民事訴訟法 第312条(上告の理由)
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- 上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。
- 2.上告は、次に掲げる事由があることを理由とするときも、することができる。ただし、第四号に掲げる事由については、第三十四条第二項(第五十九条において準用する場合を含む。)の規定による追認があったときは、この限りでない。
- 一法律に従って判決裁判所を構成しなかったこと。
- 二法律により判決に関与することができない裁判官が判決に関与したこと。
- 3.2_2 日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと。
- 三専属管轄に関する規定に違反したこと(第六条第一項各号に定める裁判所が第一審の終局判決をした場合において当該訴訟が同項の規定により他の裁判所の専属管轄に属するときを除く。)。
- 四法定代理権、訴訟代理権又は代理人が訴訟行為をするのに必要な授権を欠いたこと。
- 五口頭弁論の公開の規定に違反したこと。
- 六判決に理由を付せず、又は理由に食違いがあること。
- 4.高等裁判所にする上告は、判決に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があることを理由とするときも、することができる。
この条文の基本情報
上告の理由とは何ですか?
定義上告の理由とは、民事訴訟法第312条に定められた規定で、「上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 民事訴訟法第312条(上告の理由)は、日本の民事訴訟法に含まれる条文です。
- 民事訴訟法第312条の条文原文は「上告は、判決に憲法の解釈の誤りがあることその他憲法の違反があることを理由とするときに、することができる。」で始まります。
- 民事訴訟法第312条は第二章 上告に置かれています。
- 民事訴訟法の公布日は平成8年6月26日です。
- 民事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 民事訴訟法第312条の前の条は民事訴訟法第311条です。
- 民事訴訟法第312条の次の条は民事訴訟法第313条です。
- 民事訴訟法第312条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第312条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/408AC0000000109 - 本サイト収録
民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第312条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/408AC0000000109/312
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点民事訴訟法312条は、上告の理由を憲法違反と法律が列挙する絶対的上告理由に限定する。事実認定の誤りは上告理由にならず、一般の法令違反は上告受理申立て(318条)で争う。
Q · 高裁で負けた。最高裁に上告すれば、もう一度ちゃんと事実を審理してもらえる?
いいえ。最高裁は法律審で、事実認定はやり直しません
民事訴訟法312条により、上告できるのは判決に憲法違反があること(1項)、または法律が列挙する絶対的上告理由(2項:判決裁判所の構成違反、専属管轄違反、代理権の欠缺、公開原則違反、理由不備・理由齟齬など)がある場合に限られます。事実認定や証拠評価の誤りは上告理由になりません。一般の法令違反を争うには、318条の上告受理申立てという別の入口が必要で、受理するかは最高裁の裁量です。上告期間は判決送達から2週間と短く、入口の選択を誤ると門前却下されます。
解説
控訴審で負けた。最後の望みとして最高裁に上告する。多くの人がここで致命的な誤解をする。最高裁はもう一度、証拠を調べ直して事実を判断してくれる、と。違う。民訴312条は上告できる理由を厳格に絞っている。原則は「判決に憲法違反があること」(1項)、そして法律が列挙した「絶対的上告理由」(2項)の類型だけ。証拠の評価が間違っている、事実認定がおかしい、こうした不満は上告理由にならない。最高裁は法律審であって、事実をやり直す場所ではないからだ。では普通の法令違反はどうするか。それは「上告受理の申立て」(318条)という別の入口で、しかも最高裁が受理するかどうかを選別する。あなたが2週間の上告期間内に、上告と上告受理申立てのどちらを、あるいは両方をどう構成するかで、最後のチャンスが活きるか死ぬかが決まる。
法的な位置づけ
民事訴訟法312条は上告の理由を定める規定であり、上告は判決に憲法違反があること(1項)、または法律が列挙する絶対的上告理由(2項:判決裁判所の構成違反、専属管轄違反、訴訟代理権の欠缺、公開原則違反、理由不備・理由齟齬など)がある場合に限り許される旨を規定する。最高裁判所は法律審であり、事実認定や証拠評価の当否は上告理由に含まれない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.高裁判決の送達日を確認し上告期限を計算 高裁判決書の送達日を特定し、そこから2週間以内(民訴313条・285条準用)の上告提起期限を計算する。この不変期間を1日でも過ぎると原判決が確定し、すべての手段が失われる
- 2.不満が上告理由に該当するか精査 自分の不満が憲法違反(1項)または絶対的上告理由(2項)に乗るかを精査する。事実認定や証拠評価への不満は312条の上告理由に該当しないため、別ルートが必要かを見極める
- 3.一般の法令違反なら上告受理申立てを併せて提起 一般の法令違反や判例違反、重要な法律解釈を争う場合は、318条の上告受理申立てを上告と併せて提起する。入口を取り違えると、勝てたはずの論点が最高裁に一切届かない
- 4.上告理由書を50日以内に精密に作成 上告提起通知書の送達から50日以内(民事訴訟規則194条)に上告理由書を提出する。原判決の理由欄の矛盾・飛躍を一字一句精査し、理由不備・理由齟齬(2項6号)など乗りやすい主張に照準を絞る
- 5.上告審経験のある弁護士に早期相談 上告の認容率は統計的に極めて低いため、上告審の経験がある弁護士に早期に相談する。事件の正しさではなく原判決の法律判断の誤りに焦点を当てた戦略が、読まれる前に弾かれないための鍵になる
よくある質問 AI による整理
Q1絶対的上告理由とは何ですか?
民訴312条2項が列挙する重大な手続違反のことで、判決裁判所の構成違反、専属管轄違反、代理権の欠缺、公開原則違反、理由不備・理由齟齬などです。これらは判決への影響を問わず上告理由になります。
Q2上告できる期間は何日ですか?
高裁判決の送達を受けた日から2週間の不変期間内です(民訴313条が控訴の285条を準用)。1日でも過ぎると原判決が確定し、上告はできなくなります。
Q3上告理由書の提出期限はいつまでですか?
上告提起通知書の送達を受けた日から50日以内です(民事訴訟規則194条)。上告状の提出とは別の期限で、ここで上告理由を精密に特定する必要があります。
Q4上告審で新しい証拠を出せますか?
出せません。最高裁は法律審であり、新たな事実主張や証拠調べは行いません。原判決の法律判断と手続の適否のみを審理するため、争点は書面で特定された上告理由に限られます。
Q5理由不備で上告できますか?
できます。判決に理由を付さない、または理由に食違いがあることは民訴312条2項6号の絶対的上告理由です。原判決の理由欄の矛盾や不十分さは上告審に乗りやすい定番の主張です。
Q6口頭弁論の公開原則違反は上告理由になりますか?
なります。民訴312条2項5号の絶対的上告理由で、事実の当否に関係なく、それだけで原判決が破棄されうる重大な手続違反です。
Q7上告が門前で却下されるのはどんなときですか?
主張が312条の上告理由(憲法違反・絶対的上告理由)に該当しない場合、内容を審理されずに却下されます(民訴317条)。単なる事実誤認の主張が典型です。
Q8高裁への上告と最高裁への上告で理由の範囲は違いますか?
違います。最高裁への上告は憲法違反と絶対的上告理由に限られますが、高裁への上告は判決に影響を及ぼすことが明らかな法令違反も理由になります(民訴312条3項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1最高裁まで争えば、ちゃんと事実を見直してもらえるんですよね?
原則として見直してもらえません。最高裁は法律審で、312条の上告理由は憲法違反(1項)と絶対的上告理由(2項)に限られ、事実認定や証拠評価のやり直しは含みません。一般の法令違反は318条の上告受理申立てで争いますが、受理するかは最高裁の裁量です。実務のポイント:上告の認容率は極めて低い。弁護士が「上告は厳しい」と言うのは脅しではなく統計的事実です。それでも出すなら、事件の正しさではなく原判決の法律判断の誤りに照準を絞った理由書でなければ、読まれる前に弾かれる
Q2上告と上告受理申立てって、両方出しておけばいいんですか?
性質によります。憲法違反や絶対的上告理由(312条)があれば上告、一般の法令違反や判例違反、重要な法律解釈を争うなら318条の上告受理申立てで、内容に応じて選び、重なる場合は両方提起します。実務のポイント:実務では「理由不備・理由齟齬」(2項6号)を上告理由として主張するのが定番の戦術です。原判決の理由付けの矛盾や不十分さは、事実認定そのものを争うより上告審に乗りやすい。負けた判決書の「理由」欄を一字一句読み込み、論理の飛躍や矛盾を探すのが上告審弁護士の最初の仕事
間違えやすい点 AI による整理
- 「負けたら最高裁まで争えば、もう一度ちゃんと審理してもらえる」と思われているが、最高裁は法律審。事実認定や証拠評価をやり直さない。三審制は「三回事実を争える」制度ではない
- 上告と上告受理申立ての違いを「手続が二つある」程度に軽く見ている人が多い。だがこの選択ミスの深刻さは想像以上。上告理由(312条)に該当しないのに上告だけ出すと門前却下、法令違反を争いたいのに318条の申立てを欠くと、その主張は最高裁に一切届かない。一つの選択ミスで、勝てたはずの論点が永久に審理されない
- 「最高裁にどう事実を分かってもらうか」を考えている時点で、問いの立て方が間違っている。最高裁が見るのは事実ではなく、原判決の法律判断と手続の適否。問うべきは「この判決のどこに憲法違反・法令違反・絶対的手続違反があるか」であって、「私の言い分が正しいこと」ではない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 争える瑕疵の種類 | 312条:憲法違反(1項)+ 絶対的上告理由(2項)に限定 | 318条:一般の法令違反・判例違反・重要な法律解釈 312条3項:高裁への上告は判決に影響する明らかな法令違反も可 |
| 入口の性質 | 理由に該当すれば最高裁が必ず審理 | 最高裁が受理するかを裁量で選別 高裁が法律審として審理 |
| 該当しない場合 | 上告理由にあたらず門前却下(317条) | 不受理決定で終了 棄却 |
| 認められた場合の効果 | 原判決破棄(325条) | 上告審として受理後に審理・破棄ありうる 原判決破棄・差戻し等 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も第三審上訴は『原判決の法令違背』を理由とし、第469条で当然違背法令(絶対的上告理由に相当)を列挙する点で日本と類似する
韓国も상고이유と절대적 상고이유を区別し、日本の上告制度を継受した構造を持つ
ドイツの Revision は法令違反を理由とし、§ 547が absolute Revisionsgründe(絶対的上告理由)を列挙する。日本の上告制度の母法にあたる
米国連邦最高裁は裁量上訴(certiorari)制で、上告を受理するか自体が裁量。絶対的上告理由のような必ず審理される類型の制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 高裁判決の送達を受けてから、上告できるのは2週間以内。もし「事実認定が不当だ」という理由だけで上告状を出したら、どうなる? 上告理由にあたらないとして、中身を審理されることなく却下される。残り日数で318条の上告受理申立てに切り替えられるかが分水嶺になる
- あなたが一審二審と勝ち続けた被告側。相手が上告してきた。慌てる必要はない。相手の上告理由が単なる事実誤認の主張なら、312条の壁でほぼ却下される。だが相手が「判決に理由が付されていない」(2項6号)を突いてきたら話は別、その絶対的上告理由は最高裁が必ず審理する
- 口頭弁論が非公開で行われた裁判で負けた。これは2項5号、公開原則違反の絶対的上告理由。事実の当否に関係なく、それだけで原判決は破棄されうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 高裁判決の送達日を確認、上告提起は送達日から2週間以内(民訴313条・285条準用)、1日でも過ぎると確定して終わり2. 自分の不満が「憲法違反」(1項)か「絶対的上告理由」(2項)に乗るか精査、乗らなければ312条の上告では勝てない3. 一般の法令違反を争うなら、上告受理の申立て(318条)を別途、または併せて提起4. 上告状提出後、上告理由書を50日以内に提出してここで主張を精密化。弁護士、特に上告審の経験者に早期相談
訴えられた側:1. 相手の上告状・上告理由書を入手し、主張が憲法違反・絶対的上告理由・上告受理事由のどれを狙っているか分類2. 単なる事実誤認・証拠評価の不満であれば、312条の上告理由に該当しないことを答弁の柱にする3. 絶対的上告理由(理由不備、公開違反、代理権欠缺など)を突かれた場合は、その手続瑕疵が実際に存在しないことを具体的に反論4. 答弁書の提出期限を厳守、放置すると不利に扱われる
時効(請求できる期限):上告の提起は判決書の送達を受けた日から2週間の不変期間内(民訴313条が控訴の285条を準用)。上告理由書は上告提起通知書の送達を受けた日から50日以内(民事訴訟規則194条、提出期限の詳細は最新の改正状況をご確認ください)。いずれも徒過すると上告は却下され、原判決が確定する
学説
通説:民訴312条の上告理由は憲法違反と絶対的上告理由に限定列挙され、最高裁は法律審として事実認定をやり直さない。一般の法令違反は318条の上告受理申立てに振り分けられ、個別救済と最高裁の機能維持の均衡が図られているとするのが通説的理解である。
改正沿革 AI による整理
- 平成8年(1996年)民事訴訟法全部改正 旧民訴法から現行312条へ。上告理由を憲法違反と絶対的上告理由に限定し、一般の法令違反は新設の上告受理申立て(318条)に振り分ける現行の二分構造を確立した
- 平成23年(2011年)改正(施行平成24年) 国際裁判管轄の整備に伴い、2項に「日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと」(2号の2)を絶対的上告理由として追加した
改正の年表
- 1.平成8年(1996年) 改正:民事訴訟法全部改正。旧民訴法から現行312条へ。上告理由を憲法違反と絶対的上告理由に限定し、一般の法令違反は新設の上告受理申立て(318条)に振り分ける現行の二分構造を確立した
- 2.平成23年(2011年) 改正:国際裁判管轄の整備に伴い、2項に『日本の裁判所の管轄権の専属に関する規定に違反したこと』(2号の2)を絶対的上告理由として追加した(施行平成24年)
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