感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第16条の2(協力の要請等)
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- 厚生労働大臣及び都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、感染症の患者の病状、数その他感染症の発生及びまん延の状況並びに病原体等の検査の状況を勘案して、当該感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するために必要な措置を定め、医師、医療機関、診療に関する学識経験者の団体その他の医療関係者又は病原体等の検査その他の感染症に関する検査を行う民間事業者その他の感染症試験研究等機関に対し、当該措置の実施に対する必要な協力を求めることができる。
- 2.厚生労働大臣及び都道府県知事は、前項の規定による協力の求めを行った場合において、当該協力を求められた者が、正当な理由がなく当該協力の求めに応じなかったときは、同項に定める措置の実施に協力するよう勧告することができる。
- 3.厚生労働大臣及び都道府県知事は、前項の規定による勧告をした場合において、当該勧告を受けた者が、正当な理由がなくその勧告に従わなかったときは、その旨を公表することができる。
この条文の基本情報
協力の要請等とは何ですか?
定義協力の要請等とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2に定められた規定で、「厚生労働大臣及び都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、感染症の患者の病状、数その他感染症の発生及びま…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2(協力の要請等)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2の条文原文は「厚生労働大臣及び都道府県知事は、感染症の発生を予防し、又はそのまん延を防止するため緊急の必要があると認めるときは、感染症の患者の病状、数その他感染症の発生及びま…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2は第三章 感染症に関する情報の収集及び公表に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の3です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第16条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第16条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第16条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/16_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法16条の2は、緊急時に厚生労働大臣と都道府県知事が医療機関や検査事業者へ協力を求め、正当な理由なく応じなければ勧告、従わなければ公表できると定める。
Q · 県からコロナ対応の協力を頼まれた病院が断ったら、どうなるの?
違法ではないが、理由なく断れば勧告・公表がありうる
感染症法16条の2第1項の協力要請には法的拘束力も罰則もありません。ただし、正当な理由なく応じなければ同条2項により勧告を受けることがあり、その勧告にも正当な理由なく従わなければ、3項により厚生労働大臣または都道府県知事が「勧告に従わなかった」旨を公表できます。人員不足や設備の限界など、応じられない理由を書面で具体的に示しておくことが、勧告・公表への進行を止める実務上の鍵になります。
解説
「お願い」「勧告」「名前の公表」。感染症法16条の2は、厚生労働大臣と都道府県知事が医療機関や検査会社を動かすための三段階の階段である。第一段は協力の要請で、法的な強制力はない。正当な理由なく応じなければ第二段の勧告(役所が「こう対応しなさい」と正式に促す行政指導)へ進む。それにも正当な理由なく従わなければ、第三段として病院名が公表されうる。罰金も業務停止もこの条文にはない。だが地域で看板を掲げるクリニックにとって、「感染症患者の受け入れを拒んだ病院」と報じられることは、どんな過料より重い。病院経営者の視点で見れば、勝負は「正当な理由」を要請の段階から書面で残せるかどうかで決まる。人員不足、病床の構造、院内感染対策の限界、それらを記録しておいた病院は、公表という最終段まで押し込まれにくい。
法的な位置づけ
感染症法16条の2は、感染症の発生予防又はまん延防止のため緊急の必要がある場合に、厚生労働大臣及び都道府県知事が必要な措置を定め、医師、医療機関、医療関係者の団体及び民間検査事業者等の感染症試験研究等機関に協力を求め、正当な理由のない不応諾に対して勧告、勧告不服従に対して公表を行うことを認める段階的な行政手段の規定である。
手順
- 1.要請文書の根拠条文を特定する 届いた文書が感染症法16条の2に基づく要請か、新型インフルエンザ等対策特別措置法や医療措置協定に基づくものかを確認する。根拠によって、断った場合に進む段階(勧告・指示・公表)が変わる
- 2.協力可能な範囲と不可能な部分を切り分ける 全面協力か拒否かの二択にせず、対応できる範囲(例:発熱外来の時間帯限定)と対応できない部分を分けて整理する
- 3.不可能な理由を数字付きで書面回答する 人員数、病床の構造、感染対策上の制約を具体的な数字と資料で示し、書面で回答する。この回答書が後に「正当な理由」を立証する最大の証拠になる
- 4.勧告段階では書面交付を求め資料を補強する 勧告を受けたら内容を書面で確認し(国の勧告なら行政手続法35条の書面交付請求も検討)、正当な理由を補強する資料を追加提出する。公表が見込まれる段階では弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1感染症法16条の2とは何ですか?
感染症のまん延防止に緊急の必要があるとき、国や都道府県が医療機関等に協力を求め、応じない場合に勧告・公表できるとする規定です。
Q2協力要請を断れる「正当な理由」とは?
条文に定義はありません。人員不足、病床や動線の構造上の限界、院内感染対策が取れないことなど、具体的な事情を個別に判断することになります。
Q3協力要請は誰が出すのですか?
厚生労働大臣と都道府県知事です。実務では保健所や都道府県の担当課から文書で届くことが多く、要請の根拠条文を確認することが重要です。
Q4どんな協力を求められるのですか?
病床の確保、発熱外来の設置・拡充、検査能力の拡大など、大臣・知事が定めた「必要な措置」への協力です。内容は要請文書ごとに異なります。
Q5民間の検査会社も対象になりますか?
対象です。条文は病原体等の検査を行う民間事業者その他の感染症試験研究等機関を明記しており、医療機関だけの規定ではありません。
Q616条の2はコロナ以外の感染症でも使えますか?
条文は対象を新型コロナに限定していません。感染症の発生予防・まん延防止に緊急の必要があると認められれば、他の感染症でも適用されえます。
Q7勧告を受けたら回答期限はいつまでですか?
本条自体に期限の定めはありません。回答期限は個々の勧告文書で設定されるため、届いたらまず期限と求められている内容を確認します。
Q8協力要請に応じたら補償はありますか?
本条には補償や費用負担の規定はありません。病床確保料などの財政支援は、別の制度や予算措置で手当てされるのが通常です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1協力要請って、断ったら違法になるんですか?
違法にはならない。本条1項の要請には法的拘束力がなく、断ることに罰則もない。ただし正当な理由なく応じない場合は2項の勧告、3項の公表へと進みうる。実務のポイント:行政側も公表には慎重で、正当な理由を丁寧に書いた回答書を出した医療機関に対して勧告まで進めるケースは稀である。回答の質が、そのまま防御線になる
Q2病院名を公表されたら、取り消しの裁判はできますか?
公表が取消訴訟の対象となる「処分」(役所が直接法的効果を生じさせる決定)にあたるかは、実務上解釈が分かれている。公表前なら差止めを求める余地、公表後なら国家賠償法1条に基づく損害賠償請求が現実的な選択肢となる。実務のポイント:争点は「正当な理由」の有無に集中する。要請段階からの往復文書がそのまま証拠になるため、記録のない病院は裁判で戦う材料を持てない
Q316条の2と、医療措置協定って何が違うんですか?
本条は緊急時に個別の協力を求める仕組みである。これに対し、2022年の改正で導入された医療措置協定(感染症法36条の3以下)は、平時に都道府県と医療機関があらかじめ病床確保などを約束しておく仕組みである。実務のポイント:協定を結んだ医療機関は、有事に協定どおりの対応を求められ、従わなければ勧告、指示、公表の対象となりうる。平時の署名が、有事の義務の重さを左右する(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「罰則がないなら無視しても実害はない」と考える経営者は多いが、本条の本当の痛みは法的制裁ではなく、公表による患者離れと採用難である。地域密着型のクリニックほど、評判の毀損は数年単位で経営に響く。罰則がないことは、軽いことを意味しない
- 「要請を断るか受けるか」という二択で考えること自体がずれている。法が見ているのは応じたかどうかではなく、応じなかった理由が「正当」かどうかである。一部だけ協力し、できない部分の理由を具体的に示すという第三の回答が、実務上もっとも強い防御になる
- 病院側から見れば勧告は「お願いの強いもの」にすぎない。だが法の構造から見ると、勧告は公表の前提条件であり、勧告を受けた時点で公表までの距離は一段しか残っていない。この認識の落差が、対応の遅れを生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 感染症法16条の2:医療関係者・検査事業者への協力要請、勧告、公表 | 感染症法16条:感染症の発生状況等に関する情報の公表 新型インフルエンザ等対策特別措置法31条:医療関係者への医療実施の要請・指示 |
| 「公表」の対象 | 勧告に正当な理由なく従わなかった者(制裁的な性格) | 感染症の発生状況・予防治療の情報(情報提供目的) —(要請・指示が中心) |
| 強制の段階 | 要請 → 勧告 → 公表(罰則なし) | 行政による情報提供のため相手方への強制はない 要請 → 指示(新型インフルエンザ等緊急事態等の場面) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では中央流行疫情指揮中心の設置期間中、民間施設や医療資源の徴用ができる。日本の本条が任意協力と公表を基本とするのに対し、台湾の方が直接的な強制の色が濃い。
韓国では感染症危機時に感染症管理機関を指定し、病床確保を求める仕組みがある。日本よりも行政による指定の権限が前面に出ている。
中国では疫情時に人員の緊急調集や施設の臨時徴用が法定されており、民間医療機関の任意協力に頼る日本とは強制の度合いが大きく異なる。
米国では連邦保健福祉長官が公衆衛生上の緊急事態を宣言し、資源配分や規制緩和を行う。医療機関への具体的な義務付けは州法に委ねられる部分が大きい。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし県から「発熱外来の拡充に協力を」という文書が届き、看護師が二人しか残っていなかったらどうなる? 断ること自体は違法ではない。ただし「正当な理由」を示さず黙殺すると、勧告、公表へと階段が一段ずつ進む余地を残す。返信文書に人員表を添えるかどうかが分かれ目になる
- あなたは民間の PCR 検査会社の役員。知事から検査能力の拡大を求められたが、試薬の調達が追いつかない。2022年の改正以降、検査事業者も本条の協力要請の対象として明記されている。医療機関だけの話だと思っていた会社ほど、最初の返答で準備不足が露わになる
- 勧告書が届いた。回答期限はあと7日。この7日間で、従えない理由を具体的な数字と資料で固められなければ、次に来るのは病院名の公表である
- 近所の総合病院がニュースで「勧告に従わなかった医療機関」として名指しされた。かかりつけの患者として、あなたはその病院に通い続けるべきか迷う。公表は違法認定ではなく、医療の質そのものへの評価でもない。その区別がつくかどうかで、判断は大きく変わる
- あなたは地域医師会の事務局員。会員の開業医たちから「この要請、断ったら何か罰があるのか」と問い合わせが殺到している。条文上は罰則なし、ただし勧告と公表の二段がある。この構造を一枚の資料にまとめて配れるかどうかで、医師会の信頼が試される
取るべき行動
被害を受けた側:(要請を受けた医療機関・検査事業者として)1. 要請文書の根拠条文を確認し、本条に基づくものか、新型インフルエンザ等対策特別措置法や医療措置協定に基づくものかを特定する2. 協力可能な範囲と不可能な部分を切り分け、不可能な理由を人員・設備・感染対策の数字で書面化して回答する3. 勧告に進んだ場合は書面交付を求め、正当な理由を補強する資料を追加提出する4. 公表が見込まれる段階では、弁護士に相談のうえ、事前の説明機会や公表内容の正確性について行政と協議する
訴えられた側:(要請・勧告を行う行政側として)1. 要請時点で措置の内容と必要性を、病状・患者数・検査状況という法定の勘案事項に沿って記録する2. 相手方の「正当な理由」の主張を個別に検討した記録を残す3. 勧告と公表は段階を飛ばさない4. 公表内容は事実に限定し、名誉毀損や国家賠償請求のリスクを法務部門と事前に検討する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効や期限の定めはない。勧告の回答期限は各要請文書で個別に設定される。不当な公表による損害は、国家賠償法1条に基づく請求として、損害と加害者を知った時から3年(国家賠償法4条により民法724条を準用)、行為時から20年で消滅する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説的見解(制裁的公表の法律の根拠):不服従者の公表は事実行為でありながら社会的評価の低下という不利益を伴うため、法律の根拠を要するとされる。本条3項はその明文根拠にあたり、行政手続法32条2項の不利益取扱い禁止との関係でも、法律に基づく公表として位置づけられる。
公表の処分性をめぐる議論:公表が取消訴訟の対象となる処分にあたるかについては見解が分かれる。事実行為として処分性を否定し、国家賠償や差止めによる救済を中心に考える立場が有力とされるが、確立した最高裁判例は見当たらない。
改正沿革 AI による整理
- 令和3年(2021年) 新型コロナウイルス感染症の拡大を受けた改正で新設されたとみられる。厚生労働大臣と都道府県知事による協力要請、勧告、公表の三段構造を導入した(人的検証が必要)
- 令和4年(2022年) 感染症法等の一部改正に伴い、検査の状況の勘案や、民間検査事業者など感染症試験研究等機関への協力要請が対象に加えられたとみられる(改正年・内容とも人的検証が必要)
改正の年表
- 1.令和3年(2021年) 新設:新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律により新設。厚生労働大臣と都道府県知事による協力要請、勧告、公表の三段構造が導入された。
- 2.令和4年(2022年) 改正:感染症法等の一部改正により、勘案事項に病原体等の検査の状況が加わり、民間検査事業者などの感染症試験研究等機関が協力要請の対象に明記されたとされる(改正内容は要検証)。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第16条発生状況等の情報公表義務
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第36条の2公的医療機関等への医療提供義務付け(現行効力を要確認)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第36条の3平時の医療措置協定の締結(現行効力を要確認)
- 新型インフルエンザ等対策特別措置法 第31条医療関係者への医療実施の要請・指示
- 行政手続法 第32条行政指導の一般原則と不利益取扱い禁止
- 国家賠償法 第1条違法な公表による損害の賠償
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