環境基本法 第28条(調査の実施)
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国は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。
この条文の基本情報
調査の実施とは何ですか?
定義調査の実施とは、環境基本法第28条に定められた規定で、「国は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 環境基本法第28条(調査の実施)は、日本の環境基本法に含まれる条文です。
- 環境基本法第28条の条文原文は「国は、環境の状況の把握、環境の変化の予測又は環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境を保全するための施策の策定に必要な調査を実施するものとする。」で始まります。
- 環境基本法第28条は第五節 国が講ずる環境の保全のための施策等に置かれています。
- 環境基本法の公布日は平成5年11月19日です。
- 環境基本法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 環境基本法第28条の前の条は環境基本法第27条です。
- 環境基本法第28条の次の条は環境基本法第29条です。
- 環境基本法第28条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
環境基本法(平成五年法律第九十一号)第28条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/405AC0000000091 - 本サイト収録
環境基本法(平成五年法律第九十一号)第28条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/405AC0000000091/28
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点環境基本法28条は、国が環境の現状把握、環境変化の予測、その影響の予測など、環境保全施策の策定に必要な調査を実施する責務を定める。個人の調査請求権は生じない。
Q · 環境基本法28条があれば、国に自分の地域の環境を調べさせることはできるの?
国に調査の責務はあるが、個人が調査を命じさせる権利はない
環境基本法28条は、国が環境の現状把握、環境変化の予測、その影響の予測に関する調査を実施するものと定めます。ただし国の責務規定であり、個人が裁判で特定地域の調査を命じさせる具体的請求権は生じないと一般に解されています。実務では、大気汚染防止法22条や水質汚濁防止法15条に基づく都道府県知事の常時監視データを確認し、公表されていない生データは情報公開法3条に基づき開示請求するのが現実的な手段です。
解説
国が何を「測る」と決めたかで、どの被害が統計上「ある」ことになるかが決まる。環境基本法28条は、国に三つの調査を行う責務を課した。環境の現状把握、環境の変化の予測、その変化がもたらす影響の予測である。地味な一文だが、ここで生まれた数字が、環境基準の見直し(16条)、毎年の環境白書(12条)、規制を強めるか緩めるかの根拠になる。あなたにとって大事な点は二つある。第一に、本条は国の責務を定めた規定である。個人が裁判で「うちの地域を調べろ」と国に命じさせる具体的な請求権は生まないと一般に解されている。第二に、それでも国が集めたデータは税金で作られた公共の財産である。公表資料で確認でき、公表されていない部分は情報公開請求で手に入る。近所の工場の排煙や井戸水の有機フッ素化合物(PFAS)について、「気のせいかも」を「数字」に変えたいなら、自分で測る前に、国と自治体がすでに測った記録を探すのが第一歩である。
法的な位置づけ
環境基本法28条は調査の実施について定める規定であり、環境の状況の把握、環境の変化の予測および環境の変化による影響の予測に関する調査その他の環境保全施策の策定に必要な調査を、国が実施するものとする旨を規定する。環境基準の設定・改定や環境白書の基礎となる国の責務規定である。
よくある質問 AI による整理
Q1環境基本法28条とは?
国が環境の状況の把握、環境の変化とその影響の予測に関する調査など、環境保全施策の策定に必要な調査を実施すると定めた規定です。
Q2大気汚染の測定値はどこで見られる?
環境省の大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)で、全国の測定局の時間値を確認できます。都道府県のウェブサイトでも常時監視結果が公表されています。
Q3環境データの情報公開請求の方法は?
データを保有する行政機関に開示請求書を提出します。国の機関なら情報公開法3条、都道府県なら各自治体の情報公開条例が根拠です。
Q4情報公開請求の開示決定はいつまで?
国の行政機関では原則として請求があった日から30日以内に開示決定がされます(情報公開法10条)。正当な理由があれば延長されることがあります。
Q5環境基準値内なら安全と言える?
一概には言えません。基準値内の数字でも、測定地点、測定頻度、年平均か時間値かといった条件で見え方が大きく変わります。
Q6PFAS の検出状況はどこで確認できる?
環境省や都道府県が公表する公共用水域・地下水の水質測定結果で、地点ごとに確認できます。近くに地点がなければ開示請求も検討できます。
Q7不開示決定に不服があるときは?
処分があったことを知った日の翌日から3か月以内に審査請求ができます(行政不服審査法18条)。取消訴訟という選択肢もあります。
Q8国の環境調査は環境基準にどう使われる?
調査で得た科学的知見が、環境基準の設定や見直し(環境基本法16条)の根拠になります。調査結果は毎年の環境白書(同法12条)にも反映されます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が調べたデータって、一般人でも見られるんですか?
多くは公表されている。環境基本法27条は国に環境情報の適切な提供を求め、12条に基づき政府は毎年、環境の状況を国会に報告しており、これが環境白書である。公表されていない生データは、行政機関の保有する情報の公開に関する法律3条に基づいて開示を請求できる。実務のポイント:公表資料は年平均などに加工された数字が中心である。時間値や地点別の生データを請求すると、平均に埋もれていたピークが見えてくる
Q2うちの地域だけ重点的に調べるよう、国に義務づけられますか?
28条は国の責務を定めた規定であり、個人に具体的な調査請求権を与えるものではないと一般に解されている。ただ、大気や水質の常時監視は、大気汚染防止法22条や水質汚濁防止法15条で都道府県知事の義務とされている。実務のポイント:実際に測定地点を増やせるかどうかは、国よりも都道府県の環境部局と予算次第である。地元議員を通じた議会質問が、測定計画を見直すきっかけになることが多い
Q3昔の調査で汚染が分かってたのに国が何もしなかったら、責任を問えるんですか?
28条違反を直接の根拠にするのは難しい。ただ、国が規制権限を適時に行使しなかったことについて、国家賠償法1条による国の責任を認めた最高裁判例がある(水俣病関西訴訟、最判平成16.10.15)。実務のポイント:この種の訴訟で勝敗を分けるのは、国がいつ、何を知りえたかという予見可能性である。当時の調査報告書や審議会資料が決定的な証拠になるので、早めに開示請求で押さえておく
間違えやすい点 AI による整理
- 「国が調べないのは違法だから、訴えれば調べさせられる」という発想は、問いの立て方がずれている。28条は国の施策の方向を示す責務規定であり、個人に調査を求める権利を直接与えるものとは一般に解されていない。狙うべきは、大気汚染防止法や水質汚濁防止法が都道府県知事に義務づける常時監視と、すでにあるデータの開示である
- 調査結果が公表されていることは知っていても、測定地点と測定頻度の選び方ひとつで結論が変わることまで意識している人は少ない。年平均値が基準内でも、特定の時間帯や季節に高い値が出ていることがある。「基準値内」の一言は、どこで、いつ、どう平均した数字かが分かるまで判断材料にならない
- 事業者から見れば国の環境調査は他人事の統計である。だが法律の仕組みから見ると、環境基準の改定や新たな規制の前ぶれである。調査で懸念物質が繰り返し検出されれば、やがて環境基準や排出規制の議論につながりうる。データが出た時点で動かなかった会社は、規制が決まってから一気に設備投資を迫られる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 28条:環境の現状把握・変化の予測・影響の予測に関する調査の実施 | 29条:監視・巡視・観測・測定・試験・検査の体制の整備 27条:環境の状況その他必要な情報の提供 |
| 文言の強さ | 「実施するものとする」 | 「整備に努めるものとする」(努力義務) 「提供するように努めるものとする」(努力義務) |
| 市民から見た役割 | どの物質・地域が測られるかという調査の土台 | 測定局などの監視インフラの整備 集めたデータを市民が入手する経路 |
他国ではどう定めているか 2 か国
国家による環境監測制度の確立を明記する。日本の28条・29条に相当する内容を1か条にまとめた構成
環境諮問委員会(CEQ)に、環境の状況と動向に関する情報の収集・分析を任務として与える
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 近くの地区の井戸水から PFAS が検出されたとニュースで見た。自分の地区は調べられているのか? 環境省や都道府県が公表する測定結果は地点ごとに確認できる。自宅の近くに測定地点がなければ、測定計画や地点の選定理由を情報公開請求で問うことができる
- あなたは工場の環境管理担当である。国や自治体の化学物質調査で、自社周辺の地点だけ数値が突出していた。自社の排出が原因かどうかに関係なく、その一行が行政指導のきっかけにも、住民説明会の火種にもなる。平時から公的データを見ていたかどうかで、初動の速さがまるで違う
- 開示決定通知が届いたが、生データの一部が不開示だった。審査請求の期限は、知った日の翌日から3か月。封筒を放置しているうちに期限が過ぎていく
- 友人が、幹線道路沿いに引っ越してから子どもの咳が止まらないと相談してきた。環境省の大気汚染物質広域監視システム(そらまめ君)なら、最寄りの測定局の時間値を一緒に見られる。医師に相談する前に、数値の傾向をつかんでおける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 環境省や都道府県が公表する測定結果(大気の常時監視、公共用水域の水質測定など)で、自宅に最も近い地点を確認する2. 近くに地点がない、測定頻度が少ない場合は、情報公開請求で測定計画や地点別の生データを請求する3. 自分でも日時・写真・臭気や症状のメモを残し、公的データと突き合わせる4. 被害が疑われるときは、自治体の公害苦情相談窓口のほか、公害紛争処理制度(公害等調整委員会、都道府県公害審査会)も検討する
訴えられた側:1. 自社周辺の公的な測定値を平時から定点観測し、自主測定の結果とずれがないか把握しておく2. 数値の上昇が報じられたら、排出データと操業記録をすぐに保全し、自社の寄与の有無を技術的に検証する3. 他に原因がありうる場合は、測定地点の位置や気象条件を分析して根拠とともに示す4. 住民への説明では、数値を隠さず自分から先に出す。あとから開示請求で出てきた場合の信用失墜のほうが高くつく
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。関連する手続では、情報公開請求への開示決定は原則として請求があった日から30日以内(行政機関の保有する情報の公開に関する法律10条、延長あり)。不開示決定に対する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)。環境被害の損害賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(人の生命・身体の侵害は5年)、行為の時から20年(民法724条、724条の2)
学説
通説:環境基本法の各規定は、国の環境政策の基本的な方向と責務を示すものであり、本条も個人に具体的な調査請求権を与えるものではない。個別具体的な監視義務は、大気汚染防止法や水質汚濁防止法などの個別法が定める
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 新設:環境基本法(平成5年法律第91号)の制定に伴い、国の調査の実施に関する規定として新設された
- 環境基本法 第12条環境の状況に関する国会への年次報告
- 環境基本法 第16条調査結果を踏まえた環境基準の設定と改定
- 環境基本法 第27条調査で得た環境情報の提供
- 環境基本法 第29条監視・測定の体制整備
- 環境基本法 第30条調査を支える科学技術の振興
- 自然環境保全法 第4条自然環境の基礎調査を具体化
- 大気汚染防止法 第22条都道府県知事による大気の常時監視
- 行政機関の保有する情報の公開に関する法律 第3条調査データの開示請求権
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