法律人 LawPlayer logo

資料由法律人 LawPlayer整理提供·日本法令 / LawPlayer 整理自 e-Gov

法律略称 刑訴法

刑事訴訟法

けいじそしょうほう

法令番号
昭和二十三年法律第百三十一号
公布日
昭和二十三年七月十日
条数
本則848条・附則63条
第一編
第一条

この法律は、刑事事件につき、公共の福祉の維持と個人の基本的人権の保障とを全うしつつ、事案の真相を明らかにし、刑罰法令を適正且つ迅速に適用実現することを目的とする。

刑事訴訟法 1 条は、事案の真相究明と個人の基本的人権の保障を同時に全うし、刑罰法令を適正かつ迅速に適用することを刑事手続の目的と定める規定である。

よくある質問

Q · 目的規定なんて、実際の裁判で何の役に立つんですか?

解釈の最終的な拠り所として効きます。条文の文言だけでは答えが出ない場面で、裁判官は「真相究明と人権保障のバランス」という 1 条の理念に立ち返って判断します。違法に集めた証拠を排除するかどうかも、突き詰めればこの理念が根拠です。業界裏話ヒント:弁護人が証拠排除を主張するとき、個別条文だけでなく「1 条の適正手続の精神に反する」という大原則を併せて持ち出すのは定石です。原点に遡る主張は、細かい条文論で詰まったときの突破口になる。

Q · 裁判が何年も終わらないのって、訴えたら早くなりますか?

迅速な裁判は刑事訴訟法 1 条と憲法 37 条 1 項が保障する権利です。著しく不当な遅延があれば裁判所に審理の促進を求められ、極端な場合は裁判の打ち切り(免訴)もありえます。業界裏話ヒント:過去に約 15 年間審理が中断した高田事件で、最高裁は有罪無罪を判断せず免訴にしました(最大判昭和 47.12.20)。ただしこれは例外中の例外で、通常は「遅延の責任が誰にあるか」を記録で示せるかが分かれ目です。漫然と待つのではなく、遅延の経緯を残しておくことが武器になる。

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第一章
第二条

裁判所の土地管轄は、犯罪地又は被告人の住所、居所若しくは現在地による。

国外に在る日本船舶内で犯した罪については、前項に規定する地の外、その船舶の船籍の所在地又は犯罪後その船舶の寄泊した地による。

国外に在る日本航空機内で犯した罪については、第一項に規定する地の外、犯罪後その航空機の着陸(着水を含む。)した地による。

刑事訴訟法 2 条は、裁判所の土地管轄を犯罪地・被告人の住所・居所・現在地によって定める。判例上、現在地には適法に身柄を拘束された場所も含まれる。

よくある質問

Q · 事件は北海道で起きたのに、なんで東京の裁判所で裁判になるんですか?

刑事訴訟法 2 条は、管轄を犯罪地だけでなく被告人の住所・居所・現在地でも認めています。あなたが東京で逮捕・勾留されていれば、その『現在地』を理由に東京地裁が管轄を持ちます。業界裏話ヒント:検察官は管轄原因が複数あるとき、立証や捜査の都合で起訴する裁判所をある程度選べます。被疑者の身柄をどこの留置施設で押さえるかが、結果として裁判地を左右することがある。だから逮捕段階で弁護人をつける意味は、保釈だけでなく『どこで裁かれるか』にも及ぶ

Q · 遠くの裁判所まで毎回行くのが大変です。場所を変えてもらえますか?

二つの道があります。管轄そのものを争うなら、被告事件について陳述する前に管轄違いの申立てを(刑事訴訟法 331 条)。管轄は有効でも防御や審理に著しい不便があるなら、管轄移転の請求ができます(刑事訴訟法 17 条)。業界裏話ヒント:管轄移転が認められるハードルは高く、単に『遠い』だけでは通りにくい。実務では移転より先に、裁判所の地元で弁護人を選任し直し、被告人質問など重要な期日だけ本人が出廷する現実的な調整が取られることが多い

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三条

事物管轄を異にする数個の事件が関連するときは、上級の裁判所は、併せてこれを管轄することができる。

高等裁判所の特別権限に属する事件と他の事件とが関連するときは、高等裁判所は、併せてこれを管轄することができる。

刑事訴訟法 3 条は、事物管轄の異なる数個の事件が関連するとき、上級の裁判所が併せて管轄できると定める。軽い事件も重い事件と束ねられ地裁に引き上げられうる。

よくある質問

Q · 軽い事件なのに、なんで地方裁判所で裁かれることになったんですか?

あなたの事件が別の重い事件と「関連」していると判断されたためです。刑事訴訟法 3 条で、関連する数個の事件は上級の裁判所が一括して管轄できます。業界裏話ヒント:関連性の有無は 9 条で決まり、共謀や余罪の認定が鍵。検察官の事件の組み立て方次第で管轄が動くので、起訴の段階で関連性を争えるか弁護人に確認する価値がある

Q · 複数の事件をまとめて裁判されるのは、得なんですか損なんですか?

場合によります。併合されると併合罪(刑法 45 条以下、47 条)として処理され、刑の上限が単純合算より抑えられる一方、トータルでは一件ずつより重くなることもあります。業界裏話ヒント:重い事件と軽い事件が束ねられると、裁判官の心証に重い事件の印象が影響しやすい。印象面で不利なら、4 条で事件の分離を求める戦略がある

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第四条

事物管轄を異にする数個の関連事件が上級の裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、上級の裁判所は、決定で管轄権を有する下級の裁判所にこれを移送することができる。

刑事訴訟法 4 条は、関連事件が上級裁判所に係属する場合、併せて審判する必要がないものを、上級裁判所が決定で管轄権を有する下級裁判所へ移送できると定める。被告人の同意は要件ではない。

よくある質問

Q · 事件をまとめて裁くか分けるか、被告人の私には決められないんですか?

決められません。関連事件を上級審でまとめて裁くか(刑訴法 3 条)、不要なものを下級審へ移送するか(同 4 条)、同一裁判所内で併合・分離するか(同 8 条)は、いずれも裁判所の裁量です。被告人は意見を述べ申立てはできますが決定権はありません。業界裏話ヒント:弁護人は併合と分離のどちらが量刑全体で得かを計算し、意見書で裁判所に働きかける。この一手の有無で結果が動く

Q · 事件が下の裁判所に移送されると、私には不利になるんですか?

一概には言えません。簡易裁判所は科せる刑の範囲が地裁より限られるため、軽い事件を簡裁で完結させたほうが有利な場合もあれば、重い本件の情状から切り離されて単独評価になり不利になる場合もあります(刑訴法 4 条、9 条)。業界裏話ヒント:有利・不利は事件の組み合わせ次第で逆転する。移送の通知が来た時点で、弁護人に「この分離は自分にとって得か損か」を必ず確認すること

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第五条

数個の関連事件が各別に上級の裁判所及び下級の裁判所に係属するときは、事物管轄にかかわらず、上級の裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。

高等裁判所の特別権限に属する事件が高等裁判所に係属し、これと関連する事件が下級の裁判所に係属するときは、高等裁判所は、決定で下級の裁判所の管轄に属する事件を併せて審判することができる。

刑事訴訟法 5 条は、関連事件が上級裁判所と下級裁判所に分かれて係属するとき、上級裁判所が事物管轄を超えて決定で下級の事件を併せて審判できると定める。

よくある質問

Q · 共犯の片方が高裁、片方が地裁にいたら、ずっと別々に裁判するんですか?

必ずしも別々ではありません。刑事訴訟法5条1項により、上級の裁判所(この場合は高裁)が決定で、下級の裁判所(地裁)の管轄事件まで併せて審判できます。事物管轄(どのランクの裁判所が扱うか)の違いは障害になりません。業界裏話ヒント:これは裁判所が矛盾判決を避け、訴訟経済を図るための職権の仕組みで、被告人の同意は要件ではありません。だからこそ弁護人は、併合が自分の依頼者に有利か不利か(特に審級の利益の喪失)を早い段階で見極めます。

Q · 事件をまとめて一つの裁判所で裁いてもらうよう、こっちから頼めますか?

5条の併合審判自体は上級裁判所の職権による決定ですが、被告人や検察官が併合・移送を求めて動く余地はあります(関連条文として下級から上級への移送を定める刑訴法4条、同一裁判所内の併合・分離を定める8条があります)。業界裏話ヒント:併合は便利に見えて、上級審への吸い上げは本来受けられた審級の段階を実質的に減らすことがあります。実務でも審級の利益を害するおそれから運用は慎重で、解釈が分かれる論点です。安易に「まとめてほしい」と頼む前に、それが有利か不利かを弁護人と詰めるべきです。

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第六条

土地管轄を異にする数個の事件が関連するときは、一個の事件につき管轄権を有する裁判所は、併せて他の事件を管轄することができる。

但し、他の法律の規定により特定の裁判所の管轄に属する事件は、これを管轄することができない。

刑事訴訟法 6 条は、土地管轄を異にする関連事件について、一個に管轄権を持つ裁判所が他の事件も併せて管轄できると定める。ただし他法の専属管轄事件は取り込めない。

よくある質問

Q · 別々の場所で起こした事件をまとめて一つの裁判所で裁かれると、罪は重くなりますか?

併合されたこと自体で刑が自動的に重くなるわけではありません。複数の罪が一つの判決で裁かれると併合罪(刑法45条以下)として処理され、量刑の枠が調整されます。業界裏話ヒント:実は一括審理の方が、裁判官が被告人の全体像(反省の度合い、更生可能性)を一度に評価でき、バラバラに裁かれるより有利になるケースもある。弁護人が『全部まとめて誠実に向き合う姿勢』を見せる戦略を取れるかどうかで結果が変わる

Q · 共犯者が遠くの県で捕まったら、自分もそこまで行って裁判を受けるんですか?

関連事件として一つの裁判所に併合されれば、共犯者の事件が係属する裁判所で一緒に審理される可能性があります(刑事訴訟法6条、9条)。ただし必ず併合されるわけではなく、裁判所の判断次第です。業界裏話ヒント:共犯事件では、誰の事件を基準に裁判所が決まるかで各被告人の弁護のしやすさが変わる。先に身柄を押さえられた共犯者の所在地に引っ張られることが多いので、自分の弁護人に早い段階で『どの裁判所に集約されそうか』を確認させると、移動や証人の段取りで先手を打てる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第七条

土地管轄を異にする数個の関連事件が同一裁判所に係属する場合において、併せて審判することを必要としないものがあるときは、その裁判所は、決定で管轄権を有する他の裁判所にこれを移送することができる。

刑事訴訟法 7 条は、同一裁判所に係属する関連事件のうち併せて審判する必要がないものを、決定で管轄権ある他の裁判所へ移送できると定める。6 条の併合と対をなす分離規定である。

よくある質問

Q · 共犯者と別の県で逮捕されたら、必ず同じ裁判所で一緒に裁かれるんですか?

必ずではありません。関連事件は一つの裁判所にまとめられることがありますが(刑訴法6条の併合管轄)、裁判所が「一緒に審判する必要はない」と判断すれば、第7条で本来の管轄裁判所へ移送されます。業界裏話ヒント:併合のままか分離かで、量刑の心証が変わることがある。重い共犯と一緒だと『一味』の印象がつきやすい。弁護人は、依頼者の関与が軽いケースほど早期の分離を狙う。

Q · 移送された裁判所が遠くて通えません。文句を言えますか?

第7条の移送は裁判所の職権による決定で、被告人に正式な請求権はありません。決定前であれば弁護人を通じて意見を述べられますが、決定後の不服申立ては、判決前の訴訟手続に関する決定として原則制限されます(刑訴法420条1項)。業界裏話ヒント:移送先が固まる前の段階で、証人の所在や弁護人事務所の場所など『その裁判所で審理する不都合』を具体的に裁判所へ届けておくことが、唯一の現実的な働きかけになる。

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第八条

数個の関連事件が各別に事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、各裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定でこれを一の裁判所に併合することができる。

前項の場合において各裁判所の決定が一致しないときは、各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で事件を一の裁判所に併合することができる。

刑事訴訟法 8 条は、事物管轄を同じくする複数の裁判所に係属する関連事件を、検察官または被告人の請求により決定で一つの裁判所に併合できると定める。

よくある質問

Q · 別々の裁判所で裁かれるのと、一つにまとめるのとで、何がそんなに違うんですか?

最大の違いは量刑です。別々に確定すると刑が積み上がりやすいですが、一つの手続でまとめて裁かれれば併合罪(刑法 45 条以下)として処理され、最も重い罪の刑に 2 分の 1 を加えた範囲が上限になります(刑法 47 条)。業界裏話ヒント:弁護士は併合が常に被告人有利とは考えません。片方の事件の証拠が他方の心証を悪くする見込みがあると、あえて分離のまま戦った方が得な場合がある。だから「とりあえず併合」とは勧めず、量刑と心証の両面を計算してから方向を決めます

Q · 被告人の自分から、まとめてくれと言えるんですか?

言えます。8 条 1 項は請求権者として検察官と被告人を並べており、被告人は検察官と対等にこの請求ができます。各裁判所の決定が食い違ったときは、共通する直近上級の裁判所に請求する道(8 条 2 項)もあります。業界裏話ヒント:多くの被告人は併合を裁判所や検察官が決めるものと思い込み、自分の請求権を使わないまま終わります。実際には、被告人側からの併合請求が量刑戦略の入口になることがあり、この一手を知っているかどうかが結果を分けます

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第九条

数個の事件は、左の場合に関連するものとする。

一人が数罪を犯したとき。

数人が共に同一又は別個の罪を犯したとき。

数人が通謀して各別に罪を犯したとき。

犯人蔵匿の罪、証憑湮滅の罪、偽証の罪、虚偽の鑑定通訳の罪及び贓物に関する罪とその本犯の罪とは、共に犯したものとみなす。

刑事訴訟法 9 条は関連事件を定義し、一人が数罪を犯した場合や、犯人蔵匿罪・盗品等関係罪を本犯と共に犯したものとみなす。関連すれば管轄が併合される。

よくある質問

Q · 盗品とは知らずに買った場合でも、泥棒と一緒に裁判にされるんですか?

盗品等関係罪(刑法 256 条)は『盗品と知っていた』ことが成立要件なので、本当に知らなければそもそも犯罪が成立せず、関連事件にもなりません。知って買った場合に限り、刑事訴訟法 9 条 2 項で本犯と『共に犯した』とみなされます。業界裏話ヒント:実務では『知っていたか』が最大の争点で、相場より極端に安い、入手経路を確認しなかった等の事情から『知り得た(未必の故意)』と推認されやすい。買った時点のやり取りの記録が、知情の有無を分ける

Q · 共犯者と同じ法廷で裁かれると、何が不利なんですか?

共同被告人の一人が『主犯はあいつだ』と供述すると、その内容が法廷に顕出し、裁判官の心証に影響します。本来あなたに向けられた証拠でなくても、いわば『もらい事故』で量刑が動く。弁論の分離(刑事訴訟法 313 条)でこれを防げます。業界裏話ヒント:共同被告人の公判廷供述は、反対尋問の機会が保障されるかで証拠価値が変わる。分離して証人として尋問する形にした方が、相手の供述を切り崩しやすい場面がある

Q · 関連事件だと、なぜ遠くの裁判所まで行かされるんですか?

一人が各地で数罪を犯した、または共犯が各地にいる場合、関連事件として一つの裁判所に管轄を併合できます(刑事訴訟法 3 条、6 条)。その結果、本来なら地元で済む事件が、本犯の事件がある遠方の裁判所に括られることがあります。業界裏話ヒント:併合は効率のためですが、被告の出廷や弁護人選任の負担を著しく増やす場合、併合の相当性を争う余地がある。併合が決まる前に異議を述べるかどうかで、その後の負担が大きく変わる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十条

同一事件が事物管轄を異にする数個の裁判所に係属するときは、上級の裁判所が、これを審判する。

上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で管轄権を有する下級の裁判所にその事件を審判させることができる。

刑事訴訟法 10 条は、同一事件が事物管轄の異なる複数の裁判所に係属した場合、上級の地方裁判所が審判すると定める。被告人は 2 項で簡裁への移送を請求できる。

よくある質問

Q · 同じ事件が二つの裁判所に起訴されるなんて、本当に起こるんですか?

起こります。検察官の処理の都合や訴因の評価の違いで、簡裁と地裁の双方に係属することがある。そのとき事物管轄が違えば 10 条で上級の地裁が審判し、事物管轄が同じなら 11 条で最初に公訴を受けた裁判所が審判します。業界裏話ヒント:二重係属は「いずれ整理される」と放置されがちですが、整理されるまで二つの法廷で同時に防御を強いられる負担は実在します。気づいた段階で弁護人に係属の一本化を動いてもらうのが、見えないコストを止める早道です

Q · 地裁より簡裁の方が刑が軽いと聞きました。簡裁に移してもらえますか?

10 条 2 項により、被告人の請求で上級裁判所が下級裁判所(簡裁)に審判させる決定をすることは可能です。簡裁が言い渡せる拘禁刑は原則 3 年が上限(裁判所法 33 条)なので、軽微な事案では量刑の天井を下げる意味があります。ただし簡裁が刑を 3 年超と判断すれば職権で地裁へ送ります(刑事訴訟法 332 条)。業界裏話ヒント:移送請求はタイミングが命で、地裁の審理が進む前に出さないと実益を失います。事案が簡裁の量刑枠に収まるかを最初に見極めてから動くのが定石です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十一条

同一事件が事物管轄を同じくする数個の裁判所に係属するときは、最初に公訴を受けた裁判所が、これを審判する。

各裁判所に共通する直近上級の裁判所は、検察官又は被告人の請求により、決定で後に公訴を受けた裁判所にその事件を審判させることができる。

刑事訴訟法 11 条は、同一事件が同じ事物管轄の複数の裁判所に係属したとき、原則として最初に公訴を受けた裁判所が審判すると定める規定である。

よくある質問

Q · 同じ事件で二回起訴されたら、裁判も二回受けるんですか?

受けません。11条1項により、原則として最初に公訴を受けた一つの裁判所だけが審判します。残った方の起訴は、二重起訴として公訴棄却で処理されます(刑訴338条3号)。業界裏話ヒント:どちらが審判するかは『受付の先後』で決まるため、検察官は戦略的に起訴する裁判所と順番を選ぶことがあります。被告人側がそれを察知し、2項で組み替えを請求できると知っているかどうかで、その後の出廷負担が大きく変わります

Q · 裁かれる裁判所を、被告人の側から選ぶことなんてできるんですか?

完全に自由には選べませんが、11条2項で『後に公訴を受けた裁判所に審判させてほしい』と、両裁判所に共通する直近上級裁判所へ請求できます。決めるのはその上級裁判所です。業界裏話ヒント:これとは別に、刑訴17条以下の管轄移転の請求という制度もあり、公平な裁判が期待できない等の事情があれば、そもそもの管轄裁判所を動かす道もある。二つの制度を使い分けられる弁護人かどうかで、戦える幅が違ってきます

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十二条

裁判所は、事実発見のため必要があるときは、管轄区域外で職務を行うことができる。

前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

刑事訴訟法 12 条は、裁判所が事実発見のため必要があるときは管轄区域外でも職務を行えると定める。2 項により受命裁判官にも準用され、区域外での検証や出張尋問が可能になる。

よくある質問

Q · 現場検証って警察がやるものですよね、裁判所も自分でやるんですか?

両方あります。捜査段階の検証は警察・検察が行いますが、裁判所も公判で必要なら自ら検証でき、12 条によって管轄区域の外へも出向けます。ドラマで見る裁判官の現場視察は、この公判検証のことが多い。業界裏話ヒント:捜査機関の検証調書と、裁判所自身の検証では、裁判官に与える心証の重みが全く違う。弁護側が調書だけでは現場の見通しは分からないと主張して裁判所の検証を引き出せれば、判決の流れを変えられることがある

Q · 証人が入院していて法廷に来られないとき、その証言は使えないんですか?

使えます。証人が高齢・重病で出廷できないとき、裁判所はその人の現在場所で尋問でき(刑訴法 158 条)、合議体の一員である受命裁判官や現地の裁判官に尋問を嘱託できます(刑訴法 163 条)。12 条はその裁判官が区域外で職務を行う土台です。業界裏話ヒント:出張尋問は裁判所にとって手間がかかるため、申立てが弱いと書面で足りると流されやすい。健康状態の診断書と、その証言が事件の核心であることをセットで示すかどうかで、出張尋問が実現するかが決まる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十三条

訴訟手続は、管轄違の理由によつては、その効力を失わない。

刑事訴訟法 13 条は、管轄違いを理由としては訴訟手続がその効力を失わないと定める。裁判所が変わっても、すでに行われた証拠調べや証人尋問は有効なまま引き継がれる。

よくある質問

Q · 管轄が違う裁判所で有罪判決が出たら、その判決は無効になりますか?

管轄違いそのものは上訴(控訴)で争えます。不法に管轄を認めたことは絶対的控訴理由になります(刑事訴訟法 378 条 1 号)。ただし 13 条により、判決に至るまでの個々の手続(証拠調べなど)は有効です。業界裏話ヒント:控訴審で管轄違いが認められても、事件は『無罪』になるのではなく、管轄を持つ裁判所へ移送・差戻しされるだけ。前の証拠が引き継がれることが多く、結論が覆る保証はない。やり直し=勝ち、ではない。

Q · 遠くの裁判所に起訴されて通うのが大変です。管轄違いで近くに移してもらえますか?

土地管轄が本当に違うなら、証拠調べ開始前に管轄違いの申立てができます(刑事訴訟法 331 条)。ただし管轄が適法なら、別途『管轄移転の請求』(刑事訴訟法 17 条以下)という別制度になります。業界裏話ヒント:距離の負担だけを理由に裁判所を動かすのは容易ではない。管轄が適法な場合、公平な裁判への支障などよほどの事情がないと移転は認められない。まず自分のケースが『管轄違い』なのか『適法だが不便』なのかを切り分けるのが先決。

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十四条

裁判所は、管轄権を有しないときでも、急速を要する場合には、事実発見のため必要な処分をすることができる。

前項の規定は、受命裁判官にこれを準用する。

刑事訴訟法 14 条は、管轄権のない裁判所でも急速を要する場合には事実発見のため必要な処分ができると定める。この権限は受命裁判官にも準用される。

よくある質問

Q · 急いでいたとはいえ、管轄のない裁判所がやった処分が有効なんて、おかしくないですか?

感覚的にはおかしく感じても、刑訴法14条は急速を要する場合に限り、管轄のない裁判所でも事実発見に必要な処分を認めています。さらに13条が、訴訟手続は管轄違いを理由には効力を失わないと定める。証拠の散逸を防ぐための安全装置です。業界裏話ヒント:弁護人は管轄違いを見つけても、それが急速を要する処分に当たるなら処分潰しには使いません。代わりに「急速性が本当にあったか」「処分が必要な範囲を超えていないか」を突きます。攻める軸が一段ずれるのがプロの読み方です

Q · 受命裁判官って何ですか、本物の裁判所とは違うんですか?

受命裁判官とは、合議体(複数の裁判官で構成する裁判所)から特定の職務を任された個々の裁判官のことです(刑訴法14条2項)。本体の裁判所と別物ではなく、その手足として動きます。14条2項により、受命裁判官も急速を要する場合の必要な処分ができます。業界裏話ヒント:証人が遠方にいて合議体全員が動けないとき、受命裁判官が一人で現地に赴いて尋問することがあります。後でその記録が合議体に共有される。被告側はこの尋問の手続が適正だったかを必ずチェックします

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十五条

検察官は、左の場合には、関係のある第一審裁判所に共通する直近上級の裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。

裁判所の管轄区域が明らかでないため管轄裁判所が定まらないとき。

管轄違を言い渡した裁判が確定した事件について他に管轄裁判所がないとき。

刑事訴訟法 15 条は、管轄裁判所が定まらないとき、検察官が共通する直近上級の裁判所に管轄指定を請求しなければならないと定める規定。これにより事件が宙に浮くのを防ぐ。

よくある質問

Q · 管轄が決まらないなら、結局その事件はうやむやになって終わるんですか?

終わりません。刑事訴訟法15条は、管轄裁判所が定まらないときや、管轄違い確定後に他に裁く裁判所がないとき、検察官が上級裁判所に管轄指定を請求することを義務づけています。指定されればそこで裁判が進みます。業界裏話ヒント:実務上、管轄指定が必要になる事件は極めて稀で、多くの検察官や裁判官も一生に一度経験するかどうかです。だからこそ手続が滞りやすく、過去の指定例を知る弁護士を探すのが最短ルートになります

Q · 管轄違いって言われたら、被告人にとっては有利なんですか?

一時的には進行が止まりますが、有利とは限りません。15条2号で他に管轄裁判所がないと判断されれば上級裁判所が裁く場所を指定し、裁判は続きます。別の裁判所が明白に存在すれば、単に移されるだけです。業界裏話ヒント:管轄違いを争うのは時間稼ぎになることもありますが、裁判官の心証を悪くするリスクもあります。本案で勝てる見込みがある事件で管轄ばかり争うのは得策でないことが多く、弁護人は『管轄で粘る価値があるか』を冷静に見極めています

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十六条

法律による管轄裁判所がないとき、又はこれを知ることができないときは、検事総長は、最高裁判所に管轄指定の請求をしなければならない。

刑事訴訟法 16 条は、管轄裁判所がない又は不明のとき、検事総長が最高裁判所に管轄指定を請求しなければならないと定める。公海上の犯罪など管轄の空白を埋める規定である。

よくある質問

Q · 公海の上で起きた事件って、結局どこの国が裁くんですか?

日本籍の船なら旗国主義により日本が裁判権を持ちます。どの裁判所かは刑事訴訟法 2 条が船舶の所属地や被告人の住所などで定めますが、それでも決まらない、または知ることができないときに 16 条が登場し、検事総長が最高裁に管轄指定を請求します。業界裏話ヒント:「日本の船イコール必ず日本で裁判」までは多くの人が知っていても、「では日本のどの裁判所か」が自動では決まらない点は見落とされがち。外国籍船なら旗国の管轄になり、日本の警察が直接動けないこともある。乗る船の国籍は、いざというときの裁判地を左右する

Q · 管轄が決まらないと、犯人は裁かれずに済むんですか?

済みません。16 条はまさに「裁く裁判所がないから不処罰」という事態を防ぐための条文です。日本に裁判権がある(刑法 1 条から 3 条)のに管轄裁判所だけが定まらないとき、検事総長が最高裁に請求し、最高裁が裁く裁判所を指定します。業界裏話ヒント:「裁判権があるか」と「管轄裁判所があるか」は別の問題。前者は日本が裁けるかどうか、後者は国内のどの裁判所かの話。報道で「国外の事件は日本で裁けない」と語られるとき、実は裁判権の問題と管轄の問題が混同されていることが多い

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十七条

検察官は、左の場合には、直近上級の裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。

管轄裁判所が法律上の理由又は特別の事情により裁判権を行うことができないとき。

地方の民心、訴訟の状況その他の事情により裁判の公平を維持することができない虞があるとき。

前項各号の場合には、被告人も管轄移転の請求をすることができる。

刑事訴訟法 17 条は、裁判の公平を維持できない虞があるとき、検察官または被告人が直近上級の裁判所に管轄移転を請求できると定める。

よくある質問

Q · 地元の報道が過熱していて、裁判官に予断があるんじゃないかと不安です。裁判所って変えられるんですか?

変えられる余地があります。刑訴法 17 条 2 項により、被告人も『裁判の公平を維持できない虞』を理由に直近上級裁判所へ管轄移転を請求できます。ただしハードルは高く、報道量が多いだけでは足りません。業界裏話ヒント:実務では管轄移転が認められる例は少なく、弁護人はむしろ裁判員選任手続(裁判員法)での質問を通じて予断のある候補を外す方が現実的と考えることが多い。移転請求は出すこと自体が記録に残り、後の主張材料になる点に本当の価値がある

Q · 検察官が管轄移転を請求してきたら、被告人は不利になりますか?

必ずしも不利ではありません。17 条 1 項は、裁判権を行使できない場合などに検察官が義務として請求するもので、被告人を狙い撃ちする制度ではありません。請求の当否は直近上級裁判所が判断します。業界裏話ヒント:似た場面でも、管轄が不明なら管轄指定(刑訴法 15 条、16 条)、同レベルの裁判所へ移すだけなら事件の移送(同 19 条)と、使う条文が分かれる。検察官がどの条文で動いているかを見れば、相手の狙いが読める

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十八条

犯罪の性質、地方の民心その他の事情により管轄裁判所が審判をするときは公安を害する虞があると認める場合には、検事総長は、最高裁判所に管轄移転の請求をしなければならない。

刑事訴訟法18条は、地元で裁けば公安を害する虞がある場合に、検事総長が最高裁判所へ管轄移転を請求しなければならないと定める規定である。

よくある質問

Q · ニュースで裁判が別の県に移ることがありますよね、あれは被告が希望したんですか?

二つの場合があります。被告人や検察官が「公平な裁判を維持できない」として求めるのが刑訴法17条、検事総長が「地元で裁けば公安を害する虞がある」として最高裁に求めるのが18条です。前者は被告人の利益、後者は社会の治安のためで、目的が正反対。業界裏話ヒント:弁護士は報道で移転を見ると、まずどちらの条文かを確認します。18条が動いた事件は国家が治安リスクを高く見ている証拠で、警備体制の重さや社会的注目度を予測する手がかりになる。一般の解説記事は17条と18条の区別をほとんど説明しない

Q · 被告人は「別の県には行きたくない」と移転を拒否できないんですか?

18条の移転については、被告人に直接の拒否権はありません。請求するのは検事総長、最終的に決めるのは最高裁判所だからです(刑訴法18条)。ただし被告人は防御に不利だという意見を最高裁に述べることはでき、逆に自分から17条で有利な裁判所への移転を求めることもできます。業界裏話ヒント:18条による移転は歴史的に極めて稀で、実際に発動される事例はほとんどありません。だからこそ、もし自分の事件で検討されているなら、それは社会的注目度が桁外れに高いことを意味する。弁護人選びを含め、通常事件とは別の戦略が要る

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第十九条

裁判所は、適当と認めるときは、検察官若しくは被告人の請求により又は職権で、決定を以て、その管轄に属する事件を事物管轄を同じくする他の管轄裁判所に移送することができる。

移送の決定は、被告事件につき証拠調を開始した後は、これをすることができない。

移送の決定又は移送の請求を却下する決定に対しては、その決定により著しく利益を害される場合に限り、その事由を疎明して、即時抗告をすることができる。

刑事訴訟法 19 条は、裁判所が請求または職権で、管轄事件を事物管轄が同じ他の管轄裁判所へ移送できると定める。ただし証拠調べを開始した後は移送できない(2 項)。

よくある質問

Q · 移送って、自分の好きな裁判所に変えられるんですか?

いいえ。19条で移せるのは、その事件についてもともと管轄を持つ別の裁判所で、しかも事物管轄(地裁なら地裁)が同じ場合に限られます。管轄のない裁判所へ移したいなら18条の管轄移転という別制度です。業界裏話ヒント:19条(同格裁判所間の移送)と18条(公平な裁判のおそれによる管轄移転)を混同する人が多い。弁護人はまずどちらの制度に乗る事案かを見極める。狙う条文を間違えると、それだけで申立てが空振りに終わる

Q · 移送をお願いしたのに断られた、もう諦めるしかない?

却下決定に対しては即時抗告ができますが、条件が厳しい。「その決定により著しく利益を害される場合」に限られ、しかもその事由を疎明する必要があります(19条3項)。提起は告知から3日以内(刑訴法422条)。業界裏話ヒント:「著しく」のハードルは高く、単なる通廷の不便では覆りにくい。だからこそ最初の移送請求書に、出廷コストや証人確保の困難を具体的な数字と資料で書き込んでおくことが、却下後の即時抗告の成否を分ける

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二章
第二十条

裁判官は、次に掲げる場合には、職務の執行から除斥される。

裁判官が被害者であるとき。

裁判官が被告人又は被害者の親族であるとき、又はあつたとき。

裁判官が被告人又は被害者の法定代理人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人であるとき。

裁判官が事件について証人又は鑑定人となつたとき。

裁判官が事件について被告人の代理人、弁護人又は補佐人となつたとき。

裁判官が事件について検察官又は司法警察員の職務を行つたとき。

裁判官が事件について第二百六十六条第二号の決定、略式命令、前審の裁判、第三百九十八条乃至第四百条、第四百十二条若しくは第四百十三条の規定により差し戻し、若しくは移送された場合における原判決又はこれらの裁判の基礎となつた取調べに関与したとき。ただし、受託裁判官として関与した場合は、この限りでない。

刑事訴訟法 20 条は、被害者・親族・前審担当など一定の事由がある裁判官を、申立てなしに当然に職務から除斥する規定である。除斥裁判官の判決関与は絶対的控訴理由となる。

よくある質問

Q · 裁判官がこっちに偏ってる気がするんですが、変えてもらえますか?

「偏っている感じ」だけでは原則動きません。まず 20 条の除斥事由(親族、前審担当、元検察官など)に当たるか確認を。当たれば申立て不要で当然に外れます。当たらない不公平事情は 21 条の忌避を申し立てますが、認められるのは稀です。業界裏話ヒント:訴訟を遅らせる目的とみなされた忌避は、24 条で簡易に却下されます。本気で通すなら「客観的に見て公平を疑わせる具体的事実」が必要で、印象論だけでは弁護人も動きにくい

Q · 除斥されるべき裁判官が判決を書いてしまったら、その判決はどうなるんですか?

内容が正しくても、絶対的控訴理由(377 条 2 号)として原判決は破棄されます。除斥された裁判官の関与は、判決の中身ではなく手続そのものの瑕疵だからです。業界裏話ヒント:当事者が気づかなくても、上訴審がこの瑕疵を見つければ職権で破棄しうる。逆に言えば、第一審で除斥事由を見逃しても控訴審で取り返せる切り札になる。だから判決文の裁判官名と経歴の照合は、控訴を考えるとき最初にやる作業です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十一条

裁判官が職務の執行から除斥されるべきとき、又は不公平な裁判をする虞があるときは、検察官又は被告人は、これを忌避することができる。

弁護人は、被告人のため忌避の申立をすることができる。

但し、被告人の明示した意思に反することはできない。

刑事訴訟法 21 条は、裁判官に除斥事由があるか不公平な裁判をする虞があるとき、検察官又は被告人がその裁判官を忌避できると定める。弁護人も被告人のため申し立てられる。

よくある質問

Q · 裁判官が気に入らないというだけで、忌避ってできるんですか?

できません。忌避が認められるのは、刑訴法 20 条の除斥事由がある場合か、「不公平な裁判をする虞」がある場合に限られます(刑訴法 21 条 1 項)。判決が不利、訴訟指揮が厳しい、といった主観的な不満は理由になりません。最高裁は虞の有無を客観的に判断します。業界裏話ヒント:実務で忌避が認められるのは極めて稀で、大半は却下されます。弁護士が安易に忌避を勧めないのは、却下されたうえ裁判官の心証だけ悪くするリスクを知っているからです

Q · 忌避を申し立てたら、その間裁判は止まるんですか?

原則として、忌避の申立てがあると訴訟手続は停止します(刑訴法 22 条)。ただし急速を要する行為は例外です。さらに、訴訟を遅延させる目的が明らかな忌避は、申し立てられた裁判官自身が即座に却下できます(刑訴法 24 条)。業界裏話ヒント:この簡易却下があるため「時間稼ぎの忌避」はほぼ機能しません。逆に言えば、本気の忌避は審理の早い段階で、明確な理由とともに出すのが定石です

Q · 弁護士が忌避すべきだと言うんですが、私は裁判官を刺激したくありません。従うしかないですか?

従う必要はありません。刑訴法 21 条 2 項但書により、弁護人はあなたの明示した意思に反して忌避を申し立てることはできません。最終的な決定権はあなたにあります。業界裏話ヒント:弁護人の忌避権は被告人の利益のための代理権であって、独立した権限ではありません。逆に、あなたが忌避を望んでも弁護人が消極的なときは、その理由(却下リスク、心証悪化)をきちんと説明させるべきです

Q · 忌避が却下されたら、もう打つ手はないんですか?

却下されても、それで終わりではありません。忌避の却下決定には即時抗告などの不服申立ての道があり(刑訴法 23 条、24 条)、さらに判決後の控訴で「公平な裁判所による裁判ではなかった」と争う材料になります。業界裏話ヒント:忌避の申立てと却下の記録自体が、上訴審での布石になります。その場で負けると分かっていても、偏りを公式記録に残すために、あえて忌避を打つ戦略が存在します

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十二条

事件について請求又は陳述をした後には、不公平な裁判をする虞があることを理由として裁判官を忌避することはできない。

但し、忌避の原因があることを知らなかつたとき、又は忌避の原因がその後に生じたときは、この限りでない。

刑事訴訟法 22 条は、本案について請求・陳述をした後は不公平を理由とする裁判官の忌避ができないと定める。ただし原因を知らなかった場合や後から生じた場合は例外として申立てが可能。

よくある質問

Q · 裁判官が明らかにこちらを疑ってかかっている気がします。途中からでも替えてもらえますか?

原則として難しいです。刑訴法 22 条は、あなたが事件の中身について発言した後は、不公平な裁判をする虞を理由とする忌避を認めません。タイミングを過ぎているからです。ただし、その偏りの原因(裁判官と被害者の個人的関係など)を後から知った場合は但書の例外で申し立てられます。業界裏話ヒント:実務で不公平の虞を理由とする忌避が認められる例は極めて少なく、訴訟指揮への不満程度では通りません。本当に効くのは除斥事由(20 条)に当たる客観的事実を突き止めたときで、弁護人はまずそこを探します

Q · 忌避を申し立てたら、その裁判官が自分で却下を決めるんですか?それじゃ意味ないのでは?

簡易却下(刑訴法 24 条、訴訟遅延目的が明らかな場合など)を除き、忌避の当否はその裁判官自身ではなく、別の裁判官や合議体が判断します(刑訴法 23 条)。自分の公平性を自分で裁くわけではありません。業界裏話ヒント:忌避を申し立てると原則として訴訟手続は停止します。これを逆手に取った引き延ばし目的の濫用申立ては、24 条の簡易却下で即座に潰され、裁判官の心証も悪くする。忌避はここぞの一回に賭ける武器で、連発するものではない

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十三条

合議体の構成員である裁判官が忌避されたときは、その裁判官所属の裁判所が、決定をしなければならない。この場合において、その裁判所が地方裁判所であるときは、合議体で決定をしなければならない。

地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所の裁判官が忌避されたときはその裁判官所属の裁判所が、簡易裁判所の裁判官が忌避されたときは管轄地方裁判所が、合議体で決定をしなければならない。

ただし、忌避された裁判官が忌避の申立てを理由があるものとするときは、その決定があつたものとみなす。

忌避された裁判官は、前二項の決定に関与することができない。

裁判所が忌避された裁判官の退去により決定をすることができないときは、直近上級の裁判所が、決定をしなければならない。

刑事訴訟法 23 条は、忌避された裁判官の当否を誰が決めるかを定める。本人は判断に関与できず、合議体の他の裁判官や所属裁判所が決定し、定足数不足なら直近上級裁判所が決める。

よくある質問

Q · 裁判官を忌避しても、結局その裁判所が決めるなら意味なくないですか?

意味はあります。23条3項で、忌避された裁判官本人は判断に加われません。合議体なら残りの裁判官、単独事件ならその所属裁判所が合議体で決める。身内が身内を無条件に守る構造ではない。業界裏話ヒント:とはいえ忌避が実際に認められる例は極めて少なく、弁護士の間では『通すより心証を損なうリスクの方が大きい』が常識。客観的な除斥事由(20条)に近い事実がない限り、安易な忌避は逆効果になりやすい

Q · 忌避が通ったら、これまでの裁判はどうなりますか?

忌避が認められると、その裁判官は事件から外れ、後任が引き継ぎます。すでに行われた手続のうち、その裁判官の関与が不可欠だった部分はやり直しになりうる。だからこそ裁判所は認定に慎重です。業界裏話ヒント:認められそうな客観的事情があるなら、正面から評議で争うより、23条2項但書を使って裁判官本人に『理由がある』と認めさせる方が、争いが長引かず早く決着することがある

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十四条

訴訟を遅延させる目的のみでされたことの明らかな忌避の申立は、決定でこれを却下しなければならない。この場合には、前条第三項の規定を適用しない。第二十二条の規定に違反し、又は裁判所の規則で定める手続に違反してされた忌避の申立を却下する場合も、同様である。

前項の場合には、忌避された受命裁判官、地方裁判所の一人の裁判官又は家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官は、忌避の申立てを却下する裁判をすることができる。

刑事訴訟法 24 条は、遅延目的のみが明らかな忌避や、時期・規則に違反した忌避の申立てを、忌避された裁判官自身が決定で却下できると定める。この場合、審理は停止しない。

よくある質問

Q · 裁判官を忌避したら、その裁判官が自分で「却下」って決められるんですか? それじゃ意味なくないですか?

原則は逆で、忌避された裁判官は自分への忌避を裁けません(23条)。別の裁判官が判断します。例外が24条で、申立てが明らかに遅延目的だけのとき、または時期や手続に違反したときだけ、当の裁判官自身が却下できます。業界裏話ヒント:だからこそ忌避申立書には「遅延目的ではない正当事由」を最初から尽くして書く。理由を尽くした申立ては、当の裁判官が独断で弾くハードルが上がり、別の裁判官による通常審査に乗りやすくなります

Q · 忌避を出せば裁判は止まるって聞いたんですが、本当ですか?

原則は止まります(23条3項、急速を要する場合を除く)。しかし24条の簡易却下事由に当たる忌避は、この停止規定が適用されず(24条1項後段)、手続は止まりません。業界裏話ヒント:引き延ばし目的の忌避は「止められなかった上に記録に残る」二重の不利になります。裁判官の心証にも響くため、忌避は時間稼ぎではなく、本当に不公平があるときの最後の手段として温存するのが実務の鉄則です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十五条

忌避の申立を却下する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

刑事訴訟法 25 条は、忌避の申立てを却下する決定に対して即時抗告ができると定める。提起期間は告知の日から 3 日と短く、過ぎると却下決定が確定する。

よくある質問

Q · 忌避を申し立てたら、その裁判官のもとで裁判は止まるんですか?

刑事訴訟規則上、急速を要する場合を除き、忌避の申立てがあると訴訟手続は原則として停止します。ただし24条の簡易却下に当たる場合(引き延ばし目的が明らかなとき等)は停止せず、公判が進みます。業界裏話ヒント:弁護人が忌避を使う本当の狙いは、必ずしも裁判官交代の成功ではなく、即時抗告で『この裁判官の公平性に疑義あり』と訴訟記録に刻むこと自体にある。それが後の控訴審での主張の伏線になる

Q · 即時抗告したら、本当に裁判官が代わる可能性はあるんですか?

即時抗告は上級の抗告裁判所が判断します。認容されれば原裁判所の却下決定が取り消され、忌避が認められて裁判官が外れます。ただ実際に認容される割合は低く、多くは棄却です。業界裏話ヒント:即時抗告の本当の効用は勝つことより、上級審の判断を一度通すこと。後で判決に対する控訴・上告のとき、法令により関与できない裁判官の関与(377条2号)など訴訟手続の違法を主張する足場として効いてくる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十六条

この章の規定は、第二十条第七号の規定を除いて、裁判所書記にこれを準用する。

決定は、裁判所書記所属の裁判所がこれをしなければならない。

但し、第二十四条第一項の場合には、裁判所書記の附属する受命裁判官が、忌避の申立を却下する裁判をすることができる。

刑事訴訟法 26 条は、裁判官の除斥・忌避の規定を裁判所書記官に準用する。ただし前審関与による 20 条 7 号は除外され、忌避の決定は書記官の所属裁判所が行う。

よくある質問

Q · 書記官なんてただの事務係でしょう、忌避してまで争う意味あるんですか?

あります。書記官が作る公判調書は、法廷で何が起きたかを証明する唯一の公式記録です(刑訴法 52 条)。あなたに有利な証言が漏れたり、ニュアンスが変われば、上訴審で覆すのは極めて困難。だからこそ記録者の中立性が問われます。業界裏話ヒント:実務で書記官忌避が実際に認められる例は稀ですが、申立てをした事実自体が記録に残り、裁判所に「記録の正確性を意識している当事者だ」と印象づける。その後の調書作成が丁寧になる副次効果がある

Q · 裁判官を忌避するのと、書記官を忌避するのって、どこの誰が決めるんですか?

決め手が違います。裁判官の忌避は別の裁判官(合議体)が判断しますが、書記官の忌避は「その書記官が所属する裁判所」が決定します(刑訴法 26 条 2 項)。ただし簡易却下の場面では、書記官が付いている受命裁判官が却下できる(同項但書、24 条 1 項準用)。業界裏話ヒント:この「誰が決めるか」の違いを知らずに申立先や手続を取り違えると、それだけで退けられる。中身を審理されずに終わることがある

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三章
第二十七条

被告人又は被疑者が法人であるときは、その代表者が、訴訟行為についてこれを代表する。

数人が共同して法人を代表する場合にも、訴訟行為については、各自が、これを代表する。

刑事訴訟法27条は、法人が被告人となったとき、その代表者が訴訟行為を代表すると定める。共同代表でも刑事手続では各自が単独で会社を代表できる。

よくある質問

Q · 社長を辞めれば、会社の裁判から逃げられますか?

逃げられません。会社を代表するのは「その時点の代表者」なので、あなたが辞任しても後任の代表取締役が会社の訴訟行為をそのまま引き継ぎます(27条1項)。しかも行為当時にあなた個人が関与していれば、辞任後もあなた個人の刑事責任は別に追及されます。業界裏話ヒント:辞任は会社の被告人としての地位に何の影響も与えず、むしろ「責任逃れ」と評価されて個人の情状を悪化させることがあります。辞める労力を、是正措置と再発防止策を記録に残すことに使うほうが、会社・個人双方の量刑にずっと効きます。

Q · 共同代表で、もう一人の取締役と連絡が取れません。会社の弁護人を選べないのでは?

選べます。刑訴法27条2項は、複数人が共同して法人を代表する場合でも、訴訟行為については各自が単独で代表できると定めています。会社内部で共同代表の取り決めがあっても、刑事事件の弁護人選任や認否は、あなた一人で有効に行えます。業界裏話ヒント:この各自代表のルールを知らない代表者は「二人そろわないと動けない」と思い込み、相手や共同代表の不在を理由に初動が致命的に遅れます。一人で動けると分かっていれば、誰かの欠席を口実に手続を止められずに済みます。

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十八条

刑法(明治四十年法律第四十五号)第三十九条又は第四十一条の規定を適用しない罪に当たる事件について、被告人又は被疑者が意思能力を有しないときは、その法定代理人(二人以上あるときは、各自。以下同じ。)が、訴訟行為についてこれを代理する。

刑事訴訟法 28 条は、刑法 39 条・41 条の免責が及ばない罪で被告人・被疑者が意思能力を欠くとき、その法定代理人が訴訟行為を代理すると定める。

よくある質問

Q · 認知症の親が万引きで捕まりました。本人は意味も分かっていません。私が代わりに対応できますか?

まず確認すべきは罪の種類です。通常の窃盗なら刑法39条(心神喪失)の問題として不起訴や無罪を争う筋であり、本条の出番ではありません。本条が動くのは、39条・41条の免責が法律上排除された特別な罪に限られます。あなたが成年後見人等の法定代理人なら、その範囲で訴訟行為を代理できます(28条)。業界裏話ヒント:実務ではまず本人の訴訟能力(刑訴法314条)と意思能力を医師の診断で固めるのが先決。これがないと代理の必要性自体が認められず、手続が空転する

Q · 法定代理人が二人いる場合、二人とも同意しないと何も進まないんですか?

いいえ。本条の括弧書きは「二人以上あるときは、各自」と定めており、各代理人が単独で訴訟行為を代理できます。父と母がともに親権者なら、どちらか一方の判断で弁護人選任などが可能です。業界裏話ヒント:単独で動ける反面、二人の方針が食い違うと矛盾した訴訟行為が併存し、後で効力が争われる火種になる。実務では必ず代理人間で方針を事前にすり合わせ、窓口を一本化しておくのが鉄則

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二十九条

前二条の規定により被告人を代表し、又は代理する者がないときは、検察官の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

前二条の規定により被疑者を代表し、又は代理する者がない場合において、検察官、司法警察員又は利害関係人の請求があつたときも、前項と同様である。

特別代理人は、被告人又は被疑者を代表し又は代理して訴訟行為をする者ができるまで、その任務を行う。

刑事訴訟法 29 条は、27 条・28 条で被告人を代表・代理する者がないとき、検察官の請求または職権で特別代理人を選任すると定める。任務は正規の代表者が現れるまで続く。

よくある質問

Q · 会社が起訴されたんですが、社長の私が法廷に出れば会社を代表できますよね?

原則は刑事訴訟法27条であなたが代表できます。ただしあなた自身も同じ事件で起訴されていると利益相反が生じ、会社の代表者として不適格とされ、29条で特別代理人が選任されることがあります。業界裏話ヒント:両罰規定の事件では会社と代表者が同時に被告人になるのが典型で、検察も裁判所もこの利益相反を意識しています。早い段階で弁護人が特別代理人の要否を提起すると、会社の防御を社長個人の防御から切り離して設計でき、責任の押し付け合いを避けられる

Q · 特別代理人って、国選でやってくれる弁護人と何が違うんですか?

別物です。特別代理人(29条)は会社や意思能力のない本人を『代表』して認否などの訴訟行為をする者、弁護人(30条以下、国選は36条)はその被告人の利益を守る弁護活動をする者です。特別代理人が立っても弁護人は別に必要。業界裏話ヒント:特別代理人は会社の訴訟方針そのものを握るので、誰が就くかは弁護人選び以上に会社の運命を左右することがある。中立性だけでなく会社の事情を理解できる人物かどうかが実は重要で、選任手続で意見を述べる余地がある

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第四章
第三十条

被告人又は被疑者は、何時でも弁護人を選任することができる。

被告人又は被疑者の法定代理人、保佐人、配偶者、直系の親族及び兄弟姉妹は、独立して弁護人を選任することができる。

刑事訴訟法 30 条は、被疑者・被告人が何時でも弁護人を選任でき、配偶者や親族も本人の同意なく独立して選任できると定める規定である。

よくある質問

Q · 当番弁護士と国選弁護人と私選弁護人って、何がどう違うんですか?

私選弁護人は本人や家族が自分で選んで費用を負担する弁護人で、30 条が定めるものです。国選弁護人は資力が乏しく一定の事件で国が選任するもの(被疑者は 37 条の 2、被告人は 36 条)。当番弁護士は弁護士会のサービスで、逮捕直後に初回無料で駆けつけます。業界裏話ヒント:当番弁護士は逮捕当日でも呼べます。留置担当の警察官に「当番弁護士を呼んでください」と言えば手配される。これを知らずに初日を黙って過ごすのが最大の損失です

Q · 家族が勝手に頼んだ弁護士、本人が気に入らなかったら断れますか?

断れます。30 条 2 項の家族の選任は本人の同意なく独立して成立しますが、本人はいつでもその弁護人を解任し、別の私選や国選に切り替えられます。最終的な意思は本人に残ります。業界裏話ヒント:それでも逮捕直後に誰かが先に弁護人を立てておくこと自体に大きな意味があります。空白の数日を作らず、まず一人を接見に行かせる。気に入らなければ後で替えればいいという順番で動くのが実務の定石です

Q · お金がなくて弁護士を雇えないんですが、それでも弁護人はつきますか?

つきます。逮捕直後は当番弁護士の初回相談が無料、勾留段階では資力要件(おおむね現金・預金 50 万円未満)を満たせば被疑者国選(37 条の 2)、起訴後は被告人国選(36 条)が利用できます。業界裏話ヒント:国選がつくのは原則勾留後なので、それまでのタイムラグを当番弁護士で埋めるのが定石です。最新の資力基準や対象事件は改正で動くことがあるため、最新の改正状況をご確認ください

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十一条

弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

簡易裁判所又は地方裁判所においては、裁判所の許可を得たときは、弁護士でない者を弁護人に選任することができる。

ただし、地方裁判所においては、他に弁護士の中から選任された弁護人がある場合に限る。

刑事訴訟法 31 条は、弁護人を原則として弁護士の中から選任すべきと定める。簡裁・地裁では裁判所の許可で特別弁護人を選任できるが、高裁・最高裁では認められない。

よくある質問

Q · 法律に詳しい友人に、刑事裁判の弁護を頼むことはできますか?

原則できません。刑訴法 31 条 1 項で弁護人は弁護士の中から選ぶのが原則です。例外として簡裁・地裁では裁判所の許可があれば弁護士でない人(特別弁護人)を立てられますが、地裁では弁護士の弁護人が別にいることが条件です(同条 2 項)。業界裏話ヒント:実務では特別弁護人の許可が出る例は多くありません。裁判所は弁護の質と手続の円滑を重視するため、よほど専門性や必要性を具体的に示せないと通らない。最初から弁護士に頼むほうが結局は近道になることが多い

Q · お金がないので弁護士を頼めません。それでも弁護人をつけられますか?

つけられます。資力が乏しい被疑者・被告人のために国選弁護人の制度があります(刑訴法 36 条以下)。一定の重大事件では被疑者段階から国選弁護人を請求でき、費用は原則国が立て替えます。業界裏話ヒント:「非弁護士でいいから安く」と考える前に国選を使うべきです。国選弁護人も正規の弁護士で、特別弁護人より法廷での権限も実効性もはるかに広い。逮捕されたらまず当番弁護士を呼び、そこから国選の請求につなげるのが定石

Q · 第一審で特別弁護人に助けてもらいました。控訴審でも同じ人に頼めますか?

頼めません。特別弁護人を認める例外は簡裁・地裁に限られ、高裁や最高裁では弁護士でない者は弁護人になれません(刑訴法 31 条 2 項の反対解釈)。業界裏話ヒント:控訴審は法律論の比重が高く、第一審の訴訟記録を踏まえた専門的な主張が勝負を分けます。第一審の段階から、上訴を見据えて弁護士の弁護人を主軸に据えておかないと、最も重要な局面で戦力を組み直す羽目になる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十一条の二

弁護人を選任しようとする被告人又は被疑者は、弁護士会に対し、弁護人の選任の申出をすることができる。

弁護士会は、前項の申出を受けた場合は、速やかに、所属する弁護士の中から弁護人となろうとする者を紹介しなければならない。

弁護士会は、前項の弁護人となろうとする者がないときは、当該申出をした者に対し、速やかに、その旨を通知しなければならない。同項の規定により紹介した弁護士が被告人又は被疑者がした弁護人の選任の申込みを拒んだときも、同様とする。

刑事訴訟法 31 条の 2 は、被告人・被疑者が弁護士会に弁護人選任を申し出れば、弁護士会が所属弁護士から弁護人を速やかに紹介する義務を負うと定める。私選弁護の入口である。

よくある質問

Q · お金がなくても、弁護士会に頼めば弁護士をつけてもらえるんですか?

31条の2は「私選」、つまり自分で費用を負担する弁護人の入口なので、紹介された弁護士には報酬を払うのが原則です。ただし資力が乏しければ被疑者国選(刑訴法37条の2)という別ルートがあり、勾留段階から国の費用で弁護人がつきます。業界裏話ヒント:弁護士会の窓口に最初から「資力が乏しい」と伝えると、私選ではなく国選や刑事被疑者弁護援助制度を案内してくれることが多い。31条の2にこだわらず、まず「お金がない」と正直に言うのが結局いちばん早い

Q · 当番弁護士が一回来てくれたけど、これってそのまま続けてくれるんですか?

続きません。当番弁護士は各弁護士会の自主事業で、初回一度の接見が無料というだけです。継続して弁護してもらうには、改めて私選(31条の2経由で正式に選任)か国選の手続が必要になります。業界裏話ヒント:当番弁護士が来たまさにその接見の場で「このまま私選でお願いしたい」と意思表示すると、その弁護士がそのまま受任することが多い。別の弁護士を探し直す空白を作らないこのひと言が、初動の数日を守る

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十二条

公訴の提起前にした弁護人の選任は、第一審においてもその効力を有する。

公訴の提起後における弁護人の選任は、審級ごとにこれをしなければならない。

刑事訴訟法 32 条は、起訴前の弁護人選任は第一審まで効力が続き、起訴後の選任は審級ごとに必要と定める。控訴審では改めて選任届を出さなければならない。

よくある質問

Q · 一審で頼んだ弁護士に、そのまま控訴審もお願いできないんですか?

同じ弁護士に頼むこと自体はできますが、自動では続きません。起訴後の選任は審級ごと(32条2項)なので、控訴審では新たに選任届を出す必要があります。業界裏話ヒント:控訴審は一審とは別契約・別料金になるのが実務の常です。一審の着手金に控訴審は含まれていません。判決後に「当然続けてくれる」と思い込んでいると、費用と依頼の意思確認で時間を取られ、14日の控訴期限が削られます

Q · 捜査段階で弁護士に払ったお金は、起訴されたら無駄になりますか?

無駄になりません。起訴前にした弁護人の選任は、第一審においても効力を有します(32条1項)。つまり捜査段階の弁護活動は第一審まで地続きで活きます。業界裏話ヒント:だからこそ逮捕・取調べの段階でどの弁護士を選ぶかが、第一審の防御方針の質をそのまま左右します。「起訴されてから本格的に弁護士を探せばいい」という発想が、最も不利な時期に弁護を手薄にしてしまう落とし穴です

Q · 控訴したいけれど弁護士費用がない場合はどうすれば?

控訴審でも資力に応じて国選弁護人を請求できます(36条)。ただし選任は審級ごとなので、一審の国選がそのまま控訴審に引き継がれるわけではなく、控訴審用に改めて請求が必要です。業界裏話ヒント:控訴申立てと国選請求を同時に動かさないと、選任が切れた空白期間に控訴趣意書の提出期限が来ることがあります。一審の弁護人や裁判所書記官に、控訴審の国選請求の手順をその場で確認しておくのが安全です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十三条

被告人に数人の弁護人があるときは、裁判所の規則で、主任弁護人を定めなければならない。

刑事訴訟法 33 条は、被告人に数人の弁護人があるとき裁判所の規則により主任弁護人を定めると規定する。主任弁護人への送達は弁護団全員への送達とみなされる。

よくある質問

Q · 弁護士を三人つけたら、裁判所からの通知は三人全員に届くんですか?

原則として主任弁護人一人に届けば足ります(刑事訴訟法33条、刑事訴訟規則)。主任弁護人への送達が弁護団全員への送達とみなされるため、他の弁護人に個別に届くとは限りません。業界裏話ヒント:だからこそ主任弁護人選びが要で、連絡が確実な人を充てないと、通知の見落としが弁護団全体の対応遅れに直結する。被告人本人も、重要な期日は主任弁護人任せにせず自分で控えておくと安全だ

Q · 主任弁護人って、誰がなるか自分で選べるんですか?

選べます。刑事訴訟規則では、まず被告人が複数の弁護人の中から主任弁護人を指定でき、被告人が指定しないときに裁判長が定めます(刑事訴訟法33条、刑事訴訟規則19条)。業界裏話ヒント:何も言わずにいると裁判長の判断に委ねられるため、信頼する弁護士に主導権を持たせたいなら、選任の段階で自分から指定しておく。これを知らない被告人は、弁護団の司令塔を成り行きで決められてしまう

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十四条

前条の規定による主任弁護人の権限については、裁判所の規則の定めるところによる。

刑事訴訟法 34 条は、主任弁護人の権限を裁判所の規則の定めるところによるとし、その具体的内容は刑事訴訟規則 25 条が定める。主任弁護人は他の弁護人に優先して法廷で発言できる。

よくある質問

Q · 弁護士を 2 人雇ったら、2 人とも自由に法廷で発言できるんですか?

形式上は両方とも弁護人ですが、法廷での申立・請求・尋問・陳述は主任弁護人が他に優先します(刑事訴訟規則 25 条)。残りの弁護人は主任の方針の枠内で動くのが原則です。業界裏話ヒント:だから「腕利きを並べれば安心」ではなく、誰を主任に据えるかで法廷戦略が決まる。追加した有名弁護士を主任にしなければ、その人は法廷で主導権を持てない。弁護団を組むなら、人数より先に主任の人選を詰めるのが実務

Q · 主任弁護人って、誰が決めるんですか?被告人が自分で選べる?

まず弁護人同士の協議で定め、決まらなければ裁判長が指定します(刑訴法 33 条、刑事訴訟規則 19 条)。被告人が「この人を主任に」と直接命じる仕組みではありません。業界裏話ヒント:被告人の意向を反映させたいなら、選任の段階で弁護人間の役割分担を書面で合意しておくのが鍵。後から揉めて裁判長指定に委ねると、被告人の希望が通りにくい結末になりかねない

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十五条

裁判所は、裁判所の規則の定めるところにより、被告人又は被疑者の弁護人の数を制限することができる。

但し、被告人の弁護人については、特別の事情のあるときに限る。

刑事訴訟法 35 条は、裁判所が規則により被告人・被疑者の弁護人の数を制限できると定める。刑事訴訟規則 26 条で原則 3 人が上限となり、被告人は特別の事情がある場合に限り制限される。

よくある質問

Q · 弁護士って、何人まで頼めるんですか?

刑事事件では原則 3 人までです(刑事訴訟法 35 条、刑事訴訟規則 26 条)。裁判所が必要と認めれば 3 人を超えて許可することもありますが、自動ではありません。業界裏話ヒント:実務では人数より『主任弁護人』を誰にするかが重要。複数つけても、裁判所との連絡や訴訟方針の主導権は主任に集約されます(刑訴 33 条)。数を揃える前に、誰を司令塔にするかを決める方が効く

Q · 起訴される前と後で、弁護人の数の扱いが違うって本当ですか?

本当です。刑事訴訟法 35 条但書は、被告人(起訴後)の弁護人を制限できるのは『特別の事情のあるとき』に限ると定めます。起訴前の被疑者にはこの限定がなく、裁判所はより広く制限できます。業界裏話ヒント:正式に起訴された方が防御態勢の保護は厚くなる。逮捕直後の被疑者段階で人数を絞られても、起訴後に態勢を組み直す余地があると知っておくと、初動で焦らずに済む

Q · 主任弁護人って何ですか?複数つけたら必要なんですか?

弁護人が複数いるとき、その中の一人を『主任弁護人』に定めます(刑事訴訟法 33 条、刑事訴訟規則 19 条以下)。裁判所からの書類送達や訴訟上の連絡は主任に対して行われ、弁護方針の取りまとめ役になります。業界裏話ヒント:主任を誰にするかで法廷戦略の主導権が決まる。経験や事件との相性で選ぶべきで、単に事務所の序列で決めると現場で噛み合わないことがある

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十六条

被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判所は、その請求により、被告人のため弁護人を附しなければならない。

但し、被告人以外の者が選任した弁護人がある場合は、この限りでない。

刑事訴訟法 36 条は、貧困等で弁護人を選任できない被告人の請求により、裁判所が国選弁護人を附すと定める。必要的弁護事件を除き請求が必要で、私選弁護人がいれば対象外となる。

よくある質問

Q · お金がないと、本当に無料で弁護士をつけてもらえるんですか?

貧困その他の事由で弁護人を選任できなければ、請求により裁判所が国選弁護人を附す(36条)。ただし完全無料とは限らず、有罪判決時に国選費用を訴訟費用として負担するよう命じられることがある(181条、最新の改正状況をご確認ください)。業界裏話ヒント:実務では資力の乏しい被告人に裁判所が訴訟費用の負担を命じないことも多いが、これは裁量。最初から『無料』と決めつけず、判決時の費用負担の見込みを弁護人に確認する

Q · 逮捕されてすぐ国選弁護人を呼べますか?

36条の国選は『被告人』、つまり起訴後の制度であり、逮捕直後・起訴前は対象外。勾留が決まれば被疑者国選(37条の2)が使えるが、逮捕から勾留までの初動は当番弁護士(弁護士会、初回無料)で埋める。業界裏話ヒント:この初動72時間は取調べで最も重要な局面。『国選はまだ』と待つ間に不利な供述調書ができてしまう。逮捕の一報を受けたら、家族がすぐ弁護士会の当番弁護士を呼ぶのが鉄則

Q · 国選弁護人って、自分で選べるんですか?

原則として選べない。裁判所が選任する(36条、38条)。弁護人を指名したいなら私選になるが費用は自己負担。業界裏話ヒント:国選弁護人の対応にばらつきがあるのは事実だが、いったん選任されると解任は容易でない。資力があり事件が重大なら、経験ある弁護士を私選で選ぶ価値はある。逆に資力がなければ国選を最大限使い倒す姿勢が現実的だ

Q · 家族が逮捕されたとき、私が弁護士を頼んだら本人の国選は受けられなくなりますか?

本人以外が私選弁護人を選任すると、但書により国選はつかない(36条但書)。良かれと思った私選が、結果的に公費の選択肢を消すことになる。業界裏話ヒント:私選を頼むなら費用負担の覚悟を決め、国選で行くなら家族は私選をつけず本人が請求する流れに整理する。方針を決めずに家族が別々に動くと、自分で選択肢を一つ潰してしまう

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十六条の二

この法律により弁護人を要する場合を除いて、被告人が前条の請求をするには、資力申告書(その者に属する現金、預金その他政令で定めるこれらに準ずる資産の合計額(以下「資力」という。)及びその内訳を申告する書面をいう。以下同じ。)を提出しなければならない。

刑事訴訟法 36 条の 2 は、国選弁護人を請求する被告人に資力申告書の提出を義務づける。資力が基準額未満なら国費で弁護人がつく。

よくある質問

Q · 国選弁護人ってタダなんですか?後から請求されたりしません?

原則として国費で賄われますが、完全に無条件のタダではありません。有罪判決を受けると、裁判所は国選弁護人の費用を含む訴訟費用の全部または一部を被告人に負担させることができます(刑訴法 181 条)。業界裏話ヒント:負担を命じられても、無資力であれば訴訟費用の執行免除を申し立てられます。資力がない人は、有罪でも実際には払わずに済むケースが多い。諦めて私選を断念する前に、この免除制度まで含めて考える

Q · 資力申告書、少なめに書いたらバレますか?

預金照会などで裏が取れる場面があり、発覚すれば刑事訴訟法 38 条の 4 により 10 万円以下の過料に処せられます。虚偽が判明すれば裁判官の心証も悪化し、量刑にも響きます。業界裏話ヒント:基準額の前後で迷う人ほど正確に書くべきです。仮に基準額を超えて国選に直行できなくても、弁護士会への私選紹介申出(36 条の 3)という正規ルートが残っている。嘘で得られるものより、失うものの方が圧倒的に大きい

Q · お金がないけど、起訴を待たずにすぐ相談できる弁護士はいないんですか?

資力申告書による国選は起訴後の手続ですが、逮捕直後でも当番弁護士制度が使えます。弁護士会に依頼すれば、初回は無料で弁護士が接見に来てくれます。業界裏話ヒント:当番弁護士と国選弁護人は別制度です。逮捕されたらまず当番弁護士を呼んで初動の助言を受け、起訴後に資力申告書で国選に切り替える、という二段構えが王道。最初の取り調べを一人で受けるかどうかが、後の流れを大きく左右する

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十六条の三

この法律により弁護人を要する場合を除いて、その資力が基準額(標準的な必要生計費を勘案して一般に弁護人の報酬及び費用を賄うに足りる額として政令で定める額をいう。以下同じ。)以上である被告人が第三十六条の請求をするには、あらかじめ、その請求をする裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。

前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所又は当該被告事件が係属する裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

刑事訴訟法36条の3は、資力が基準額(現在50万円)以上の被告人が国選弁護人を請求する前に、弁護士会へ私選弁護人選任の申出をしておくことを義務づける規定である。

よくある質問

Q · 貯金が少しあるんですけど、国選弁護人ってもう無理なんですか?

無理ではありません。資力が基準額(現在50万円)以上でも、刑訴法36条の3に従って弁護士会へ私選弁護人のあっせんを申し出て、引き受け手が見つからなければ国選を請求できます。資力で門前払いされるのではなく、手続が一段増えるだけです。業界裏話ヒント:境界線上の資力なら、まず弁護士会と法テラスの両方に当たるのが実務の定石。どちらか一方だけ動かして時間を空費する人が多いが、並行して動かせば弁護人不在の空白を最短にできる

Q · 弁護士会に申し出ろって言われても、断られ続けたらどうなるんですか?

弁護士会が「選任に至らなかった」旨を裁判所へ通知すれば(36条の3第2項)、それがあなたの国選請求の前提になります。つまり断られること自体が次の段階への鍵です。業界裏話ヒント:弁護士会への申出が形式的に済んでいても、不調通知が裁判所に届いていないと国選手続が前に進まないことがある。通知が出たか、裁判所に届いたかを自分から確認しておくと、選任までの時間が縮む

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十七条

左の場合に被告人に弁護人がないときは、裁判所は、職権で弁護人を附することができる。

被告人が未成年者であるとき。

被告人が年齢七十年以上の者であるとき。

被告人が耳の聞えない者又は口のきけない者であるとき。

被告人が心神喪失者又は心神耗弱者である疑があるとき。

その他必要と認めるとき。

刑事訴訟法 37 条は、被告人に弁護人がないとき、未成年・70 歳以上・心神耗弱の疑いなど一定の事情があれば、裁判所が職権で弁護人を付すことができると定める。資力の有無は問わない。

よくある質問

Q · お金はあるんですが、それでも裁判所が勝手に弁護士をつけてくれることはありますか?

あります。37 条は資力と無関係に、未成年・70 歳以上・耳が聞こえない/口がきけない・心神耗弱の疑いといった事情があれば、裁判所が職権で弁護人を付すことができます。資力を理由に請求する 36 条とは入口が別です。業界裏話ヒント:実務では、対象事情があっても裁判所が自発的に気づくとは限りません。本人や家族が早い段階で年齢や健康の事情を書面で伝えると、職権発動の引き金になりやすい。黙っていると、当てはまっていても見過ごされることがある

Q · 国選の弁護士って、無料だからやる気がないんじゃないですか?

誤解です。国選弁護人は普通に開業している弁護士で、国から法テラスを通じて報酬が支払われます(38 条)。私選と国選で弁護士の資格や能力に差はありません。業界裏話ヒント:国選は法テラスと契約した弁護士の中から指名される仕組みで、刑事弁護の経験が豊富な人も多い。もし担当弁護人との相性や方針に深刻な問題があれば、解任・再選任を求める道もある。質を理由に弁護人そのものを諦める必要はない

Q · 『心神耗弱の疑い』って、医師の診断書がないとダメですか?

確定診断までは不要です。条文は『疑があるとき』(37 条 4 号)と定めており、疑いを抱かせる程度の事情で足ります。通院歴・服薬記録・家族の説明などが材料になります。業界裏話ヒント:弁護人がつくかどうかと、最終的に責任能力が認められるか(刑法 39 条の心神喪失・耗弱の認定)は別の話。まず 37 条で弁護人を確保し、その弁護人を通じて精神鑑定の要否を争うのが筋道。順番を間違えると、防御の入口で出遅れる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十七条の二

被疑者に対して勾留状が発せられている場合において、被疑者が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、裁判官は、その請求により、被疑者のため弁護人を付さなければならない。

ただし、被疑者以外の者が選任した弁護人がある場合又は被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

前項の請求は、勾留を請求された被疑者も、これをすることができる。

刑事訴訟法 37 条の 2 は、勾留された被疑者が貧困等で弁護人を選任できないとき、裁判官が請求により国費で弁護人を付すと定める。2018 年から勾留全事件が対象となった。

よくある質問

Q · 逮捕されたらすぐ無料で弁護士を呼べるんですよね?

正確には、逮捕直後の段階(最大 72 時間)では国選弁護人(37 条の 2)はつきません。この時期に無料で来てくれるのは弁護士会の当番弁護士制度です。国選がつくのは勾留状が出てから。業界裏話ヒント:逮捕直後こそ自白の山場なのに国選の空白がある。だから当番弁護士を最初の 1 回必ず呼び、その弁護士に勾留後の国選または私選をそのまま引き継いでもらうのが実務の定石。家族は逮捕の一報を受けたら、まず最寄りの弁護士会に当番弁護士を要請する

Q · 国選弁護人って、やる気のない弁護士が来るって本当ですか?

報酬は私選より低いですが、国選名簿に登録しているのは通常の弁護士で、刑事弁護に意欲のある人も多くいます(選任は 38 条が規定)。もし相性が悪くても、正当な理由があれば解任・再選任を求められます。業界裏話ヒント:国選から私選への切り替えは可能で、逆もできる。重大事件で本気の弁護を望むなら、家族が費用を工面して途中で私選に切り替える手もある。国選だから諦める必要はない

Q · お金はあるけど今すぐ用意できないときは?

資力(現金・預金等)が基準額 50 万円以上ある場合は、まず弁護士会を通じた私選弁護人の紹介を申し込む必要があります(37 条の 3)。それで見つからなければ国選に移れます。50 万円未満なら直接国選を請求できます。業界裏話ヒント:資力申告書には虚偽記載への罰則があるので正直に書く。逆に言えば 50 万円未満を正しく申告すれば確実に国選がつく。資産を過大に書いて私選前置に回され、貴重な捜査期間を浪費する人がいる

Q · 勾留される前から弁護士を呼べるって聞いたんですが?

はい、37 条の 2 第 2 項により、勾留を請求された段階の被疑者も国選を請求できます。これにより、裁判官があなたを勾留するか判断する勾留質問に、弁護士の助言を間に合わせられます。業界裏話ヒント:この 2 項の早期請求を使う人は少ない。だが勾留質問は勾留の可否を分ける重要な場面。ここで弁護士が勾留の必要性を争えば、勾留そのものを回避できることもある。早く動いた人だけが得をする条文だ

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十七条の三

前条第一項の請求をするには、資力申告書を提出しなければならない。

その資力が基準額以上である被疑者が前条第一項の請求をするには、あらかじめ、その勾留の請求を受けた裁判官の所属する裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄区域内に在る弁護士会に第三十一条の二第一項の申出をしていなければならない。

前項の規定により第三十一条の二第一項の申出を受けた弁護士会は、同条第三項の規定による通知をしたときは、前項の地方裁判所に対し、その旨を通知しなければならない。

刑事訴訟法 37 条の 3 は、被疑者が国選弁護人を請求するには資力申告書の提出を要し、資力が基準額(50 万円)以上なら弁護士会への紹介申出を前置すると定める。

よくある質問

Q · 逮捕されたら、すぐ無料の弁護士が付くんですよね?

付きません。被疑者国選(37条の2)が使えるのは勾留された後で、逮捕からの最大72時間は対象外です。その空白を埋めるのが弁護士会の当番弁護士で、初回接見は無料。ただし自分か家族が呼ばないと来ません。業界裏話ヒント:当番弁護士の初回は無料ですが、その後継続して依頼すると私選扱いで費用が発生します。資力が基準額未満なら勾留段階でそのまま国選に切り替えられる場合があるので、最初に来た当番弁護士に「国選への流れ」を必ず聞く

Q · 貯金が少しあると、国選弁護人は頼めないんですか?

資力が基準額(現在50万円)以上だと、いきなりは頼めません。先に弁護士会へ弁護士紹介の申出(31条の2)をして、引き受け手が見つからなければ国選に回ります(37条の3第2項、第3項、最新の基準額をご確認ください)。業界裏話ヒント:ここでいう資力は「現金と預金など今動かせる資産」で、年収ではありません。高収入でも手持ちが乏しければ基準額未満になりうる。申告書を書くときは、所得ではなく手元資金で判断されると知っておくと、無駄に私選を覚悟せずに済む

Q · 資力申告書に少なめに書いたら、後で問題になりますか?

資力申告書は虚偽記載が許されない法的書類です。実際より少なく申告して国選が付いた場合、後で不実が判明すれば費用負担や制度の信頼に関わる問題となりえます。業界裏話ヒント:迷ったら正直に書いた上で、基準額以上でも弁護士会経由で国選に至る道(37条の3第2項)が残っていることを覚えておく。嘘でリスクを抱えるより、正規ルートの遠回りの方が結局は安全で速い

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十七条の四

裁判官は、被疑者に対して勾留状が発せられ、かつ、これに弁護人がない場合において、精神上の障害その他の事由により弁護人を必要とするかどうかを判断することが困難である疑いがある被疑者について必要があると認めるときは、職権で弁護人を付することができる。

ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

刑事訴訟法37条の4は、勾留中で弁護人がなく、精神上の障害等で弁護人の要否を判断できない疑いがある被疑者に、裁判官が職権で弁護人を付せると定める。釈放されれば適用外。

よくある質問

Q · 国選弁護人って逮捕されたら自動でつくんじゃないんですか?

自動ではつきません。原則は本人の請求が必要で(37条の2)、請求がなければ弁護人なしで取調べが進むこともあります。ただし精神障害などで請求の判断すらできない被疑者には、37条の4で裁判官が職権でつけられます。業界裏話ヒント:この職権発動は『判断困難の疑い』を裁判所が認識して初めて動く。家族が本人の診断書や通院歴を早く届けるほど、空白の時間が短くなる。待っているだけでは、最も必要な人ほど漏れやすい

Q · 家族が代わりに弁護士を頼むのと、この職権でつくのと、どっちがいいんですか?

私選弁護人を家族が頼めば費用は自己負担、職権による国選なら原則は国の負担です(資力要件あり)。本人が判断困難な場合、まず職権付与を促しつつ、急ぐなら当番弁護士を呼ぶのが現実的。業界裏話ヒント:当番弁護士は逮捕直後でも呼べて初回無料、そのまま国選や私選に引き継げる。『誰が頼むか』で悩むより、まず当番弁護士を呼んで状況を専門家に渡すのが一番速い

Q · 勾留中につかなかった弁護人は、釈放されたらもう手配できないんですか?

37条の4の職権付与は釈放されると適用外になります(ただし書き)。ただし起訴されれば被告人国選弁護(36条)の別ルートがあり、不起訴や釈放後でも私選弁護人は自由に頼めます。業界裏話ヒント:釈放イコール安心ではない。在宅のまま捜査が続き、後で起訴されるケースもある。釈放後も油断せず、必要なら私選弁護人や法テラスの法律相談につなぐ

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十七条の五

裁判官は、死刑又は無期拘禁刑に当たる事件について第三十七条の二第一項又は前条の規定により弁護人を付する場合又は付した場合において、特に必要があると認めるときは、職権で更に弁護人一人を付することができる。

ただし、被疑者が釈放された場合は、この限りでない。

刑事訴訟法37条の5は、死刑又は無期拘禁刑に当たる事件で、裁判官が特に必要と認めるとき、被疑者に二人目の国選弁護人を職権で付せると定める。被疑者が釈放されれば適用されない。

よくある質問

Q · 起訴される前でも、本当に無料で弁護士をつけてもらえるんですか?

つけられます。一定の重さの事件で勾留された被疑者は、刑事訴訟法37条の2により国選弁護人を請求できます。さらに死刑・無期拘禁刑に当たる事件では、37条の5で裁判官が職権で二人目までつけられる。業界裏話ヒント:起訴前の被疑者国選には資力要件(手持ち資金が一定額未満)があり、当番弁護士(弁護士会が初回無料で派遣)とは別制度です。逮捕直後はまず当番弁護士を呼び、勾留段階で国選に切り替えるのが実務の定石。この二段構えを知らないと、最初の取調べを弁護士なしで受けてしまう

Q · 二人目の弁護士は、頼めば必ずつけてもらえるんですか?

必ずではありません。37条の5は「特に必要があると認めるとき」に裁判官が職権で付すと定めており、裁量です。黙っていれば一人のまま進むこともある。業界裏話ヒント:二人目が認められやすいのは、記録が膨大、共犯者が多い、争点が複雑、裁判員裁判が見込まれるといった事情がある場合です。最初の国選弁護人を通じて、これらの具体的事情を書面で裁判所に示すと動きやすい。家族が直接訴えるより、弁護人経由で必要性を立証するのが効く

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十八条

この法律の規定に基づいて裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付すべき弁護人は、弁護士の中からこれを選任しなければならない。

前項の規定により選任された弁護人は、旅費、日当、宿泊料及び報酬を請求することができる。

刑事訴訟法 38 条は、裁判所が付す国選弁護人を弁護士の中から選任すべきことと、その弁護人が旅費・日当・報酬を国に請求できることを定める規定である。

よくある質問

Q · 国選弁護人って、結局タダなんですよね?

無罪や不起訴で終われば負担はありません。しかし有罪判決が出ると、国選弁護人の報酬を含む訴訟費用をあなたが負担するよう命じられることがあります(刑事訴訟法181条)。業界裏話ヒント:執行猶予がついた場合でも、訴訟費用の負担を命じられることは実務上珍しくありません。ただし支払う資力がなければ、執行免除の申立てができます。負担命令が出た時点で諦めず、資力がないことを示して免除を求める道がある

Q · 国選弁護人は自分で選べないって本当ですか?

本当です。38条1項により弁護士の中から選任されますが、誰になるかは法テラスの名簿から割り当てられ、あなたが指名することはできません。ただし私選弁護人への切替はいつでも自由です。業界裏話ヒント:国選から私選に切り替えると、その時点で国選弁護人は解任されます。切替のタイミング次第で、それまでの国選報酬が訴訟費用に計上されるかが変わってくるので、切り替えるなら早い段階で動く方が後の負担を読みやすい

Q · 国選と私選で、弁護の手厚さは変わりますか?

弁護士資格は同じで、制度上の優劣はありません。ただ国選の報酬は事件あたりで低めに設定されており、多数の事件を抱える弁護士もいます。否認事件や重大事件では、最初から私選を選ぶ人が一定数います。業界裏話ヒント:お金がないから国選しかない、と思い込む前に法テラスの立替制度を確認すること。資力がぎりぎりの人でも、立替で私選を実質分割払いにして、専従的に動いてくれる弁護士を確保する選択肢が残されている

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十八条の二

裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。

ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。

刑事訴訟法 38 条の 2 は、被疑者が事件について釈放されると国選弁護人の選任が効力を失うと定める。ただし勾留の執行停止による釈放のときは失効しない。

よくある質問

Q · 国選弁護人って、釈放されたあとも相談に乗ってくれないんですか?

法律上の選任は釈放で効力を失います(刑事訴訟法38条の2)。国費でついた弁護人は、釈放と同時に正式な代理人ではなくなります。業界裏話ヒント:多くの弁護士は釈放後も電話相談には応じますが、それは好意であって義務ではありません。釈放が見えてきた段階で「このまま私選でお願いできますか」と頼んでおけば、空白なく弁護を続けられます。出てから探すと手遅れになりがちです

Q · 勾留の執行停止と勾留の取消しって、釈放されるのは同じなのに何が違うんですか?

執行停止(刑事訴訟法95条)は勾留命令を残したまま一時的に身体拘束だけを解く措置で、再収容があり得ます。取消し(同87条)は勾留命令そのものを消します。だから38条の2のただし書きで、執行停止のときだけ国選弁護人が残ります。業界裏話ヒント:釈放時に渡される書面の「理由」欄を必ず見ること。執行停止か取消しかで、弁護人が残るか消えるかが決まります

Q · 釈放されて何か月も経ってから起訴されることはあるんですか?

あります。身体拘束を伴わない「在宅起訴」です。釈放で被疑者国選は失効しているので(刑事訴訟法38条の2)、起訴されたら改めて被告人国選(同36条)を申請し直す必要があります。業界裏話ヒント:釈放されても捜査が終わったとは限りません。在宅で取調べが続くこともあり、その間は弁護人が法律上いない状態です。不安なら自分で弁護士に依頼しておくのが安全です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十八条の三

裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、裁判所若しくは裁判長又は裁判官が付した弁護人を解任することができる。

第三十条の規定により弁護人が選任されたことその他の事由により弁護人を付する必要がなくなつたとき。

被告人と弁護人との利益が相反する状況にあり弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

心身の故障その他の事由により、弁護人が職務を行うことができず、又は職務を行うことが困難となつたとき。

弁護人がその任務に著しく反したことによりその職務を継続させることが相当でないとき。

弁護人に対する暴行、脅迫その他の被告人の責めに帰すべき事由により弁護人にその職務を継続させることが相当でないとき。

弁護人を解任するには、あらかじめ、その意見を聴かなければならない。

弁護人を解任するに当たつては、被告人の権利を不当に制限することがないようにしなければならない。

公訴の提起前は、裁判官が付した弁護人の解任は、裁判官がこれを行う。この場合においては、前三項の規定を準用する。

刑事訴訟法38条の3は、裁判所が付した国選弁護人を解任できる5つの事由を定める規定。被告人本人に解任権はなく、解任には事前の意見聴取が必要となる。

よくある質問

Q · 国選弁護人が頼りないんですが、自分の希望で別の弁護士に替えてもらえますか?

原則できません。国選弁護人の解任権は裁判所(起訴前は裁判官)にあり、被告人本人に解任権はありません(刑訴法38条の3第1項)。「なんとなく合わない」では解任事由になりません。業界裏話ヒント:現実的に最も確実なのは私選弁護人を選任することです。私選がつけば第1号の「弁護人を付する必要がなくなった」に当たり、国選は解任される。資力があるなら、解任申立てより私選切替の方が速い

Q · 国選弁護人を解任してもらったら、無防備な状態で裁判を受けることになりませんか?

必要的弁護事件(死刑・無期・長期3年を超える懲役禁錮の事件など、刑訴法289条)では、弁護人なしで公判は開けません。解任されても新たな弁護人が選任されます。業界裏話ヒント:問題は「空白期間」です。新しい弁護人が記録を読み込み直すには時間がかかり、公判直前の解任は審理の遅延や準備不足を招く。第3項が「被告人の権利を不当に制限しない」と定めるのは、まさにこの空白を裁判所に意識させるため。替えるなら早い段階で動く

Q · 弁護士に文句を言っただけで解任されて、自分が不利になることはありますか?

単なる苦情では解任されませんが、暴行・脅迫に及べば第5号により解任され、その事由は「被告人の責めに帰すべき」ものとして扱われます(刑訴法38条の3第1項5号)。業界裏話ヒント:信頼関係が壊れたと感じたら、感情をぶつける前に、接見時に具体的な不満を文書で伝えるか、弁護士会への苦情申立てという別ルートを使う。自ら解任事由を作ると、次の弁護人との関係でも「扱いにくい被告人」という心証が引き継がれかねない

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十八条の四

裁判所又は裁判官の判断を誤らせる目的で、その資力について虚偽の記載のある資力申告書を提出した者は、十万円以下の過料に処する。

刑事訴訟法 38 条の 4 は、判断を誤らせる目的で資力申告書に虚偽記載をした者を 10 万円以下の過料に処すると定める。過料は刑罰ではなく前科は付かない。

よくある質問

Q · 過料って前科になっちゃうんですか?

なりません。過料は秩序罰で、罰金や科料のような刑罰ではないので、前科にはならず犯歴にも載りません。業界裏話ヒント:ただし「前科がつかないから無傷」ではない。虚偽申告という事実は当の刑事事件の記録に残り、量刑や保釈で被告人の誠実さを見る材料になりうる。痛むのは過料の額ではなく、嘘をついたという評価のほうだ

Q · うっかり預金額を間違えただけでも過料ですか?

原則かかりません。38 条の 4 は「裁判所又は裁判官の判断を誤らせる目的」を要件とする故意型の規定で、単なる記憶違いや計算ミスでは該当しません。業界裏話ヒント:ただし実額との乖離が不自然に大きいと、目的があったと推認されやすい。後で「悪意はなかった」と示せるよう、申告の根拠にした残高の記録を残しておくと立場が強い

Q · 国選をもらった後に資力があるとバレたら、弁護士代を払わされますか?

過料とは別問題として、裁判で有罪になれば、国選弁護人の費用を含む訴訟費用の負担を命じられることがあります(刑訴 181 条)。業界裏話ヒント:国選は完全無料の保証ではない。有罪なら後から費用負担を命じられうるし、無罪や資力なしなら免除される運用。「タダだから書き得」という前提が、そもそも崩れている

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三十九条

身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は、弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつては、第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し、又は書類若しくは物の授受をすることができる。

前項の接見又は授受については、法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で、被告人又は被疑者の逃亡、罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐため必要な措置を規定することができる。

検察官、検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は、捜査のため必要があるときは、公訴の提起前に限り、第一項の接見又は授受に関し、その日時、場所及び時間を指定することができる。

但し、その指定は、被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはならない。

刑事訴訟法 39 条は接見交通権を定め、拘束された被疑者・被告人が弁護人と立会人なしで秘密に接見できると保障する。捜査機関の接見指定は防御の準備を不当に制限できない。

よくある質問

Q · 逮捕された家族に、弁護士じゃなくて私が面会することはできますか?

家族(一般人)の面会は、弁護人の接見交通権とは別の枠組みです。被疑者段階では捜査機関が接見等禁止(刑訴 81 条)をかけると、家族すら会えないことがあります。一方、弁護士の接見は 39 条で原則として妨げられません。業界裏話ヒント:だからこそ、まず弁護士を入れることが家族にできる最善手です。弁護士経由なら、面会できない家族の伝言やメッセージも間接的に届けられる

Q · 当番弁護士って本当に無料ですか?お金がないと弁護士は呼べないんでしょうか?

当番弁護士制度は、逮捕された人が 1 回だけ無料で弁護士を呼べる制度で、各地の弁護士会が運営しています。その後の継続的な弁護は、資力がなければ被疑者国選弁護人(刑訴 37 条の 2)に切り替えられます。業界裏話ヒント:当番弁護士は本人だけでなく家族からも呼べます。逮捕の一報を受けたら、起訴を待たずに即電話する。最初の接見が早いほど、その後の流れを掌握できる

Q · 取調べ中に弁護士が来たら、警察は取調べを中断して会わせないといけないんですか?

原則として、捜査機関は弁護人の接見申し出に対し、即時または近接した時点での接見を認めるべきとされています(最判平成 12.6.13 など)。捜査の必要で日時指定はできますが(39 条 3 項)、防御の準備を不当に制限してはなりません。業界裏話ヒント:警察が「今は取調べ中だから」と機械的に断るのは違法の疑いが強い。弁護士はその場で抗議して記録を残す。後にその記録が、自白調書の任意性を崩す決め手になる

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第四十条

弁護人は、公訴の提起後は、裁判所において、訴訟に関する書類及び証拠物を閲覧し、及び謄写することができる。

ただし、証拠物を謄写するについては、裁判長の許可を受けなければならない。

前項の規定にかかわらず、第百五十七条の六第五項に規定する記録媒体は、謄写することができない。

刑事訴訟法 40 条は、弁護人が公訴提起後に裁判所で訴訟記録と証拠物を閲覧・謄写できる権利を定める。証拠物の謄写には裁判長の許可が必要で、保護証人のビデオ録画は謄写できない。

よくある質問

Q · 起訴される前に、警察や検察が持っている証拠を見ることはできないんですか?

原則としてできません。40条の閲覧謄写権は『公訴提起後』に発生する権利で、捜査段階(起訴前)には適用されません。捜査中の証拠は捜査の秘密として原則非開示です。業界裏話ヒント:起訴前でも、経験ある弁護人は取調べ状況や被疑事実の内容から検察の手札をある程度推測し、勾留段階の折衝で見通しを立てます。『見られない=何も分からない』ではなく、限られた情報から戦略を組むのがプロの仕事です

Q · 弁護士に頼まず自分で裁判記録を見ることはできますか?

40条が閲覧謄写権を与えているのは『弁護人』であって被告人本人ではありません。被告人本人の閲覧は49条(公判調書)など限定的な場面にとどまります。業界裏話ヒント:実務では弁護人が謄写した記録を、打合せで被告人と一緒に確認する形をとります。だからこそ弁護人選任が決定的。国選弁護は資力要件がありますが、起訴後は比較的緩やかに認められるので、『費用が払えないから諦める』前に国選を確認してください

Q · 証拠のコピーをもらえば、それを SNS で公開したりしてもいいんですか?

できません。開示された証拠の複製等を目的外に使用することは禁じられ(刑訴法281条の3から281条の5)、違反すると刑事罰の対象になります。証拠物の謄写自体に裁判長の許可が要る(40条但書)のも濫用防止のためです。業界裏話ヒント:保護証人のビデオ録画(157条の6第4項)は最初からコピー不可で、被害者の供述調書なども含め開示資料の扱いには厳格なルールがある。弁護人が『これは外に出せない』と言うのは、こうした法的制約に基づきます

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

848条の本則 / 63条の附則

この法令を引用する

刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)(e-Gov法令検索)。LawPlayer より取得、https://lawplayer.com/jp/act/323AC0000000131

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

e-Gov 政府標準利用規約(CC BY 4.0 互換)

本頁資料來源:e-Gov 法令検索(デジタル庁)·整理提供:法律人 LawPlayer· lawplayer.com