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職業安定法

昭和二十二年法律第百四十一号

公布日:1947-11-30

第一章
第一条(法律の目的)

この法律は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)と相まつて、公共に奉仕する公共職業安定所その他の職業安定機関が関係行政庁又は関係団体の協力を得て職業紹介事業等を行うこと、職業安定機関以外の者の行う職業紹介事業等が労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に果たすべき役割に鑑みその適正な運営を確保すること等により、各人にその有する能力に適合する職業に就く機会を与え、及び産業に必要な労働力を充足し、もつて職業の安定を図るとともに、経済及び社会の発展に寄与することを目的とする。

第二条(職業選択の自由)

何人も、公共の福祉に反しない限り、職業を自由に選択することができる。

第三条(均等待遇)

何人も、人種、国籍、信条、性別、社会的身分、門地、従前の職業、労働組合の組合員であること等を理由として、職業紹介、職業指導等について、差別的取扱を受けることがない。

但し、労働組合法の規定によつて、雇用主と労働組合との間に締結された労働協約に別段の定のある場合は、この限りでない。

第四条(定義)

この法律において「職業紹介」とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあつせんすることをいう。

この法律において「無料の職業紹介」とは、職業紹介に関し、いかなる名義でも、その手数料又は報酬を受けないで行う職業紹介をいう。

この法律において「有料の職業紹介」とは、無料の職業紹介以外の職業紹介をいう。

この法律において「職業指導」とは、職業に就こうとする者に対し、実習、講習、指示、助言、情報の提供その他の方法により、その者の能力に適合する職業の選択を容易にさせ、及びその職業に対する適応性を増大させるために行う指導をいう。

この法律において「労働者の募集」とは、労働者を雇用しようとする者が、自ら又は他人に委託して、労働者となろうとする者に対し、その被用者となることを勧誘することをいう。

この法律において「募集情報等提供」とは、次に掲げる行為をいう。

労働者の募集を行う者等(労働者の募集を行う者、募集受託者(第三十九条に規定する募集受託者をいう。第三号、第五条の三第一項、第五条の四第一項及び第二項並びに第五条の五第一項において同じ。)又は職業紹介事業者その他厚生労働省令で定める者(以下この項において「職業紹介事業者等」という。)をいう。第四号において同じ。)の依頼を受け、労働者の募集に関する情報を労働者になろうとする者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。
前号に掲げるもののほか、労働者の募集に関する情報を、労働者になろうとする者の職業の選択を容易にすることを目的として収集し、労働者になろうとする者等(労働者になろうとする者又は職業紹介事業者等をいう。次号において同じ。)に提供すること。
労働者になろうとする者等の依頼を受け、労働者になろうとする者に関する情報を労働者の募集を行う者、募集受託者又は他の職業紹介事業者等に提供すること。
前号に掲げるもののほか、労働者になろうとする者に関する情報を、労働者の募集を行う者の必要とする労働力の確保を容易にすることを目的として収集し、労働者の募集を行う者等に提供すること。

この法律において「特定募集情報等提供」とは、労働者になろうとする者に関する情報を収集して行う募集情報等提供をいう。

この法律において「労働者供給」とは、供給契約に基づいて労働者を他人の指揮命令を受けて労働に従事させることをいい、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「労働者派遣法」という。)第二条第一号に規定する労働者派遣に該当するものを含まないものとする。

この法律において「特定地方公共団体」とは、第二十九条第一項の規定により無料の職業紹介事業を行う地方公共団体をいう。

この法律において「職業紹介事業者」とは、第三十条第一項若しくは第三十三条第一項の許可を受けて、又は第三十三条の二第一項若しくは第三十三条の三第一項の規定による届出をして職業紹介事業を行う者をいう。

この法律において「特定募集情報等提供事業者」とは、第四十三条の二第一項の規定による届出をして特定募集情報等提供事業を行う者をいう。

この法律において「労働者供給事業者」とは、第四十五条の規定により労働者供給事業を行う労働組合等(労働組合法による労働組合その他これに準ずるものであつて厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)をいう。

この法律において「個人情報」とは、個人に関する情報であつて、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。

第五条(政府の行う業務)

政府は、第一条の目的を達成するために、次に掲げる業務を行う。

労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図ること。
失業者に対し、職業に就く機会を与えるために、必要な政策を樹立し、その実施に努めること。
求職者に対し、迅速に、その能力に適合する職業に就くことをあつせんするため、及び求人者に対し、その必要とする労働力を充足するために、無料の職業紹介事業を行うこと。
政府以外の者(第二十九条第一項の規定により無料の職業紹介事業を行う場合における特定地方公共団体及び募集情報等提供事業を行う場合における地方公共団体を除く。)の行う職業紹介、労働者の募集、募集情報等提供事業、労働者供給事業又は労働者派遣法第二条第三号に規定する労働者派遣事業及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号。以下「建設労働法」という。)第二条第十項に規定する建設業務労働者就業機会確保事業(以下「労働者派遣事業等」という。)を労働者及び公共の利益を増進するように、指導監督すること。
求職者に対し、必要な職業指導を行うこと。
個人、団体、学校又は関係行政庁の協力を得て、公共職業安定所の業務の運営の改善向上を図ること。
雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)の規定によつて、給付を受けるべき者について、職業紹介又は職業指導を行い、雇用保険制度の健全な運用を図ること。
第五条の二(職業安定機関と特定地方公共団体等の協力)

職業安定機関及び特定地方公共団体、職業紹介事業者、募集情報等提供事業を行う者又は労働者供給事業者は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整を図るため、雇用情報の充実、労働力の需要供給の調整に係る技術の向上等に関し、相互に協力するように努めなければならない。

公共職業安定所及び特定地方公共団体又は職業紹介事業者は、求職者が希望する地域においてその能力に適合する職業に就くことができるよう、職業紹介に関し、相互に協力するように努めなければならない。

第五条の三(労働条件等の明示)

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者並びに労働者供給事業者は、それぞれ、職業紹介、労働者の募集又は労働者供給に当たり、求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者に対し、その者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

求人者は求人の申込みに当たり公共職業安定所、特定地方公共団体又は職業紹介事業者に対し、労働者供給を受けようとする者はあらかじめ労働者供給事業者に対し、それぞれ、求職者又は供給される労働者が従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。

求人者、労働者の募集を行う者及び労働者供給を受けようとする者(供給される労働者を雇用する場合に限る。)は、それぞれ、求人の申込みをした公共職業安定所、特定地方公共団体若しくは職業紹介事業者の紹介による求職者、募集に応じて労働者になろうとする者又は供給される労働者と労働契約を締結しようとする場合であつて、これらの者に対して第一項の規定により明示された従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下この項において「従事すべき業務の内容等」という。)を変更する場合その他厚生労働省令で定める場合は、当該契約の相手方となろうとする者に対し、当該変更する従事すべき業務の内容等その他厚生労働省令で定める事項を明示しなければならない。

前三項の規定による明示は、賃金及び労働時間に関する事項その他の厚生労働省令で定める事項については、厚生労働省令で定める方法により行わなければならない。

第五条の四(求人等に関する情報の的確な表示)

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、この法律に基づく業務に関して新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出又は頒布その他厚生労働省令で定める方法(以下この条において「広告等」という。)により求人若しくは労働者の募集に関する情報又は求職者若しくは労働者になろうとする者に関する情報その他厚生労働省令で定める情報(第三項において「求人等に関する情報」という。)を提供するときは、当該情報について虚偽の表示又は誤解を生じさせる表示をしてはならない。

労働者の募集を行う者及び募集受託者は、この法律に基づく業務に関して広告等により労働者の募集に関する情報その他厚生労働省令で定める情報を提供するときは、正確かつ最新の内容に保たなければならない。

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者、募集情報等提供事業を行う者並びに労働者供給事業者は、この法律に基づく業務に関して広告等により求人等に関する情報を提供するときは、厚生労働省令で定めるところにより正確かつ最新の内容に保つための措置を講じなければならない。

第五条の五(求職者等の個人情報の取扱い)

公共職業安定所、特定地方公共団体、職業紹介事業者及び求人者、労働者の募集を行う者及び募集受託者、特定募集情報等提供事業者並びに労働者供給事業者及び労働者供給を受けようとする者(次項において「公共職業安定所等」という。)は、それぞれ、その業務に関し、求職者、労働者になろうとする者又は供給される労働者の個人情報(以下この条において「求職者等の個人情報」という。)を収集し、保管し、又は使用するに当たつては、その業務の目的の達成に必要な範囲内で、厚生労働省令で定めるところにより、当該目的を明らかにして求職者等の個人情報を収集し、並びに当該収集の目的の範囲内でこれを保管し、及び使用しなければならない。

ただし、本人の同意がある場合その他正当な事由がある場合は、この限りでない。

公共職業安定所等は、求職者等の個人情報を適正に管理するために必要な措置を講じなければならない。

第五条の六(求人の申込み)

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求人の申込みは全て受理しなければならない。

ただし、次の各号のいずれかに該当する求人の申込みは受理しないことができる。

その内容が法令に違反する求人の申込み
その内容である賃金、労働時間その他の労働条件が通常の労働条件と比べて著しく不適当であると認められる求人の申込み
労働に関する法律の規定であつて政令で定めるものの違反に関し、法律に基づく処分、公表その他の措置が講じられた者(厚生労働省令で定める場合に限る。)からの求人の申込み
第五条の三第二項の規定による明示が行われない求人の申込み
次に掲げるいずれかの者からの求人の申込み
正当な理由なく次項の規定による求めに応じない者からの求人の申込み

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求人の申込みが前項各号に該当するかどうかを確認するため必要があると認めるときは、当該求人者に報告を求めることができる。

求人者は、前項の規定による求めがあつたときは、正当な理由がない限り、その求めに応じなければならない。

第五条の七(求職の申込み)

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求職の申込みは全て受理しなければならない。

ただし、その申込みの内容が法令に違反するときは、これを受理しないことができる。

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、特殊な業務に対する求職者の適否を決定するため必要があると認めるときは、試問及び技能の検査を行うことができる。

第五条の八(求職者の能力に適合する職業の紹介等)

公共職業安定所、特定地方公共団体及び職業紹介事業者は、求職者に対しては、その能力に適合する職業を紹介し、求人者に対しては、その雇用条件に適合する求職者を紹介するように努めなければならない。

第二章
第一節
第六条(職業安定主管局長の権限)

職業安定主管局(厚生労働省の内部部局として置かれる局で職業紹介及び職業指導その他職業の安定に関する事務を所掌するものをいう。第九条において同じ。)の局長(以下「職業安定主管局長」という。)は、厚生労働大臣の指揮監督を受け、この法律の施行に関する事項について、都道府県労働局長を指揮監督するとともに、公共職業安定所の指揮監督に関する基準の制定、産業に必要な労働力を充足するための対策の企画及び実施、失業対策の企画及び実施、労働力の需要供給を調整するための主要労働力需要供給圏の決定、職業指導の企画及び実施その他この法律の施行に関し必要な事務をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。

第七条(都道府県労働局長の権限)

都道府県労働局長は、職業安定主管局長の指揮監督を受け、この法律の施行に関する事項について、公共職業安定所の業務の連絡統一に関する業務をつかさどり、所属の職員及び公共職業安定所長を指揮監督する。

第八条(公共職業安定所)

公共職業安定所は、職業紹介、職業指導、雇用保険その他この法律の目的を達成するために必要な業務を行い、無料で公共に奉仕する機関とする。

公共職業安定所長は、都道府県労働局長の指揮監督を受けて、所務をつかさどり、所属の職員を指揮監督する。

第九条(職員の資格等)

公共職業安定所その他の職業安定機関の業務が効果的に行われるために、職業安定主管局、都道府県労働局又は公共職業安定所において、専らこの法律を施行する業務に従事する職員は、人事院の定める資格又は経験を有する者でなければならない。

第九条の二

公共職業安定所に就職促進指導官を置く。

就職促進指導官は、専門的知識に基づいて、主として、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和四十六年法律第六十八号)第二十六条第一項又は第二項の指示を受けた者に対し、職業指導を行うものとする。

前二項に定めるもののほか、就職促進指導官に関し必要な事項は、厚生労働大臣が定める。

第十条(地方運輸局に対する協力)

公共職業安定所は、地方運輸局長(運輸監理部長を含む。)の行う船員の職業の安定に関する業務について、これに協力しなければならない。

第十一条(市町村が処理する事務)

公共職業安定所との交通が不便であるため当該公共職業安定所に直接求人又は求職を申し込むことが困難であると認められる地域として厚生労働大臣が指定する地域(以下この項において「指定地域」という。)を管轄する市町村長は、次に掲げる事務を行う。

指定地域内に所在する事業所からの求人又は指定地域内に居住する求職者からの求職の申込みを当該公共職業安定所に取り次ぐこと。
当該公共職業安定所からの照会に応じて、指定地域内に所在する事業所に係る求人者又は指定地域内に居住する求職者の職業紹介に関し必要な事項を調査すること。
当該公共職業安定所からの求人又は求職に関する情報を指定地域内に所在する事業所に係る求人者又は指定地域内に居住する求職者に周知させること。

当該公共職業安定所の長は、前項の事務に関し特に必要があると認めるときは、市町村長に対し、必要な指示をすることができる。

市町村長は、第一項の事務に関し、求人者又は求職者から、いかなる名義でも、実費その他の手数料を徴収してはならない。

第一項の規定により市町村が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第十二条

削除

第十三条(業務報告の様式)

職業安定主管局長は、都道府県労働局及び公共職業安定所が、この法律の規定によつてなす業務報告の様式を定めなければならない。

都道府県労働局及び公共職業安定所の業務報告は、前項の様式に従つて、これをしなければならない。

第十四条(労働力の需給に関する調査等)

職業安定主管局長は、労働力の需要供給の適正かつ円滑な調整に資するため、都道府県労働局及び公共職業安定所からの労働力の需要供給に関する調査報告等により、雇用及び失業の状況に関する情報を収集するとともに、当該情報の整理、分析、公表等必要な措置を講ずるように努めなければならない。

第十五条(標準職業名等)

職業安定主管局長は、職業に関する調査研究の成果等に基づき、職業紹介事業、労働者の募集及び労働者供給事業に共通して使用されるべき標準職業名を定め、職業解説及び職業分類表を作成し、並びにそれらの普及に努めなければならない。

第十六条(職業紹介等の基準)

厚生労働大臣は、身体又は精神に障害のある者、新たに職業に就こうとする者、中高年齢の失業者その他職業に就くことについて特別の配慮を必要とする者に対して行われる職業紹介及び職業指導の実施に関し必要な基準を定めることができる。

第二節
第十七条(職業紹介の地域)

公共職業安定所は、求職者に対し、できる限り、就職の際にその住所又は居所の変更を必要としない職業を紹介するよう努めなければならない。

公共職業安定所は、その管轄区域内において、求職者にその希望及び能力に適合する職業を紹介することができないとき、又は求人者の希望する求職者若しくは求人数を充足することができないときは、広範囲の地域にわたる職業紹介活動をするものとする。

前項の広範囲の地域にわたる職業紹介活動は、できる限り近隣の公共職業安定所が相互に協力して行うように努めなければならない。

第二項の広範囲の地域にわたる職業紹介活動に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第十八条(求人又は求職の開拓等)

公共職業安定所は、他の法律の規定に基づいて行うもののほか、厚生労働省令で定めるところにより、求職者に対しその能力に適合する職業に就く機会を与えるため、及び求人者に対しその必要とする労働力を確保することができるようにするために、必要な求人又は求職の開拓を行うものとする。

公共職業安定所は、前項の規定による求人又は求職の開拓に関し、地方公共団体、事業主の団体、労働組合その他の関係者に対し、情報の提供その他必要な連絡又は協力を求めることができる。

第十八条の二(業務情報の提供)

公共職業安定所は、厚生労働省令で定めるところにより、求職者又は求人者に対し、特定地方公共団体又は職業紹介事業者(第三十二条の九第二項の命令を受けている者その他の公共職業安定所が求職者又は求人者に対してその職業紹介事業の業務に係る情報の提供を行うことが適当でない者として厚生労働省令で定めるものを除く。この項において同じ。)に関する第三十二条の十六第三項に規定する事項、特定地方公共団体又は職業紹介事業者の紹介により就職した者のうち雇用保険法第五十八条の規定による移転費の支給を受けたものの数その他職業紹介事業の業務に係る情報を提供するものとする。

第十九条(公共職業訓練のあつせん)

公共職業安定所は、求職者に対し、公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)を受けることについてあつせんを行うものとする。

第二十条(労働争議に対する不介入)

公共職業安定所は、労働争議に対する中立の立場を維持するため、同盟罷業又は作業所閉鎖の行われている事業所に、求職者を紹介してはならない。

前項に規定する場合の外、労働委員会が公共職業安定所に対し、事業所において、同盟罷業又は作業所閉鎖に至る虞の多い争議が発生していること及び求職者を無制限に紹介することによつて、当該争議の解決が妨げられることを通報した場合においては、公共職業安定所は当該事業所に対し、求職者を紹介してはならない。

但し、当該争議の発生前、通常使用されていた労働者の員数を維持するため必要な限度まで労働者を紹介する場合は、この限りでない。

第二十一条(施行規定)

職業紹介の手続その他職業紹介に関し必要な事項は、厚生労働省令でこれを定める。

第三節
第二十二条(職業指導の実施)

公共職業安定所は、身体又は精神に障害のある者、新たに職業に就こうとする者その他職業に就くについて特別の指導を加えることを必要とする者に対し、職業指導を行わなければならない。

第二十三条(適性検査)

公共職業安定所は、必要があると認めるときは、職業指導を受ける者について、適性検査を行うことができる。

第二十四条(公共職業能力開発施設等との連携)

公共職業安定所は、職業指導を受ける者に対し、公共職業能力開発施設の行う職業訓練(職業能力開発総合大学校の行うものを含む。)に関する情報の提供、相談その他の援助を与えることが必要であると認めるときは、公共職業能力開発施設その他の関係者に対し、必要な協力を求めることができる。

第二十五条(施行規定)

職業指導の方法その他職業指導に関し必要な事項は、厚生労働省令でこれを定める。

第四節
第二十六条(学生生徒等の職業紹介等)

公共職業安定所は、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定する学校(以下「学校」という。)の学生若しくは生徒又は学校を卒業し、又は退学した者(政令で定める者を除く。以下「学生生徒等」という。)の職業紹介については、学校と協力して、学生生徒等に対し、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等を提供し、職業指導を行い、及び公共職業安定所間の連絡により、学生生徒等に対して紹介することが適当と認められるできる限り多くの求人を開拓し、各学生生徒等の能力に適合した職業にあつせんするよう努めなければならない。

公共職業安定所は、学校が学生又は生徒に対して行う職業指導に協力しなければならない。

公共職業安定所は、学生生徒等に対する職業指導を効果的かつ効率的に行うことができるよう、学校その他の関係者と協力して、職業を体験する機会又は職業能力開発促進法(昭和四十四年法律第六十四号)第三十条の三に規定するキャリアコンサルタントによる相談の機会の付与その他の職業の選択についての学生又は生徒の関心と理解を深めるために必要な措置を講ずるものとする。

第二十七条(学校による公共職業安定所業務の分担)

公共職業安定所長は、学生生徒等の職業紹介を円滑に行うために必要があると認めるときは、学校の長の同意を得て、又は学校の長の要請により、その学校の長に、公共職業安定所の業務の一部を分担させることができる。

前項の規定により公共職業安定所長が学校の長に分担させることができる業務は、次に掲げる事項に限られるものとする。

求人の申込みを受理し、かつ、その受理した求人の申込みを公共職業安定所に連絡すること。
求職の申込みを受理すること。
求職者を求人者に紹介すること。
職業指導を行うこと。
就職後の指導を行うこと。
公共職業能力開発施設(職業能力開発総合大学校を含む。)への入所のあつせんを行うこと。

第一項の規定により公共職業安定所の業務の一部を分担する学校の長(以下「業務分担学校長」という。)は、第五条の六第一項本文及び第五条の七第一項本文の規定にかかわらず、学校の教育課程に適切でない職業に関する求人又は求職の申込みを受理しないことができる。

業務分担学校長は、公共職業安定所長と協議して、その学校の職員の中から職業安定担当者を選任し、その者に第二項各号の業務を担当させ、及び公共職業安定所との連絡を行わせることができる。

公共職業安定所長は、業務分担学校長に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等の提供その他業務分担学校長の行う第二項各号の業務の執行についての援助を与えるとともに、特に必要があると認めるときは、業務分担学校長に対して、経済上の援助を与えることができる。

業務分担学校長は、その業務の執行に関し、厚生労働大臣が文部科学大臣と協議して定める基準に従わなければならない。

公共職業安定所長は、業務分担学校長が、法令又は前項の基準に違反したときは、当該業務分担学校長の行う第二項各号の業務を停止させることができる。

前各項の規定は、学校の長が第三十三条の二の規定に基づいて無料の職業紹介事業を行う場合には適用しない。

第二十八条(施行規定)

公共職業安定所と学校との間における連絡、援助又は協力に関する方法その他学生生徒等の職業紹介に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第2_2章
第二十九条(地方公共団体の行う職業紹介)

地方公共団体は、無料の職業紹介事業を行うことができる。

特定地方公共団体は、前項の規定により無料の職業紹介事業を行う旨を、厚生労働大臣に通知しなければならない。

特定地方公共団体は、取扱職種の範囲等(その職業紹介事業において取り扱う職種の範囲その他業務の範囲をいう。以下同じ。)を定めることができる。

特定地方公共団体が、前項の規定により取扱職種の範囲等を定めた場合においては、第五条の六第一項及び第五条の七第一項の規定は、その範囲内に限り適用するものとする。

第二十九条の二(事業の廃止)

特定地方公共団体は、無料の職業紹介事業を廃止したときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に通知しなければならない。

第二十九条の三(名義貸しの禁止)

特定地方公共団体は、自己の名義をもつて、他人に無料の職業紹介事業を行わせてはならない。

第二十九条の四(取扱職種の範囲等の明示等)

特定地方公共団体は、取扱職種の範囲等、苦情の処理に関する事項その他無料の職業紹介事業の業務の内容に関しあらかじめ求人者及び求職者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項について、求人者及び求職者に対し、明示しなければならない。

第二十九条の五(公共職業安定所による情報提供)

公共職業安定所は、特定地方公共団体が求人又は求職に関する情報の提供を希望するときは、当該特定地方公共団体に対して、求人又は求職に関する情報として厚生労働省令で定めるものを電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法をいう。)その他厚生労働省令で定める方法により提供するものとする。

第二十九条の六(公共職業安定所による援助)

公共職業安定所は、特定地方公共団体に対して、雇用情報、職業に関する調査研究の成果等の提供その他無料の職業紹介事業の運営についての援助を与えることができる。

第二十九条の七(特定地方公共団体の責務)

特定地方公共団体は、無料の職業紹介事業の運営に当たつては、職業安定機関との連携の下に、その改善向上を図るために必要な措置を講ずるように努めなければならない。

第二十九条の八(準用)

第二十条の規定は、特定地方公共団体が無料の職業紹介事業を行う場合について準用する。この場合において、同条第一項中「公共職業安定所」とあるのは「特定地方公共団体」と、同条第二項中「公共職業安定所は」とあるのは「公共職業安定所は、その旨を特定地方公共団体に通報するものとし、当該通報を受けた特定地方公共団体は、」と読み替えるものとする。

第二十九条の九(施行規定)

この章に定めるもののほか、特定地方公共団体の行う無料の職業紹介事業に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。

第三章
第一節
第三十条(有料職業紹介事業の許可)

有料の職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。

前項の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した申請書を厚生労働大臣に提出しなければならない。

氏名又は名称及び住所並びに法人にあつては、その代表者の氏名
法人にあつては、その役員の氏名及び住所
有料の職業紹介事業を行う事業所の名称及び所在地
第三十二条の十四の規定により選任する職業紹介責任者の氏名及び住所
その他厚生労働省令で定める事項

前項の申請書には、有料の職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る事業計画書その他厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

前項の事業計画書には、厚生労働省令で定めるところにより、有料の職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る求職者の見込数その他職業紹介に関する事項を記載しなければならない。

厚生労働大臣は、第一項の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならない。

第一項の許可を受けようとする者は、実費を勘案して厚生労働省令で定める額の手数料を納付しなければならない。

第三十一条(許可の基準等)

厚生労働大臣は、前条第一項の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、同項の許可をしなければならない。

申請者が、当該事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
個人情報を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
前二号に定めるもののほか、申請者が、当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること。

厚生労働大臣は、前条第一項の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならない。

第三十二条(許可の欠格事由)

厚生労働大臣は、前条第一項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当する者に対しては、第三十条第一項の許可をしてはならない。

拘禁刑以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定その他労働に関する法律の規定(次号に規定する規定を除く。)であつて政令で定めるもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第五十条(第二号に係る部分に限る。)及び第五十二条の規定を除く。)により、若しくは刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百四条、第二百六条、第二百八条、第二百八条の二、第二百二十二条若しくは第二百四十七条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正十五年法律第六十号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第七十三条の二第一項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
健康保険法(大正十一年法律第七十号)第二百八条、第二百十三条の二若しくは第二百十四条第一項、船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)第百五十六条、第百五十九条若しくは第百六十条第一項、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第五十一条前段若しくは第五十四条第一項(同法第五十一条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)第百二条、第百三条の二若しくは第百四条第一項(同法第百二条又は第百三条の二の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和四十四年法律第八十四号)第四十六条前段若しくは第四十八条第一項(同法第四十六条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法第八十三条若しくは第八十六条(同法第八十三条の規定に係る部分に限る。)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなつた日から起算して五年を経過しない者
心身の故障により有料の職業紹介事業を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
第三十二条の九第一項(第一号を除き、第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により職業紹介事業の許可を取り消され、又は第三十三条の三第二項において準用する第三十二条の九第一項(第一号を除く。)の規定により無料の職業紹介事業の廃止を命じられ、当該取消し又は命令の日から起算して五年を経過しない者
第三十二条の九第一項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により職業紹介事業の許可を取り消された者が法人である場合(第三十二条の九第一項(第一号に限る。)(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定により許可を取り消された場合については、当該法人が第一号又は第二号に規定する者に該当することとなつたことによる場合に限る。)又は第三十三条の三第二項において準用する第三十二条の九第一項の規定により無料の職業紹介事業の廃止を命じられた者が法人である場合(第三十三条の三第二項において準用する第三十二条の九第一項(第一号に限る。)の規定により廃止を命じられた場合については、当該法人が第一号又は第二号に規定する者に該当することとなつたことによる場合に限る。)において、当該取消し又は命令の処分を受ける原因となつた事項が発生した当時現に当該法人の役員であつた者で、当該取消し又は命令の日から起算して五年を経過しないもの
第三十二条の九第一項(第三十三条第四項において準用する場合を含む。)の規定による職業紹介事業の許可の取消し又は第三十三条の三第二項において準用する第三十二条の九第一項の規定による無料の職業紹介事業の廃止の命令の処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条の規定による通知があつた日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に第三十二条の八第一項(第三十三条第四項及び第三十三条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定による職業紹介事業の廃止の届出をした者(当該事業の廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
前号に規定する期間内に第三十二条の八第一項(第三十三条第四項及び第三十三条の三第二項において準用する場合を含む。)の規定による職業紹介事業の廃止の届出をした者が法人である場合において、同号の通知の日前六十日以内に当該法人(当該事業の廃止について相当の理由がある法人を除く。)の役員であつた者で、当該届出の日から起算して五年を経過しないもの
暴力団員又は暴力団員でなくなつた日から五年を経過しない者(以下この条において「暴力団員等」という。)
営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であつて、その法定代理人が前各号又は次号のいずれかに該当するもの
十一法人であつて、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの
十二暴力団員等がその事業活動を支配する者
十三暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある者
第三十二条の二

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249条の本則 / 69条の附則