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民事再生法

平成十一年法律第二百二十五号

公布日:1999-12-22

第一章
第一条(目的)

この法律は、経済的に窮境にある債務者について、その債権者の多数の同意を得、かつ、裁判所の認可を受けた再生計画を定めること等により、当該債務者とその債権者との間の民事上の権利関係を適切に調整し、もって当該債務者の事業又は経済生活の再生を図ることを目的とする。

第二条(定義)

この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

再生債務者1経済的に窮境にある債務者であって、その者について、再生手続開始の申立てがされ、再生手続開始の決定がされ、又は再生計画が遂行されているものをいう。2
再生債務者等1管財人が選任されていない場合にあっては再生債務者、管財人が選任されている場合にあっては管財人をいう。2
再生計画1再生債権者の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第百五十四条に規定する条項を定めた計画をいう。2
再生手続1次章以下に定めるところにより、再生計画を定める手続をいう。2
第三条(外国人の地位)

外国人又は外国法人は、再生手続に関し、日本人又は日本法人と同一の地位を有する。

第四条(再生事件の管轄)

この法律の規定による再生手続開始の申立ては、債務者が個人である場合には日本国内に営業所、住所、居所又は財産を有するときに限り、法人その他の社団又は財団である場合には日本国内に営業所、事務所又は財産を有するときに限り、することができる。

民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定により裁判上の請求をすることができる債権は、日本国内にあるものとみなす。

第五条

再生事件は、再生債務者が、営業者であるときはその主たる営業所の所在地、営業者で外国に主たる営業所を有するものであるときは日本におけるその主たる営業所の所在地、営業者でないとき又は営業者であっても営業所を有しないときはその普通裁判籍の所在地を管轄する地方裁判所が管轄する。

前項の規定による管轄裁判所がないときは、再生事件は、再生債務者の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所が管轄する。

前二項の規定にかかわらず、法人が株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法(平成十七年法律第八十六号)第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。次項、第五十九条第三項第二号及び第四項並びに第百二十七条の二第二項第二号イ及びロにおいて同じ。)の過半数を有する場合には、当該法人(以下この条及び第百二十七条の二第二項第二号ロにおいて「親法人」という。)について再生事件又は更生事件(以下この条において「再生事件等」という。)が係属しているときにおける当該株式会社(以下この条及び第百二十七条の二第二項第二号ロにおいて「子株式会社」という。)についての再生手続開始の申立ては、親法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、子株式会社について再生事件等が係属しているときにおける親法人についての再生手続開始の申立ては、子株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

子株式会社又は親法人及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親法人の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。

第一項及び第二項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の法人に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該株式会社について再生事件等が係属しているときにおける当該他の法人についての再生手続開始の申立ては、当該株式会社の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、当該他の法人について再生事件等が係属しているときにおける当該株式会社についての再生手続開始の申立ては、当該他の法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができる。

第一項及び第二項の規定にかかわらず、法人について再生事件等が係属している場合における当該法人の代表者についての再生手続開始の申立ては、当該法人の再生事件等が係属している地方裁判所にもすることができ、法人の代表者について再生事件が係属している場合における当該法人についての再生手続開始の申立ては、当該法人の代表者の再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

第一項及び第二項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者のうちいずれか一人について再生事件が係属しているときは、それぞれ当該各号に掲げる他の者についての再生手続開始の申立ては、当該再生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。

相互に連帯債務者の関係にある個人
相互に主たる債務者と保証人の関係にある個人
夫婦

第一項及び第二項の規定にかかわらず、再生債権者の数が五百人以上であるときは、これらの規定による管轄裁判所の所在地を管轄する高等裁判所の所在地を管轄する地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。

第一項及び第二項の規定にかかわらず、再生債権者の数が千人以上であるときは、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にも、再生手続開始の申立てをすることができる。

前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、再生事件は、先に再生手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。

第六条(専属管轄)

この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。

第七条(再生事件の移送)

裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、再生事件を次に掲げる裁判所のいずれかに移送することができる。

再生債務者の主たる営業所又は事務所以外の営業所又は事務所の所在地を管轄する地方裁判所
再生債務者の住所又は居所の所在地を管轄する地方裁判所
第五条第二項に規定する地方裁判所
次のイからハまでのいずれかに掲げる地方裁判所
第五条第三項から第九項までの規定によりこれらの規定に規定する地方裁判所に再生事件が係属しているときは、同条第一項又は第二項に規定する地方裁判所
第八条(任意的口頭弁論等)

再生手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。

裁判所は、職権で、再生事件に関して必要な調査をすることができる。

第九条(不服申立て)

再生手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。

第十条(公告等)

この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。

公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。

この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。

ただし、この法律の規定により公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。

この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。

前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。

第十一条(法人の再生手続に関する登記の嘱託等)

法人である再生債務者について再生手続開始の決定があったときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、再生手続開始の登記を再生債務者の本店又は主たる事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。

ただし、再生債務者が外国法人であるときは、外国会社にあっては日本における各代表者(日本に住所を有するものに限る。)の住所地(日本に営業所を設けた外国会社にあっては、当該各営業所の所在地)、その他の外国法人にあっては各事務所の所在地を管轄する登記所に嘱託しなければならない。

前項の再生債務者について第五十四条第一項、第六十四条第一項又は第七十九条第一項(同条第三項において準用する場合を含む。次項において同じ。)の規定による処分がされた場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該処分の登記を前項に規定する登記所に嘱託しなければならない。

前項の登記には、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める事項をも登記しなければならない。

前項に規定する第五十四条第一項の規定による処分の登記1監督委員の氏名又は名称及び住所並びに同条第二項の規定により指定された行為2
前項に規定する第六十四条第一項又は第七十九条第一項の規定による処分の登記1管財人又は保全管理人の氏名又は名称及び住所、管財人又は保全管理人がそれぞれ単独にその職務を行うことについて第七十条第一項ただし書(第八十三条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)の許可があったときはその旨並びに管財人又は保全管理人が職務を分掌することについて第七十条第一項ただし書の許可があったときはその旨及び各管財人又は各保全管理人が分掌する職務の内容2

第二項の規定は、同項に規定する処分の変更若しくは取消しがあった場合又は前項に規定する事項に変更が生じた場合について準用する。

第一項の規定は、同項の再生債務者につき次に掲げる事由が生じた場合について準用する。

再生手続開始の決定の取消し、再生手続廃止又は再生計画認可若しくは不認可の決定の確定
再生計画取消しの決定の確定(再生手続終了前である場合に限る。)
再生手続終結の決定による再生手続の終結

登記官は、第一項の規定により再生手続開始の登記をする場合において、再生債務者について特別清算開始の登記があるときは、職権で、その登記を抹消しなければならない。

登記官は、第五項第一号の規定により再生手続開始の決定の取消しの登記をする場合において、前項の規定により抹消した登記があるときは、職権で、その登記を回復しなければならない。

第六項の規定は、第五項第一号の規定により再生計画の認可の登記をする場合における破産手続開始の登記について準用する。

第十二条(登記のある権利についての登記等の嘱託)

次に掲げる場合には、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、当該保全処分の登記を嘱託しなければならない。

再生債務者財産(再生債務者が有する一切の財産をいう。以下同じ。)に属する権利で登記がされたものに関し第三十条第一項(第三十六条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分があったとき。
登記のある権利に関し第百三十四条の四第一項(同条第七項において準用する場合を含む。)又は第百四十二条第一項若しくは第二項の規定による保全処分があったとき。

前項の規定は、同項に規定する保全処分の変更若しくは取消しがあった場合又は当該保全処分が効力を失った場合について準用する。

裁判所書記官は、再生手続開始の決定があった場合において、再生債務者に属する権利で登記がされたものについて会社法第九百三十八条第三項(同条第四項において準用する場合を含む。)の規定による登記があることを知ったときは、職権で、遅滞なく、その登記の抹消を嘱託しなければならない。

前項の規定による登記の抹消がされた場合において、再生手続開始の決定を取り消す決定が確定したときは、裁判所書記官は、職権で、遅滞なく、同項の規定により抹消された登記の回復を嘱託しなければならない。

第三項の規定は、再生計画認可の決定が確定した場合において、裁判所書記官が再生債務者に属する権利で登記がされたものについて破産手続開始の登記があることを知ったときについて準用する。

第十三条(否認の登記)

登記の原因である行為が否認されたときは、監督委員又は管財人は、否認の登記を申請しなければならない。登記が否認されたときも、同様とする。

登記官は、前項の否認の登記に係る権利に関する登記をするときは、職権で、次に掲げる登記を抹消しなければならない。

当該否認の登記
否認された行為を登記原因とする登記又は否認された登記
前号の登記に後れる登記があるときは、当該登記

前項に規定する場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記(再生手続の関係において、その効力を主張することができるものに限る。第五項において同じ。)がされているときは、同項の規定にかかわらず、登記官は、職権で、当該否認の登記の抹消及び同号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。

裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生計画認可の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。

前項に規定する場合において、裁判所書記官から当該否認の登記の抹消の嘱託を受けたときは、登記官は、職権で、第二項第二号及び第三号に掲げる登記を抹消しなければならない。この場合において、否認された行為の後否認の登記がされるまでの間に、同項第二号に掲げる登記に係る権利を目的とする第三者の権利に関する登記がされているときは、登記官は、職権で、同項第二号及び第三号に掲げる登記の抹消に代えて、同項第二号に掲げる登記に係る権利の再生債務者への移転の登記をしなければならない。

裁判所書記官は、第一項の否認の登記がされている場合において、再生債務者について、再生手続開始の決定の取消し若しくは再生計画不認可の決定が確定したとき、又は再生計画認可の決定が確定する前に再生手続廃止の決定が確定したときは、職権で、遅滞なく、当該否認の登記の抹消を嘱託しなければならない。

第十四条(非課税)

前三条の規定による登記については、登録免許税を課さない。

第十五条(登録への準用)

前三条の規定は、登録のある権利について準用する。

第十六条(事件に関する文書の閲覧等)

利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。

利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。

前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。

前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、処分又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。

ただし、当該者が再生手続開始の申立人である場合は、この限りでない。

再生債務者以外の利害関係人1第二十六条第一項の規定による中止の命令、第二十七条第一項の規定による禁止の命令、第三十条第一項の規定による保全処分、第三十一条第一項の規定による中止の命令、第五十四条第一項若しくは第七十九条第一項の規定による処分、第百三十四条の四第一項の規定による保全処分、第百九十七条第一項の規定による中止の命令又は再生手続開始の申立てについての裁判2
再生債務者1再生手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは再生債務者を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、処分若しくは裁判2
第十七条(支障部分の閲覧等の制限)

次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、再生債務者の事業の維持再生に著しい支障を生ずるおそれ又は再生債務者の財産に著しい損害を与えるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した再生債務者等(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。以下この項及び次項において同じ。)、監督委員、調査委員又は個人再生委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び再生債務者等に限ることができる。

第四十一条第一項(第八十一条第三項において準用する場合を含む。)、第四十二条第一項、第五十六条第五項又は第八十一条第一項ただし書の許可を得るために裁判所に提出された文書等
第六十二条第二項若しくは第二百二十三条第三項(第二百四十四条において準用する場合を含む。)に規定する調査の結果の報告又は第百二十五条第二項若しくは第三項の規定による報告に係る文書等

前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び再生債務者等を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。

支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、再生裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。

第一項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

第十八条(民事訴訟法の準用)

特別の定めがある場合を除き、再生手続に関しては、その性質に反しない限り、民事訴訟法第一編から第四編までの規定(同法第八十七条の二の規定を除く。)を準用する。

第十九条(最高裁判所規則)

この法律に定めるもののほか、再生手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

第二十条

削除

第二章
第一節
第二十一条(再生手続開始の申立て)

債務者に破産手続開始の原因となる事実の生ずるおそれがあるときは、債務者は、裁判所に対し、再生手続開始の申立てをすることができる。債務者が事業の継続に著しい支障を来すことなく弁済期にある債務を弁済することができないときも、同様とする。

前項前段に規定する場合には、債権者も、再生手続開始の申立てをすることができる。

第二十二条(破産手続開始等の申立義務と再生手続開始の申立て)

他の法律の規定により法人の理事又はこれに準ずる者がその法人に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合においても、再生手続開始の申立てをすることを妨げない。

第二十三条(疎明)

再生手続開始の申立てをするときは、再生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。

債権者が、前項の申立てをするときは、その有する債権の存在をも疎明しなければならない。

第二十四条(費用の予納)

再生手続開始の申立てをするときは、申立人は、再生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。

費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第二十四条の二(意見の聴取)

裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は再生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、労働組合等(再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、再生債務者の使用人その他の従業者の過半数で組織する労働組合がないときは再生債務者の使用人その他の従業者の過半数を代表する者をいう。第二百四十六条第三項を除き、以下同じ。)の意見を聴かなければならない。

第二十五条(再生手続開始の条件)

次の各号のいずれかに該当する場合には、裁判所は、再生手続開始の申立てを棄却しなければならない。

再生手続の費用の予納がないとき。
裁判所に破産手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。
再生計画案の作成若しくは可決の見込み又は再生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。
不当な目的で再生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
第二十六条(他の手続の中止命令等)

裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続又は処分の中止を命ずることができる。

ただし、第二号に掲げる手続又は第五号に掲げる処分については、その手続の申立人である再生債権者又はその処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。

再生債務者についての破産手続又は特別清算手続
再生債権に基づく強制執行、仮差押え若しくは仮処分又は再生債権を被担保債権とする留置権(商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法の規定によるものを除く。)による競売(次条、第二十九条及び第三十九条において「再生債権に基づく強制執行等」という。)の手続で、再生債務者の財産に対して既にされているもの
再生債務者の財産関係の訴訟手続
再生債務者の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続
再生債権である共助対象外国租税(租税条約等の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律(昭和四十四年法律第四十六号。以下「租税条約等実施特例法」という。)第十一条第一項に規定する共助対象外国租税をいう。以下同じ。)の請求権に基づき国税滞納処分の例によってする処分(以下「再生債権に基づく外国租税滞納処分」という。)で、再生債務者の財産に対して既にされているもの

裁判所は、前項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第一項第二号の規定により中止した手続又は同項第五号の規定により中止した処分の取消しを命ずることができる。

第一項の規定による中止の命令、第二項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

第二十七条(再生債権に基づく強制執行等の包括的禁止命令)

裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項の規定による中止の命令によっては再生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、全ての再生債権者に対し、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等及び再生債権に基づく外国租税滞納処分の禁止を命ずることができる。

ただし、事前に又は同時に、再生債務者の主要な財産に関し第三十条第一項の規定による保全処分をした場合又は第五十四条第一項の規定若しくは第七十九条第一項の規定による処分をした場合に限る。

前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)が発せられた場合には、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分は、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、中止する。

裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。

裁判所は、再生債務者の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第二項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。

包括的禁止命令、第三項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

包括的禁止命令が発せられたときは、再生債権については、当該命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

第二十八条(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)

包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を再生債務者(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている再生債権者及び再生債務者(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。

包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、再生債務者に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。

前条第四項の規定による取消しの命令及び同条第五項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

第二十九条(包括的禁止命令の解除)

裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、再生債権に基づく強制執行等の申立人である再生債権者又は再生債権に基づく外国租税滞納処分を行う者(以下この項において「再生債権者等」という。)に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該再生債権者等の申立てにより、当該再生債権者等に対しては包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該再生債権者等は、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等又は再生債権に基づく外国租税滞納処分をすることができ、包括的禁止命令が発せられる前に当該再生債権者等がした再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分は、続行する。

前項の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十七条第七項の規定の適用については、同項中「当該命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十九条第一項の規定による解除の決定があった日」とする。

第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第一項の申立てについての裁判及び第三項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第三十条(仮差押え、仮処分その他の保全処分)

裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、再生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、再生債務者の業務及び財産に関し、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。

裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。

第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

裁判所が第一項の規定により再生債務者が再生債権者に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、再生債権者は、再生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。

ただし、再生債権者が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。

第三十一条(担保権の実行手続の中止命令)

裁判所は、再生手続開始の申立てがあった場合において、再生債権者の一般の利益に適合し、かつ、競売申立人に不当な損害を及ぼすおそれがないものと認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、相当の期間を定めて、第五十三条第一項に規定する再生債務者の財産につき存する担保権の実行手続の中止を命ずることができる。

ただし、その担保権によって担保される債権が共益債権又は一般優先債権であるときは、この限りでない。

裁判所は、前項の規定による中止の命令を発する場合には、競売申立人の意見を聴かなければならない。

裁判所は、第一項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。

第一項の規定による中止の命令及び前項の規定による変更の決定に対しては、競売申立人に限り、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第三十二条(再生手続開始の申立ての取下げの制限)

再生手続開始の申立てをした者は、再生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、第二十六条第一項の規定による中止の命令、包括的禁止命令、第三十条第一項の規定による保全処分、前条第一項の規定による中止の命令、第五十四条第一項若しくは第七十九条第一項の規定による処分、第百三十四条の四第一項の規定による保全処分又は第百九十七条第一項の規定による中止の命令がされた後は、裁判所の許可を得なければならない。

第二節
第三十三条(再生手続開始の決定)

裁判所は、第二十一条に規定する要件を満たす再生手続開始の申立てがあったときは、第二十五条の規定によりこれを棄却する場合を除き、再生手続開始の決定をする。

前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

第三十四条(再生手続開始と同時に定めるべき事項)

裁判所は、再生手続開始の決定と同時に、再生債権の届出をすべき期間及び再生債権の調査をするための期間を定めなければならない。

前項の場合において、知れている再生債権者の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第五項本文において準用する同条第三項第一号及び第三十七条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第百二条第一項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。

第三十五条(再生手続開始の公告等)

裁判所は、再生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。

ただし、第百六十九条の二第一項に規定する社債管理者等がないときは、第三号に掲げる事項については、公告することを要しない。

再生手続開始の決定の主文
前条第一項の規定により定めた期間
再生債務者が発行した第百六十九条の二第一項に規定する社債等について同項に規定する社債管理者等がある場合における当該社債等についての再生債権者の議決権は、同項各号のいずれかに該当する場合(同条第三項の場合を除く。)でなければ行使することができない旨

前条第二項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第五項本文において準用する次項第一号及び第三十七条本文の規定による知れている再生債権者に対する通知をせず、かつ、第百二条第一項に規定する届出再生債権者を債権者集会(再生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。

次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。

再生債務者及び知れている再生債権者
第五十四条第一項、第六十四条第一項又は第七十九条第一項前段の規定による処分がされた場合における監督委員、管財人又は保全管理人

前項の規定にかかわらず、再生債務者がその財産をもって約定劣後再生債権(再生債権者と再生債務者との間において、再生手続開始前に、当該再生債務者について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法(平成十六年法律第七十五号)第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあることが明らかであるときは、当該約定劣後再生債権を有する者であって知れているものに対しては、前項の規定による通知をすることを要しない。

第一項第二号、第三項第一号及び前項の規定は、前条第一項の規定により定めた再生債権の届出をすべき期間に変更を生じた場合について準用する。

ただし、同条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

第三十六条(抗告)

再生手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。

第二十六条から第三十条までの規定は、再生手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。

第三十七条(再生手続開始決定の取消し)

再生手続開始の決定をした裁判所は、前条第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、第三十五条第三項各号に掲げる者(保全管理人及び同条第四項の規定により通知を受けなかった者を除く。)にその主文を通知しなければならない。

ただし、第三十四条第二項の決定があったときは、知れている再生債権者に対しては、当該通知をすることを要しない。

第三十八条(再生債務者の地位)

再生債務者は、再生手続が開始された後も、その業務を遂行し、又はその財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第六十六条及び第八十一条第一項において同じ。)を管理し、若しくは処分する権利を有する。

再生手続が開始された場合には、再生債務者は、債権者に対し、公平かつ誠実に、前項の権利を行使し、再生手続を追行する義務を負う。

前二項の規定は、第六十四条第一項の規定による処分がされた場合には、適用しない。

第三十九条(他の手続の中止等)

再生手続開始の決定があったときは、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て、再生債務者の財産に対する再生債権に基づく強制執行等若しくは再生債権に基づく外国租税滞納処分又は再生債権に基づく財産開示手続若しくは第三者からの情報取得手続の申立てはすることができず、破産手続、再生債務者の財産に対して既にされている再生債権に基づく強制執行等の手続及び再生債権に基づく外国租税滞納処分並びに再生債権に基づく財産開示手続及び第三者からの情報取得手続は中止し、特別清算手続はその効力を失う。

裁判所は、再生に支障を来さないと認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、前項の規定により中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の続行を命ずることができ、再生のため必要があると認めるときは、再生債務者等の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、中止した再生債権に基づく強制執行等の手続又は再生債権に基づく外国租税滞納処分の取消しを命ずることができる。

再生手続開始の決定があったときは、次に掲げる請求権は、共益債権とする。

第一項の規定により中止した破産手続における財団債権(破産法第百四十八条第一項第三号に掲げる請求権を除き、破産手続が開始されなかった場合における同法第五十五条第二項及び第百四十八条第四項に規定する請求権を含む。)
第一項の規定により効力を失った手続のために再生債務者に対して生じた債権及びその手続に関する再生債務者に対する費用請求権
前項の規定により続行された手続に関する再生債務者に対する費用請求権

再生手続開始の決定があったときは、再生手続が終了するまでの間(再生計画認可の決定が確定したときは、第百八十一条第二項に規定する再生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に再生計画に基づく弁済が完了した場合又は再生計画が取り消された場合にあっては弁済が完了した時又は再生計画が取り消された時)までの間)は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。

ただし、当該罰金、科料又は追徴に係る請求権が共益債権である場合は、この限りでない。

第四十条(訴訟手続の中断等)

再生手続開始の決定があったときは、再生債務者の財産関係の訴訟手続のうち再生債権に関するものは、中断する。

前項に規定する訴訟手続について、第百七条第一項、第百九条第二項(第百十三条第二項後段において準用する場合を含む。)又は第二百十三条第五項(第二百十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債務者は、当然訴訟手続を受継する。

前二項の規定は、再生債務者の財産関係の事件のうち再生債権に関するものであって、再生手続開始当時行政庁に係属するものについて準用する。

第四十条の二(債権者代位訴訟等の取扱い)

民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条第一項、第四百二十三条の七若しくは第四百二十四条第一項の規定により再生債権者の提起した訴訟又は破産法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が再生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。

再生債務者等は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち、民法第四百二十三条第一項又は第四百二十三条の七の規定により再生債権者の提起した訴訟に係るものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

前項の場合においては、相手方の再生債権者に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。

第二項に規定する訴訟手続について同項の規定による受継があった後に再生手続が終了したときは、第六十八条第四項において準用する同条第二項の規定により中断している場合を除き、当該訴訟手続は中断する。

前項の場合には、再生債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

第二項に規定する訴訟手続が第六十八条第四項において準用する同条第二項の規定により中断した後に再生手続が終了した場合には、同条第四項において準用する同条第三項の規定にかかわらず、再生債権者において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。

第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項又は第百四十条第一項の規定による受継があるまでに再生手続が終了したときは、再生債権者又は破産管財人は、当該訴訟手続を当然受継する。

第四十一条(再生債務者等の行為の制限)

裁判所は、再生手続開始後において、必要があると認めるときは、再生債務者等が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。

財産の処分
財産の譲受け
借財
第四十九条第一項の規定による契約の解除
訴えの提起
和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
権利の放棄
共益債権、一般優先債権又は第五十二条に規定する取戻権の承認
別除権の目的である財産の受戻し
その他裁判所の指定する行為

前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。

ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

第四十二条(営業等の譲渡)

再生手続開始後において、再生債務者等が次に掲げる行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。この場合において、裁判所は、当該再生債務者の事業の再生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。

再生債務者の営業又は事業の全部又は重要な一部の譲渡
再生債務者の子会社等(会社法第二条第三号の二に規定する子会社等をいう。ロにおいて同じ。)の株式又は持分の全部又は一部の譲渡(次のいずれにも該当する場合における譲渡に限る。)

裁判所は、前項の許可をする場合には、知れている再生債権者(再生債務者が再生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後再生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後再生債権を有する者を除く。)の意見を聴かなければならない。

ただし、第百十七条第二項に規定する債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。

裁判所は、第一項の許可をする場合には、労働組合等の意見を聴かなければならない。

前条第二項の規定は、第一項の許可を得ないでした行為について準用する。

第四十三条(事業等の譲渡に関する株主総会の決議による承認に代わる許可)

再生手続開始後において、株式会社である再生債務者がその財産をもって債務を完済することができないときは、裁判所は、再生債務者等の申立てにより、当該再生債務者の会社法第四百六十七条第一項第一号から第二号の二までに掲げる行為(以下この項及び第八項において「事業等の譲渡」という。)について同条第一項に規定する株主総会の決議による承認に代わる許可を与えることができる。

ただし、当該事業等の譲渡が事業の継続のために必要である場合に限る。

前項の許可(以下この条において「代替許可」という。)の決定があった場合には、その裁判書を再生債務者等に、その決定の要旨を記載した書面を株主に、それぞれ送達しなければならない。

代替許可の決定は、前項の規定による再生債務者等に対する送達がされた時から、効力を生ずる。

第二項の規定による株主に対する送達は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が再生債務者に通知した場所にあてて、書類を通常の取扱いによる郵便に付し、又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第六項に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項に規定する信書便の役務を利用して送付する方法によりすることができる。

前項の規定による送達をした場合には、その郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律第二条第三項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)が通常到達すべきであった時に、送達があったものとみなす。

代替許可の決定に対しては、株主は、即時抗告をすることができる。

前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

代替許可を得て再生債務者の事業等の譲渡をする場合には、会社法第四百六十九条及び第四百七十条の規定は、適用しない。

第四十四条(開始後の権利取得)

再生手続開始後、再生債権につき再生債務者財産に関して再生債務者(管財人が選任されている場合にあっては、管財人又は再生債務者)の行為によらないで権利を取得しても、再生債権者は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。

再生手続開始の日に取得した権利は、再生手続開始後に取得したものと推定する。

第四十五条(開始後の登記及び登録)

不動産又は船舶に関し再生手続開始前に生じた登記原因に基づき再生手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、再生手続の関係においては、その効力を主張することができない。

ただし、登記権利者が再生手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。

前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。

第四十六条(開始後の手形の引受け等)

為替手形の振出人又は裏書人である再生債務者について再生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、再生債権者としてその権利を行うことができる。

前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。

第四十七条(善意又は悪意の推定)

前二条の規定の適用については、第三十五条第一項の規定による公告(以下「再生手続開始の公告」という。)前においてはその事実を知らなかったものと推定し、再生手続開始の公告後においてはその事実を知っていたものと推定する。

第四十八条(共有関係)

再生債務者が他人と共同して財産権を有する場合において、再生手続が開始されたときは、再生債務者等は、共有者の間で分割をしない定めがあるときでも、分割の請求をすることができる。

前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って再生債務者の持分を取得することができる。

349条の本則 / 35条の附則