感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の43(消去)
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匿名感染症関連情報利用者は、提供を受けた匿名感染症関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名感染症関連情報を消去しなければならない。
この条文の基本情報
消去とは何ですか?
定義消去とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43に定められた規定で、「匿名感染症関連情報利用者は、提供を受けた匿名感染症関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名感染症関連情報を消去しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43(消去)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43の条文原文は「匿名感染症関連情報利用者は、提供を受けた匿名感染症関連情報を利用する必要がなくなったときは、遅滞なく、当該匿名感染症関連情報を消去しなければならない。」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43は第十二章 感染症及び病原体等に関する調査及び研究並びに医薬品の研究開発に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の42です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の43 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の43(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_43
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法56条の43は、匿名感染症関連情報の提供を受けた利用者に対し、利用の必要がなくなったときは遅滞なく当該情報を消去する義務を課す。日数の期限はない。
Q · 国から提供された匿名の感染症データ、研究が終わったら消さないといけないの?
使い終えたら遅滞なく消去する法的義務がある
感染症法56条の43により、厚生労働大臣から匿名感染症関連情報の提供を受けた利用者は、その情報を利用する必要がなくなったときに、遅滞なく消去しなければなりません。日数で区切った期限はなく、正当な理由のない先延ばしが違反と評価されます。元データだけでなく、複製やバックアップ、加工途中の中間ファイルも含めて消去の範囲を確認しておくのが安全です。
解説
研究が終わっても、データを消すことまでやり終えた研究者は多くない。共有サーバー、個人のノートPC、クラウドの自動バックアップ、学生に渡したUSBメモリ。分析用に切り出した中間ファイルは、論文が受理されたあともどこかに残っていることが多い。本条はこの「消し忘れ」を法律上の義務違反にする。厚生労働大臣から匿名感染症関連情報(感染症の届出データなどを、個人が特定できないように加工したもの)の提供を受けた者は、利用する必要がなくなったら「遅滞なく」(正当な理由のない先延ばしは許さないという意味)消去しなければならない。個人情報保護法では、不要になった個人データの消去は努力義務にとどまる。ここでは、消去しなければ違反になる義務として課されている。匿名化されていても、ほかのデータと突き合わせれば個人を割り出せる危険は残る。法律はそこを見て、利用期間が終わったあとも同じ管理を求めている。あなたが研究責任者なら、データを受け取った日に消去の段取りまで決めておく必要がある
法的な位置づけ
感染症法56条の43は、匿名感染症関連情報利用者の消去義務を定める規定である。厚生労働大臣から匿名感染症関連情報の提供を受けた者は、当該情報を利用する必要がなくなったときに、遅滞なくこれを消去しなければならない。個人情報保護法22条の消去努力義務と異なり、法的義務として課される点に特徴がある。
手順
- 1.受領時に保存場所の台帳を作る 匿名感染症関連情報を受け取った時点で、保存先(サーバー、PC、クラウド、外部媒体、バックアップ)と複製を渡した相手をすべて台帳に記録する。自動バックアップの対象外となるストレージを最初から用意しておく
- 2.利用終了の時点を確定する 研究の終了、承認された利用期間の満了、プロジェクトの打ち切りなど「利用する必要がなくなったとき」に当たる時点を確定し、記録する。追加解析が具体的に見込まれる場合は、その理由を書面に残しておく
- 3.台帳に沿って全保存場所から消去する 台帳に記載したすべての保存場所から、元データ、複製、中間ファイルを消去する。退職者や異動者の端末、共同研究者の環境も漏れなく確認する。集計値の扱いが不明なら提供窓口に書面で照会する
- 4.消去証明を作成し保管する 消去の日付、方法、実施者、確認者を記載した消去証明を作成し、組織の記録として保管する。バックアップが上書きで消える仕組みなら、その仕組みと消える予定時期も記録する
よくある質問 AI による整理
Q1匿名感染症関連情報とは何ですか?
感染症の届出データなどを、特定の個人を識別できないよう加工した情報です。厚生労働大臣が研究機関などに提供し、本条はその利用者に消去義務を課しています。
Q2感染症データの消去義務は何条に書いてありますか?
感染症法56条の43です。利用者は、提供を受けた匿名感染症関連情報を利用する必要がなくなったとき、遅滞なく消去しなければなりません。
Q3「遅滞なく」とは何日以内のことですか?
日数の決まりはありません。正当な理由のない遅れを許さないという基準で、説明できない遅れは短期間でも違反と評価されえます。
Q4研究データを消さないと違法になりますか?
利用の必要がなくなった後も正当な理由なく保管を続ければ、本条の義務違反になります。厚生労働大臣による是正の求めや命令の対象になりえます。
Q5匿名化されたデータでも消去が必要なのはなぜですか?
他の情報と照合すれば個人を割り出せる危険が残るためです。感染歴は差別につながりやすい情報で、保管期間を短くするほどリスクが小さくなります。
Q6個人情報保護法の消去ルールとどう違いますか?
個人情報保護法22条では不要データの消去は努力義務です。感染症法56条の43では、守らなければ違反になる法的義務として課されています。
Q7共同研究者が持っているデータも消す必要がありますか?
提供を受けた利用者として、共同研究者に渡した複製も含めて消去を確認する必要があります。所属機関として確認していなければ義務を果たしたとは言いにくいです。
Q8利用期間を延長することはできますか?
所定の手続で延長を申し出る余地があります。ただし延長が認められる前に期間を過ぎて使い続けるのは避けるべきで、早めの手続が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1論文が通ったら、すぐ消さないとダメなんですか?査読の追加対応があるかもしれないのに
「必要がなくなったとき」が基準なので、承認された利用目的と期間の範囲内で、追加解析が具体的に見込まれる間は利用を続ける余地がある(本条)。ただし利用期間を超えるなら延長手続が必要になる。実務のポイント:審査する側は「念のため保管」という説明を最も嫌う。残しておく理由を一文で書面化しておけば、後で問われても説明が通る
Q2集計した結果のグラフや表も消さないといけないんですか?
個人単位のレコードを含まない集計結果まで本条の消去対象になるかは、提供条件や運用によって判断が分かれうる。少人数の区分がある集計は、再識別リスクから公表制限の対象になる場合もある。実務のポイント:自己判断で残すのではなく、提供時の条件書を確認し、不明点は提供窓口に書面で照会しておく。照会記録そのものが、後で自分を守る証拠になる
Q3クラウドのバックアップまで完全に消すのは技術的に無理では?
自動バックアップが一定期間後に上書きされる仕組みなら、その仕組みと消える時期を記録しておくことが現実的な対応になる。本条は「遅滞なく」を求めており、合理的な技術的制約による遅れは正当な理由として説明できる可能性がある。実務のポイント:データを受け取る前に、バックアップの対象から外したストレージを用意しておくのが最も確実で、監査対応の手間も大きく減る
間違えやすい点 AI による整理
- 「匿名化されているのだから、残しておいても誰も困らない」と考えがちである。しかし法律は、匿名化されていても照合によって個人を割り出せる余地が残ることを前提にしている。だからこそ、照合の禁止と消去義務をセットで課している。匿名であることは、保管を続けてよい理由にならない
- 消去義務があることは知っていても、消すべき範囲が広いことは見落とされやすい。元ファイルだけでなく、複製、バックアップ、加工途中の中間データまで含めて考えるのが安全である。集計後の統計値がどこまで対象になるかは、提供条件や運用によって判断が分かれうる。自己判断で残すのはリスクが高い
- 「いつまでに消せば違反にならないか」という問いの立て方そのものがずれている。「遅滞なく」は日数で区切られた期限ではない。正当な理由なく遅らせれば違反になるという基準である。理由を説明できない1週間は違反になりうるし、正当な手続のための1か月なら許されうる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する行為 | 感染症法56条の43:利用終了後の消去 | 同法56条の42:照合等の禁止(利用中の再識別行為の禁止) 同法56条の44:安全管理措置(保管中の漏えい防止) |
| 義務が働く時期 | 利用する必要がなくなった後 | 提供を受けてから利用している間 提供を受けてから消去するまでの間 |
| 防ごうとするリスク | 長期保管による漏えい・照合リスクの積み上がり | 他の情報との突き合わせによる個人の割り出し 不正アクセスや紛失による流出 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は特定目的の消失や期限満了時に、原則として個人資料を削除・停止処理する義務を一般法で課す。感染症データ専用の消去規定ではない
韓国は保有期間の経過や処理目的の達成で不要となった個人情報を遅滞なく破棄する義務を一般法で定める
EU 域内では保存期間制限の原則と消去権が一般原則として働き、健康データは特別類型として一層厳しく扱われる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- もし共同研究者の大学院生が、卒業後も自宅のPCに解析用CSVを残していたら、責任は誰にあるのか? 提供を受けたのは研究機関側である。機関として消去の確認をしていなければ、本条の義務を果たしたとは言いにくい
- 製薬会社のデータサイエンス部で、ワクチン効果の分析プロジェクトが打ち切りになった。チームは解散し、データの入ったクラウドバケットは誰の担当でもなくなった。このように放置された状態が「遅滞」にあたる典型である
- 承認された利用期間の満了まで、あと10日しかない。追加解析の査読コメントが届いたが、期間延長の手続はまだしていない。延長が認められないまま使い続けるか、消去してから解析をやり直すか。手続を後回しにした分だけ、残された選択肢は少なくなる
- あなたは論文の投稿先から「再現性確保のため、解析データをリポジトリに登録せよ」と求められた。素直に登録すれば、提供条件違反と消去義務違反を同時に起こしかねない
- 自治体の保健所職員として、あなたは過去の流行分析に使ったデータを「念のため」個人フォルダに残していた。監査で見つかれば、組織全体の情報管理が問われる
取るべき行動
被害を受けた側:自分の感染歴に関わるデータの扱いに不安があるなら、まず厚生労働省が公表している提供の実績や提供先の情報を確認する。不適切な保管や再識別の疑いがあれば、具体的な事実を添えて厚生労働省に情報提供する。個人が特定されて実害が出た場合は、民法709条に基づく損害賠償も視野に入る
訴えられた側:1. 保存場所(サーバー、PC、クラウド、外部媒体、バックアップ)を直ちに洗い出す2. 消去を実行し、日付・方法・担当者を記録する3. 遅れた理由(追加解析の手続中など)があれば、裏付け資料を整理する4. 厚生労働省から報告を求められたら事実を正確に回答し、是正命令に至る前に改善の姿勢を示す。命令違反は罰則の対象になりうる(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条に特定の日数による期限はない。「利用する必要がなくなったとき」(研究の終了、承認された利用期間の満了など)から遅滞なく消去する必要がある。損害賠償の問題になった場合は、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)や不法行為の時効(民法724条)が適用される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 新設:感染症法等の一部改正により、匿名感染症関連情報を研究等のために第三者へ提供する制度が設けられ、利用者の照合禁止・消去義務・安全管理措置などとあわせて本条が新設された(施行日は e-Gov で要確認)
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