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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年4月5日読了 7 分7 分7 分

母体保護法 第3条

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  1. 医師は、次の各号の一に該当する者に対して、本人の同意及び配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。以下同じ。)があるときはその同意を得て、不妊手術を行うことができる。ただし、未成年者については、この限りでない。
  2. 一妊娠又は分娩が、母体の生命に危険を及ぼすおそれのあるもの
  3. 二現に数人の子を有し、かつ、分娩ごとに、母体の健康度を著しく低下するおそれのあるもの
  4. 2.前項各号に掲げる場合には、その配偶者についても同項の規定による不妊手術を行うことができる。
  5. 3.第一項の同意は、配偶者が知れないとき又はその意思を表示することができないときは本人の同意だけで足りる。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 母体保護法第3条は、日本の母体保護法に含まれる条文です。
  2. 母体保護法第3条の条文原文は「医師は、次の各号の一に該当する者に対して、本人の同意及び配偶者(届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む。」で始まります。
  3. 母体保護法第3条は第二章 不妊手術に置かれています。
  4. 母体保護法の公布日は昭和23年7月13日です。
  5. 母体保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年4月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 母体保護法第3条の前の条は母体保護法第2条です。
  7. 母体保護法第3条の次の条は母体保護法第4〜13条です。
  8. 母体保護法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式母体保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)第3条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0100000156
  • 本サイト収録母体保護法(昭和二十三年法律第百五十六号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年4月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0100000156/3

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点母体保護法3条は、母体の生命に危険がある場合か、数人の子があり分娩ごとに健康が著しく低下する場合に限り、本人と配偶者の同意を得て不妊手術を認める。未成年者は不可。

Q · 日本では、本人が希望すれば不妊手術を受けられるの?

医学的要件と本人・配偶者の同意がそろわないと受けられない

母体保護法3条1項により、医師が不妊手術を行えるのは、妊娠・分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれがある場合か、現に数人の子がいて分娩ごとに母体の健康度が著しく低下するおそれがある場合に限られます。そのうえで本人の同意と、配偶者(事実婚を含む)がいればその同意が必要です。未成年者は対象外です。要件を外れた手術は28条で禁止され、34条で刑事罰の対象になります。

解説

日本では、自分の体なのに自分だけでは決められない手術がある。不妊手術(卵管結紮や精管切除など、卵巣や精巣を取らずに妊娠できない体にする手術)がそれだ。母体保護法3条によると、医師が手術できるのは二つの場合に限られる。一つは、妊娠や出産が母体の生命を危険にさらすおそれがある場合。もう一つは、すでに数人の子がいて、出産のたびに母体の健康が著しく損なわれるおそれがある場合である。この条件を満たしたうえで本人の同意が必要になり、配偶者がいれば配偶者の同意も必要になる。事実婚のパートナーも配偶者に含まれる。未成年者には手術できない。条文に書かれていない方向から見ると、子どもを望まないという理由だけでは、この条文の要件に当てはまらない。要件を外れた手術は28条で禁止され、34条で刑事罰の対象になる。だから「手術したい」と医師に言っても断られることがある。それは医師が意地悪をしているからではなく、医師自身が処罰のリスクを負っているからだ。この構造を知っているかどうかで、病院の選び方も相談の切り出し方も変わってくる。

法的な位置づけ

母体保護法第3条は、不妊手術の実施要件を定める規定である。医師は、妊娠・分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれのある者、または現に数人の子を有し分娩ごとに母体の健康度を著しく低下するおそれのある者に対し、本人および配偶者の同意を得て不妊手術を行うことができる。未成年者は対象外とされる。

手順

  1. 1.どの号で相談するかを決める 3条1項1号(妊娠・分娩が母体の生命に危険を及ぼすおそれ)と2号(現に数人の子があり、分娩ごとに健康度が著しく低下するおそれ)のどちらに当たり得るかを整理する。主治医の過去の説明や持病の有無を書き出しておく
  2. 2.医学的根拠となる記録を揃える 持病に関する診断書、過去の出産記録(帝王切開歴、分娩時の合併症など)を取り寄せる。「希望の相談」ではなく「要件の確認」から話を始められるようにする
  3. 3.本人と配偶者の同意を整える 配偶者(事実婚を含む)と話し合い、同意書に署名をもらう。配偶者の所在が分からない、意思表示ができない事情がある場合は、3条3項に当たることを示す記録を用意する
  4. 4.医師と要件を確認する面談を行う 揃えた記録を持参し、1号・2号のどちらに当たると判断できるかを医師と一緒に確認する。断られた場合は、どの要件が欠けているのかを具体的に聞き、別の医療機関での相談材料にする

よくある質問 AI による整理

Q1母体保護法でいう不妊手術とは?

生殖腺(卵巣・精巣)を除去せずに生殖を不能にする手術で、厚生労働省令が定めるものをいいます(母体保護法2条)。卵管結紮や精管切除が典型です。

Q2不妊手術は何歳から受けられる?

3条1項ただし書により未成年者には行えません。2022年4月から成年年齢は18歳なので、18歳以上で、かつ医学的要件を満たすことが必要です。

Q3事実婚でも不妊手術に相手の同意は必要?

必要です。3条1項は配偶者に「届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様な事情にある者」を含めており、事実婚のパートナーの同意も求められます。

Q4帝王切開と同時に卵管結紮はできる?

3条の医学的要件を満たし、本人と配偶者の同意があれば可能です。同意書は出産直前ではなく、妊娠中の早い段階で夫婦で整えておくのが安全です。

Q5要件を満たさない不妊手術は違法?

違法です。母体保護法28条は本法によらない生殖不能手術を禁止し、違反した者は34条により刑事罰の対象となります。

Q6配偶者が行方不明なら本人の同意だけで手術できる?

3条3項により、配偶者が「知れないとき」または「意思を表示することができないとき」は、本人の同意だけで足ります。単なる連絡の遅れは当たらない場合があります。

Q7「現に数人の子を有し」とは何人のこと?

条文に具体的な人数の定めはありません。分娩ごとに母体の健康度が著しく低下するおそれとあわせて、医師が個別に判断するため、医療機関によって運用が分かれます。

Q8不妊手術をした医師には届出義務がある?

あります。母体保護法25条により、医師は3条1項による不妊手術の結果をその月分まとめ、理由を記して翌月10日までに都道府県知事へ届け出なければなりません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1子どもいらないって決めてるのに、なんで卵管結紮させてもらえないんですか?

3条1項は、医学的理由として二つの号のどちらかに当たる場合にだけ手術を認めていて、本人の希望だけを根拠にすることは想定していません。要件外の手術は28条で禁止され、34条で医師が処罰される可能性があります。実務のポイント:同じ大学病院でも、診療科や担当医によって2号の「数人」や「健康度の低下」の読み方が違います。一軒で断られたからといって、すべての病院が同じ結論になるとは限りません

Q2夫が同意してくれないけど、私の体なんだから一人で決めちゃダメなの?

配偶者がいる場合、3条1項は配偶者の同意も求めています。本人の同意だけで足りるのは、3項にある「配偶者が知れないとき」と「意思を表示できないとき」に限られます。実務のポイント:DVで別居していて夫の居場所が分からないといった事情は、「知れない」に当たるかの判断材料になります。別居の経緯や連絡が取れないことを示す記録を持って相談すると、病院側も判断しやすくなります

Q3パイプカットって普通にやってるクリニックあるけど、あれは合法なんですか?

男性への手術を条文上はっきり認めているのは3条2項で、その前提は配偶者(妻)が1項各号に当たることです。実際には泌尿器科で自費診療として広く行われていますが、要件の読み方は実務上、解釈が分かれています。実務のポイント:問診票で子どもの人数や配偶者の同意を細かく聞くクリニックは、3条の要件をきちんと意識しているところです。その質問の細かさが、クリニックの法令順守の度合いを測る目安になります

間違えやすい点 AI による整理

  • 「成人が自分で決めて費用も自分で払うなら、医師は断れないはずだ」と思われがちだが、3条は本人の希望だけを根拠に手術することを認めていない。医学的理由として二つの号のどちらかに当たる必要があり、当たらない手術は28条で禁じられている
  • 配偶者同意の規定が古いことは知られている。けれども、それが事実婚のパートナーにまで及ぶことはあまり知られていない。届出をしていなくても、事実上夫婦と同じ関係にあれば同意が求められる。籍を入れなければ自由に決められると考えて事実婚を選んだ人ほど、ここでつまずく
  • 「母体保護法は昔の優生保護法とは別の新しい法律だ」と考えるのは前提から誤っている。1996年(平成8年)に名称を変え、優生目的の規定を削った同じ法律である。最高裁大法廷は2024年(令和6年)7月3日、旧法の優生規定を憲法13条・14条1項違反と判断した。現行3条の要件が狭く設計されているのは、この歴史への反省が背景にある
比較の観点この条文ほかの条文
対象となる行為母体保護法3条:不妊手術(生殖腺を除去しない生殖不能手術)母体保護法14条:人工妊娠中絶
母体保護法28条:本法によらない生殖不能手術
許容の要件母体の生命への危険、または数人の子と分娩ごとの健康度の著しい低下指定医師が、身体的・経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのある場合等に実施
許容要件なし(禁止規定)
同意本人+配偶者(事実婚を含む)。配偶者が知れない・意思表示不能なら本人のみ本人+配偶者の同意を要する並行規定
同意があっても要件外なら違法
違反の効果要件外の手術は28条違反となる要件外の中絶は刑法の堕胎罪の問題となり得る
34条により刑事罰

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
優生保健法第10条

台湾では本人の自由意思による結紮手術を認めつつ、既婚者には配偶者の同意を求める。日本のような医学的理由への限定はない点が大きく異なる

ドイツ
BGB § 1631c・§ 1830

ドイツでは成年者の自己決定による不妊手術が前提とされ、民法は未成年者と被世話人の保護の場面に限って規律する

フランス
Code de la santé publique art. L2123-1

フランスは成年者が避妊目的で不妊手術を受けることを法律で明文化し、熟慮期間と説明を要件とする。配偶者同意は求めない

アメリカ
42 CFR Part 441 Subpart F

米国では連邦レベルの一般的禁止はなく、連邦資金(メディケイド)による不妊手術について年齢要件と同意後の待機期間を定める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 三人目を帝王切開で出産する予定の妻が、医師から「同時に卵管結紮もしますか」と聞かれた。同意書には夫の署名欄もある。夫が出張中で連絡がつかないまま手術日は三日後。3条3項は、配偶者が「知れない」か「意思を表示できない」ときに限って本人の同意だけで足りるとしている。単に連絡が遅れているだけでは足りるとは限らず、病院によって対応が分かれる
  • 子どもを持たないと決めている30代の独身女性が、卵管結紮を希望して婦人科を三軒回り、三軒とも断られた。なぜ断られるのか? 3条1項の二つの号のどちらにも当たらないため、医師は28条違反のリスクを避けているのである
  • 夫婦で話し合い、夫がパイプカット(精管切除)を受けることにした。条文上、夫への手術を許しているのは2項で、その前提は妻が1項各号に当たることだ。実際には泌尿器科で広く行われているが、要件の読み方は実務上、解釈が分かれている
  • あなたが産婦人科の勤務医で、要件の確認が不十分なまま患者の強い希望に応じて手術をしたらどうなるか。28条違反として、34条により1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の対象になる(最新の改正状況をご確認ください)。患者が後で「同意していなかった」と言い出せば、民事の賠償責任まで負うおそれがある
  • 17歳の娘が重い心疾患を抱えていて、主治医から妊娠は命に関わると言われた。それでも3条1項ただし書があるので、未成年のうちは不妊手術ができない。2022年4月から成年年齢は18歳になったため、あと一年待てば本人が判断できる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 同意していない不妊手術をされた疑いがあれば、まず病院にカルテ、同意書、手術記録の開示を請求する。医師は25条により、手術の結果を理由を付けて翌月10日までに都道府県知事へ届け出ることになっている2. 同意書の署名が自分のものか、手術の理由がどの号として記載されているかを確認する3. 民法709条による損害賠償と、28条違反での刑事告訴を並行して検討する4. 医療過誤に詳しい弁護士に早めに相談する

訴えられた側:1. 医師の立場で疑いをかけられたら、術前に1号・2号のどちらに当たると判断したか、その根拠となる診療記録があるかを直ちに確認する2. 本人の同意書と配偶者の同意書(または3項の例外に当たる事情の記録)を保全する3. 25条の届出を期限内に出していたかも確かめる4. 刑事と民事の両面になるので、医療側の代理経験がある弁護士に相談し、患者への説明は窓口を一本にまとめる

時効(請求できる期限):本条自体に期限はない。要件外の手術(28条違反)の公訴時効は、法定刑が1年以下の拘禁刑または罰金なので3年(刑事訴訟法250条2項6号)。民事の損害賠償は、損害と加害者を知った時から5年(身体侵害、民法724条の2)、手術の時から20年(民法724条2号)。旧優生保護法の事案では、最大判令和6年7月3日が除斥期間の主張を信義則違反・権利濫用として退けている

学説

リプロダクティブ・ライツの観点からの批判論:医学的理由に限定する要件と配偶者同意要件は、子をもうけない選択という本人の自己決定を過度に制約しているとして、見直しを求める議論がある

改正沿革 AI による整理

  • 昭和23年(1948年) 優生保護法として制定。旧3条は遺伝性疾患などを理由とする任意の優生手術を定め、母体保護を理由とする号と並べて規定していた
  • 平成8年(1996年) 法律名を母体保護法に改称し、優生目的の規定を削除した(改正)。本条は母体の生命・健康を理由とする二つの号だけを残す形になった
  • 令和4年(2022年)関連改正 本条の文言は変わっていないが、民法の成年年齢が18歳に引き下げられたことで、ただし書の「未成年者」の範囲が狭まった

改正の年表

  1. 1.昭和23年(1948年) 新設:優生保護法として制定。旧3条は遺伝性疾患等を理由とする任意の優生手術と、母体保護を理由とする手術を並べて規定
  2. 2.平成8年(1996年) 改正:法律名を母体保護法に改め、優生目的の規定を削除。本条は母体の生命・健康を理由とする二つの号のみを残す形となった

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母体保護法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 不妊手術

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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