刑事訴訟法 第510条
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- 前条第一項の令状には、裁判の執行を受ける者の氏名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、提供させるべき電磁的記録、提供させるべき者及び提供の方法、検証すべき場所若しくは物又は検査すべき身体及び身体の検査に関する条件、有効期間及びその期間経過後は差押え、捜索若しくは検証に着手し、又は電磁的記録提供命令をすることができず令状はこれを返還しなければならない旨並びに発付の年月日その他裁判所の規則で定める事項を記載し、裁判官が、これに記名押印しなければならない。
- 2.前条第二項の場合には、同条第一項の令状に、前項に規定する事項のほか、差し押さえるべき電子計算機に電気通信回線で接続している記録媒体であつて、その電磁的記録を複写すべきものの範囲を記載しなければならない。
- 3.第六十四条第二項の規定は、前条第一項の令状について準用する。この場合において、第六十四条第二項中「被告人の」とあるのは「裁判の執行を受ける者の」と、「被告人を」とあるのは「その者を」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 刑事訴訟法第510条は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
- 刑事訴訟法第510条の条文原文は「前条第一項の令状には、裁判の執行を受ける者の氏名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体若しくは物、提供させるべき電磁的記録、提供させるべき者及び提供の方法、…」で始まります。
- 刑事訴訟法第510条は第二章に置かれています。
- 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
- 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 刑事訴訟法第510条の前の条は刑事訴訟法第509条です。
- 刑事訴訟法第510条の次の条は刑事訴訟法第511条です。
- 刑事訴訟法第510条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第510条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131 - 本サイト収録
刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第510条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/510
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点刑事訴訟法510条は、没収裁判を執行する令状の方式を定める。令状には差押物・捜索場所・有効期間・裁判官の記名押印が必要で、有効期間経過後は着手できず令状を返還しなければならない。
Q · 差し押さえに来た令状に不備があったら、執行を止められるの?
有効期間切れや押印欠如など形式不備があれば執行を争える
刑事訴訟法510条は、没収等の裁判を執行する令状の記載事項と方式を定めます。令状には差し押さえるべき物・捜索場所・有効期間・裁判官の記名押印が必要で、有効期間を過ぎると差押えや捜索に着手できず、令状は裁判所に返還しなければなりません(510条1項)。2項では、電気通信回線で接続した記録媒体(クラウド等)について複写すべき範囲を令状に記載させます。形式要件を欠く令状での執行は手続違反をはらみ、後の不服申立てや適法性の争いで重要な争点になります。
解説
判決で『没収』が言い渡された財産は、ある日いきなり差し押さえられる。だがその執行官が手にしている令状には、満たすべき条件がびっしり書き込まれていなければならない。刑訴法510条が定めるのは、没収などの裁判を執行するための令状の『方式』だ。差し押さえるべき物、捜索する場所、そして見落とされがちな『有効期間』。この期間を一日でも過ぎれば、執行に着手できず令状は裁判所へ返還しなければならない。さらに2項では、押収対象のパソコンにネット回線でつながったクラウド上のデータまで、複写すべき範囲として令状に書かせる。あなたのスマホやクラウドに眠る記録が執行の射程に入りうる時代の条文だ。そして裁判官の記名押印がなければ、その令状は紙切れにすぎない。差し押さえられる側のあなたが最初に確認すべきは、目の前の令状がこの形式要件を満たしているかどうかである。
法的な位置づけ
刑事訴訟法510条は、没収等の裁判の執行のために発付される令状の記載事項と方式を定める規定である。令状には執行を受ける者の氏名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、検証対象、有効期間および期間経過後の返還義務を記載し、裁判官の記名押印を要する。電気通信回線で接続する記録媒体の複写範囲の記載も求められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.提示された令状の有効期間を真っ先に確認 執行官が差押えに来たら、まず令状の有効期間欄と発付年月日を確認する。期間を一日でも過ぎていれば着手できず令状は返還される(510条1項)。玄関先の数分が勝負になる
- 2.裁判官の記名押印と特定事項をチェック 差し押さえるべき物、捜索すべき場所、身体・物が特定して記載されているか、そして裁判官の記名押印があるかを確認する。押印欠如や場所の不特定は方式違反をはらむ
- 3.電磁的記録・複写範囲の記載を確認 業務用パソコンやサーバーが対象なら、リモート接続先の複写範囲が令状に記載されているか(510条2項)を確認する。記載のないクラウドへの複写は射程外として争える
- 4.不備があればその場で異議を述べ記録する 期間切れや押印欠如などの不備を見つけたら、物理的妨害はせず、口頭で『異議あり』と述べたうえで、日付・押印欄・記載事項を写真とメモで記録する
- 5.直後に刑事手続に強い弁護士へ相談 現場で記録した不備をもとに、執行の適法性と不服申立ての可否を検討する。現場で指摘した事実の有無が後の争いの土俵を大きく変える
よくある質問 AI による整理
Q1執行令状の記載事項とは何ですか?
刑訴法510条1項により、執行を受ける者の氏名、差し押さえるべき物、捜索すべき場所、有効期間とその経過後の返還義務、発付年月日などを記載し、裁判官の記名押印が必要です。
Q2令状に裁判官の押印がない場合はどうなりますか?
刑訴法510条1項は裁判官の記名押印を要件としています。押印を欠く令状は方式違反をはらみ、その執行の適法性を争う材料になります。提示されたら署名欄まで確認すべきです。
Q3没収の執行で第三者の家やサーバーも対象になりますか?
なります。執行を受ける者本人でなくても、保管する物や場所が令状に特定して記載されていれば射程内です。逆に記載のない場所への立ち入りは令状の外側です。
Q4リモートアクセスで複写できる範囲はどう決まりますか?
刑訴法510条2項により、差し押さえるパソコンに電気通信回線で接続した記録媒体のうち、複写すべき範囲を令状に記載しなければなりません。記載のない範囲の取得は争えます。
Q5執行令状の有効期間が切れたらどうなりますか?
期間経過後は差押え・記録命令付差押え・捜索・検証に着手できず、令状を裁判所に返還しなければなりません(510条1項)。期限切れ令状での着手は違法をはらみます。
Q6氏名が分からない相手にも執行令状を出せますか?
出せます。510条3項が64条2項を準用し、氏名が明らかでないときは人相・体格その他で特定でき、住居・氏名がともに不明でも令状を発付できます。
Q7記録命令付差押えとは何ですか?
電磁的記録を保管する者に、必要な記録を記録媒体に記録・印刷させて差し押さえる処分です。510条1項はその方式も令状に記載させます。
Q8暗号資産やオンライン口座も没収執行の対象になりますか?
対象になりうります。510条2項が電磁的記録とリモートアクセスを織り込んでおり、ネット上の残高や記録も執行の射程に入る時代の規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1差押えの令状って、いつまでも有効なんですか?
いいえ。令状には有効期間が記載され、その期間を過ぎると差押えや捜索に着手できず、令状は裁判所に返還しなければなりません(刑訴法510条1項)。期間内に『着手』していれば作業の完了が期間後にずれてもよい、というのが実務の理解です。実務のポイント:現場で令状を見せられて、まず日付欄を確認する人はほとんどいない。だが期限切れ令状での着手は違法をはらみ、後の不服申立てや証拠排除の主張で効いてくる。提示された瞬間に有効期間を読む癖が、最大の武器になる
Q2クラウドに保存したデータまで、没収の執行で取られるんですか?
ありえます。差し押さえるパソコンにネット回線でつながった記録媒体について、複写すべき範囲を令状に記載したうえでリモートアクセスにより複写できる仕組みがあります(刑訴法510条2項)。ただし複写できるのは令状に書かれた範囲に限られます。実務のポイント:弁護士がまず確認するのは、この『複写範囲』の記載です。範囲が令状に特定されていなければ、そのクラウドデータの取得は射程外として争える。どこまで書いてあるかが勝負どころになる
間違えやすい点 AI による整理
- 『没収が確定したら、もう何をされても文句は言えない』と思い込んでいる人が多い。だが問うべきは『確定したか』ではなく『執行令状が形式要件を満たしているか』だ。確定判決の正しさと、その執行手続の適法性は、別々に評価される問題である
- 令状に有効期間があることは知っていても、それが『着手』の期限であって完了の期限ではないこと、そして期間経過後は令状を返還しなければならない(510条1項)ことまでは意識されていない。期限切れ令状での着手は、それ自体が違法をはらむ
- 『差押えは現場でどこでも好きにできる』と思われがちだが、令状には捜索すべき場所・身体・物が特定して記載されていなければならない。そこに書かれていない場所への立ち入りは、令状の射程の外側だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する場面 | 510条:没収等の裁判の執行のための令状の方式 | 107条:公判段階の差押状・記録命令付差押状等の記載事項 219条:捜査段階の捜索差押許可状等の記載事項 |
| 発付の局面 | 確定裁判の執行段階 | 起訴後の公判段階 起訴前の捜査段階 |
| 有効期間・返還の明記 | 有効期間と経過後の着手不可・返還義務を明記 | 有効期間等を記載(規則と併せて規律) 有効期間等を記載(規則と併せて規律) |
| リモートアクセス複写範囲 | 510条2項で複写範囲の記載を要求 | 107条2項で複写範囲の記載を要求 219条2項で複写範囲の記載を要求 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も搜索票の記載事項(案由・対象・場所・有効期間)と核発法官の署名を要件とし、令状の方式による統制を採る点で日本と共通する
韓国も令状(영장)に記載すべき事項を法定し、有効期間経過後の執行を制限する。執行段階でも令状主義が及ぶ構造は日本と類似
ドイツは没収の執行を§459g以下で規律し、捜索は裁判官の命令(§105)を要する。電子データのアクセスは別途要件が議論される
米国は令状の特定性(particularity)を憲法上要求し、捜索場所と押収物の明示を要する。電子記録の遠隔取得はRule 41の改正で対応
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし執行官が差押えに来たとき、その令状の有効期間が昨日で切れていたら? 期間経過後は着手できず令状は返還しなければならない(510条1項)。あなたがその一行に気付けば、その日の差押えは止まる。気付かなければ、期限切れの執行がそのまま通ってしまう。残された確認の時間は、玄関先のほんの数分だ
- あなたの会社のサーバーに、没収対象者のデータが保管されていた。執行はあなたの場所に及び、ネット回線でつながった別のクラウドまで複写範囲に入る(510条2項)。自分は当事者でないのに、自社のシステムが捜索差押の現場になる。第三者でも、保管する物・場所が令状の射程内なら巻き込まれる
- 令状に裁判官の記名押印がない。それだけで、その執行は手続違反をはらむ。提示された一枚を、署名欄まで読むかどうかで結果が変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 令状の提示を求め、有効期間・裁判官の記名押印・差押対象物・捜索場所の特定を確認する2. 期間切れや押印欠如などの不備があれば、その場で口頭で『異議あり』と述べ、可能なら写真とメモで記録する3. 着手を物理的に妨害はしないが、同意もせず、異議の意思を明確に残す4. 直後に刑事手続に強い弁護士へ相談し、執行の適法性と不服申立ての可否を検討する
訴えられた側:1. 自分が没収対象者本人でなくても、保管する物や場所が令状の射程内なら執行は及ぶと心得る2. 令状に自分の場所・物が特定して記載されているか確認し、射程外への拡大には異議を述べる3. 業務データやサーバーが対象なら、複写範囲(510条2項)が令状の記載に収まっているか確認する4. 営業上の損害が出るなら、執行の範囲と方法について弁護士を通じ記録を残す
時効(請求できる期限):差押え等への着手は令状の有効期間内に限られ、期間経過後は着手できず令状は返還しなければならない(510条1項)。執行処分の適法性を争う手段やその期限は事案により異なるため、不備に気付いたら速やかに刑事手続に強い弁護士へ相談すること(最新の改正状況をご確認ください)
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