土地収用法 第146条
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- 次の各号のいずれかに該当する場合は、十万円以下の過料に処する。
- 一第六十五条第一項第二号の規定により出頭を命ぜられた鑑定人が、正当の事由がなくて出頭せず、又は鑑定をしないとき。
- 二第六十五条第一項第一号(第九十四条第六項(第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)、第百二十四条第三項(第百三十八条第一項において準用する場合を含む。)において準用する第九十四条第六項又は第百三十八条第一項において準用する場合を含む。次号において同じ。)の規定により出頭を命ぜられた者が、正当の事由がなくて出頭せず、陳述せず、又は虚偽の陳述をしたとき。
- 三第六十五条第一項第一号の規定により資料の提出を命ぜられた者が、正当の事由がなくて資料を提出せず、又は虚偽の資料を提出したとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第146条は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第146条の条文原文は「次の各号のいずれかに該当する場合は、十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 土地収用法第146条は第十二章に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第146条の前の条は土地収用法第145条です。
- 土地収用法第146条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第146条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第146条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/146
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法146条は、収用委員会から出頭や資料提出を命じられた者が正当な理由なく応じない場合や虚偽の陳述・資料提出をした場合に、10万円以下の過料を科す規定。
Q · 収用委員会から出頭や資料提出を命じられたのに無視したら、どうなるの?
正当な理由なく無視すれば10万円以下の過料の対象になる
土地収用法146条により、収用委員会から同法65条1項に基づいて出頭や資料提出を命じられた者が、正当の事由なく出頭しない、陳述しない、虚偽の陳述をする、資料を出さない、虚偽の資料を出す場合は、10万円以下の過料に処されます。鑑定人の不出頭・鑑定拒否も対象です。過料は刑罰ではないため前科はつきません。ただし欠席しても審理は進み、提出済みの資料をもとに補償額が判断されうる点が実務上の最大のリスクです。
解説
収用委員会(都道府県に置かれ、土地を強制的に取り上げるかどうかと補償額を決める合議機関)から呼出状が届いたら、無視はできない。土地収用法65条1項は、委員会が土地所有者、関係人、参考人を呼び出して話を聞くこと、資料を出させること、鑑定人に鑑定させることを認めている。正当な理由なく出頭しない、陳述しない、うその陳述をする、資料を出さない、偽の資料を出す。いずれかに当たれば、本条で10万円以下の過料(刑罰ではなく、裁判所が科す行政上の金銭罰)を科されうる。前科はつかないが、本当の損失はそこではない。補償額を決める審理の場で黙っていれば、委員会は起業者(道路や鉄道を造る側)が出した資料をもとに金額を決めるしかない。過料よりも、自分の主張が補償額に反映されないことの方がはるかに重い。この条文は「出頭は義務である」と同時に、「出頭した場が補償額を動かせる唯一の公式な舞台である」と読むべきである
法的な位置づけ
土地収用法146条は、収用委員会の審理における調査権限(同法65条1項)の実効性を担保する過料規定である。出頭を命じられた鑑定人の不出頭・鑑定拒否、出頭を命じられた者の不出頭・陳述拒否・虚偽陳述、資料提出を命じられた者の不提出・虚偽提出を対象とし、正当の事由がない場合に10万円以下の過料を科す。
よくある質問 AI による整理
Q1収用委員会の審理とは何をする場ですか?
収用する土地の範囲や損失補償の額などを決めるため、起業者・土地所有者・関係人の主張を聴き、資料や鑑定を調べる手続です。裁決の前提となる重要な場です。
Q2過料と罰金の違いは何ですか?
罰金は刑法上の刑罰で前科がつきます。過料は行政上の秩序罰で刑罰ではなく、前科はつきません。土地収用法146条の制裁は過料です。
Q3「正当の事由」に当たるのはどんな場合?
病気や災害、呼出しを知り得なかった事情など、出頭や提出ができないことにやむを得ない理由がある場合が典型です。事前に書面で事情を伝えておくと主張しやすくなります。
Q4収用委員会の出頭期日は変更してもらえる?
都合がつかない場合は、期日前に理由を示して委員会に変更を求めるのが筋です。連絡なしの欠席は、正当の事由のない不出頭と扱われるおそれがあります。
Q5収用裁決に不服があるときはいつまでに争う?
国土交通大臣への審査請求は裁決書正本の送達を受けた日の翌日から30日以内、損失補償に関する訴えは6か月以内とされています(土地収用法130条・133条)。
Q6鑑定人が収用委員会の鑑定を断るとどうなる?
出頭を命じられた鑑定人が正当の事由なく出頭しない、または鑑定をしない場合、土地収用法146条1号により10万円以下の過料の対象になります。
Q7収用委員会の資料提出命令は拒否できる?
正当の事由がなければ拒否はできず、不提出は過料の対象です。提出しなければ自分に有利な事実が補償額の判断に反映されない点も重大な不利益です。
Q8審理で起業者側の資料に反論するには?
収穫量の記録、営業帳簿、修繕記録、近隣の取引事例など、客観的な裏付け資料を揃えて提出し、必要に応じて不動産鑑定士の意見書を添えるのが効果的です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1収用委員会の呼出しって、行かなかったら逮捕されたりするんですか?
逮捕はされません。本条の制裁は10万円以下の過料で、刑罰ではなく前科もつきません。ただし土地収用法65条1項の命令に正当な事由なく従わなければ、過料の対象になりえます。実務のポイント:委員会は欠席者を待たずに起業者側の資料で補償額を算定できる。過料より、出頭しないことで補償額の根拠を自ら手放すほうが損失は大きい
Q2審理でちょっと話を盛っても、宣誓してないなら偽証罪にはならないですよね?
宣誓していないので刑法169条の偽証罪にはなりません。しかし出頭を命じられた者の虚偽の陳述は、本条で過料の対象です。実務のポイント:委員会は起業者側の測量や鑑定と突き合わせて陳述を確認する。数字を盛ったことが見抜かれれば、他の正当な主張まで割り引いて評価されるのが実務の怖さである
Q3過料って誰がどこで決めるんですか?
収用委員会が直接科すのではなく、裁判所が非訟事件手続法の過料事件の手続(同法119条以下)に従って科します。不服があれば即時抗告で争えます。実務のポイント:実務上、本条の過料が実際に科される例は多くないとみられる。だからこそ、過料を恐れて出頭するより、補償額を上げるための準備として審理を使う発想に切り替えるべきだ
間違えやすい点 AI による整理
- 「出頭しなければ、委員会は判断できずに収用が止まる」と考える人がいる。立てた前提そのものが誤っている。委員会は出頭しない者がいても審理を進め、提出済みの資料で裁決できる。欠席は抵抗にならず、自分の主張を放棄したのと同じ結果になりやすい
- 過料が10万円以下と聞いて軽く見る人は多い。金額は確かに小さく、前科にもならない。だが本当の代償は、審理記録に「虚偽の資料を出した当事者」として残ることである。その後のあなたの主張全体が疑いの目で読まれ、補償額の交渉力は大きく削られる
- 所有者から見れば「自分の土地を守るための沈黙」だが、法律から見れば「正当な事由のない陳述拒否」である。黙秘権のような刑事手続の保障は、この行政上の審理には当然には及ばない。この落差を知らずに黙り込むと、過料の対象になりうるうえに補償の根拠も残らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 土地収用法146条:命令違反への制裁(過料) | 土地収用法65条:出頭・審問・資料提出・鑑定を命じる権限の根拠 刑法169条:宣誓した証人の虚偽陳述を処罰する偽証罪 |
| 対象者 | 出頭・資料提出を命じられた者、出頭を命じられた鑑定人 | 起業者・土地所有者・関係人・参考人・鑑定人など委員会が命令する相手 法律により宣誓した証人 |
| 制裁の種類 | 10万円以下の過料(秩序罰、前科なし) | 制裁規定なし(違反への制裁は146条が担う) 3月以上10年以下の拘禁刑(刑罰) |
| 制裁を科す機関・手続 | 裁判所が非訟事件手続法の過料事件手続で科す | 収用委員会が命令を発する 刑事訴訟手続を経て裁判所が科す |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の土地徴収は内政部の審議・核准による行政手続が中心で、日本の収用委員会審理への不協力に対する過料と直接対応する規定は確認できない
韓国も土地収用委員会が裁決を行う制度であり、日本の収用委員会制度と構造が近い
ドイツでは収用手続を州の収用官庁が担い、口頭弁論手続を経て決定する
米国の連邦収用は裁判所の訴訟手続で行われ、審理不協力には通常の民事訴訟上の制裁が及ぶ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 祖父から継いだ畑が県道拡幅の事業区域に入った。用地交渉が決裂し、収用委員会から審理への出頭と、営農実績を示す資料の提出を求める通知が届いた。腹立ちまぎれに放置すれば過料の対象になりうるうえ、収穫量の証拠が出ないまま補償額が決まる
- 出頭を命じられた参考人が、隣地の地主に頼まれて境界の位置についてうその陳述をしたら、どうなる? 宣誓をしていないので偽証罪(刑法169条)は成立しないが、本条の虚偽陳述として過料の対象になる。「宣誓していないから何を言っても自由」ではない
- 不動産鑑定士のあなたは、収用委員会から鑑定人として出頭を命じられた。期日は来週火曜。繁忙期だからと連絡なしに欠席すれば、正当な事由なしの不出頭として過料の対象になりうる。都合がつかないなら、期日前に書面で事情を伝えて調整を求めるのが筋である
- テナントとして店舗を借りている飲食店主が、関係人として営業補償の算定資料を出すよう命じられた。帳簿の売上を実際より水増しした資料を出せば、虚偽資料の提出に当たる。補償を増やすつもりの小細工が、過料と、委員会からの信用失墜を同時に招く
取るべき行動
被害を受けた側:1. 呼出状を受け取ったら、期日、求められている資料、出頭する立場(所有者、関係人、参考人、鑑定人)を確認する2. 補償額に関わる証拠(収穫量、営業帳簿、建物修繕記録、近隣取引事例)を揃え、写しを手元に残す3. 都合がつかない場合は期日前に書面で理由を伝え、期日変更や書面提出を求める4. 補償額や事業認定に不満があるなら、用地補償に詳しい弁護士や不動産鑑定士に審理前に相談する
訴えられた側:1. 過料は裁判所が非訟事件手続法の手続で科す。通知が来たら、不出頭や不提出に「正当の事由」(病気、災害、期日を知り得なかった事情など)があった証拠を集める2. 虚偽とされた陳述や資料について、記憶違いや誤記であって故意ではない経緯を説明できるよう準備する3. 過料の裁判に不服があれば即時抗告で争える4. 前科にはならないが、審理での信用回復のため、正しい資料を速やかに出し直す
時効(請求できる期限):過料そのものに特定の時効規定は本条にない。収用委員会の裁決に不服がある場合、国土交通大臣への審査請求は裁決書正本の送達を受けた日の翌日から30日以内(土地収用法130条)、取消訴訟は送達日から3か月以内、損失補償に関する訴えは6か月以内(同法133条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説(秩序罰論):過料は行政上の義務違反に対する秩序罰であり、刑罰ではないため刑法総則や刑事訴訟法の適用はなく、非訟事件手続法の手続により裁判所が科すと解されている。
- 土地収用法 第65条出頭・資料提出・鑑定命令の根拠規定
- 土地収用法 第94条損失補償の裁決手続で65条を準用
- 土地収用法 第138条権利等の収用・使用への準用規定
- 土地収用法 第133条裁決に対する訴えの出訴期間
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄裁判所
- 刑法 第169条宣誓した証人の偽証罪との区別
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