土地収用法 第65条(審理又は調査のための権限等)
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- 収用委員会は、第六十三条第四項の規定による申立てが相当であると認めるとき、又は審理若しくは調査のために必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる。
- 一起業者、土地所有者若しくは関係人又は参考人に出頭を命じて審問し、又は意見書若しくは資料の提出を命ずること。
- 二鑑定人に出頭を命じて鑑定させること。
- 三現地について土地又は物件を調査すること。
- 2.前項第二号の規定によつて鑑定人に土地若しくは建物又はこれらに関する所有権以外の権利の価格を鑑定させるときは、当該鑑定人のうち少なくとも一人は、不動産鑑定士でなければならない。
- 3.第六十条の二の規定によつて委員又は職員が土地又は物件を実地に調査する場合においては、その身分を示す証票を携帯し、土地又は物件の所有者、占有者その他の利害関係人の請求があつたときは、これを示さなければならない。
- 4.前項に規定する証票の様式は、国土交通省令で定める。
- 5.第一項第二号の規定による鑑定人は、第六十一条第一項各号の一に該当する者であつてはならない。
- 6.第一項の規定による鑑定人又は参考人に対しては、条例で定めるところにより、旅費及び手当を給する。
この条文の基本情報
審理又は調査のための権限等とは何ですか?
定義審理又は調査のための権限等とは、土地収用法第65条に定められた規定で、「収用委員会は、第六十三条第四項の規定による申立てが相当であると認めるとき、又は審理若しくは調査のために必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第65条(審理又は調査のための権限等)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第65条の条文原文は「収用委員会は、第六十三条第四項の規定による申立てが相当であると認めるとき、又は審理若しくは調査のために必要があると認めるときは、次に掲げる処分をすることができる…」で始まります。
- 土地収用法第65条は第二節 会議及び審理に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第65条の前の条は土地収用法第64条です。
- 土地収用法第65条の次の条は土地収用法第65条の2です。
- 土地収用法第65条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第65条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第65条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/65
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法65条は、収用委員会が審問・資料提出命令・鑑定・現地調査を行える権限を定める。土地建物の価格鑑定では鑑定人の一人以上が不動産鑑定士でなければならない。
Q · 起業者の補償額に納得できないとき、収用委員会に中立の鑑定をしてもらえるの?
申し立てられる。委員会が相当と認めれば中立の鑑定が行われる
土地収用法65条1項により、収用委員会は鑑定人に鑑定させ、現地を調査し、当事者や参考人を審問することができます。土地所有者や関係人は63条4項に基づきこれらの処分を申し立てられ、委員会が相当と認めれば実施されます。土地・建物の価格を鑑定させる場合、鑑定人の少なくとも一人は不動産鑑定士でなければなりません(同条2項)。ただし補償は申立ての範囲内で裁決されるため、請求額の主張と組み合わせることが重要です。
解説
土地収用の補償額は、起業者(道路や鉄道を造る国・自治体・事業会社)が出してくる見積りでそのまま決まると思われがちだが、そうではない。最終的に決めるのは都道府県の収用委員会であり、その判断材料を集める権限を定めたのが本条である。委員会は、当事者や参考人を呼んで話を聞き、資料の提出を命じ、鑑定人に鑑定させ、現地を調べることができる。しかも土地所有者や関係人(借地人・借家人など、その土地に権利を持つ人)も、63条4項によってこれらの処分を「申し立てる」ことができる。土地や建物の価格を鑑定させる場合、鑑定人のうち少なくとも一人は不動産鑑定士でなければならない。つまり、起業者側の評価に納得できないあなたには、中立の専門家に値段を付け直させるよう求める正式な手段がある。黙って意見書を一枚出すだけの人と、鑑定や現地調査を申し立てて証拠を厚くする人とでは、裁決書に書かれる金額の根拠がまったく違ってくる。
法的な位置づけ
土地収用法第65条は、収用委員会の審理・調査上の権限を定める規定である。収用委員会は、当事者の申立てが相当なとき又は審理・調査に必要と認めるとき、起業者・土地所有者・関係人・参考人の審問、意見書・資料の提出命令、鑑定人による鑑定、現地調査を行うことができ、土地・建物等の価格鑑定には不動産鑑定士の関与が求められる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.起業者の算定根拠を確認する 起業者から示された補償額について、取引事例、補正率、価格時点など算定の前提を書面で確認し、相場との乖離がどこから生じているかを洗い出す
- 2.求める補償額を意見書で具体化する 補償は申立ての範囲内で裁決されるため(48条3項)、土地・建物・移転費・営業補償など項目ごとに自分の求める額と根拠を意見書に記載する
- 3.鑑定・現地調査・審問を申し立てる 63条4項に基づき、65条1項各号の処分(不動産鑑定士による鑑定、現地調査、起業者担当者の審問など)を、対象と必要性を明示して申し立てる。特殊な機械・工作物は該当分野の専門家を鑑定人とするよう求める
- 4.現地調査に立ち会う 調査に来た委員・職員に身分証票の提示を求めて確認し(65条3項)、補償対象物件や土地の特殊事情を現場で直接指し示し、写真と記録を残す
- 5.鑑定結果を検証し次回審理に備える 委員会の鑑定結果と起業者の評価・私的鑑定を比較し、差の要因(時点修正、個別要因)を整理した書面を審理終結前に提出する
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用法65条とは何ですか?
収用委員会が審理のために、当事者や参考人の審問、資料提出命令、鑑定人による鑑定、現地調査を行える権限を定めた条文です。
Q2収用委員会の鑑定を申し立てる方法は?
土地収用法63条4項に基づき、審理の場で65条1項各号の処分を申し立てます。鑑定の対象と必要性を書面で具体的に示すのが基本です。
Q3土地収用の補償額が安いときはどうすればいい?
意見書で求める補償額を項目ごとに示したうえで、不動産鑑定士による鑑定や現地調査を申し立て、起業者の評価の前提を検証させます。
Q4収用委員会の現地調査は拒否できる?
法律に基づく調査のため、正当な理由なく拒むと罰則の対象になりえます。ただし調査する委員・職員に身分証票の提示を求めることができます(65条3項)。
Q5収用委員会の鑑定人は誰が選ぶ?
鑑定人は収用委員会が命じます。土地・建物等の価格鑑定では少なくとも一人は不動産鑑定士で、除斥事由(61条1項)に当たる者は鑑定人になれません。
Q6収用委員会の参考人に呼ばれたら行かないといけない?
出頭命令は法律上の処分であり、正当な理由なく応じないと罰則の対象になりえます。旅費と手当は条例に基づき支給されます(65条6項)。
Q7鑑定の申立ては必ず認められる?
いいえ。収用委員会が申立てを「相当」と認めた場合に限り実施されます。私的鑑定書など数字の根拠を添えると相当性を示しやすくなります。
Q8収用委員会の裁決後に補償額を争うには?
損失補償に関する訴えを、裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に提起します(133条)。補償額への不服は審査請求の理由にできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1起業者の不動産鑑定書があるのに、もう一回鑑定してもらう意味あるの?
ある。起業者が依頼した鑑定は、あくまで当事者の一方が用意した資料である。本条1項2号の鑑定は、収用委員会が命じる中立の鑑定であり、地権者も63条4項で申し立てられる。実務のポイント:委員会は、私的な鑑定書の取引事例と委員会の鑑定の取引事例を比べることになる。起業者側の事例の選び方の偏りが、そこで初めて表に出ることが多い
Q2職員が勝手に土地に入ってきたら、追い返していいの?
委員や職員による現地調査(本条1項3号、60条の2)は法律に基づく権限なので、正当な理由なく拒むと罰則の対象になりうる(同法143条、最新の改正状況をご確認ください)。ただし、あなたは身分を示す証票を見せるよう求めることができる(本条3項)。実務のポイント:拒むより立ち会うほうが得である。その場で補償の対象になる物件や土地の特殊な事情を直接指し示せば、書類だけでは伝わらない事実が委員会の記録に残る
Q3参考人として呼ばれたけど、仕事を休んだ分は出るの?
本条6項により、鑑定人と参考人には条例で定めるところにより旅費と手当が支給される。金額は都道府県の条例によって違う。実務のポイント:手当は日当程度で、休業損害をまるごと埋めるものではないことが多い。出頭日の調整を委員会の事務局に早めに相談すると、審理の予定に合わせて配慮してもらえる場合がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「収用委員会は起業者と同じ役所側だから、何を言っても無駄」と思われがちだが、収用委員会は起業者から独立した合議制の行政委員会である。委員会が自分で調査し、中立の鑑定人に鑑定させる権限を持つのはそのためだ。その権限を地権者が申し立てによって動かせることを知らない人が多い
- 鑑定を申し立てれば安心、とは限らない。損失補償について、委員会は当事者が申し立てた範囲内で裁決するのが原則である(48条3項)。鑑定で高い評価が出ても、あなたが意見書で示した請求額が低ければ、その額を超える補償は原則として認められない。鑑定の申立てと請求額の主張は、セットで考えなければならない
- 「鑑定人=不動産鑑定士」と思われがちだが、本条2項が不動産鑑定士を義務づけているのは、土地・建物とそれらに関する所有権以外の権利(借地権など)の価格を鑑定する場合に限られる。しかも「少なくとも一人」である。工場の機械や特殊な工作物の評価では、その分野の専門家を鑑定人にするよう求めるほうが的確なこともある
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 土地収用法65条:収用委員会が行える審理・調査の処分(審問・鑑定・現地調査) | 土地収用法63条:当事者の意見書提出と処分の申立権 土地収用法60条の2:委員・職員への実地調査の委任 |
| 主体 | 収用委員会(処分を行う側) | 起業者・土地所有者・関係人(申し立てる側) 収用委員会から委任を受けた委員・職員 |
| 発動要件 | 申立てが相当、又は審理・調査に必要と認めるとき | 審理の場での当事者の申立て 収用委員会が実地調査を委任したとき |
| 手続保障 | 価格鑑定に不動産鑑定士必須、鑑定人の除斥、証票提示、旅費・手当 | 意見書・申立てによる主張の機会 調査時の証票提示(65条3項と連動) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では徴収地の地価は市価により補償され、直轄市・県(市)主管機関が地価評議委員会に評定させる。日本のように独立した収用委員会が個別事件ごとに鑑定を命じる構造とは異なる。
韓国の土地収用委員会も、意見書提出要求、감정평가법인등への鑑定評価依頼、現地調査などの審理調査上の権限を持ち、日本の本条と構造が近い。
ドイツでは Enteignungsbehörde が収用手続を行い、価格評価には各地の Gutachterausschuss(鑑定評価委員会)の知見が用いられる。
米国連邦の収用(condemnation)では裁判所手続で補償額を決め、陪審のほか commission に補償額を判断させる仕組みがある。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 起業者から示された補償額が、近所の取引相場より明らかに低い。あなたは審理で「鑑定人による鑑定」を申し立て、不動産鑑定士の鑑定を入れさせる。起業者側の評価と委員会側の鑑定が並べば、どちらの前提がおかしいのかがはっきりする
- 自宅の裏に作業場と特注の機械がある。土地の値段だけで話が進んでいて、移転費用や営業補償の算定が甘い。もしこのまま何も申し立てなかったら、どうなる? 委員会は現地を見ないまま書類だけで判断するかもしれない。現地調査を申し立てて、実物を見せることが必要だ
- 収用委員会の職員を名乗る二人が、予告なく庭先に現れて計測を始めた。あなたは身分を示す証票を見せるよう求めることができる(本条3項)。確認してから立ち会えばよい
- あなたは起業者側の用地担当である。地権者が鑑定を申し立てた。次回の審理まであと2週間。自社の評価の根拠資料(取引事例、補正の理由)を整理しておかないと、委員会の鑑定との差を説明できず、こちらの見積りの信用が崩れる
- 近所の人から参考人として出頭命令が届いた。その土地の昔の使われ方を知っているからだ。旅費と手当は条例に基づいて支給される。正当な理由なく出頭しないと罰則の対象になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 起業者の補償額の算定根拠(取引事例、補正率、評価の時点)を書面で開示するよう求める2. 意見書で、自分の求める補償額を項目ごとに具体的に示す(申立ての範囲を超えた裁決は原則できないため) 3. 63条4項に基づき、不動産鑑定士による鑑定、現地調査、起業者担当者の審問を申し立てる4. 機械や営業補償など特殊な項目は、その分野の専門家を鑑定人にするよう求める5. 申立書は補償に詳しい弁護士または不動産鑑定士と一緒に作る
訴えられた側:1. 起業者側は、見積りの根拠となった取引事例や評価の前提をすぐ出せる形で整理する2. 地権者が鑑定を申し立てたら、鑑定人の除斥事由(本条5項、61条1項)に当たる者がいないか確認する3. 現地調査では、計測結果と写真をこちらでも記録する4. 鑑定結果と自社評価の差は、要因(時点修正、個別要因)ごとに説明する書面を用意する
時効(請求できる期限):申立てそのものに条文上の日数制限はないが、審理が終わる前でなければ意味がない。裁決後、補償額を争うには、裁決書の正本が送達された日から6か月以内に損失補償に関する訴えを起こす(同法133条)。補償額への不服は、裁決に対する審査請求の理由にはできない(同法132条2項)。裁決のその他の違法を争う審査請求は、裁決書の正本が送達された日の翌日から30日以内(同法130条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条の処分は収用委員会の裁量に属し、申立てがあっても「相当」と認める場合に限り実施される。もっとも、補償額算定の中立性を確保する手続として、価格鑑定における不動産鑑定士の関与と鑑定人の除斥が最低限の保障として法定されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法(昭和26年法律第219号)の制定により、収用委員会の審理手続が整備された。
- 土地収用法 第63条当事者の意見書提出と処分の申立権
- 土地収用法 第60条の2委員・職員への実地調査の委任
- 土地収用法 第61条委員の除斥事由、鑑定人にも準用
- 土地収用法 第48条権利取得裁決、補償は申立ての範囲内
- 土地収用法 第133条損失補償に関する訴え、6か月の出訴期間
- 不動産の鑑定評価に関する法律 第3条不動産鑑定士の業務、2項の資格の根拠
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