建物の区分所有等に関する法律 第89条(非訟事件手続法の適用除外)
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- 第三十八条の二第一項(第六十六条、第七十三条及び第七十九条において準用する場合を含む。)の規定による裁判に係る事件については、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)第四十条の規定は、適用しない。
- 2.第一章第六節及び第七節の規定による非訟事件については、非訟事件手続法第四十条及び第五十七条第二項第二号の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
非訟事件手続法の適用除外とは何ですか?
定義非訟事件手続法の適用除外とは、建物の区分所有等に関する法律第89条に定められた規定で、「第三十八条の二第一項(第六十六条、第七十三条及び第七十九条において準用する場合を含む。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 建物の区分所有等に関する法律第89条(非訟事件手続法の適用除外)は、日本の建物の区分所有等に関する法律に含まれる条文です。
- 建物の区分所有等に関する法律第89条の条文原文は「第三十八条の二第一項(第六十六条、第七十三条及び第七十九条において準用する場合を含む。」で始まります。
- 建物の区分所有等に関する法律第89条は第四章に置かれています。
- 建物の区分所有等に関する法律の公布日は昭和37年4月4日です。
- 建物の区分所有等に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 建物の区分所有等に関する法律第89条の前の条は建物の区分所有等に関する法律第88条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第89条の次の条は建物の区分所有等に関する法律第90条です。
- 建物の区分所有等に関する法律第89条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第89条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000069 - 本サイト収録
建物の区分所有等に関する法律(昭和三十七年法律第六十九号)第89条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/337AC0000000069/89
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点区分所有法89条は、区分所有の非訟事件について非訟事件手続法40条(検察官の関与)と57条2項2号(裁判書への理由の要旨の記載)の適用を除外する特則である。
Q · マンションの裁判所手続で届いた決定書に理由が書かれていないのは、法律上ありなんですか?
原則そのとおり。89条2項が理由の記載義務を外している
区分所有法89条2項は、同法第一章第六節および第七節の規定による非訟事件について、非訟事件手続法57条2項2号(裁判書への理由の要旨の記載)と同法40条(検察官の意見陳述・期日立会い)の適用を除外しています。したがって裁判所が理由を書かなくても手続違背にはなりません。書くこと自体は妨げられませんが、義務ではない以上、不服申立ての材料は審理段階で自分が記録に残した書面から組み立てることになります。
解説
裁判所の決定書を開いたのに、なぜその結論になったのかがどこにも書かれていない。そんな書面が現実に届きうる。通常の非訟事件では、非訟事件手続法57条2項2号が裁判書への「理由の要旨」の記載を義務づけている。ところが本条2項は、区分所有法第一章第六節および第七節にもとづく非訟事件について、その記載義務を外した。あわせて同法40条(検察官が意見を述べ、期日に立ち会える仕組み)も外され、公益代表者の目が入らないまま手続が回る。本条1項は、38条の2第1項の裁判(66条・73条・79条で準用される場合を含む)についても検察官の関与を外している。意味するところは二つ。手続は速い。そして決定後にあなたが不服を組み立てようとしたとき、裁判所の思考過程という最大の手がかりが書面に残っていない可能性がある。勝負は決定後ではなく、審理中にあなたの主張と資料をどこまで記録に残せたかで決まる。
法的な位置づけ
建物の区分所有等に関する法律89条は、区分所有関係の非訟事件に関する手続の特則を定める規定である。1項は38条の2第1項の裁判に係る事件について検察官の関与(非訟事件手続法40条)を排除し、2項は第一章第六節および第七節の非訟事件について、同条に加えて裁判書への理由の要旨の記載義務(同法57条2項2号)を排除する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通知が届いたら期日と提出期限を先に確認する 封筒を開けたら主文より先に、期日・書面の提出期限・意見照会の回答期限を確認し、その日のうちにカレンダーへ入れる。区分所有の非訟事件は検察官の関与がない分だけ速く進む
- 2.審理終結前に主張と資料を提出する 総会議事録、通知の受領状況、修繕履歴、見積書、現地写真など、結論を左右する資料を審理が終結する前にすべて提出する。理由が書かれない手続では、記録に残った書面だけが後の材料になる
- 3.判断してほしい論点を上申書で明示する 「この論点について判断を示してほしい」と上申書で裁判所に求めておく。理由の記載義務がない以上、争点を求めた事実が記録に残ること自体が、抗告審での足場になる
- 4.決定の告知日を記録し即時抗告期間を逆算する 終局決定の告知を受けた日を記録し、2週間の不変期間から逆算して抗告理由の作成に着手する。理由が書かれていない場合は、原審の記録から裁判所が前提とした事実を推定して組み立てる
よくある質問 AI による整理
Q1区分所有法89条とは何ですか?
区分所有関係の非訟事件について、非訟事件手続法の一部を適用除外する手続の特則です。検察官の関与(40条)と、裁判書への理由の要旨の記載(57条2項2号)が外れます。
Q2非訟事件手続法57条2項2号とは何ですか?
終局決定の裁判書に「理由の要旨」を記載すべきことを定める規定です。区分所有法89条2項が適用対象事件でこれを外すため、決定書に理由が残らない場合があります。
Q389条1項はどの裁判に適用されますか?
38条の2第1項の規定による裁判に係る事件です。66条・73条・79条で同項が準用される場合も含み、これらの事件では非訟事件手続法40条が適用されません。
Q4区分所有の非訟事件で意見はいつ出せばいいですか?
審理が終結する前です。理由の記載義務がない手続では、記録に残った書面が抗告審での唯一の材料になります。決定後に出しても原審の判断材料にはなりません。
Q5決定に不服がある場合はどうすればいいですか?
終局決定に対する即時抗告は、裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内です。告知日を必ず記録し、理由が書かれていない前提で抗告理由を組み立てます。
Q6検察官の関与がないと手続はどう変わりますか?
公益代表者による意見陳述と期日立会いがなくなり、手続は速く進みます。第三者による是正が入らないため、適正さは当事者双方の提出書面で担保するしかありません。
Q7理由が書かれない手続は違憲ではないですか?
即時抗告など不服申立ての道は残るため、裁判を受ける権利(憲法32条)を直ちに奪うものではないと整理されます。本条の憲法適合性を判断した最高裁判例は確認できていません。
Q8弁護士に依頼するタイミングはいつですか?
裁判所から最初の通知が届いた時点です。決定後に相談しても、理由の記載がない以上、原審で提出しなかった資料を後から記録に足すことは基本的にできません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1決定書に理由が書いてないって、それ本当にアリなんですか?
アリである。本条2項が非訟事件手続法57条2項2号(裁判書への理由の要旨の記載)の適用を外しているため、記載義務が存在しない。義務がないだけで、裁判所が理由を書くこと自体は妨げられない。実務のポイント:理由が書かれるかどうかは事件の性質と裁判官の運用次第である。だから代理人は審理の途中で「この点は判断で触れてほしい」と上申書で明示的に求めることがある。求めた記録が残ること自体が、抗告審での足場になる
Q2検察官が関わらないなら、誰がこの手続をチェックするんですか?
当事者自身と、上級審への不服申立てである。非訟事件手続法40条は検察官の意見陳述と期日立会いを認めるが、本条1項・2項はその適用を外した。区分所有をめぐる争いは私人間の財産関係であり、公益代表者の関与より迅速な処理が優先された結果である。実務のポイント:非訟手続は訴訟ほど当事者対立が構造化されていない。裁判所が職権で調べる建前でも、あなたが出さない資料を必ず拾いに来る保証はない。先に資料を積んだ側が有利になる構造だと理解しておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「理由が書かれていないのだから、それだけで違法、取り消せるはずだ」という問いの立て方そのものが外れている。本条2項が記載義務を外している以上、理由不記載は手続違背にならない。争うべきは理由の有無ではなく、結論の当否と、審理で何が考慮されなかったかである
- 適用除外は「手続が簡単になるだけ」と受け止められがちだが、簡単になるのは裁判所の側で、減るのはあなたの側の情報である。同じ一行の改正が、当事者にとっては不服申立ての難度上昇として跳ね返る。深刻さの所在が逆側にある
- あなたから見れば「マンションの内輪もめ」だが、法律から見れば自分の財産の帰趨を決める裁判手続である。この落差があるために、期日通知や意見照会の書面を後回しにした側が、気付いたときには反論の場を失っている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される事件 | 89条2項:第一章第六節・第七節の非訟事件 | 89条1項:38条の2第1項の裁判に係る事件(66条・73条・79条で準用する場合を含む) 上記以外の非訟事件:非訟事件手続法の原則どおり |
| 検察官の関与(非訟事件手続法40条) | 適用なし | 適用なし 適用あり(意見陳述・期日立会いが可能) |
| 裁判書への理由の要旨(同法57条2項2号) | 適用なし(記載義務なし) | 除外されていない 適用あり(記載義務あり) |
| 当事者への影響 | 手続は速い一方、不服申立ての手がかりが書面に残らない | 公益代表者のチェックが入らない 理由の要旨を手がかりに抗告理由を組み立てられる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も区分所有関係の一部を非訟手続で処理するが、検察官の関与や理由記載義務を条文で明示的に外す構造は確認できていない
韓国も集合建物法に関する事件の一部を非訟手続で処理する。日本法の影響が強い領域だが、適用除外の範囲は個別に確認が必要
ドイツは2007年の改正で区分所有事件を非訟手続(FGG)から通常の民事訴訟手続(ZPO)へ移行させた。日本が非訟のまま特則で調整するのと逆方向の解決
米国では区分所有紛争は通常の民事訴訟または仲裁・調停で処理され、非訟事件という手続類型自体が存在しない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 届いた決定書が主文だけで、理由がどこにも書かれていなかったとしたら、あなたは何を手がかりに不服を申し立てる? 即時抗告は告知を受けた日から2週間の不変期間で切れる。理由を探して数日悩んでいるうちに、期間の半分が溶けている
- あなたは管理組合の多数派に反対する少数側の区分所有者だ。裁判所の非訟手続が動き出したが、検察官のような第三者のチェックは入らない。自分で書面を出さなければ、あなたの言い分は記録のどこにも残らない
- 築45年のマンションで復旧か建替えかが割れ、管理組合が裁判所の手続に持ち込んだ。理事長のあなたは申立てる側だが、理由の記載義務がない決定は、相手の抗告理由も、こちらが守るべき論点も見えにくくする。原審で積んだ記録の厚みが、そのまま抗告審での防御力になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 書面が届いたらまず期日と提出期限を確認し、その日のうちにカレンダーへ2. 反論の根拠資料(総会議事録、通知の受領状況、修繕履歴、見積書、現地写真)を審理終結の前に提出3. 判断してほしい論点は上申書で明示しておく。理由の記載義務がない以上、争点を記録に残す作業は自分でやる4. 決定の告知を受けた日を記録し、即時抗告の不変期間(原則2週間)を逆算する
訴えられた側:1. 申立てる側(管理組合・多数派)なら、手続が速い分だけ提出書面の完成度がそのまま結論を決める2. 決議の成立過程、通知の到達、所在調査の経緯を時系列で書面化して残す3. 検察官の関与がない手続では、第三者による是正が入らない。手続の適正さは申立人側が自分で担保するしかない4. 原審の記録が薄いまま決定を得ると、抗告審で覆るリスクが上がる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。実質的な期限は手続上の期間で、終局決定に対する即時抗告は裁判の告知を受けた日から2週間の不変期間内(非訟事件手続法の一般原則、最新の改正状況をご確認ください)。背後にある実体的な権利については、民法166条の一般消滅時効(債権は権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が別途働く
学説
通説(非訟事件の性質論):非訟事件は裁判所が後見的に法律関係を形成する手続であり、職権探知主義が妥当する。訴訟に妥当する厳格な対審・公開・理由付記の要請は当然には及ばず、迅速処理の要請から手続的要件が緩和されうると理解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和37年(1962年) 新設:建物の区分所有等に関する法律が制定される(昭和37年法律第69号)。区分所有関係を規律する基本法として成立し、その後の改正で裁判所が関与する非訟手続が順次整備された
- 建物の区分所有等に関する法律 第38条の2本条1項が適用除外の対象とする裁判の根拠規定
- 建物の区分所有等に関する法律 第66条38条の2第1項を準用し、本条1項の適用除外が及ぶ
- 建物の区分所有等に関する法律 第73条38条の2第1項を準用し、本条1項の適用除外が及ぶ
- 建物の区分所有等に関する法律 第79条38条の2第1項を準用し、本条1項の適用除外が及ぶ
- 非訟事件手続法 第40条検察官の意見陳述・期日立会い、本条が適用を排除する一般規定
- 非訟事件手続法 第57条終局決定の裁判書の記載事項、2項2号の理由の要旨が排除される
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