会社法 第80条(延期又は続行の決議)
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創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
延期又は続行の決議とは何ですか?
定義延期又は続行の決議とは、会社法第80条に定められた規定で、「創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 会社法第80条(延期又は続行の決議)は、日本の会社法に含まれる条文です。
- 会社法第80条の条文原文は「創立総会においてその延期又は続行について決議があった場合には、第六十七条及び第六十八条の規定は、適用しない。」で始まります。
- 会社法第80条は第二款 創立総会等に置かれています。
- 会社法の公布日は平成17年7月26日です。
- 会社法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 会社法第80条の前の条は会社法第79条です。
- 会社法第80条の次の条は会社法第81条です。
- 会社法第80条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
会社法(平成十七年法律第八十六号)第80条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 - 本サイト収録
会社法(平成十七年法律第八十六号)第80条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/417AC0000000086/80
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点会社法80条は、創立総会で延期又は続行の決議があれば、招集の決定(67条)と招集通知(68条)を適用せず、後日の会を同じ創立総会の続きとして扱うと定める。
Q · 創立総会が一日で終わらないとき、後日また全員に招集通知を出し直すの?
続行を決議すれば再通知は不要、しなければ別総会扱い
会社法80条により、創立総会で延期又は続行の決議があれば、招集の決定(67条)と招集通知(68条)は適用されず、後日の会は同じ創立総会の続きとして扱われます。したがって設立時株主への招集通知をやり直す必要はありません。逆に、この決議を経ずに閉会して後日集め直すと、それは新たな創立総会となり、招集手続を一から行わなければ決議に瑕疵が生じ、設立登記にも影響が及ぶおそれがあります。
解説
外部の出資者を集めて株式会社を立ち上げる、いわゆる募集設立。その最後の関門が創立総会だ。出資した設立時株主が一堂に会し、取締役を選び、定款を承認する。ところが議論が長引いて一日で終わらない、あるいは予定日に開けない事態は珍しくない。普通に考えれば、後日あらためて全員に招集通知(会社法67条・68条)を出し直すしかない、と思うだろう。会社法80条はその常識を覆す。創立総会の中で「延期する」「続行する」と決議しておけば、67条と68条は適用されず、後日の会は同じ創立総会の続きとして扱われる。通知のやり直しは不要だ。逆に言えば、この決議を欠いたまま閉会し、後で集め直せば、それは新しい創立総会。通知手続を全部やり直さなければ、そこでの決議は瑕疵を帯び、設立登記そのものが揺らぐ。閉会前のひと言があるかないかで、手続の運命が分かれる。
法的な位置づけ
会社法80条は、創立総会の延期又は続行に関する特則である。創立総会において延期又は続行の決議が成立した場合、招集の決定を定める67条及び招集通知を定める68条は適用されず、後日開催される会は同一の創立総会の継続として位置づけられる。
よくある質問 AI による整理
Q1創立総会とは何ですか?
募集設立で出資した設立時株主が集まり、取締役の選任や定款の承認などを行う設立段階の機関です。発起人が全株を引き受ける発起設立には存在しません。
Q2募集設立と発起設立の違いは何ですか?
発起設立は発起人が全株式を引き受ける方式、募集設立は外部の出資者を募って株式を引き受けさせる方式です。創立総会は募集設立にのみ存在します。
Q3創立総会の続行決議はどう書けばよいですか?
議事録に「本日は続行し、次回は◯月◯日◯時、同所で開催する」と日時・場所を明記します。これが67条・68条を省ける根拠になります。
Q4創立総会の議事録には何を記載すべきですか?
出席株主、議題、決議の結果に加え、延期・続行決議の有無と次回期日を記載します。設立登記の添付書類になるため記載漏れは補正対象です。
Q5創立総会の決議要件は何ですか?
会社法73条により、議決権の過半数を持つ設立時株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成が原則です(事項により加重あり)。
Q6設立登記の期限はいつまでですか?
会社法911条により、募集設立では創立総会終結日から2週間以内に設立登記を申請する必要があります(最新の改正状況をご確認ください)。
Q7創立総会で取締役はどう選任しますか?
設立時株主が議決権を行使して設立時取締役を選任します。選任後に延期・続行となる場合、続行決議があれば既成立の選任決議は維持されます。
Q8創立総会を開かないとどうなりますか?
募集設立では創立総会の開催が必須です。開かない、または手続を欠くと設立手続に瑕疵が生じ、設立登記が受理されない、または無効原因となるおそれがあります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1創立総会を途中で打ち切って後日にやるとき、また全員に案内を送らないとダメですか?
その場で「続行の決議」を取っておけば不要です。会社法80条により、67条・68条の招集手続は適用されず、後日の会は同じ創立総会の続きとして扱われます。実務のポイント:実務では「次回は◯月◯日◯時、同じ場所で」と日時・場所まで決議に含めて議事録に残すのが定石。これを口頭で曖昧にすると、後で「あれは別の会だった」と争われたとき議事録だけが頼りになる。日時・場所を明記してあるかどうかが勝敗を分ける
Q2延期と続行って、結局なにが違うんですか?
延期は議事にまったく入らずに期日を繰り延べること、続行は議事を始めて途中で打ち切り別日に再開することです。どちらも80条で招集手続が省けますが、続行の場合はすでに成立した決議はそのまま生きます。実務のポイント:続行決議を使うときは、すでに何が決まり何が未了かを議事録で線引きしておく。これを怠ると、後日の会で「前回の選任は有効か」ともめる。決まったことと持ち越したことの境界を一行で書き残すのがプロのやり方
間違えやすい点 AI による整理
- 「総会を別の日に持ち越すには、また全員に通知しなければならない」と思い込んでいる人が多い。だが80条があれば、その場の延期・続行決議だけで通知は省ける。問題はむしろ逆で、決議を取らずに持ち越すと通知の省略ができなくなる
- 延期と続行を同じ意味だと軽く考えている人がいる。延期は議事に入らずに期日を繰り延べること、続行は議事の途中で打ち切って別日に再開すること。どちらも80条の対象だが、すでに成立した決議の扱いが変わる。この区別の重さを知らないと、後日の会で「前回決まったこと」を蒸し返される
- そもそも「うちの設立にも創立総会がいるのか」という問いの立て方が間違っていることがある。創立総会は募集設立だけの手続で、発起人が全株を引き受ける発起設立には存在しない。80条を気にする前に、自社がどちらの設立形態かを確認するのが先だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用される場面 | 80条:募集設立の創立総会の延期・続行 | 67条:創立総会の招集の決定 317条:株主総会の延期・続行(設立後) |
| 効果 | 67条・68条を不適用、後日の会は同一総会の続き | 招集の日時・場所・議題等を決定する手続 67条・68条相当の招集手続を不適用 |
| 通知のやり直し | 決議があれば不要、なければ新通知が必要 | 招集ごとに必要(68条と一体) 決議があれば不要 |
| 対象となる会議体 | 設立段階の創立総会 | 設立段階の創立総会 成立後の株式会社の株主総会 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も株主会(創立会に準用)の延期・続行を決議すれば召集通知(第172条)の適用を排除できる点で、日本80条と構造が極めて近い
韓国も総会の延期・続行を認め、創立総会に準用される。手続の再履行を省く趣旨は日本と共通
ドイツ AG は公証人による定款確定を中核とする設立方式で、日本型の募集設立創立総会の議決による設立という枠組みを持たないため、本条に直接対応する特則は存在しない
米国では設立は incorporator と organizational meeting によるのが一般で、会議の延会・続行は会社の bylaws に委ねられ、法律上の特則という形ではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 投資家3人を集めた創立総会、議題が紛糾して定刻を過ぎた。あと10分で会場の利用時間が切れる。ここで「続行の決議」を取らずに解散したら、どうなる? 後日の会は新たな招集通知が必要になり、一人でも通知漏れがあれば決議取消しの火種になる
- あなたが発起人として進行役を務めている。書類の不備が見つかり、その日は決議できないと判断した。閉会を宣言する前に「本日は延期し、◯月◯日に開く」と諮るかどうかが分かれ道だ
- 募集設立で株を引き受けた側のあなた。一度目の創立総会のあと、何の通知もなく「先日の続きをやる」と呼ばれた。これが80条の続行決議に基づくものか、ただの新会合かで、あなたが欠席したときの効力がまるで違う
取るべき行動
被害を受けた側:1. 招集通知なく「前回の続き」と呼ばれたら、まず一度目の創立総会で延期・続行の決議があったか議事録を確認2. 決議がないのに通知も省かれていれば、その会は適法な続行ではなく、決議の効力を争える余地がある3. 設立無効の訴え(会社法828条1項1号、現行効力を要確認)や決議の瑕疵を主張する前に、欠席による不利益が実際に出ているか整理4. 設立登記前なら登記官への情報提供、登記後なら専門家へ早めに相談
訴えられた側:1. 創立総会が一日で終わらない、または開けないと判断したら、閉会前に必ず「延期」または「続行」を議題として決議に付す2. 議事録に延期・続行の決議と次回期日を明記、これが67条・68条を省ける根拠になる3. 次回期日は合理的な範囲にとどめる、間隔が空きすぎると同一性が否定されかねない4. 不安があれば設立登記を依頼する司法書士に議事録案を事前確認してもらう
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はない手続規定。ただし延期・続行決議の効力を保つには、後日の会が同一の創立総会と評価できる合理的期間内に開く必要がある(明文の日数制限はないが、間隔が空きすぎると同一性が否定されうる)。なお設立手続全体は、創立総会終結日から2週間以内の設立登記申請という別の期限(会社法911条)に縛られる点も意識する(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:80条は創立総会に現に出席した設立時株主の意思を尊重し、その場の延期・続行決議をもって招集手続(67条・68条)の再履行に代えるものと解される。後日の会が同一性を保つには、合理的期間内に開催される必要があるとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成17年(2005年) 改正:会社法の制定により、旧商法に置かれていた創立総会の延期・続行に関する規律を整理・継承し、80条として明文化。株主総会の同趣旨規定(317条)と整合させた。
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