土地収用法 第124条(前二条の使用に因る損失の補償)
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- 起業者は、第百二十二条第一項の規定によつて土地の使用の許可を受け、若しくは市町村長に通知した場合、前条第二項の規定による使用の期間が満了した場合又は同条第五項の規定によつて使用の許可が失効した場合においては、土地を使用することに因つて生ずる損失を第六章第一節(第七十二条、第七十三条、第七十四条第二項、第七十八条、第七十九条、第八十条の二第二項及び第八十一条を除く。)の規定によつて補償しなければならない。この場合において、損失の補償は、使用の時期の価格(土地又は土地に関する所有権以外の権利に対する損失の補償については、その土地及び近傍類地の地代及び借賃等を考慮して算定した使用の時期の価格)によつて算定しなければならない。
- 2.第九十四条(第六項を除く。)の規定は、前項の場合に準用する。この場合において、同条第一項中「前三条」とあるのは「第百二十四条第一項」と、同条第八項中「第六項」とあるのは「第百二十四条第三項において準用する第六項」と読み替えるものとする。
- 3.第九十四条第六項の規定は、収用委員会が前項において準用する第九十四条第五項の規定によつて審理をする場合に準用する。この場合において「第九十四条」とあるのは、「第百二十四条第二項において準用する第九十四条」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
前二条の使用に因る損失の補償とは何ですか?
定義前二条の使用に因る損失の補償とは、土地収用法第124条に定められた規定で、「起業者は、第百二十二条第一項の規定によつて土地の使用の許可を受け、若しくは市町村長に通知した場合、前条第二項の規定による使用の期間が満了した場合又は同条第五項の…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第124条(前二条の使用に因る損失の補償)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第124条の条文原文は「起業者は、第百二十二条第一項の規定によつて土地の使用の許可を受け、若しくは市町村長に通知した場合、前条第二項の規定による使用の期間が満了した場合又は同条第五項の…」で始まります。
- 土地収用法第124条は第三節に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第124条の前の条は土地収用法第123条です。
- 土地収用法第124条の次の条は土地収用法第125条です。
- 土地収用法第124条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第124条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第124条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/124
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法124条は、非常災害等による緊急使用で生じた損失を起業者が補償する義務を定める。土地は近傍類地の地代・借賃を考慮し使用時の価格で算定する。
Q · 災害のときに国や自治体に土地を使われたら、お金はもらえるの?
もらえる。起業者に補償義務がある
土地収用法124条により、122条の非常災害時の使用や123条の緊急使用(期間満了・許可失効の場合)で生じた損失は、起業者が補償しなければなりません。土地分は近傍類地の地代・借賃等を考慮した「使用の時期の価格」で算定し、作物の損失や営業上の損失など通常生ずる損失も対象になりえます。協議がまとまらなければ、94条の準用により収用委員会に裁決を申請できます。
解説
重機が入るのが先で、お金の話は後になる。非常災害のとき(122条)や、収用委員会の審理が長引いて災害を防げなくなるおそれがあるとき(123条)、起業者(道路・堤防などの事業を進める国、自治体、事業者)は、許可を受けるか市町村長に通知すれば、他人の土地を最長6か月まで先に使える。そのツケを誰がどう払うかを決めているのが124条である。押さえるべき点は三つある。第一に、補償は起業者の法律上の義務であり、好意や見舞金ではない。第二に、土地の補償額は事業認定の告示時ではなく「使用の時期の価格」で計算する。土地そのものについては、その土地と近くの似た土地(近傍類地)の地代・借賃を考慮して算定する。第三に、補償の範囲は地代だけではない。第六章第一節の規定によって、作物や工作物の移転料、営業ができなかったことによる損失など「通常生ずる損失」(88条)も対象になりうる。話し合いがまとまらなければ、94条の準用で収用委員会に裁決を申請できる。自分から請求しなければ、誰もあなたの損失を細かく計算してはくれない。
法的な位置づけ
土地収用法124条は、非常災害時の土地使用(122条)および審理中の緊急使用(123条)に伴う損失補償を定める規定である。起業者は第六章第一節の規定(一部を除く)に従い補償義務を負い、補償額は使用の時期の価格、土地については近傍類地の地代及び借賃等を考慮して算定される。協議不調時は94条準用により収用委員会の裁決で決定される。
手順
- 1.使用開始時の現況を記録する 重機や資材が入った当日に、土地の現況、作物の本数、工作物の状態を日付入りの写真・動画で記録する。可能なら起業者と共同で現況調書を作成し、双方が署名する
- 2.使用の根拠と起業者を書面で確認する 起業者名と、使用の根拠が122条(非常災害)か123条(審理中の緊急使用)かを書面で確認し、使用開始日と使用期間を控えておく
- 3.損失を項目別に積み上げる 近傍類地の地代・借賃の相場資料を3件程度集め、移転料、作物の損失、休業による減収などを項目別に整理して起業者に提示する
- 4.協議不調なら収用委員会に裁決申請 起業者との協議が成立しない場合、94条の準用により収用委員会に裁決を申請する。裁決に不服があれば、損失補償に関する訴えを検討する
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法の緊急使用とは何ですか?
非常災害時(122条)や収用委員会の審理中に災害防止が困難な場合(123条)に、通常の裁決手続を経ずに他人の土地を一時的に使用できる制度です。使用期間は最長6か月とされています。
Q2緊急使用の補償額はどうやって決まりますか?
使用の時期の価格で算定します。土地については、その土地と近傍類地の地代・借賃等を考慮します。事業認定の告示時を基準とする通常の使用補償(72条)とは異なります。
Q3緊急使用の補償は地代だけですか?
地代だけではありません。第六章第一節の規定により、工作物の移転料(77条)や営業休止など通常生ずる損失(88条)も補償の対象になりえます。
Q4緊急使用の補償に納得できない場合はどうする?
まず起業者と協議し、成立しなければ94条の準用により収用委員会に裁決を申請できます。裁決に不服があれば、損失補償に関する訴えを裁判所に提起する道があります。
Q5緊急使用の補償は誰に請求しますか?
土地を使用した起業者(道路・堤防などの事業を行う国、地方公共団体、事業者)に請求します。許可を出した市町村長や収用委員会が支払うわけではありません。
Q6緊急使用の補償はいつ発生しますか?
122条により許可を受けまたは市町村長に通知した場合、123条の使用期間が満了した場合、または同条の許可が失効した場合に、補償義務が生じます。
Q7災害対策基本法の応急公用負担と何が違う?
災害対策基本法の応急公用負担は市町村長等が行う一時使用で、補償は同法82条によります。土地収用法124条は起業者の緊急使用に関する補償で、根拠も請求先も異なります。
Q8緊急使用された土地の写真は必要ですか?
法律上の義務ではありませんが、補償は「使用の時期の価格」で算定されるため、使用開始時の現況を示す日付入り写真は算定の基準線を示す重要な証拠になります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1災害のときに勝手に畑を使われたんですけど、これってタダなんですか?
タダではない。土地収用法124条は、122条・123条による緊急使用の損失について、起業者に補償義務を課している。土地分は使用時の価格で、近傍類地の地代・借賃を考慮して算定する。実務のポイント:起業者側の最初の提示は地代相当額だけのことが多い。作物や休業の損失(88条)を自分から項目立てて出さない限り、その分は計算に入らないまま終わる
Q2提示された補償額が安すぎます。どこに文句を言えばいいんですか?
まず起業者と協議し、まとまらなければ94条の準用で収用委員会に裁決を申請できる。裁決にも不服があれば、裁決書の正本の送達から6か月以内に裁判所へ訴えを起こす道がある。実務のポイント:収用委員会は相場資料の積み上げに敏感である。近隣の賃料事例を3件以上添えるだけで、議論の土俵が起業者の内部基準から市場相場へ移る
Q3使い終わった土地が砂利だらけで返ってきました。元に戻してもらえますか?
土地収用法には使用終了後の返還と原状回復に関する規定(105条)があり、回復が困難な場合は補償で調整する考え方がとられている。実務のポイント:原状回復を求めるか、回復費用相当額の補償を受けて自分で直すかは選べる場面が多い。土地の転用を予定しているなら、補償を受け取って自分で整地したほうが得になることもある
間違えやすい点 AI による整理
- 「災害のためだから、使われても仕方がない。お金は出ないだろう」と諦める人が多い。しかし124条は「補償しなければならない」と義務を定めている。公共のためであっても、特定の人の土地だけに負担を押し付けることは憲法29条3項の正当な補償の考え方と相容れない
- 地代さえもらえれば十分だと思っていないか。地代相当額は、補償の一部にすぎない。第六章第一節の規定によって、移転料(77条)や、営業の休止など通常受ける損失(88条)も対象になりうる。地代だけで書面にサインすれば、残りの請求権を自分で手放しかねない
- 所有者の目には「6か月だけ貸した」と映る。しかし法律が見ているのは、どの価格時点で、どの物差しを使って測るかである。土地の補償は事業認定の告示時ではなく「使用の時期の価格」で、地代・借賃を考慮して算定する。いつ使われ始めたかを示す日付入りの記録がなければ、算定の出発点そのものを相手に握られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 補償の発生原因 | 124条:122条・123条による緊急的な土地使用 | 72条:裁決に基づく通常の土地使用 88条:収用・使用に伴い通常受ける損失 |
| 価格の基準時 | 使用の時期の価格 | 事業認定の告示時の価格(物価変動による修正あり) 個別の損失ごとに算定 |
| 補償額の決め方 | 協議、不調なら94条準用で収用委員会が裁決 | 収用委員会の権利取得裁決・明渡裁決の中で決定 収用・使用の裁決の中で決定(124条の場合は94条準用) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では臨時的な公共工事のための土地の徴用が認められ、使用補償費を支払う。災害時の徴用は災害防救法でも規律される
韓国も天災地変時の土地の一時使用を認め、事後の損失補償を定める点で日本と類似する
中国は救災等の緊急需要による不動産・動産の征用を認め、使用後の返還と補償を定める
米国では一時的な収用(temporary taking)にも合衆国憲法修正5条の正当な補償が必要とされる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 台風で川の堤防が決壊しかけた夜、あなたの畑が土嚢置き場と重機の通り道になった。稲は全滅、農道も轍で崩れている。3か月後、役所から届いた書面には地代相当額しか書かれていない。作物の損失や復旧費用はどこへ消えたのか?
- 収用委員会で補償額を争っている最中なのに、起業者が「災害防止のため」と123条の許可を取り、裁決より先にあなたの土地に工事車両を入れてきた。結局、事業計画が見直されて申請が取り下げられ、許可は失効した。6か月間使われた代償を、今度は124条で請求することになる
- 起業者側の担当者として、緊急使用の終了報告を書いているあなた。地権者からは「近所の駐車場は月2万円で貸している」と相場資料が届いた。算定の根拠を示せなければ、収用委員会の裁決で見積りがひっくり返る
- 使用期間の満了まであと10日。その土地で小さな資材置き場を営んでいた友人が、休業した5か月分の売上減を補償してもらえるのかと相談してきた。帳簿と取引先のキャンセル記録を今のうちに揃えないと、損失を立証する材料が残らない
- もし応急工事の後、更地だった土地に砕石が敷き詰められたまま返されたら、どうなる? 原状回復を求めるのか、回復に代わる補償を求めるのか。どちらを選ぶかで、交渉の相手も金額も変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 使用開始時の土地・作物・工作物の状態を写真と動画で記録し、日付を残す2. 起業者名と、根拠が122条(非常災害)か123条(審理中の緊急使用)かを書面で確認する3. 近傍類地の地代・借賃の相場、移転料、休業による減収を項目別に整理する4. 協議がまとまらなければ、94条の準用で収用委員会に裁決を申請する5. 使用終了時には、原状回復の範囲も合わせて協議する
訴えられた側:1. 起業者側は、使用開始時の現況調書を地権者と共同で作り、双方が署名しておく2. 地代・借賃の算定根拠となる近傍類地の事例を事前に収集する3. 地代だけで済ませず、通常生ずる損失(88条)の有無を自ら洗い出して提示する。過小な提示は裁決で覆され、かえって信頼を失う4. 不調時の裁決申請も視野に入れ、算定書を残しておく
時効(請求できる期限):本条自体に固有の請求期限は定められていない。協議不成立のときは94条の準用で収用委員会に裁決を申請し、裁決に不服があれば裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に訴えを提起する(最新の改正状況をご確認ください)。公法上の金銭債権として、起業者が国なら会計法30条、地方公共団体なら地方自治法236条の5年の時効も意識すべきである。適用関係は実務上、解釈が分かれうるため、早めに請求すること
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:土地収用法(昭和26年法律第219号)制定。非常災害時等の土地使用と、それに伴う損失補償の規定が置かれた
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