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建物の区分所有等に関する法律 第87条(所有者不明専有部分管理命令)

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  1. 第一章第六節の規定による非訟事件は、裁判を求める事項に係る専有部分の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
  2. 2.裁判所は、次に掲げる事項を公告し、かつ、第二号の期間を経過した後でなければ、所有者不明専有部分管理命令をすることができない。この場合において、同号の期間は、一月を下つてはならない。
  3. 一所有者不明専有部分管理命令の申立てがその対象となるべき専有部分又は共有持分についてあつたこと。
  4. 二所有者不明専有部分管理命令をすることについて異議があるときは、所有者不明専有部分管理命令の対象となるべき専有部分又は共有持分を有する者は一定の期間内にその旨の届出をすべきこと。
  5. 三前号の届出がないときは、所有者不明専有部分管理命令がされること。
  6. 3.第四十六条の三第二項又は第四十六条の六第二項の許可の申立てをする場合には、その許可を求める理由を疎明しなければならない。
  7. 4.裁判所は、第四十六条の六第一項の規定による解任の裁判又は第四十六条の七第一項の規定による費用若しくは報酬の額を定める裁判をする場合には、所有者不明専有部分管理人の陳述を聴かなければならない。
  8. 5.次に掲げる裁判には、理由を付さなければならない。
  9. 一所有者不明専有部分管理命令の申立てを却下する裁判
  10. 二第四十六条の三第二項又は第四十六条の六第二項の許可の申立てを却下する裁判
  11. 三第四十六条の六第一項の規定による解任の申立てについての裁判
  12. 6.所有者不明専有部分管理命令があつた場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分又は共有持分について、所有者不明専有部分管理命令の登記を嘱託しなければならない。
  13. 7.所有者不明専有部分管理命令を取り消す裁判があつたときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、所有者不明専有部分管理命令の登記の抹消を嘱託しなければならない。
  14. 8.所有者不明専有部分管理人は、所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分又は共有持分並びに所有者不明専有部分管理命令の効力が及ぶ動産並びに共用部分及び附属施設に関する権利並びに敷地利用権の管理、処分その他の事由により金銭が生じたときは、その専有部分の区分所有者又はその共有持分を有する者のために、当該金銭を所有者不明専有部分管理命令の対象とされた専有部分(共有持分を対象として所有者不明専有部分管理命令が発せられた場合にあつては、共有物である専有部分)の所在地の供託所に供託することができる。この場合において、供託をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨その他法務省令で定める事項を公告しなければならない。
  15. 9.裁判所は、所有者不明専有部分管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
  16. 10.裁判所は、管理すべき財産がなくなつたとき(管理すべき財産の全部が供託されたときを含む。)その他財産の管理を継続することが相当でなくなつたときは、所有者不明専有部分管理人若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、所有者不明専有部分管理命令を取り消さなければならない。
  17. 11.所有者不明専有部分等の所有者(その共有持分を有する者を含む。以下この条において同じ。)が所有者不明専有部分等の所有権(その共有持分を含む。)が自己に帰属することを証明したときは、裁判所は、当該所有者の申立てにより、所有者不明専有部分管理命令を取り消さなければならない。この場合において、所有者不明専有部分管理命令が取り消されたときは、所有者不明専有部分管理人は、当該所有者に対し、その事務の経過及び結果を報告し、当該所有者に帰属することが証明された財産を引き渡さなければならない。
  18. 12.所有者不明専有部分管理命令及びその変更の裁判は、所有者不明専有部分等の所有者に告知することを要しない。
  19. 13.所有者不明専有部分管理命令の取消しの裁判は、事件の記録上所有者不明専有部分等の所有者及びその所在が判明している場合に限り、その所有者に告知すれば足りる。
  20. 14.次の各号に掲げる裁判に対しては、それぞれ当該各号に定める者に限り、即時抗告をすることができる。
  21. 一所有者不明専有部分管理命令利害関係人
  22. 二第四十六条の六第一項の規定による解任の裁判利害関係人
  23. 三第四十六条の七第一項の規定による費用又は報酬の額を定める裁判所有者不明専有部分管理人
  24. 四第九項から第十一項までの規定による変更又は取消しの裁判利害関係人
  25. 15.次に掲げる裁判に対しては、不服を申し立てることができない。
  26. 一第四十六条の二第四項の規定による所有者不明専有部分管理人の選任の裁判
  27. 二第四十六条の三第二項又は第四十六条の六第二項の許可の裁判

この条文の基本情報

所有者不明専有部分管理命令とは何ですか?

定義所有者不明専有部分管理命令とは、建物の区分所有等に関する法律第87条に定められた規定で、「第一章第六節の規定による非訟事件は、裁判を求める事項に係る専有部分の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 建物の区分所有等に関する法律第87条(所有者不明専有部分管理命令)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
  2. 建物の区分所有等に関する法律第87条の条文原文は「第一章第六節の規定による非訟事件は、裁判を求める事項に係る専有部分の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。」で始まります。
  3. 建物の区分所有等に関する法律第87条は第四章に置かれています。
  4. 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
  5. 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 建物の区分所有等に関する法律第87条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第86条です。
  7. 建物の区分所有等に関する法律第87条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第88条です。
  8. 建物の区分所有等に関する法律第87条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第87条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069
  • 本サイト収録建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第87条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/87

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点区分所有法87条は、所有者不明専有部分管理命令の管轄・公告・登記嘱託・取消しなど手続全体を定める。裁判所は公告後、一月を下らない届出期間を経過しなければ命令を出せない。

Q · マンションの所有者不明の空き部屋、裁判所に申し立てたらすぐ管理人を付けてもらえますか?

できるが、公告から一月以上待たされる

区分所有法87条1項により、申立て先はその専有部分の所在地を管轄する地方裁判所です。ただし同条2項により、裁判所は申立てがあった旨と届出期間を公告し、その期間(一月を下ることができない)を経過した後でなければ所有者不明専有部分管理命令をすることができません。命令が出れば裁判所書記官が職権で登記を嘱託し(6項)、処分により生じた金銭は所有者のために供託できます(8項)。所有者が所有権の帰属を証明すれば、裁判所は命令を取り消さなければなりません(11項)。

解説

マンションの一室が、何十年も誰も住まないまま放置されている。登記簿を見ても所有者は数十年前に死亡、相続人は誰か分からない。管理費は滞納され続け、修繕積立金の計画は狂い、大規模修繕の決議に必要な頭数も足りない。この行き詰まりを裁判所の力でこじ開けるのが所有者不明専有部分管理命令であり、本条はその手続の全部を規定する。あなたが管理組合の理事なら、知っておくべき数字が三つある。第一、申立て先は「その専有部分の所在地を管轄する地方裁判所」であって、簡裁でも管理組合の所在地でもない。第二、裁判所は公告してから最低一か月待たなければ命令を出せない。つまり申立てた翌日に管理人が付くことはない。第三、命令が出れば裁判所書記官が職権で登記を嘱託するので、登記簿を見れば誰でもその状態を確認できる。逆にあなたが「行方不明にされた側」の所有者だとしたら、11項が命綱になる。所有権が自分に帰属すると証明すれば、裁判所は命令を取り消さなければならない。「できる」ではなく「しなければならない」である。

法的な位置づけ

区分所有法87条は、所有者不明専有部分管理命令に関する非訟事件の手続を定める規定である。管轄裁判所を当該専有部分の所在地の地方裁判所とし、公告と一月を下らない届出期間の経過を命令の要件とするほか、疎明、陳述聴取、理由付記、登記の嘱託、金銭の供託、命令の変更・取消し、告知の要否、即時抗告の可否を規律する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.対象住戸の所有者不明を裏付ける資料を集める 登記事項証明書、住民票除票、戸籍の追跡結果、宛先不明で返戻された郵便物、管理費請求の記録を時系列で整理する。「所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない」ことの疎明資料の中核になる
  2. 2.専有部分の所在地を管轄する地方裁判所を特定する 87条1項により、管轄は裁判を求める事項に係る専有部分の所在地を管轄する地方裁判所である。管理組合の事務所所在地でも、理事長の住所地でもない。物件所在地から管轄区域を確認する
  3. 3.許可を同時に求めるなら理由を疎明する書面を用意する 46条の3第2項(保存行為を超える行為の許可)や46条の6第2項の許可を求める場合は、その理由を疎明しなければならない(3項)。証明より軽い程度で足りるが、無資料では通らないので見積書や査定書を添える
  4. 4.公告と一月以上の届出期間を織り込んだ工程表を作る 裁判所は申立てがあった旨・届出をすべき期間・届出がないときは命令がされる旨を公告し、その期間を経過するまで命令を出せない(2項)。期間は一月を下れないため、修繕決議や工事発注の日程は逆算して組む
  5. 5.命令後は登記を確認し、管理人へ滞納状況を即日提示する 命令があれば裁判所書記官が職権で管理命令の登記を嘱託する(6項)。登記事項証明書で発令を確認したうえで、管理費滞納額の集計と修繕計画への影響を書面で管理人に渡し、着手順位を早期に固める

よくある質問 AI による整理

Q1所有者不明専有部分管理命令とは何ですか?

所有者やその所在が分からないマンション住戸について、裁判所が管理人を選任して管理・処分の権限を与える制度です。実体要件は区分所有法46条の2、手続は87条が定めます。

Q2所有者不明専有部分管理命令はどこの裁判所に申し立てますか?

その専有部分の所在地を管轄する地方裁判所です(87条1項)。管理組合の所在地でも、簡易裁判所でもありません。物件の場所を基準に管轄を確認してください。

Q3所有者不明専有部分管理命令は登記されますか?

されます。命令があれば裁判所書記官が職権で遅滞なく管理命令の登記を嘱託し(6項)、取消しの裁判があればその抹消を嘱託します(7項)。登記事項証明書で確認できます。

Q4管理人の選任の裁判に不服は言えますか?

できません。46条の2第4項による管理人の選任の裁判と、46条の3第2項・46条の6第2項の許可の裁判には、不服を申し立てられないと15項が定めています。

Q5供託されたお金はどうなりますか?

管理・処分等で生じた金銭は、所有者のためにその専有部分の所在地の供託所へ供託できます(8項)。供託したときは法務省令の定めに従い公告され、後に所有者が還付を請求します。

Q6即時抗告できるのは誰ですか?

管理命令・解任の裁判・9項から11項の変更取消しの裁判には利害関係人、費用や報酬の額を定める裁判には所有者不明専有部分管理人に限られます(14項各号)。

Q7所有者不明建物管理命令と何が違いますか?

民法264条の8は建物全体を対象とする一般法、区分所有法46条の2と87条はマンションの専有部分・共有持分を対象とする特則です。共用部分や敷地利用権にも効力が及ぶ点が特徴です。

Q8管理命令が取り消されるのはどんなときですか?

管理すべき財産がなくなったときや管理継続が相当でなくなったとき(10項)、所有者が所有権の帰属を証明したとき(11項)です。いずれも裁判所は取り消さなければなりません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1うちのマンションの空き部屋、管理費が何百万も溜まってるんですけど、管理人が付いたら回収できるんですか?

管理人は当該専有部分等の管理・処分の権限を持ち、処分により金銭が生じた場合は所有者のために供託できる(本条8項)。滞納管理費は区分所有法7条の先取特権が及ぶため、処分代金からの回収可能性が生まれる。実務のポイント:申立費用と管理人報酬(46条の7で裁判所が額を定める)は申立人側の予納から出るのが通常で、住戸の価値が低いと回収額を報酬が食う。申立て前に不動産業者へ簡易査定を頼み、採算ラインを引いてから動く管理組合は少ない

Q2自分が知らないうちに管理人が付けられていた場合、後から文句は言えますか?

言える。管理命令に対しては利害関係人として即時抗告ができ(本条14項1号)、所有権が自己に帰属することを証明すれば裁判所は命令を取り消さなければならない(同11項)。取消し後、管理人は事務の経過と結果を報告し財産を引き渡す義務を負う。実務のポイント:即時抗告は期間が極めて短い一方、11項の取消申立てには期間制限がない。抗告期間を逃しても諦める必要はなく、実務では所有権証明による取消しの方が確実な経路になることが多い

Q3申立てから管理人が動き出すまで、どれくらいかかりますか?

最短でも公告と一か月以上の届出期間を経る必要がある(本条2項)ため、申立て直後に管理人が付くことはない。実際には所在不明の疎明審理と公告手続を含め、数か月を見込むのが現実的である。実務のポイント:修繕決議や建替え決議のスケジュールが決まっている管理組合ほど、この一か月を軽視して工程が崩れる。理事会で申立てを議題に載せる時点で、公告期間を含めた工程表を配ると、翌年の理事に引き継いでも計画が生き残る

間違えやすい点 AI による整理

  • 「所有者不明なのだから、申立てればすぐ管理人が付く」と考える管理組合が多い。だが2項は、裁判所が公告し、かつ一か月を下らない届出期間を経過した後でなければ命令を出せないと定める。申立てから命令まで、公告手続と審理を含めれば数か月を見るべきである。大規模修繕の工期に間に合わせるつもりなら、逆算して動く必要がある
  • 「知らないうちに管理命令が出されるのは違憲ではないか」という問いを立てる人がいるが、問いの前提が半分ずれている。12項は確かに命令と変更の裁判を所有者に告知しなくてよいとする。だがそれは2項の公告と一か月以上の届出期間という事前手続を通過した後の話であり、さらに11項で所有権証明による取消請求の道が常時開いている。手続保障は告知ではなく公告と取消権で担保されている、という設計である
  • 所有者不明専有部分管理人が付いたら、その部屋の所有権が奪われたと受け取る人がいる。法律の側から見れば、所有権は依然として不明所有者に帰属したままで、管理人はあくまで管理と処分の権限を与えられた者にすぎない。8項が売却代金を所有者のために供託すると書いているのがその証拠である。この落差を知らないまま「もう自分の物ではない」と諦めると、供託金を受け取る権利まで放棄することになる
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割区分所有法87条:管轄・公告・登記・供託・取消し・即時抗告など手続の全体区分所有法46条の2:管理命令の実体要件と管理人の選任
民法264条の8:建物全体を対象とする一般法の所有者不明建物管理命令
対象所有者不明専有部分管理命令に係る非訟事件そのもの専有部分または共有持分(共用部分・附属施設の権利、敷地利用権にも効力が及ぶ)
建物およびその敷地利用権(区分所有建物には原則適用されない)
時間的な足かせ公告 + 一月を下らない届出期間の経過が必須(2項)要件充足の審理と管理人適格者の確保
同様に公告と届出期間を要する(非訟手続の一般構造)
所有者側の反撃手段所有権帰属の証明による取消し(11項、裁判所は取り消さなければならない)+利害関係人の即時抗告(14項)管理人の権限逸脱を争う、46条の6の解任申立て
民法上の対応する取消し規定による

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
公寓大廈管理条例/民法第10条・家事事件法第142条

台湾には区分所有建物の専有部分に限定した管理命令の直接対応制度はなく、失踪・不在者の財産管理事件として家事事件手続で処理される。管理組合が主体となって裁判所に申し立てる構造は日本ほど整備されていない

韓国
집합건물의 소유 및 관리에 관한 법률/민법 제22조

韓国の集合建物法は日本の区分所有法を強く参照して立法されたが、所有者不明専有部分の管理命令にあたる規定は置かれておらず、不在者の財産管理人制度で代替されている

ドイツ
Wohnungseigentumsgesetz(WEG)/Abwesenheitspflegschaft

ドイツでは2020年 WEG 改正で管理者(Verwalter)の権限が大幅に強化され、共同体自体の行為能力が明確化されたため、個別住戸の所有者不明問題は共同体の権限と不在者保護人の組合せで処理される

フランス
Loi n° 65-557 du 10 juillet 1965 art. 29-1(administrateur provisoire)

フランスは個別住戸ではなく管理不全に陥った区分所有建物全体に裁判所が暫定管理人を選任する構造をとる。単一住戸の所有者不明を起点とする日本の設計とは介入単位が異なる

アメリカ
Uniform Common Interest Ownership Act(UCIOA)および州法上の receivership

米国では管理費滞納に対する先取特権の実行と放棄住戸への receiver 選任が中心で、所有者の所在不明そのものを要件とする統一的な管理命令制度は存在せず州ごとに扱いが分かれる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 築40年のマンションで、三階の一室が15年間空き家。管理費滞納は300万円を超え、大規模修繕の集会でも議決権を行使する者がいない。管理組合として区分所有法46条の2に基づく申立てを検討したが、どこの裁判所に出せばいいのか誰も知らなかった。答えは本条1項、その部屋がある土地を管轄する地方裁判所である
  • 海外赴任から8年ぶりに帰国したら、自分名義のマンションに見知らぬ「所有者不明専有部分管理人」が付いていて、部屋が売却手続に入っていた。どうすればいい? 本条11項、登記事項証明書と本人確認資料で所有権の帰属を証明すれば、裁判所は取消しをしなければならない。管理人はあなたに事務の経過を報告し、財産を引き渡す義務を負う
  • 所有者不明専有部分管理人として選任された弁護士が、部屋を売却して1,800万円を得た。所有者はまだ見つからない。この金銭はどうなるか。8項により、その専有部分の所在地の供託所に供託でき、供託したら法務省令の定めに従って公告する。管理人の口座に眠り続けるわけではない
  • 管理人の仕事ぶりに納得がいかず解任を求めたが、裁判所は却下。不服を申し立てられるか。14項2号により、解任の裁判に対しては利害関係人が即時抗告できる。ただし即時抗告の期間は原則2週間(非訟事件手続法67条1項)。裁判の告知を受けた日から数え始めるので、書面が届いた日に弁護士へ相談しないと間に合わない
  • 管理組合の理事長として申立てを準備しているが、46条の3第2項の許可(管理人が保存行為を超える行為をする際の裁判所の許可)も同時に取りたい。3項により、許可を求める理由を疎明しなければならない。疎明は証明より軽い程度でよいが、無資料では通らない

取るべき行動

被害を受けた側:管理組合側として動く場合。1. 対象住戸の登記事項証明書と、所有者への連絡が不通であることの記録(返戻された郵便、住民票除票、戸籍の追跡結果)を揃える。「所在を知ることができない」の疎明資料がこれにあたる2. 申立て先はその専有部分の所在地を管轄する地方裁判所(1項)、管理組合の所在地ではない3. 46条の3第2項の許可も要するなら、理由の疎明資料を同時に準備(3項) 4. 公告と一か月以上の届出期間があるので(2項)、修繕や決議の日程は逆算して組む

訴えられた側:所在不明とされた所有者側の場合。1. 登記事項証明書を取得し、管理命令の登記(6項)の有無と発令裁判所を確認2. 所有権が自己に帰属することを示す資料(登記、相続関係を示す戸籍、本人確認資料)を揃えて11項の取消しを申し立てる。要件を満たせば裁判所は取り消さなければならない3. すでに売却済みなら、8項の供託金の還付請求へ切り替える4. 命令自体や変更・取消しの裁判には利害関係人として即時抗告の道がある(14項)、期間が短いので受領日に動く

時効(請求できる期限):本条には請求権の消滅時効は定められていない。実務上の期限は即時抗告の期間で、14項の各裁判に対する即時抗告は原則として裁判の告知を受けた日から2週間以内(非訟事件手続法67条1項)。他方2項の届出期間は裁判所が定めるが一か月を下ることはできず、この期間内に届け出れば命令発令前に阻止できる。11項の取消申立てには期間制限がなく、命令が存続する限りいつでも可能(最新の改正状況をご確認ください)

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律が制定され、区分所有権と共用部分・敷地利用権の基本構造が置かれた。当時は所有者不明住戸を対象とする管理命令制度はなく、不在者財産管理など一般制度に委ねられていた
  2. 2.令和3年(2021年) 改正:民法に264条の2以下の所有者不明土地管理命令・所有者不明建物管理命令が新設され、所有者不明不動産に裁判所が管理人を選任する枠組みが一般法として確立した。本条の直接の設計母体にあたる
  3. 3.令和7年(2025年) 新設:区分所有法改正により所有者不明専有部分管理命令が導入され、その非訟手続として本条が置かれた(施行日および法律番号は e-Gov 法令検索の最新版で確認のこと)

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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