検察庁法 第14条
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法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 検察庁法第14条は、日本の検察庁法に含まれる条文です。
- 検察庁法第14条の条文原文は「法務大臣は、第四条及び第六条に規定する検察官の事務に関し、検察官を一般に指揮監督することができる。但し、個々の事件の取調又は処分については、検事総長のみを指揮す…」で始まります。
- 検察庁法の公布日は昭和22年4月16日です。
- 検察庁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 検察庁法第14条の前の条は検察庁法第13条です。
- 検察庁法第14条の次の条は検察庁法第15条です。
- 検察庁法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000061 - 本サイト収録
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000061/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点検察庁法14条は、法務大臣が検察官を一般に指揮監督できると定める。ただし個々の事件の取調べや処分について指揮できるのは検事総長のみである。
Q · 法務大臣は、特定の事件で検事に「起訴するな」と命令できるの?
できない。個別事件で指揮できる相手は検事総長だけ
検察庁法14条本文により、法務大臣は検察官の事務について一般的な指揮監督権を持ちます。しかし同条但書により、個々の事件の取調べや処分(起訴・不起訴など)について指揮できる相手は検事総長一人に限られます。担当検事に直接命令することは法律上できず、大臣の指示は必ず検事総長を経由します。検事総長は全検察官を指揮監督する立場にあり(同法7条)、大臣の指揮を受けてどう対応するかの判断を迫られます。
解説
日本の検察官は大臣の部下なのか、それとも独立しているのか。答えは「両方」である。検察庁法14条は、法務大臣が検察官を「一般に」指揮監督できると定めた。捜査方針や組織運営といった全体の方向づけは、大臣の権限である。ただし但書がある。個々の事件の取調べや処分(起訴するか、不起訴にするか)について大臣が指揮できる相手は、検事総長一人に限られる。現場の検事に直接「あの政治家は起訴するな」と命じることは、法律上できない。大臣の命令は必ず検察トップを通るので、検事総長は抵抗することも、辞職で抗議することもできる。この一本の緩衝材を知っていれば、政治家の事件で「不起訴」と報じられたとき、疑うべき場所が分かる。見るべきは大臣の発言ではなく、検事総長人事と、その判断の経緯である。
法的な位置づけ
検察庁法14条は、法務大臣の検察官に対する指揮監督権を定める規定である。本文は、同法4条・6条に規定する検察官の事務について一般的な指揮監督権を認め、但書は、個々の事件の取調べ又は処分に関する指揮の相手方を検事総長のみに限定する。いわゆる「指揮権発動」の根拠条文である。
よくある質問 AI による整理
Q1指揮権発動とは何ですか?
法務大臣が検察庁法14条但書に基づき、個別事件の取調べや処分について検事総長を指揮することを指す通称です。
Q2法務大臣は検察官の上司ですか?
一般的な指揮監督権を持つ点では上位にあります。ただし個別事件で指揮できるのは検事総長のみで、担当検事への直接命令はできません(14条但書)。
Q3検察庁法14条の「一般に指揮監督」とは?
捜査方針や組織運営など、特定の事件を離れた全体的な方向づけを指します。個別事件への介入とは区別されます。
Q4検事総長は法務大臣の指揮を拒否できる?
条文に拒否権の明文はありません。ただし検察官の身分保障(25条)があり、抗議の辞職などで政治的に対抗する余地があると一般に説明されます。
Q5検事総長は誰が任命する?
検事総長・次長検事・検事長は内閣が任免し、天皇が認証します(検察庁法15条)。人事を通じた統制が指揮権とは別に存在します。
Q6法務大臣の指揮権 違法になる場合は?
担当検事に個別事件で直接指示すれば14条但書の枠外となります。検事総長経由の指揮は法律上認められた手続です。
Q7検察の独立性は法律で保障されている?
完全な独立ではありません。検察官は行政官ですが、14条但書による指揮先の限定と25条の身分保障が独立性を支えています。
Q8検察庁法14条 いつできた?
1947年(昭和22年)制定の検察庁法に当初から置かれた規定で、条文そのものは制定以来ほぼ変わっていません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1指揮権発動って、実際に使われたことあるんですか?
公然と発動されたのは1954年の造船疑獄の1回だけである。犬養健法務大臣が検察庁法14条但書に基づき、検事総長に自由党幹事長の逮捕請求延期を指揮した。犬養は翌日辞任し、吉田内閣も同年末に総辞職した。実務のポイント:以後の大臣が指揮権をちらつかせた例は報じられているが、実際には発動していない。政治的に自殺行為と分かっているからである。本当の影響力は、人事と、発動をほのめかす「気配」の側にある
Q2政治家が不起訴になって納得いかない。一般人にできることはありますか?
告訴人・告発人・被害者などは、検察審査会に審査を申し立てられる(検察審査会法30条)。審査会が二度にわたって起訴相当と議決すれば、裁判所が指定した弁護士が検察官役となって強制起訴される(同法41条の6以下)。実務のポイント:申立ては無料で、弁護士なしでもできる。不起訴の理由が「嫌疑不十分」なのか「起訴猶予」なのかを、まず検察庁に不起訴処分告知として請求して確認すると、申立ての狙いが定まる
間違えやすい点 AI による整理
- 「法務大臣は検察の上司なんだから、事件ごとに好きに命令できる」と思われがちだが、個別事件で大臣が指揮できるのは検事総長だけである。担当検事に直接電話して起訴を止めさせるのは、14条但書の枠の外である
- 「検察は完全に独立している」と思っている人も多い。これも違う。検察官は行政官であり、大臣は一般的な指揮監督権を持つ。検事総長・次長検事・検事長の任免は内閣が行う(15条)。独立は法律上の建前として存在するのではなく、但書と人事慣行の微妙なバランスの上にかろうじて立っている
- 指揮権の問題を「大臣が命令するかどうか」の話だと思っていると、本質を見誤る。唯一公然と発動された1954年の造船疑獄では、犬養健法務大臣が検事総長に自由党幹事長・佐藤栄作の逮捕請求を延期するよう指揮し、翌日辞任した。その後の内閣も倒れた。発動のコストがあまりに大きいため、問題は発動するかではなく、発動せずに同じ結果を得る手段(人事、予算、空気)へと移っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 指揮監督の主体 | 検察庁法14条:法務大臣 | 検察庁法7条:検事総長 検察庁法15条:内閣(任免権) |
| 対象・範囲 | 検察官全体への一般的指揮監督。個別事件は検事総長のみ | 全ての検察庁の職員を指揮監督 検事総長・次長検事・検事長の任免 |
| 統制の手段 | 公式の指揮命令(発動すれば記録・報道の対象) | 組織内の上命下服 人事(誰をトップに据えるか) |
| 政治介入の可視性 | 高い(発動=大ニュース) | 組織内部のため外から見えにくい 人事の時期・経緯から推測するほかない |
他国ではどう定めているか 5 か国
法務部長は検察署に対し行政監督権を持つが、個別事件の捜査・起訴判断は検察総長以下の検察体系内で行うとされる
本文・但書の構造が日本14条とほぼ同じ。法務部長官が具体的事件で指揮できるのは検察総長のみ
司法大臣の外部的指示権(externes Weisungsrecht)が認められ、個別事件への指示も否定されていない点で日本より広い
司法大臣は刑事政策の一般指針を示せるが、個別事件への指示は明文で禁止。日本より強く個別介入を封じる
連邦司法長官は政治任用で、連邦検察官を直接指揮できる。独立性は制度よりも慣行と特別検察官制度に依存
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 与党の大物議員が絡む贈収賄事件が「嫌疑不十分で不起訴」と報じられた。政治の圧力があったのか? 法務大臣が検事総長を通じて正式に指揮すれば、それ自体が大ニュースになり、記録にも残る。だから本当に疑うべきは、表に出ない「空気」と人事である。納得できない市民は、検察審査会に審査を申し立てられる
- 2020年、検事長の定年延長をめぐって SNS で「#検察庁法改正案に抗議します」が数百万回投稿され、法案は見送られた。政府が人事で検察幹部を選べるなら、14条但書の防波堤は内側から崩れる。多くの人が怒ったのは、実はこの一点だった
学説
通説:本文の一般的指揮監督は検察への民主的統制を確保するもの、但書は個別事件への政治介入を検事総長で遮断するものと理解される。検事総長が大臣の指揮に従う義務の有無については見解が分かれる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:検察庁法の制定に伴い新設。一般的指揮監督権と、個別事件の指揮先を検事総長に限る但書を規定
- 検察庁法 第4条指揮監督の対象となる検察官の職務
- 検察庁法 第6条検察官の捜査権、指揮監督の対象
- 検察庁法 第7条検事総長による全検察官の指揮監督
- 検察庁法 第15条検事総長等の内閣任免、人事による統制
- 検察庁法 第25条検察官の身分保障、独立性の支柱
- 刑事訴訟法 第248条起訴便宜主義、指揮対象となる処分の裁量
- 検察審査会法 第41条の6起訴議決による検察判断の市民的是正
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