家事事件手続法74条)。嘱託の起点は審判の告知ではなく効力発生の時点になるため、実際に登記が完了するのは告知から数週間後になる。
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 116条:効力発生後の戸籍記載・後見登記の嘱託 | 74条:審判の効力発生時期(即時抗告可能な審判は確定時) 126条:後見命令等の審判前の保全処分 |
| 当事者の行動 | 原則不要(書記官が嘱託) | 確定日の把握・確定証明書の申請 保全処分の申立てと本案審判への対応 |
| 嘱託との関係 | 嘱託義務そのものを定める | 嘱託の起点となる時点を決める 116条2号により保全処分も嘱託対象になりうる |
他国ではどう定めているか 2 か国
韓国も成年後見を家族関係登録簿ではなく後見登記簿に記録する方式を採る。裁判所からの登記嘱託の仕組みがある点で日本と近い
フランスでは成年保護措置の判決が出生証書の欄外に記載(mention RC)され、第三者への対抗要件となる。記載先が身分証書である点で日本の後見登記と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認知症の母について後見開始の審判が出た。審判書が届いた翌日に銀行へ行ったところ、窓口で「登記事項証明書をお持ちください」と言われた。審判が確定し、書記官の嘱託によって東京法務局で登記が終わるまで、証明書は出てこない。
- 家庭裁判所で「やむを得ない事由」による氏の変更が許可された。これで戸籍も変わったと思い込んで、半年間放置していたらどうなるか? 氏の変更は116条の嘱託対象ではない。戸籍法107条の届出を自分でしない限り、戸籍の氏は一文字も変わらない。
- あなたは親権停止の審判を受けた側の親である。審判が確定すると、書記官の嘱託によって子の戸籍に親権停止の事実が記載される。即時抗告の期限は審判の告知を受けた日から2週間しかない。争うかどうかは、その間に決めなければならない。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審判書を受け取ったら、その場で書記官に嘱託の対象かどうかを確認する2. 即時抗告ができる審判であれば、確定を待ったうえで確定証明書を申請する3. 後見登記の場合は、登記完了後に東京法務局へ登記事項証明書を請求し、金融機関の手続きに使う4. 嘱託の対象でない審判(氏の変更など)は、戸籍法に定める期限内に自分で市区町村へ届け出る
訴えられた側:1. 親権停止や後見開始などに不服がある場合、効力が生じると嘱託によって戸籍・登記に反映される。争うなら、告知から2週間以内に即時抗告を申し立てる(家事事件手続法86条) 2. 審判前の保全処分が出された場合も登記の対象になりうるため、本案審判での反論を早めに準備する3. 事情が変わったときは、民法836条などに基づく取消しの審判を申し立てる。取消しが効力を生じた場合も、記載・登記の変更が嘱託される
時効(請求できる期限):書記官の嘱託は「遅滞なく」とされ、具体的な日数の定めはない。当事者側の期限としては、即時抗告が告知から2週間(家事事件手続法86条)。自分で届け出る類型の多くは、戸籍法上、審判確定から10日以内の届出が求められる(例:戸籍法79条、63条。最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成23年(2011年)制定、平成25年(2013年)1月1日施行 家事審判法を廃止し、家事事件手続法を新たに制定した際に置かれた規定。旧法下での戸籍記載・後見登記の嘱託の仕組みを、法律の条文として整理した。その後の改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.平成23年(2011年) 新設:家事審判法を廃止し家事事件手続法(平成23年法律第52号)を制定。旧法下の戸籍記載・後見登記の嘱託の仕組みを本条に整理し、平成25年(2013年)1月1日に施行
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