土地収用法 第64条(会長又は指名委員の審理指揮権)
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- 収用委員会の審理の手続は、会長又は指名委員が指揮する。
- 2.会長又は指名委員は、起業者、土地所有者及び関係人が述べる意見、申立、審問その他の行為が既に述べた意見又は申立と重複するとき、裁決の申請に係る事件と関係がない事項にわたるときその他相当でないと認めるときは、これを制限することができる。
- 3.会長又は指名委員は、収用委員会の公正な審理の進行を妨げる者に対しては、退場を命ずることができる。
この条文の基本情報
会長又は指名委員の審理指揮権とは何ですか?
定義会長又は指名委員の審理指揮権とは、土地収用法第64条に定められた規定で、「収用委員会の審理の手続は、会長又は指名委員が指揮する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第64条(会長又は指名委員の審理指揮権)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第64条の条文原文は「収用委員会の審理の手続は、会長又は指名委員が指揮する。」で始まります。
- 土地収用法第64条は第二節 会議及び審理に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第64条の前の条は土地収用法第63条です。
- 土地収用法第64条の次の条は土地収用法第65条です。
- 土地収用法第64条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第64条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第64条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/64
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法64条は、収用委員会の審理を会長又は指名委員が指揮し、重複・無関係な意見等を制限し、公正な進行を妨げる者に退場を命ずることができると定める。
Q · 収用委員会の審理で、会長に発言を止められたら従うしかないの?
制限は会長の権限だが、補償の主張まで封じれば争う余地あり
土地収用法64条2項により、会長又は指名委員は、重複した意見、事件と関係がない事項、その他相当でない発言を制限できます。事業認定の是非は63条3項で審理において述べられない事項とされ、制限の典型例です。一方、補償額や収用範囲に関する新たな主張まで一律に打ち切った場合は、裁決に対する審査請求(130条)や取消訴訟(133条)で手続の違法として主張する余地があります。
解説
収用委員会の審理室で、マイクを握る時間を決めるのは土地所有者ではない。会長、または会長が指名した委員である。土地収用法64条は、この人に三つの権限を与える。審理の進行を指揮する権限、同じ主張の繰り返しや事件と関係のない話を打ち切る権限、公正な進行を妨げる者を退場させる権限である。多くの地権者は審理の場で「この道路はそもそも要らない」と訴える。しかし事業そのものの是非(事業認定)は、63条3項により収用委員会の審理で述べることが制限された事項であり、本条2項の発言制限の典型的な対象になる。審理で本当に争えるのは、補償金の額、収用する範囲、明渡しの時期などである。持ち時間をどの論点に使うかで、裁決書に残る中身が変わる。怒りをぶつける場所と、金額や範囲を動かす場所は別にある。審理の前にそれを分けておいた人だけが、記録に残る主張をできる。
法的な位置づけ
土地収用法64条は、収用委員会における審理の指揮権を定める規定である。審理手続は会長又は指名委員が指揮し、当事者の意見・申立て・審問等が重複し、裁決申請に係る事件と関係がなく、その他相当でない場合にはこれを制限でき、公正な審理の進行を妨げる者に退場を命ずる権限を有する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.期日通知を受けたら論点を三分類する 主張したい内容を「補償額」「収用する範囲」「明渡しの時期」と「事業そのものへの不満」に分ける。後者は63条3項で審理では述べられないため、事業認定を争う別手続の検討に回す
- 2.意見書を番号付きで事前提出する 論点ごとに番号を振った意見書を作成し、不動産鑑定書、営業帳簿、移転費用見積りなどの根拠資料を添付して期日前に提出する。口頭陳述は番号を示しながら新しい根拠に絞ると重複と判断されにくい
- 3.傍聴する支援者へ事前説明する 支援者が声を上げ続けると64条3項の退場命令の対象になり、本人の陳述時間も削られる。傍聴の心得を事前に共有しておく
- 4.発言制限を受けたら記録化を求める 会長又は指名委員から発言を制限された直後に、制限された発言の要旨と制限理由を審理の記録に残すよう求める。後に審査請求や取消訴訟で手続違法を主張する際の出発点になる
- 5.裁決送達後に不服申立て期限を管理する 裁決書正本の送達日を記録し、審査請求(30日)、取消訴訟(3か月)、損失補償の訴え(6か月)の期限を逆算して弁護士と方針を決める
よくある質問 AI による整理
Q1収用委員会の審理とは何ですか?
起業者の裁決申請を受け、収用委員会が土地所有者や関係人の意見を聴いて補償額や収用範囲を判断する手続です。進行は会長又は指名委員が指揮します(土地収用法64条1項)。
Q2収用委員会の審理で何を主張できる?
主に損失補償の額、収用する土地の範囲、明渡しの時期などです。事業認定に対する不服など審理と関係のない事項は63条3項で述べられません。
Q3収用委員会の指名委員とは誰のこと?
会長から審理の指揮を任された委員です。64条は会長と並べて指名委員にも指揮権・発言制限権・退場命令権を認めています。
Q4収用審理で発言制限されるのはどんなとき?
既に述べた意見・申立てと重複するとき、裁決申請に係る事件と関係がない事項にわたるとき、その他相当でないと認められるときです(64条2項)。
Q5収用委員会の審理は傍聴できる?
審理は原則として公開されます(62条)。ただし公正な審理の進行を妨げる傍聴者には、会長等が退場を命ずることができます(64条3項)。
Q6収用委員会の退場命令は違法?
公正な審理の進行を妨げる者への退場命令は64条3項の明文の権限です。妨害の事実がないのに当事者を退場させた場合は、裁決の手続違法として争う余地があります。
Q7収用裁決に不服がある場合 いつまでに申し立てる?
審査請求は裁決書正本の送達を受けた日の翌日から30日以内(130条)、取消訴訟は3か月、損失補償の訴えは6か月以内(133条)です。最新の改正状況もご確認ください。
Q8収用審理に代理人を立てられる?
土地所有者や関係人は弁護士などの代理人を通じて意見を述べることができます。代理人の発言も64条2項の制限の対象となる点は本人と同じです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1審理で言いたいことが途中で止められました。これって違法じゃないんですか?
重複している、事件と関係がない、その他相当でないと判断された発言の制限は、本条2項が会長・指名委員に認めた権限です。ただし、補償額に直結する主張まで一律に打ち切った場合は、裁決の手続違法として争う余地があります。実務のポイント:制限されたその場で要旨を記録に残すよう求めておかないと、後で「何を言わせてもらえなかったのか」を立証できません
Q2道路計画そのものに反対したい場合、収用委員会では無理なんですか?
事業の必要性は事業認定の段階で判断される事項で、収用委員会の審理では63条3項により述べることが制限され、本条2項による制限の対象にもなります。事業認定を争う手段は取消訴訟などです。実務のポイント:事業認定の違法を収用裁決の取消訴訟で主張できるか(違法性の承継)は、実務上、解釈が分かれています。事業認定に対する出訴期間を待たずに検討するのが安全です
間違えやすい点 AI による整理
- 審理は不満を全部聞いてもらえる場だと思われがちだが、実際には違う。事業そのものの必要性に関する主張は、63条3項により収用委員会の審理で述べられない事項とされており、本条2項による制限の典型的な対象である。事業そのものを争いたいなら、事業認定に対する取消訴訟など別の手段を使う必要がある
- 発言を制限されたら負け、と考える人は多い。しかし発言制限の怖さは、その場で恥をかくことではない。重複や無関係と判断されたやりとりに時間を費やすうちに、補償額の算定根拠への具体的な反論が手薄なまま審理が終わってしまうことにある。裁決はその記録をもとに出される
- 会長の指揮が不公平だと感じたら、その場で個別に不服を申し立てられると考えるのは前提がずれている。審理中の発言制限や退場命令を単独で争う手続は想定しにくく、通常は最終的な裁決に対する審査請求(130条)や取消訴訟(133条)の中で、手続の違法として主張することになる。そのため、制限を受けた事実と内容をその場で記録させておくことが重要になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 64条:審理の指揮・発言制限・退場命令 | 63条:当事者の意見陳述権と述べられない事項 62条:審理の公開 |
| 主体 | 会長又は指名委員 | 起業者・土地所有者・関係人 収用委員会(審理全体) |
| 当事者への意味 | 重複・無関係・不相当な発言は打ち切られ得る | 意見を述べる権利の根拠、ただし事業認定への不服等は除外 審理は原則公開、支援者も傍聴可能 |
| 関係する次の手続 | 65条の審問・鑑定・現地調査と組み合わせて審理が進む | 制限を受けた主張は意見書で補う 公開の場での妨害は64条3項の退場命令へ |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾の聴証手続では主持人が進行を指揮し、発言の許可・停止や秩序維持の措置をとれる。土地徴収の手続でも公聴会等の場で同種の秩序維持が問題になる
ドイツの正式行政手続では Verhandlungsleiter が口頭審理の秩序に責任を負い、指示に従わない者を退去させることができる。収用手続は BauGB § 108以下が規律する
米国連邦行政手続法では、審理を主宰する職員が審理の進行を規律する権限を持つ。収用(eminent domain)自体は主に裁判所手続で争われる点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 三代続いた畑に、県道拡幅の収用裁決申請が出された。審理の日、あなたは「この道路計画自体がおかしい」と三度目の発言を始めた。そこで会長が「既に述べられた意見と重複しますので制限します」と言う。残り時間は、補償額の算定根拠への反論にまったく使われていない
- 傍聴席の支援者が声を上げ続けたら、どうなる? 会長は本条3項に基づき退場を命じることができる。退場者が出れば、あなた側の陳述そのものも予定どおりに進みにくくなる
- あなたは起業者である市の用地担当者だ。地権者側の代理人が、事業認定の違法性について一時間の陳述を予定している。指揮権を持つのは会長であって市ではない。市がとれる手段は、63条3項との関係を指摘して制限を求めることにとどまる。
- 審理期日まであと10日。届いた期日通知を前に、借地権者のあなたは何を話すか決めていない。不動産鑑定書、営業補償の資料、移転先の見積り。持ち時間に入る「金額の論点」は、今から揃えるしかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 審理の前に意見書を出し、補償額・収用する範囲・明渡しの時期の論点ごとに根拠資料(鑑定書、営業の帳簿、移転費用の見積り)を添付する2. 事業そのものへの不満は事業認定を争う別の手続に回し、審理では持ち出さない3. 発言を制限されたら、要旨と制限の理由を記録に残すよう求める4. 傍聴に来る支援者には、退場命令の可能性を事前に伝えておく5. 裁決に不服があれば、送達日から期限を数える
訴えられた側:起業者の立場の場合:1. 地権者側の陳述が事業認定の是非に及んだときは、63条3項との関係を指摘し、会長に制限を求める。ただし指揮権は会長にあり、起業者側が直接打ち切ることはできない2. 補償算定の根拠を明確に示し、重複した説明を避ける3. 過度な制限は後に手続違法として争われる火種になるため、制限を求めるのは必要な場面に限る
時効(請求できる期限):発言制限や退場命令そのものについて固有の不服申立て期間はない。裁決に対する審査請求は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から30日以内(130条)。裁決の取消訴訟は送達を受けた日から3か月、損失補償に関する訴えは6か月以内(133条)(最新の改正状況をご確認ください)
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