学校教育法 第30条
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- 小学校における教育は、前条に規定する目的を実現するために必要な程度において第二十一条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
- 2.前項の場合においては、生涯にわたり学習する基盤が培われるよう、基礎的な知識及び技能を習得させるとともに、これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力をはぐくみ、主体的に学習に取り組む態度を養うことに、特に意を用いなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 学校教育法第30条は、日本の学校教育法に含まれる条文です。
- 学校教育法第30条の条文原文は「小学校における教育は、前条に規定する目的を実現するために必要な程度において第二十一条各号に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。」で始まります。
- 学校教育法第30条は第四章 小学校に置かれています。
- 学校教育法の公布日は昭和22年3月31日です。
- 学校教育法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 学校教育法第30条の前の条は学校教育法第29条です。
- 学校教育法第30条の次の条は学校教育法第31条です。
- 学校教育法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000026 - 本サイト収録
学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000026/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点学校教育法30条は小学校教育の目標を定め、2項で基礎的な知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度という学力の三要素の育成を学校に求める。
Q · 通知表の三つの観点って、学校が勝手に決めたものなの?
違います。学校教育法30条2項が三観点の大元です
通知表の「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の三観点は、学校教育法30条2項が定める学力の三要素に由来します。平成19年(2007年)の改正でこの三要素が条文に書き込まれ、学習指導要領と指導要録を通じて通知表の観点に反映されています。2項は49条で中学校、62条で高等学校にも準用されます。
解説
通知表に並ぶ「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」という三つの観点は、学校が独自に考えた評価軸ではない。出どころは学校教育法30条2項である。平成19年(2007年)の改正で、「基礎的な知識及び技能」「これらを活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表現力その他の能力」「主体的に学習に取り組む態度」の三つが条文に書き込まれた。いわゆる「学力の三要素」である。ここから学習指導要領(文部科学大臣が告示する教育課程の基準)、指導要録(学校が保存する公式の成績記録)、通知表へと、一本の線でつながっている。1項は、小学校の教育を29条の目的と21条の義務教育目標に結びつけている。2項は、この三つに「特に意を用いなければならない」と、学校にはっきり義務を課している。つまり「うちの子は計算は速いのに、なぜ評価が伸びないのか」という問いの答えは、条文の構造にすでに書かれている。三つのうち一つだけ伸ばしても、法律が描く学力にはならない。仕組みが分かれば、担任との面談で聞くべきことも変わる。
法的な位置づけ
学校教育法30条は、小学校における教育の目標を定める規定である。1項は、小学校教育が29条に定める目的の実現に必要な程度において21条各号の義務教育目標を達成するよう行われるべきことを定める。2項は、基礎的な知識及び技能の習得、思考力・判断力・表現力等の育成、主体的に学習に取り組む態度の涵養に特に意を用いる義務を学校に課す。
よくある質問 AI による整理
Q1学力の三要素とは何ですか?
基礎的な知識・技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度の三つです。学校教育法30条2項に明記され、学習指導要領の「三つの柱」の土台になっています。
Q2学校教育法30条はいつ改正されましたか?
平成19年(2007年)の改正で現行の形になりました。前年の教育基本法全部改正を受けて小学校の目標規定が再編され、2項に学力の三要素が書き込まれました。
Q3観点別評価はなぜ3観点なのですか?
平成29年改訂の学習指導要領が資質・能力を三つの柱で整理し、評価の観点もそれに合わせて3観点に整理されたためです。その源は学校教育法30条2項の三要素です。
Q4指導要録は開示請求できますか?
個人情報保護制度に基づき、本人(未成年の子については法定代理人)が開示を請求できます。観点別評価や評定は開示が認められた例がある一方、所見欄は非開示とされることもあります。
Q5指導要録の保存期間はいつまで?
学校教育法施行規則28条2項により、学籍に関する記録は20年、指導に関する記録は5年です。期間を過ぎると廃棄されうるため、確認は早めに行うのが安全です。
Q6学校教育法30条は中学校や高校にも適用されますか?
2項は49条で中学校、62条で高等学校に準用されます。学力の三要素は小学校から高校まで一貫して求められる教育目標です。
Q7学校教育法21条と30条の違いは?
21条は義務教育全体の目標を各号で列挙する規定です。30条は小学校でそれをどの程度達成するかと、特に重視すべき学力の三要素を定めます。
Q8学校が学力の三要素を軽視したら違法ですか?
30条2項は「特に意を用いなければならない」と学校に義務を課していますが、違反への罰則はありません。是正は教育委員会の指導や学習指導要領の運用を通じて図られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1通知表の「主体的に学習に取り組む態度」って、結局は先生の好みじゃないの?
建前上はそうではない。30条2項は態度を「養う」対象として定めており、評価は国の通知に沿って、粘り強い取組と学習の自己調整の二つの側面で見る整理になっている。実務のポイント:態度の評価は単独で決まるより、他の二観点と大きく食い違わないよう運用されることが多い。知識と思考が A なのに態度だけ C という結果は、学校内でも説明が必要な組み合わせとされやすい。面談ではその食い違いを具体的に尋ねるとよい
Q2学習指導要領って法律じゃないんでしょ? 先生は無視してもいいの?
学習指導要領は法律ではなく、文部科学大臣の告示である。ただ、学校教育法33条と施行規則52条に根拠があり、最高裁は伝習館高校事件(最判平成2.1.18)で、法規としての性質を持つと判断した。実務のポイント:旭川学テ事件(最大判昭和51.5.21)は、国が定める教育内容の基準は「大綱的」なものにとどめるべきとしている。指導要領は守らなければならないが、授業の進め方まで一字一句縛るものではない。この幅が教師の工夫の余地になっている
間違えやすい点 AI による整理
- 「主体的に学習に取り組む態度」は、授業中によく手を挙げる子が高評価になる項目だと思われがちである。だが中央教育審議会の報告(平成31年(2019年))は、挙手の回数やノートの取り方といった、性格や行動面の傾向だけで評価するのは適当でないとしている。見るのは、粘り強く取り組んでいるか、自分の学習を調整しようとしているか、という側面である
- 法律は学校の「枠組み」を決めるだけで、どんな学力を育てるかという中身は現場任せだ、という前提そのものがずれている。30条2項は、育てる能力を三つに分けて名指しし、「特に意を用いなければならない」とまで書いている。教育の中身にここまで踏み込んだ条文は珍しく、学習指導要領が繰り返し「三つの柱」を掲げるのは、この条文を具体化しているからである
- この条文は小学校だけの話だと考えがちだが、影響はもっと遠くまで届く。49条で中学校に、62条で高等学校に準用されるので、三要素はそのまま高校まで続く。高大接続改革で大学入試が「学力の三要素」を多面的に評価すると打ち出したのも、この延長線上にある。小学校の通知表の見方を知らない家庭は、大学入試の設計を知らないまま12年を過ごすことになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 学校教育法30条:小学校教育の目標と学力の三要素 | 学校教育法29条:小学校の目的(基礎的な普通教育) 学校教育法21条:義務教育の目標(各号列挙) |
| 適用範囲 | 小学校(2項は49条で中学校、62条で高校に準用) | 小学校 義務教育段階の学校全体 |
| 学校への要請 | 三要素の育成に「特に意を用いなければならない」 | 心身の発達に応じた基礎的な普通教育を施す 各号に掲げる目標を達成するよう行う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は徳・智・体・群・美の五育均衡を国民教育の宗旨として掲げ、日本の三要素のように学力を分析的に法定する形はとらない
韓国は初等学校の目的を「国民生活に必要な基礎的な初等教育」と簡潔に定め、育成すべき能力の詳細は国家教育課程に委ねる
ドイツは教育が州の権限であり、学校の教育目標は各州の学校法で定められる。連邦レベルの統一的な学力定義はない
米国は連邦法が州に学力基準の策定を求める枠組みで、育成すべき能力の中身は州ごとに定められる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 通知表の算数で「知識・技能」は A なのに、「主体的に学習に取り組む態度」だけ C。もしその理由を担任に聞いたら、どんな答えが返ってくるのか? 根拠になるのは指導要録の観点別評価であり、その観点の大元は30条2項にある。「態度」は挙手の回数で測るものではない、というのが文部科学省側の整理である
- 担任として、保護者から「うちの子だけ態度の評価が低いのは先生の好き嫌いだ」と抗議を受けた。評価の根拠を観点ごとに説明できる記録がなければ、言い返す材料がない。押さえておくべきは、法律が求めているのは「主体的に学習に取り組む態度を養う」ことであり、子どもの性格を採点することではないという点である
- 中学受験の塾には通わせているが、学校の授業は「ゆるい」と感じている保護者。だが公立中高一貫校の適性検査は、思考力・判断力・表現力をみる設計になっていることが多い。30条2項が描く学力は、塾の暗記型とは別の土俵にある
- 卒業から5年が過ぎると、指導要録のうち指導に関する記録は保存期間を満たし、廃棄されうる。評価に納得できず開示を求めるなら、残された時間は思っているより短い
取るべき行動
被害を受けた側:1. 通知表の観点別評価のうち、納得できない観点と教科を特定する2. 個人面談で、その観点の評価に使われた具体的な課題やテスト、記録を尋ねる3. 説明が不十分なら、指導要録の開示を請求する。公立校なら個人情報保護法に基づく本人開示請求(未成年の子については法定代理人として親が請求できる)、私立校なら同法の保有個人データ開示請求が手段になる。判例上、指導要録の観点別評価や評定の部分は開示が認められた例があるが、所見欄は非開示とされることがある4. 学校の対応に問題があれば、教育委員会に相談する
訴えられた側:1. 観点ごとに評価の根拠(課題、テスト、振り返りシートなど)を記録し、すぐに示せるようにしておく2. 「態度」は挙手の回数や性格ではなく、粘り強さと学習の自己調整で見ていることを、保護者に分かる言葉で説明する3. 評価規準は学年や学校で事前に共有し、担任一人の判断に見えないよう組織的に運用する4. 開示請求があっても慌てず、所見部分の扱いを含めて管理職と教育委員会に相談する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。ただし指導要録は、学籍に関する記録が20年、指導に関する記録が5年の保存期間とされている(学校教育法施行規則28条2項)。公立校への個人情報開示請求は、原則として請求から30日以内に開示決定等がなされる(個人情報の保護に関する法律83条)(最新の改正状況をご確認ください)
学説
大綱的基準説(判例・通説):30条2項とこれを具体化する学習指導要領は、全国的な教育水準の確保に必要な大綱的基準として拘束力を持つが、授業の具体的な方法まで細かく縛るものではなく、教師の創意工夫の余地を前提とすると解する。
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正 前年の教育基本法全部改正を受けた学校教育法の大改正で、小学校の目標規定が再編され、現行30条となった。2項には、基礎的な知識及び技能、思考力・判断力・表現力等、主体的に学習に取り組む態度、のいわゆる学力の三要素が書き込まれた
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 改正:前年の教育基本法全部改正を受けた学校教育法の大改正で、小学校の目標規定が再編され、現行30条となった。2項に学力の三要素が明文化された。
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