法律人 LawPlayer logo

資料由法律人 LawPlayer整理提供·日本法令 / LawPlayer 整理自 e-Gov

法律略称 国賠法

国家賠償法

こっかばいしょうほう

法令番号
昭和二十二年法律第百二十五号
公布日
昭和二十二年十月二十七日
条数
本則7条・附則1条
第一条

国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。

前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。

国家賠償法 1 条は、公権力の行使にあたる公務員が職務上、故意または過失で違法に損害を与えたとき、国または公共団体が賠償責任を負うと定める。賠償の相手は公務員個人ではなく国・自治体である。

よくある質問

Q · 無罪になったんだから、誤認逮捕した警察は当然賠償してくれますよね?

そう単純ではありません。無罪判決と捜査の違法は別物で、逮捕時点で相当な理由があったと評価されれば、結果的に無罪でも国賠は認められません(国家賠償法1条の違法性判断)。逮捕や勾留の判断が当時の証拠状況に照らして不合理だったことを、あなたの側が立証する必要があります。業界裏話ヒント: 無罪確定後の救済には、国賠とは別に刑事補償法に基づく刑事補償があります。こちらは捜査の違法を問わず、抑留・拘禁日数に応じて定額が支払われるので、立証のハードルが格段に低い。国賠で違法を争うより、まず刑事補償を確実に取るのが実務の定石です

Q · 市役所の担当者が明らかにミスをしたのに、なぜその人を直接訴えられないんですか?

国家賠償法1条1項は、公権力の行使にあたる公務員の違法行為について、国または公共団体が責任を負うと定めており、最高裁はこれを根拠に公務員個人は被害者に直接責任を負わないとしています(国家賠償法1条)。被害者保護のため、資力のある国や自治体を相手にできる仕組みです。業界裏話ヒント: ただし、公務員が職務とは無関係に私人として加害した場合や、公権力の行使と評価されない行為は、民法709条で個人を直接訴える余地が残ります。「公権力の行使かどうか」の線引きが、相手を誰にするかの分水嶺になります

Q · 役所が『何もしなかった』ことでも、賠償を取れるんですか?

取れる場合があります。規制権限の不行使、いわゆる不作為も、その権限を行使すべき状況で行使しないことが著しく不合理と評価されれば、国家賠償法1条の違法になります。公害規制や危険の放置をめぐる最高裁判例が積み重なっています。業界裏話ヒント: 不作為の国賠は『裁量権の消極的濫用』という枠組みで判断され、行政に広い裁量がある分ハードルは高い。鍵は『行政が危険を具体的に予見できたか』を示す内部文書で、これを情報公開で引き出せるかどうかが、勝てる案件と門前払いの案件を分けます

Q · 公務員ですが、仕事のミスで住民に訴えられそうです。私が自腹で払うんですか?

原則として、あなた個人が被害者へ直接払うことはありません。賠償は国や自治体が負い、あなたへの求償は故意または重大な過失があった場合に限られます(国家賠償法1条2項)。単なる過失なら求償の対象外です。業界裏話ヒント: 実務では、組織が求償権を行使する例は極めて稀で、行使される場合も重大な非違行為に限られる傾向があります。慌てて私費で示談すると、かえって自分に過失があったと認めた形になりかねない。まずは組織の法務・訟務部門を通すのが鉄則です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第二条

道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があつたために他人に損害を生じたときは、国又は公共団体は、これを賠償する責に任ずる。

前項の場合において、他に損害の原因について責に任ずべき者があるときは、国又は公共団体は、これに対して求償権を有する。

国家賠償法 2 条は、公の営造物の設置・管理の瑕疵で損害が生じたとき、国または公共団体が無過失で賠償する責任を定める。道路には高い安全性が要求され、放置された陥没は瑕疵と認められやすい。

よくある質問

Q · 道路の穴ぼこで車が傷ついたんですが、本当に役所から賠償取れるんですか?

取れる可能性は十分あります。国賠 2 条は過失を問わず、道路が通常有すべき安全性を欠いていたかだけを問います。判例は道路管理に高い安全性を要求しており、放置された陥没は瑕疵と認められやすい。業界裏話ヒント:管理者は「発見してすぐ補修した」「夜間で予見困難だった」と反論してきます。だからこそ事故直後の写真と、過去に通報があったかの情報公開請求が勝負を決める。補修された後では証拠が消えるので、その場で撮るのが鉄則

Q · 台風で川が氾濫して家が水浸しになったら、これも国賠 2 条で県を訴えられますか?

理屈の上では対象ですが、道路より格段にハードルが高い。最高裁は大東水害訴訟(最判昭和 59.1.26)で、未改修の自然河川は財政・技術・社会的制約を考慮した緩やかな瑕疵基準を採ると示しました。一方、改修済み河川や計画水準を満たすべき箇所は基準が厳しくなる。業界裏話ヒント:勝敗は「その河川が改修済みか、改修計画のどの段階か」で大きく変わる。同じ水害でも、堤防が一度整備された区間の決壊は責任が認められやすい。まず河川の改修履歴を調べるのが入口

Q · 学校のグラウンドや遊具でうちの子がケガしたら、先生個人を訴えるんですか?

いいえ、設置者である自治体(または国)に対し国賠 2 条で請求します。教師個人の過失を立証する必要はなく、施設や遊具が安全性を欠いていた事実が責任の入口です。営造物は不動産に限らず、遊具や設備も含まれます。業界裏話ヒント:教育現場の事故は、施設の瑕疵(2 条)と教師の指導上の過失(1 条)の両方を同時に主張できる場合がある。どちらか一方で諦めず、二本立てで構成すると、片方が崩れてももう片方で賠償を確保できる

Q · 事故から 2 年以上経っちゃったんですが、もう手遅れですか?

まだ間に合う可能性があります。国賠請求権は損害と管理者を知った時から 3 年、生命・身体の被害なら 5 年です(民法 724 条、724 条の 2、国賠法 4 条)。起算点は「管理者を特定できた日」なので、誰が管理者か分からなかった期間は進行していないと主張できる場合もある。業界裏話ヒント:時効が迫ったら、内容証明郵便で催告すれば 6 か月延長される(民法 150 条)。その間に訴訟提起すれば権利は守れる。一通の書面の有無で、数百万円の請求権が生死を分ける(最新の改正状況をご確認ください)

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第三条

前二条の規定によつて国又は公共団体が損害を賠償する責に任ずる場合において、公務員の選任若しくは監督又は公の営造物の設置若しくは管理に当る者と公務員の俸給、給与その他の費用又は公の営造物の設置若しくは管理の費用を負担する者とが異なるときは、費用を負担する者もまた、その損害を賠償する責に任ずる。

前項の場合において、損害を賠償した者は、内部関係でその損害を賠償する責任ある者に対して求償権を有する。

国家賠償法 3 条は、国・公共団体の賠償責任が生じる場面で、施設等の管理者と費用を負担する者が異なるとき、費用を負担する者もまた賠償責任を負うと定める。被害者はどちらにも請求できる。

よくある質問

Q · 道路の陥没で車が壊れたんですが、市と県どっちを訴えればいいんですか?

管理する主体と費用を負担する主体が違えば、3条1項により両方を訴えられます。どちらか一方でも、両方同時でも構いません。業界裏話ヒント:被告選びで見るべきは「誰が悪いか」より「誰から取りやすいか」です。費用負担者である国や都道府県の方が賠償体制や予算が整っていることが多く、市町村単独より回収がスムーズなケースがある。複数の管理・費用主体が絡む施設ほど、被告の選択肢は広がる

Q · 国や自治体を相手に裁判なんて、素人が勝てるんですか?

国家賠償請求は通常の民事訴訟と同じ手続で、勝訴例は数多くあります。営造物の瑕疵(2条)や公務員の違法行為(1条)が認められれば、3条で費用負担者にも請求が及びます。業界裏話ヒント:行政側は最初「管理に瑕疵はない」と一律に否認してくることが多いが、過去の同種事故の発生記録や補修履歴を情報公開請求で取り寄せると、瑕疵の立証材料が一気に揃う。役所自身の文書が、あなたの最強の証拠になる

Q · 3条2項の『求償権』って、被害者の私には関係ない話ですよね?

直接の権利義務としては行政内部の精算の話で、あなたが気にする必要はありません。むしろ被害者にとって有利な意味を持ちます。誰が最終的に負担するかは賠償後に行政同士で決めるので、あなたは特定せず訴えてよいのです。業界裏話ヒント:被告を複数並べると、被告同士が「最終的に払うのはそっちだ」と内部で牽制し合う。その間、あなたへの賠償義務自体は争点から外れやすくなり、結果として早く確実な回収につながる

Q · 誰が『費用を負担する者』なのか、どうやって調べればいいんですか?

自治体や国の予算書、施設の設置根拠法令、補助金の交付記録などで確認できます。分からなければ情報公開請求で開示を求められます。3条はこの費用負担者にも賠償責任を広げる規定です。業界裏話ヒント:補助金で建設・整備された施設は、表向きの管理者(市町村)と費用の出し手(国・都道府県)が分かれていることが非常に多い。看板や登記だけ見て管理者しか訴えないと、本来取れたはずの相手を取り逃がす

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第四条

国又は公共団体の損害賠償の責任については、前三条の規定によるの外、民法の規定による。

国家賠償法 4 条は、国や公共団体の賠償責任のうち同法に定めのない事項は民法によると規定する。時効・過失相殺・失火責任などは本条を介して民法が適用される。

よくある質問

Q · 国を訴えるときの時効って、普通の事故と違うんですか?

実は同じ物差しです。国家賠償法には時効の定めがなく、4条が民法を呼び込むので、民法724条の時効(知った時から3年、生命・身体侵害は5年、行為から20年)がそのまま適用されます。業界裏話ヒント:2017年改正前は生命・身体も一律3年でした。古い文献やネット記事はまだ3年と書いているものが多く、それを信じて諦めた人が、本当はまだ2年残っていたケースがある。国家賠償の時効は必ず改正後の条文で確認する

Q · 公務員のミスで火事になったのに、賠償してもらえないと言われました。なぜですか?

失火責任法が4条経由で国家賠償にも準用されるからです(最判昭和53.7.17)。この法律は失火による損害は重過失がなければ責任を負わないと定めており、相手が国・自治体でも同じ。職員に重過失があったと立証できなければ請求は通りません。業界裏話ヒント:ただし国家賠償法2条の営造物責任(無過失責任)で構成できる事案では、失火責任法の準用が及ばないと解する余地がある。「失火だから無理」と言われても、施設や設備の欠陥という別ルートがないか専門家に確認する価値がある

Q · 自分にも不注意があった場合、国からの賠償は減らされますか?

減らされます。4条経由で民法722条2項の過失相殺が適用されるため、あなたの過失割合に応じて賠償額が減額されます。道路の欠陥が原因でも、あなたが脇見運転をしていれば相応に減ります。業界裏話ヒント:国・自治体側の代理人は過失相殺をほぼ必ず主張してきます。逆に言えば、あなたの落ち度が小さいことを示す証拠(現場写真、ドライブレコーダー、目撃証言)を早期に固めるほど、減額幅を抑えられる。交渉の主戦場はここになることが多い

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第五条

国又は公共団体の損害賠償の責任について民法以外の他の法律に別段の定があるときは、その定めるところによる。

国家賠償法 5 条は、国や公共団体の賠償責任について民法以外の他の法律に別段の定めがあれば、その特別法が優先すると定める。ただし特別法の制限が憲法 17 条に反すれば無効となる。

よくある質問

Q · 役所のせいで損したのに「法律で賠償はいくらまで」と言われました。本当にそれ以上は無理ですか?

必ずしも従う必要はありません。国賠法5条により特別法が優先しますが、その制限規定が憲法17条に反すれば無効です。最高裁は郵便法の賠償制限を、書留の故意・重過失による損害にまで及ぼす限りで違憲としました(最大判平成14.9.11)。業界裏話ヒント:役所側は「法律でこうなっている」と言えば住民が引き下がると見込んでいます。だが特別法だからといって憲法審査を免れるわけではない。制限が著しく不合理なら、違憲を正面から争う価値があります

Q · 国家賠償法と特別法、どっちで訴えればいいんですか?

事件を支配する法律で決まります。5条はその分野に賠償の特別の定めがあれば特別法を優先させ、定めのない部分は4条を通じて民法が補います(国賠法4条、5条)。つまり全部が特別法に置き換わるのではなく、特別の定めがある論点だけが切り替わります。業界裏話ヒント:適用法を取り違えると、時効の起算点も請求相手も賠償範囲もずれて、勝てる事件を入口で落とします。弁護士はまず「どの法律の土俵か」を固めてから中身に入る。いきなり金額交渉に走るのとは順番が逆です

Q · ここでいう特別法って、具体的にどんな法律ですか?

国や自治体の賠償責任について独自のルールを置く法律です。代表例が郵便事故の賠償を定める郵便法で、かつては賠償額に厳しい上限がありました(国賠法5条)。各分野に、国の賠償の範囲や要件を修正する法律が点在しています。業界裏話ヒント:自分の損害がどの特別法の射程かは、条文を横断しないと見えにくい。役所の担当部署が引用してくる法律名をメモし、その法律に賠償制限がないか、その制限が過去に判例で争われていないかを確認するだけで、交渉の立ち位置が変わります

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

第六条

この法律は、外国人が被害者である場合には、相互の保証があるときに限り、これを適用する。

国家賠償法 6 条は、外国人が被害者の場合、その国籍国に相互保証があるときに限り国家賠償を認める。主要国の多くは相互保証ありと扱われ、実務上は救済される例が多い。

よくある質問

Q · 永住権を持っていても、相互保証がなければ国家賠償は受けられないんですか?

条文上は永住者でも外国籍である以上 6 条の対象です。日本人と同等の生活実態があっても、判断されるのは国籍国の制度です。ただし主要国の多くは相互保証ありと扱われ、実務上救済される例は多い。業界裏話ヒント:6 条の合憲性自体に学説の批判が強く、憲法 17 条「何人も」との矛盾を突いて争った例もあります。永住者・定住者のケースほど、相互保証なしを安易に認めない方向で争う余地がある

Q · 自分の国が相互保証ありかどうか、どこで分かるんですか?

公式の一覧表はありません。過去の裁判例・法務省の見解・相手国の国家賠償制度の有無を個別に調べて判断します。相手国に日本の国賠法に相当する制度があり、日本人を排除していなければ相互保証ありと認められやすい。業界裏話ヒント:相互保証は「相手国に全く同一の制度がある」ことまでは要求されません。日本人が事実上救済を受けられる制度があれば足りるとされ、この緩やかな解釈を引き出せるかが弁護士の腕の見せ所です

Q · 相互保証がないことは、訴えられた国の側が証明するんですか?

ここは実務上、解釈が分かれている論点です。原告(被害者)が相互保証ありを主張立証すべきとする見解と、被告(国)が相互保証なしを抗弁すべきとする見解があります。裁判所が職権で調査する場面もある。業界裏話ヒント:立証の負担を国側に寄せられれば、外国籍の原告は一気に有利になります。相互保証は法令の存否という「法の調査」の性格が強く、純粋な事実立証とは違うと主張して、裁判所の職権調査を促すのが実戦的な戦術です

AIによる参考情報です。原文を優先してください。

附則

この法律は、公布の日から、これを施行する。

7条の本則 / 1条の附則

この法令を引用する

国家賠償法(昭和二十二年法律第百二十五号)(e-Gov法令検索)。LawPlayer より取得、https://lawplayer.com/jp/act/322AC0000000125

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

e-Gov 政府標準利用規約(CC BY 4.0 互換)

本頁資料來源:e-Gov 法令検索(デジタル庁)·整理提供:法律人 LawPlayer· lawplayer.com