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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

土地収用法 第88条(通常受ける損失の補償)

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第七十一条、第七十二条、第七十四条、第七十五条、第七十七条、第八十条及び第八十条の二に規定する損失の補償の外、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他土地を収用し、又は使用することに因つて土地所有者又は関係人が通常受ける損失は、補償しなければならない。

この条文の基本情報

通常受ける損失の補償とは何ですか?

定義通常受ける損失の補償とは、土地収用法第88条に定められた規定で、「第七十一条、第七十二条、第七十四条、第七十五条、第七十七条、第八十条及び第八十条の二に規定する損失の補償の外、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 土地収用法第88条(通常受ける損失の補償)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
  2. 土地収用法第88条の条文原文は「第七十一条、第七十二条、第七十四条、第七十五条、第七十七条、第八十条及び第八十条の二に規定する損失の補償の外、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失…」で始まります。
  3. 土地収用法第88条は第一節 収用又は使用に因る損失の補償に置かれています。
  4. 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
  5. 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 土地収用法第88条の前の条は土地収用法第87条です。
  7. 土地収用法第88条の次の条は土地収用法第88条の2です。
  8. 土地収用法第88条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第88条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219
  • 本サイト収録土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第88条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/88
裁判例 1件に引用されています

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わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点土地収用法88条は、土地・建物の補償とは別に、離作料、営業上の損失、建物移転による賃貸料の損失など、収用によって通常受ける損失の補償を定める。精神的苦痛は対象外とされる。

Q · 土地を収用されたら、土地代と建物代以外の損失も補償してもらえるの?

通常生じる客観的な損失なら補償されるが、精神的苦痛は対象外

土地収用法88条は、71条から80条の2までの土地・物件の補償とは別に、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他、収用によって土地所有者または関係人が「通常受ける損失」を補償しなければならないと定めています。休業中の売上減、得意先の喪失、移転雑費などが典型です。ただし基準は同じ立場の誰にでも客観的に生じる損失かどうかであり、土地への愛着や精神的苦痛、市場価格に反映されない文化的価値は判例上対象外とされています(最判昭和63年1月21日)。

解説

用地担当者が持ってきた補償額の書類を見て、多くの人は土地代と建物代だけの話だと思い込む。だが土地収用法88条は、条文に名前が出てこない損失まで補償の対象にしている。「離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他」。最後の「その他」がポイントである。71条から80条の2までが土地や物件そのものの価値を補償する規定だとすれば、本条はそれ以外の損失をまとめて受け止める受け皿だ。店を閉めている間の売上減、得意先が離れる損失、引越しにかかる雑費、アパートの家主が建て替えの間に受け取れなかった家賃、借りていた農地を手放す小作人の損失。基準は「通常受ける損失」、つまり同じ立場の誰にでも客観的に生じる損失かどうかである。言い換えると、先祖代々の土地への愛着や精神的な苦痛は対象外になる。この線引きを知らずに交渉の席に着くと、請求できたはずの項目を自分から捨て、請求できない項目で消耗することになる。最初の提示額は、あくまで出発点にすぎない。

法的な位置づけ

土地収用法88条は通常損失補償を定める規定であり、同法71条、72条、74条、75条、77条、80条および80条の2の補償に含まれない損失のうち、土地の収用または使用によって土地所有者または関係人が通常受けるものについて補償義務を課す。離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失が例示される。

手順

  1. 1.補償項目の内訳を書面で請求する 起業者から補償額の提示を受けたら、合計額ではなく補償項目ごとの内訳と算定根拠を書面で求める。営業補償、移転雑費、賃貸料損失などの欄が空白でないかを確認する
  2. 2.自分が関係人に当たるかを確認する 借家人、小作人、家主などの立場で補償を受けられるか、権利の取得時期が事業認定の告示前かを確認する(土地収用法8条3項)。テナントの場合は起業者に存在を書面で通知しておく
  3. 3.損失を数字で裏付ける資料を揃える 営業をしているなら過去3期分程度の決算書、確定申告書、顧客台帳を揃え、休業期間の売上減や得意先喪失の損失を数値化する。移転先探しの交通費や日数も記録する
  4. 4.税制特例の期限と交渉スケジュールを照合する 5,000万円特別控除の6か月要件(租税特別措置法33条の4)と交渉の見通しを照らし合わせ、交渉を長引かせることで税負担が増えないかを確認する
  5. 5.合意できなければ裁決手続で争う 任意交渉で合意できない場合は、起業者に裁決申請を請求し(土地収用法39条2項)、収用委員会に意見書と証拠を提出する。裁決の補償額に不服があれば、裁決書正本の送達から6か月以内に起業者を相手に訴えを起こす(同法133条)

よくある質問 AI による整理

Q1通常損失補償とは何ですか?

土地収用法88条に基づき、土地や建物そのものの補償とは別に、収用によって誰にでも客観的に生じる付随的な損失を補償する制度です。営業損失や離作料が代表例です。

Q2営業補償の金額はどう計算される?

一般に過去の決算書や確定申告書から収益を把握し、営業廃止・休業・規模縮小のどの区分に当たるかに応じて算定されます。区分次第で金額が大きく変わります。

Q3離作料とは何ですか?

借りた農地で耕作してきた小作人などが、収用によって耕作を続けられなくなることで受ける損失への補償です。土地収用法88条に明記された例示項目の一つです。

Q4立ち退きの補償金に税金はかかる?

収用等による譲渡には最大5,000万円の特別控除があります(租税特別措置法33条の4)。原則として最初の買取り申出から6か月以内の譲渡などが条件です。

Q5収用で家賃収入が減ったら補償される?

建物の移転工事などで家賃が入らない期間の損失は、88条が明記する「建物の移転による賃貸料の損失」として補償の対象になりえます。

Q6収用されたのに補償の対象外になる人はいる?

事業認定の告示後に新たに権利を取得した者は、承継人を除き関係人に含まれません(土地収用法8条3項)。告示後の駆け込み契約では補償を受けられません。

Q7道路ができて残った土地が値上がりしたら補償は減る?

減りません。土地収用法90条は、事業によって残地の価格が上がるなどの起業利益と損失補償を相殺することを禁じています。

Q8通常損失の補償は誰に請求する?

収用によって生じる損失は起業者(国、自治体、事業者など)が補償します。交渉の相手方は起業者の用地担当であり、裁決後の訴えも起業者が相手方です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1引越しの手間とかで仕事を何日も休んだんだけど、それも補償してもらえるの?

移転に伴って通常生じる雑費や休業の損失は、88条の「通常受ける損失」として補償の対象になりうる。実務では移転雑費として、移転先を探す費用、法令上の手続費用、移転通知費、就業できない期間の損失などが算定される。実務のポイント:担当者は聞かれなければ雑費の細目を一つずつ説明しないことが多い。移転先探しで不動産業者を回った交通費や日数も記録しておくと、算定の根拠として出しやすい

Q2親から継いだ土地で思い入れがあるのに、相場の値段しかつかないのは納得できない

気持ちは当然だが、土地収用法の補償は客観的な損失が対象で、主観的な愛着は通常損失に含まれないというのが判例の立場である(最判昭和63.1.21)。土地そのものの価格は71条で近傍類地の取引価格などを考慮して算定される。実務のポイント:感情の分を金額で取り戻そうとするより、営業損失、残地補償(74条)、移転雑費など、漏れている客観的項目を洗い出す方が、最終的な受取額は増えやすい

Q3収用委員会の裁決が出ちゃったら、もう金額は変えられないんですか?

変えられる道は残っている。補償額に不服があれば、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に、起業者を相手に損失補償に関する訴えを起こせる(土地収用法133条)。ここで注意したいのは、国土交通大臣への審査請求では補償額を争えない点である(同法132条2項)。実務のポイント:この訴えは収用委員会ではなく起業者が相手方になる。審査請求を出して安心しているうちに6か月が過ぎてしまうのが典型的な失敗である

Q4借りてる店舗のビルが収用されるらしい。テナントの自分には関係ないよね?

関係はある。建物の賃借人は物件に関する権利を持つ「関係人」に当たり(土地収用法8条3項)、営業上の損失や移転費用について88条の補償を受けうる。補償は原則として各人に個別に払われる(同法69条)。実務のポイント:用地交渉は最初に所有者と進むため、テナントへの説明が後回しになりがちだ。ビルのオーナーが合意した後では手遅れになりやすいので、噂を聞いた段階で起業者に自分の存在を書面で伝えておく

間違えやすい点 AI による整理

  • 「土地を取られるのだから、精神的な苦痛への慰謝料も当然もらえる」と考えるのは自然だが、88条の通常損失は客観的・経済的な損失に限られるというのが判例・実務の立場である。輪中堤の文化財的価値が問題になった最判昭和63.1.21でも、市場価格に反映されない価値は補償の対象外とされた。怒りや喪失感をそのまま金額にして持ち込むと、交渉の焦点がぼやけるだけで終わる
  • 営業補償があることは知っていても、その中身が営業廃止、休業、規模縮小の三つに分かれ、どれに当たるかで金額が桁違いになることまでは知られていない。移転先で同じ営業を続けられると判断されれば休業補償にとどまり、廃業補償よりはるかに少なくなる。「移転できるかどうか」を誰がどの資料で判断したのかを確認しないまま署名すると、その区分が確定してしまう
  • 「いくらもらえるか」を最初に聞くのは前提がずれている。最初に確認すべきは「自分が関係人に当たるか」である。事業認定の告示後に新たに権利を取得した者は、承継人を除き関係人に含まれない(土地収用法8条3項)。告示後に駆け込みで借地契約を結んでも、補償を受ける立場そのものが生じない
比較の観点この条文ほかの条文
補償の対象88条:土地・物件以外に通常生じる付随的損失(離作料、営業損失、賃貸料損失その他)71条:収用する土地そのものの価値
77条:移転する物件の移転料
規定の性格列挙外の損失を「その他」で受け止める受け皿規定近傍類地の取引価格等を考慮した価格補償
物件を移転させるための費用補償
典型的な請求者店舗経営者、小作人、家主、借家人などの関係人土地所有者
建物・工作物などの物件の所有者

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
土地徴收條例 第33条・第34条

台湾は営業停止・規模縮小の損失補償(33条)と遷移費(34条)を個別に明文化しており、日本の88条のような包括的な「その他」条項ではなく項目列挙型である

韓国
공익사업을 위한 토지 등의 취득 및 보상에 관한 법률 제77조

韓国は営業損失、農業損失、休職・失職補償を明文で定め、日本より補償項目の法定化が進んでいる

ドイツ
BauGB § 96

ドイツは権利喪失の補償とは別に「その他の財産的不利益」として営業上の損失などを補償し、日本の通常損失補償と構造が近い

アメリカ
Uniform Relocation Assistance and Real Property Acquisition Policies Act of 1970

米国は憲法上の正当な補償(公正市場価格)とは別に、連邦法で移転費用や事業再建費用を支給する二層構造をとる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 県道の拡幅で、あなたが30年続けてきた商店街の定食屋が移転対象になった。提示されたのは土地と建物の金額だけ。移転先で常連客が戻るまでの売上減、仮店舗の期間の休業損失、従業員に払い続ける休業手当。どれも88条でいう営業上の損失として、項目ごとに請求の土台にできる
  • もし、あなたが家主として貸しているアパートの敷地の一部が収用され、建物を後ろへ曳家することになったら、工事の間に入らなくなる家賃は誰が負担するのか? 条文に書かれている「建物の移転による賃貸料の損失」がまさにこれである。入居者が退去して空室になった期間も、通常生じる範囲なら算定の対象になる
  • あなたは市役所の用地課に配属された1年目の職員。地権者から「補償基準に載っていない損失も払え」と詰め寄られた。基準表に項目がないことは、88条の補償対象外を意味しない。「通常受ける損失」に当たるかどうかを個別に検討せずに突っぱねると、収用委員会の裁決で覆され、事業全体が遅れる
  • 借りた田んぼで20年米を作ってきた。地主は買収に応じた。あなたには何もないのか。離作料がある
  • 事業認定の告示から1年半が過ぎ、起業者は収用委員会への裁決申請を準備している。あなたの手元には、営業損失を裏付ける過去3期分の決算書も帳簿もまだ揃っていない。裁決手続の中で意見書を出す期間は限られている。今週中に税理士へ連絡しなければ、自分の損失を数字で示す機会を失う

取るべき行動

被害を受けた側:1. 提示書を受け取ったら、補償項目ごとの内訳と算定根拠を書面で請求する2. 営業をしているなら過去3期分程度の決算書、確定申告書、顧客台帳を揃え、休業や得意先喪失による損失を数字にする3. 借家人、小作人、家主など自分の立場が関係人に当たるかを確認する4. 合意できなければ、土地収用法39条2項に基づき起業者に裁決申請を請求し、収用委員会で意見書と証拠を出す5. 交渉期間は税制特例の6か月要件と照らし合わせて組み立てる

訴えられた側:起業者側(用地担当)の立場なら、1. 補償基準要綱の項目にない損失でも、通常受ける損失に当たるかを個別に検討し、検討記録を残す2. 営業補償では廃止・休業・規模縮小の区分判断の根拠(移転先候補の有無、商圏など)を資料化する3. 精神的損失や主観的価値は補償の対象外であることを、判例を示して丁寧に説明する4. 起業利益との相殺は禁止されている(土地収用法90条)ため、残地の値上がりを理由に減額しない

時効(請求できる期限):88条そのものに特定の時効はない。ただし収用委員会の裁決で決まった補償額に不服がある場合、損失補償に関する訴えは裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に提起しなければならない(土地収用法133条2項)。補償額への不服は審査請求の理由にできない(同法132条2項)。税制上の5,000万円特別控除は、原則として最初の買取り申出から6か月以内の譲渡が条件(租税特別措置法33条の4、最新の改正状況をご確認ください)

学説

完全補償説(判例・通説):土地収用法上の補償は、被収用者が収用前と同等の財産状態を回復できる完全な補償であるべきとする立場。88条は土地・物件の補償で埋まらない付随的損失を拾い上げ、完全補償を実現する受け皿と位置付けられる。

通常損失の客観性(通説):「通常受ける」とは、同じ立場に置かれた者なら誰にでも生じる損失をいい、被収用者個人の特殊な事情や主観的価値による損失は含まれないとする解釈。補償の予測可能性を確保する機能を持つ。

生活権補償論(有力説):収用によって生活基盤そのものが失われる場合、財産的損失の補償だけでは足りず、生活再建まで視野に入れた補償が必要とする見解。88条の解釈の枠内でどこまで取り込めるかが議論される。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定に伴い、離作料、営業上の損失、建物の移転による賃貸料の損失その他の通常損失を補償する規定として設けられた。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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