感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 第56条の44(安全管理措置)
クイックジャンプ
匿名感染症関連情報利用者は、匿名感染症関連情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該匿名感染症関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で定める措置を講じなければならない。
この条文の基本情報
安全管理措置とは何ですか?
定義安全管理措置とは、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44に定められた規定で、「匿名感染症関連情報利用者は、匿名感染症関連情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該匿名感染症関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44(安全管理措置)は、日本の感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律に含まれる条文です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44の条文原文は「匿名感染症関連情報利用者は、匿名感染症関連情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の当該匿名感染症関連情報の安全管理のために必要かつ適切なものとして厚生労働省令で…」で始まります。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44は第十二章 感染症及び病原体等に関する調査及び研究並びに医薬品の研究開発に置かれています。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律の公布日は平成10年10月2日です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44の前の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の43です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44の次の条は感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の45です。
- 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第56条の44には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の44 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/410AC0000000114 - 本サイト収録
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第56条の44(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/410AC0000000114/56_44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点感染症法56条の44は、匿名感染症関連情報の利用者に、漏えい・滅失・毀損を防ぐため厚生労働省令で定める安全管理措置を講じる義務を課す規定である。
Q · 匿名化された感染症データでも、受け取った研究者に管理義務はあるの?
ある。省令で定める安全管理措置が法的義務になる
感染症法56条の44により、匿名感染症関連情報の提供を受けた利用者は、漏えい・滅失・毀損を防ぐため、厚生労働省令で定める安全管理措置を講じなければなりません。発症日・年齢・地域などの組み合わせで個人が推知されるおそれがあるためです。措置の中身は、アクセス権者の限定、持ち出し制限、記録の管理など組織的・技術的な対応に及びます。義務を負うのは利用者自身であり、分析を外部に委託しても責任は移りません。
解説
国が集めた感染症の発生届データは、匿名化されて大学や製薬企業などの研究者にも渡る。氏名を消したのだから扱いは気楽でよい、と考えるのは誤りである。感染症法56条の44は、データを受け取った「匿名感染症関連情報利用者」に対し、漏えい・滅失・毀損を防ぐための安全管理措置を義務として課している。具体的な中身は厚生労働省令が定め、アクセスできる人の限定、持ち出し制限、管理記録などが求められる。理由は単純で、発症日・年齢・居住地域・ワクチン接種歴などが組み合わさると、小さな町では「あの家の人だ」と特定できてしまうからである。データを使う側に立つあなたにとって、ここは研究の自由と引き換えに背負う管理責任の起点になる。データを提供される側に立つあなたにとっては、自分の感染歴が研究室で雑に扱われないための数少ない法的な歯止めである。
法的な位置づけ
感染症法56条の44は、匿名感染症関連情報の提供を受けた利用者に対し、当該情報の漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じる義務を定める規定である。措置の具体的内容は厚生労働省令に委任されており、利用者は省令所定の組織的・技術的措置を実施する責任を負う。
手順
- 1.研究計画段階で管理体制を設計する 利用申請の前に、データ管理責任者・アクセス権者・利用場所・利用端末を決め、省令の安全管理措置の項目と照らし合わせて体制図とルールを文書化する
- 2.アクセス制御と持ち出し制限を実装する データを扱う端末・サーバーを限定し、ID・パスワードや多要素認証で権限者以外の利用を遮断する。USB などへの書き出しを技術的に制限し、閲覧・操作ログを自動取得する
- 3.担当者教育と誓約を実施する データに触れる全員に、照合禁止・秘密保持・持ち出し禁止などのルールを研修し、受講記録と誓約書を残す。人員の入れ替わり時も同じ手順を繰り返す
- 4.委託先を選定し契約で縛る 分析やクラウド保管を外部に委託する場合、委託先の管理体制を事前に確認し、安全管理措置の内容、再委託の禁止、監査権、事故時の報告期限を委託契約書に明記する
- 5.定期点検と記録の保管を行う アクセスログを定期的に確認し、点検結果を記録する。利用終了時は消去を実施し、消去記録を保管する。これらの記録が、事故発生時に措置を講じていた証明になる
よくある質問 AI による整理
Q1匿名感染症関連情報とは何ですか?
感染症の発生届などで国が集めた情報を、特定の個人を識別できず、復元もできないよう加工した情報です。研究目的などで第三者に提供される仕組みが設けられています。
Q2匿名感染症関連情報利用者とは誰のことですか?
厚生労働大臣から匿名感染症関連情報の提供を受け、これを利用する者です。大学・研究機関や製薬企業などの研究者が想定されます。
Q3感染症法56条の44の安全管理措置の具体的な内容は?
具体的な内容は厚生労働省令で定められます。アクセス権者の限定、利用場所の管理、持ち出し制限、アクセス記録の保存、担当者の教育など、組織的・技術的な措置が中心です。
Q4匿名化データの安全管理措置を怠るとどうなる?
事故の有無にかかわらず、措置が欠けていれば行政から是正を求められうるほか、データ提供の停止など利用継続にかかわる判断に影響するおそれがあります。詳細は関連条文と省令の確認が必要です。
Q5感染症データを外部クラウドで分析しても大丈夫?
直ちに禁止されるわけではありませんが、委託先も含めて省令の安全管理措置を満たす必要があります。委託先の選定・監督の責任は利用者に残ります。
Q6匿名感染症関連情報は個人情報保護法の対象?
匿名化された情報は、感染症法の専用ルールで管理義務が定められています。個人情報保護法の安全管理措置(同法23条)と考え方は共通するため、既存の社内体制を活用できます。
Q7研究が終わったら感染症データはどうする?
利用する必要がなくなった情報は遅滞なく消去する義務が別条(56条の43)に定められています。消去の記録を残しておくと事後の説明に役立ちます。
Q8感染症データの漏えいに気付いたら最初に何をする?
アクセス権限の停止と被害範囲の特定を最優先にし、事前に講じていた措置の記録を保全したうえで、遅滞なく厚生労働省に報告します。
この条文についての質問 AI による整理
Q1匿名化されたデータなのに、なんでこんなに管理を厳しくしなきゃいけないんですか?
感染症データは発症日・地域・年齢などの組み合わせで、人数の少ない地域では個人が特定されやすいからである。56条の44は利用者に厚生労働省令で定める安全管理措置を義務付け、56条の42は他の情報との照合を禁じている(現行効力を要確認)。実務のポイント:審査で見られるのは技術より運用である。誰がアクセスできるかの名簿と教育記録が揃っているかで、印象が大きく変わる
Q2データ分析を外注したら、管理責任も外注先に移るんですか?
移らない。本条の義務を負うのはあくまで利用者自身であり、委託先で事故が起きても、委託先を適切に選び監督していたかが利用者側に問われる。実務のポイント:委託契約書に安全管理措置の内容、再委託の禁止、監査権、事故時の報告期限を書き込んでおくと、事故後に責任の所在を整理する際の決定的な材料になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「匿名化されているから個人情報ではない、だから管理は緩くてよい」と考えがちだが、本条は匿名化を前提にしたうえで、なお漏えい防止措置を法的義務として課している。匿名であることは免罪符ではなく、義務の前提条件である
- 安全管理はセキュリティソフトを入れれば済む技術の問題と思われがちだが、実際には誰がいつ触れたかの記録、担当者の教育、委託先の監督といった組織運営の問題でもある。その深さを見誤ると、技術的には何も起きていないのに管理体制の不備を問われる
- 「漏れたら罰せられるのか」という問いの立て方自体がずれている。本条の焦点は漏えいという結果ではなく、事前に適切な措置を講じていたかという過程にある。何も漏れていなくても措置が欠けていれば是正を求められうるし、逆に措置を尽くしていた証拠は事故後の最大の防御になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 56条の44:漏えい・滅失・毀損を防ぐ安全管理措置 | 56条の42:本人識別のための照合等の禁止 56条の45:利用者の秘密保持義務 |
| 焦点 | 組織・技術面の管理体制という「過程」 | データを使って個人を特定しようとする「行為」 知り得た内容をみだりに他人に知らせる「行為」 |
| 具体的内容の定め方 | 厚生労働省令に委任 | 法律の条文で禁止行為を規定 法律の条文で義務を規定 |
| 実務での備え | 権限表・ログ・教育記録・委託契約 | 他データとの結合ルールと分析手順の審査 担当者の誓約書と退職後も含む守秘ルール |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では公務機関・非公務機関ごとに安全維護措施を義務付ける。感染症データ専用の匿名提供制度は日本ほど個別に整備されていない
韓国は個人情報処理者一般に安全措置義務を課し、仮名情報の結合・利用にも別途の安全措置規律を置く
ドイツは GDPR の処理の安全性規定が直接適用される。健康データは特別カテゴリーとして一層厳格に扱われる
米国は医療機関等に技術的・物理的・管理的セーフガードを求め、研究用の限定データセットには利用契約で管理義務を課す
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 共同研究者がデータの入った USB を自宅に持ち帰り、電車に置き忘れた。データ自体は匿名化済みだが、本条が求める安全管理措置を守っていなかったと評価されれば、責任は「なくした個人」だけでなく、利用者である研究機関の管理体制にも及ぶ
- もし、データ分析を外部のクラウド業者に丸投げしていたら、どうなる? 委託先でサーバー設定のミスが起きても、利用者として安全管理を尽くしたかどうかが問われるのはあなたの側である
- 地方の保健所管内のデータで、患者数が3人しかない市町村の行が論文の付録表に載った。匿名化されたはずのデータが、地域の人なら誰でも分かる形で公表された。厚労省への報告期限が迫っている
- あなたは製薬企業のデータサイエンティスト。利用承認の更新審査まであと2週間、社内のアクセスログを誰も確認していなかったことに気付いた
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の感染歴が特定可能な形で公表・流出したと感じたら、該当の論文・資料・URL をスクショと日時付きで保存する2. 研究機関の窓口と厚生労働省に事実を通知し、流出経路の調査と削除を求める3. 実害(職場での差別、風評など)がある場合は、民法709条に基づく損害賠償を検討する。医療・個人情報に詳しい弁護士への相談が近道である
訴えられた側:1. 事故を把握した時点で、関係者のアクセス権限を即時停止し、被害の範囲を特定する2. 事前に講じていた措置の記録を確保し、改ざんと疑われないよう保全する3. 厚生労働省への報告を遅らせない。隠蔽と評価されると是正命令や利用停止の判断が厳しくなる4. 再発防止策を文書化し、委託先を含めた管理体制を見直す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。漏えいにより損害を受けた者の請求は、民法724条により損害及び加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年。行政上の是正命令等には期限の定めがなく、違反状態が続く限り対象となりうる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)改正(要確認) 感染症関連情報の匿名化・第三者提供の仕組みとともに新設されたとみられる。施行時期を含め人的検証が必要
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。