検察庁法 第23条
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- 検察官が心身の故障、職務上の非能率その他の事由に因りその職務を執るに適しないときは、検事総長、次長検事及び検事長については、検察官適格審査会の議決及び法務大臣の勧告を経て、検事及び副検事については、検察官適格審査会の議決を経て、その官を免ずることができる。
- 2.検察官は、左の場合に、その適格に関し、検察官適格審査会の審査に付される。
- 一すべての検察官について三年ごとに定時審査を行う場合
- 二法務大臣の請求により各検察官について随時審査を行う場合
- 三職権で各検察官について随時審査を行う場合
- 3.検察官適格審査会は、検察官が心身の故障、職務上の非能率その他の事由に因りその職務を執るに適しないかどうかを審査し、その議決を法務大臣に通知しなければならない。法務大臣は、検察官適格審査会から検察官がその職務を執るに適しない旨の議決の通知のあつた場合において、その議決を相当と認めるときは、検事総長、次長検事及び検事長については、当該検察官の罷免の勧告を行い、検事及び副検事については、これを罷免しなければならない。
- 4.検察官適格審査会は、法務省に置かれるものとし、国会議員、裁判官、弁護士、日本学士院会員及び学識経験者の中から選任された十一人の委員をもつてこれを組織する。ただし、委員となる国会議員は、衆議院議員四人及び参議院議員二人とし、それぞれ衆議院及び参議院においてこれを選出する。
- 5.検察官適格審査会に、委員一名につきそれぞれ一名の予備委員を置く。
- 6.各委員の予備委員は、それぞれその委員と同一の資格のある者の中から、これを選任する。但し、予備委員となる国会議員は、それぞれ衆議院及び参議院においてこれを選出する。
- 7.委員に事故のあるとき、又は委員が欠けたときは、その予備委員が、その職務を行う。
- 8.前七項に規定するものの外、検察官適格審査会に関する事項は、政令でこれを定める。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 検察庁法第23条は、日本の検察庁法に含まれる条文です。
- 検察庁法第23条の条文原文は「検察官が心身の故障、職務上の非能率その他の事由に因りその職務を執るに適しないときは、検事総長、次長検事及び検事長については、検察官適格審査会の議決及び法務大臣の…」で始まります。
- 検察庁法の公布日は昭和22年4月16日です。
- 検察庁法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
- 検察庁法第23条の前の条は検察庁法第22条です。
- 検察庁法第23条の次の条は検察庁法第24条です。
- 検察庁法第23条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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- 正式書式
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第23条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000061 - 本サイト収録
検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第23条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000061/23
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点検察庁法23条は、心身の故障や職務上の非能率などで職務に適しない検察官を、検察官適格審査会の議決を経て罷免できると定める。幹部は法務大臣の勧告も要する。
Q · 問題のある検察官を辞めさせる方法はあるの?
検察官適格審査会の議決を経れば罷免できる
検察庁法25条は検察官に強い身分保障を与えていますが、その例外が23条です。心身の故障、職務上の非能率などで職務に適しない検察官は、法務省に置かれる検察官適格審査会の議決を経て罷免されます。審査は3年ごとの定時審査、法務大臣の請求による随時審査、審査会の職権による随時審査の三種類です。検事・副検事は大臣が議決を相当と認めれば罷免しなければならず、検事総長・次長検事・検事長は大臣の勧告を経て内閣が判断します。
解説
検察官は、起訴するかしないかを一人で決める「独任制の官庁」(一人ひとりが役所として決定権を持つ仕組み)である。強い力を持つからこそ、法律は身分を手厚く守っている。検察庁法25条により、定年、剰員、そして本条の手続を除けば、本人の意思に反して職を失うことはない。つまり、能力や適性が明らかに欠けた検察官を外す正式ルートは、事実上本条の検察官適格審査会しかない。審査会は法務省に置かれ、国会議員6名を含む11人の委員で構成される。全検察官を3年ごとに審査する定時審査のほか、法務大臣の請求による随時審査、そして審査会が自分の判断で始める職権審査がある。この職権審査の入口に、市民からの「申出」が材料として届くことがある点は、ほとんど知られていない。ニュースで検察幹部の不祥事を見て腹を立てるだけの人と、どの扉を叩けば制度が動くのかを知っている人とでは、打てる手の数がまるで違う。
法的な位置づけ
検察官適格審査会とは、検察庁法23条に基づき法務省に置かれる合議体であり、国会議員6名、裁判官、弁護士、日本学士院会員および学識経験者から選任された計11人の委員で構成される。検察官が心身の故障や職務上の非能率等により職務を執るに適しないかを審査し、その議決を法務大臣に通知する。検察官の身分保障(同法25条)に対する例外的な罷免手続の要となる機関である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.問題の種類を切り分ける 不起訴への不服なら検察審査会、違法な取調べによる損害なら国家賠償、検察官の適格性そのものなら検察官適格審査会と、問題に応じて申し立て先を選ぶ
- 2.事実関係を時系列で記録する 問題とする検察官の言動について、日時、場所、発言内容、同席者を時系列で整理し、弁護人の記録や報道資料と照合する
- 3.審査会宛ての申出書面を作成する 罷免事由(心身の故障、職務上の非能率その他の事由)のどれに当たるかを示し、感情的表現を避けて具体的事実と資料を中心にまとめる。申出は職権による随時審査を促す材料であり、審査開始を強制する権利ではない点に留意する
- 4.他の手続と並行管理する 検察審査会への申立てや国家賠償請求には期限があるため、弁護士と優先順位を決め、各手続を並行して進める
よくある質問 AI による整理
Q1検察官適格審査会とは何ですか?
検察官が職務に適するかを審査する法務省の合議体です。国会議員6名、裁判官、弁護士、学識者など11人で構成されます(検察庁法23条4項)。
Q2検察官適格審査会と検察審査会の違いは?
検察審査会は不起訴処分の当否を市民11人が審査します。適格審査会は検察官という人の適格性を審査し、罷免につながる点が違います。
Q3検察官が罷免される理由は何ですか?
心身の故障、職務上の非能率その他の事由で職務を執るに適しないときです(検察庁法23条1項)。個別の不祥事は懲戒処分のルートもあります。
Q4検察官の定時審査は何年ごとですか?
すべての検察官について3年ごとに定時審査が行われます(検察庁法23条2項1号)。随時審査はそれとは別にいつでも開始されえます。
Q5検察官適格審査会の委員は誰が選ぶ?
国会議員の委員は衆議院が4人、参議院が2人を選出します。そのほか裁判官、弁護士、日本学士院会員、学識経験者から選任されます。
Q6検察官の身分保障とは?
検察庁法25条により、定年・剰員・適格審査による罷免などの場合を除き、本人の意思に反して官を失わない保障です。政治介入を防ぐ趣旨です。
Q7法務大臣は審査会の議決を無視できる?
議決を相当と認めない余地は残りますが、相当と認めた場合、検事・副検事は罷免しなければなりません(23条3項)。裁量の幅は狭い設計です。
Q8検察官の懲戒処分と罷免の違いは?
懲戒は国家公務員法に基づく戒告・減給・停職・免職などの制裁です。23条の罷免は職務適格性の欠如を理由とする別ルートです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1一般人が「この検事はおかしい」って審査会に訴えることってできるの?
本条2項が法定する審査の開始事由は、定時審査、法務大臣の請求、審査会の職権の三つで、市民の申立権は明記されていない。ただ実務上、市民からの申出は職権審査を検討する材料として受け付けられてきた。実務のポイント:申出は「審査開始を強制する権利」ではなく「審査会の目に触れさせる手段」である。だから抽象的な非難より、具体的な日時や記録を並べた書面のほうが、審査会の議題に上がる可能性は上がる
Q2検事総長でもクビにできるんですか?
できる。ただし手続が二段階になる。検事総長、次長検事、検事長は、審査会の議決の後に法務大臣が罷免を「勧告」し、任免権を持つ内閣が判断する(検察庁法15条)。検事と副検事は、大臣が議決を相当と認めれば罷免しなければならない。実務のポイント:幹部ほど政治との距離が近いため、議決と勧告という二重の関門で、恣意的な罷免も不適格者の温存も起きにくくする設計になっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「検察審査会」と「検察官適格審査会」は名前が似ているが、まったくの別物である。検察審査会(検察審査会法)はくじで選ばれた市民11人が不起訴処分の当否を審査する。適格審査会は検察官という「人」の適格性を審査する。ここを取り違えると、申し立てる先を最初から誤ることになる
- 検察官を辞めさせるのは法務大臣か内閣の一存だと思うなら、その問いの立て方自体がずれている。25条の身分保障があるため、政治の側が気に入らない検察官を自由に外すことはできない。本条はその例外を、審査会の議決という関門でわざわざ絞り込んだ規定である。政治介入を防ぐ盾でもあり、不適格者を外す剣でもある
- 3年ごとの定時審査があると聞けば「全員が定期的にしっかりチェックされている」と安心しがちだが、罷免に至った例はきわめて少ないとされる(件数は公表資料で要確認)。仕組みがあることと、実際に機能していることの落差は大きい
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 身分喪失の事由 | 23条:心身の故障・職務上の非能率等による不適格 | 22条:定年による退官 24条:剰員による欠位 |
| 判断主体 | 検察官適格審査会の議決+法務大臣(幹部は内閣) | 法定年齢到達で自動的に退官 法務大臣による欠位の措置 |
| 本人の非の有無 | 職務適格性の欠如が前提 | 非は問わない 非は問わない(組織の事情) |
| 25条身分保障との関係 | 身分保障の例外(審査会という関門付き) | 身分保障の例外(年齢要件) 身分保障の例外(定員要件) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は検察官評鑑委員会が検察官の評鑑を行い、懲戒等につなげる仕組みを持つ。外部委員を含む合議体という点で日本と発想が近い。
韓国も検事の定期的な適格審査制度を持ち、職務遂行が困難な検事の退職命令につながる点で本条と類似する。
フランスでは検察官も司法官(magistrat)であり、最高司法官会議(CSM)の検察部門が懲戒に関与する。
米国の連邦検事は大統領が任命し罷免できる。合議体の関門を置く日本とは対照的に政治的任免の色が強い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 2020年、東京高検検事長の定年延長と賭け麻雀問題が報じられたとき、SNS では「罷免しろ」の声が広がった。そして実際に、検察官適格審査会へ審査を申し出た市民がいた。怒りの声を制度の入口に届けた人と、タイムラインで拡散しただけの人の違いは、この条文を知っていたかどうかである
- 取調べで威圧的な言葉を繰り返した検事がいて、同じ検事について似た苦情が何件も続いていると聞いたら、どこに訴えればいいのか? 不起訴に不満があるなら検察審査会、処分の適否を問うなら懲戒や国家賠償、検事としての適格そのものを問うなら適格審査会。問いの種類によって扉が違う
- あなたが副検事で、3年ごとの定時審査が来年に控えている。病気療養で長期の休職が続いていた。心身の故障は条文に明記された罷免事由なので、審査の前に診断書や復職の見通しを整理しておく必要がある
- 審査会の議決は法務大臣に通知される。検事と副検事の場合、大臣が議決を相当と認めれば罷免は「しなければならない」。裁量で止める余地は条文上かなり狭い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 検察官の言動で被害を受けたら、日時、発言、同席者を時系列でメモし、弁護人の記録と照合しておく2. 何を問題にしたいのかを切り分ける:不起訴への不服なら検察審査会、違法な取調べによる損害なら国家賠償法1条、適格性そのものなら検察官適格審査会への申出3. 審査会への申出は、職権による随時審査を促す材料として扱われる。感情的な表現は避け、事実と資料を中心にまとめる4. 複数の手続は並行して進められるので、弁護士と優先順位を決める
訴えられた側:1. 審査の対象となった検察官は、罷免事由(心身の故障、職務上の非能率その他の事由)のどれが問題にされているのかをまず特定する2. 心身の故障が問題なら診断書と復職可能性の資料、非能率が問題なら処理件数や業務評価の反証を準備する3. 審査手続の細目は検察官適格審査会令によるため、意見を述べる機会の有無などを確認する4. 罷免された場合の不服申立て(人事院への審査請求や取消訴訟)の可否と期限を、早い段階で弁護士に確認する(適用関係は要確認)
時効(請求できる期限):罷免手続そのものに特定の時効はない。定時審査は3年ごとに実施され、随時審査はいつでも開始されうる。検察官の違法行為による損害賠償を国家賠償法で請求する場合は、損害および加害者を知った時から3年(生命・身体侵害は5年)、不法行為時から20年(国家賠償法4条、民法724条、724条の2)。罷免処分に対する不服申立てや取消訴訟には別の短い期限がある(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:検察官は独任制官庁として強い公訴権を持つため、25条で身分を保障しつつ、罷免判断を法務大臣の単独判断に委ねず多元的な合議体に置くことで、政治介入の防止と民主的統制を両立させる趣旨と解される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:検察庁法の制定に伴い、検察官適格審査会による罷免手続として規定された。
- 検察庁法 第25条身分保障、本条はその例外
- 検察庁法 第22条定年による退官、身分喪失の別事由
- 検察庁法 第24条剰員による欠位、身分喪失の別事由
- 検察庁法 第15条幹部検察官の任免権は内閣
- 国家公務員法 第82条懲戒処分、罷免とは別の制裁ルート
- 検察審査会法 第2条不起訴の当否審査、混同注意の別制度
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