生活保護法 第20条(職権の委任)
クイックジャンプ
都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。
この条文の基本情報
職権の委任とは何ですか?
定義職権の委任とは、生活保護法第20条に定められた規定で、「都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 生活保護法第20条(職権の委任)は、日本の生活保護法に含まれる条文です。
- 生活保護法第20条の条文原文は「都道府県知事は、この法律に定めるその職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することができる。」で始まります。
- 生活保護法第20条は第四章 保護の機関及び実施に置かれています。
- 生活保護法の公布日は昭和25年5月4日です。
- 生活保護法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 生活保護法第20条の前の条は生活保護法第19条です。
- 生活保護法第20条の次の条は生活保護法第21条です。
- 生活保護法第20条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第20条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000144 - 本サイト収録
生活保護法(昭和二十五年法律第百四十四号)第20条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/325AC0000000144/20
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点生活保護法20条は、都道府県知事が同法上の職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任できると定める。委任できるのは一部に限られ、委任先も知事の管理下の行政庁に限られる。
Q · 生活保護の通知書が知事ではなく福祉事務所長の名前で来るのはなぜ?
知事が権限の一部を所長に委任できるから
生活保護法20条により、都道府県知事は同法に定める職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任できます。保護の決定・実施の事務については19条4項に専用の委任規定があります。委任を受けた福祉事務所長などは自分の名前で処分を行うため、通知書の差出人欄に記載された行政庁が実際の決定者です。不服申立ての際は、通知書の教示欄で提出先と期限を確認することが重要です。
解説
生活保護の通知書で最初に見るべきは、金額欄ではなく差出人欄である。そこには「○○県知事」ではなく「○○福祉事務所長」と書かれていることが多い。理由は本条にある。都道府県知事は、生活保護法で自分に与えられた職権の一部を、県の管理下にある行政庁に委任できる。委任とは、権限そのものを移すことだ。単に仕事を手伝わせるのとは違う。移された側は自分の名前で決定を出し、その決定の法的責任も負う。なお、保護を決めて実施する事務の委任は19条4項に専用の規定がある。本条は、知事がこの法律で持つ職権全般を委任するための一般規定である。この仕組みを知っていれば、窓口で「県が決めたことなので」と言われても、実際に決めたのが誰なのかを通知書から確かめられる。不服を申し立てるときに相手を取り違えず、担当者の言葉ではなく文書を基準に動ける。
法的な位置づけ
生活保護法20条は、都道府県知事の職権の委任に関する一般規定であり、知事が同法に定める職権の一部を、その管理に属する行政庁に委任することを認める。委任は権限そのものの移転であり、受任した行政庁は自己の名と責任で権限を行使する。保護の決定・実施事務の委任を定める同法19条4項とは適用範囲が異なる。
よくある質問 AI による整理
Q1生活保護法20条とは何ですか?
都道府県知事が生活保護法上の職権の一部を、県の管理下にある行政庁に委任できると定めた規定です。福祉事務所長などが自分の名前で処分を出す根拠になります。
Q2生活保護の決定は誰がしているのですか?
通知書の差出人欄に記載された行政庁が決定者です。町村部では県の福祉事務所長、市部では市の福祉事務所長であることが多く、委任により権限が移っています。
Q3権限の委任と事務の補助の違いは?
委任は権限そのものが移り、受任者が自己の名で処分し責任を負います。補助は権限者の名で職員が事務を手伝うだけで、決定の名義は元の権限者のままです。
Q4福祉事務所長の決定に県庁は口出しできますか?
委任した範囲では、行政法の一般的な理解として知事は自ら権限を行使しなくなります。知事は監督や審査請求の審理を通じて関与する形になります。
Q5生活保護の審査請求の期限はいつまで?
原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して3か月以内です(行政不服審査法18条)。通知書を受け取った日を記録しておくことが大切です。
Q6知事は生活保護の権限を全部委任できますか?
本条で委任できるのは職権の「一部」に限られます。保護の決定・実施の事務については、19条4項が別に委任の根拠を定めています。
Q7どの権限が委任されているか調べる方法は?
各都道府県の事務委任規則や公報に記載されています。県のホームページや例規集で「事務委任規則 生活保護」と検索すると確認できます。
Q8委任先の「管理に属する行政庁」とは?
知事の管理下にある県の行政機関の長を指し、県が設置する福祉事務所の長などが典型です。県の管理下にない市町村長などは本条の委任先に含まれません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1県の福祉事務所の決定に文句があるとき、県庁に言えばいいんですか?
正式な不服申立ては、県庁の窓口に苦情を言うことではなく、審査請求である。生活保護法64条により、保護の決定や実施に関する処分への審査請求は知事に対して行う。提出先は通知書の教示欄に書かれている。実務のポイント:審査請求書は処分庁である福祉事務所を経由して出すこともできる(行政不服審査法21条)。窓口の職員は自分から教えないことが多いが、手元の事務所に出して受付印をもらえば、その日に期限を止められる
Q2市に住んでいる場合も、この20条が関係するんですか?
直接の関係は薄い。市長が保護の決定や実施を福祉事務所長に任せる根拠は19条4項であり、本条は都道府県知事の職権についての規定である。町村部で県の福祉事務所が担当している人や、県の指導を受ける医療機関や施設にとって意味が大きい。実務のポイント:誰に何が委任されているかは、各都道府県の規則や公報に書いてある。ネットで「○○県 事務委任規則 生活保護」と検索すると、窓口の説明より正確な配線図が見つかる
間違えやすい点 AI による整理
- 「福祉事務所は県の手足にすぎず、本当に決めているのは県庁だ」と思われがちだが、委任されるのは権限そのものである。委任を受けた行政庁は自分の名前で処分を出し、行政法の一般的な理解では、委任した側はその範囲で自分では権限を使わなくなる。県庁に直談判しても、筋が違うと返されやすいのはこのためだ
- 「間違った相手に不服を申し立てたら終わりだ」と身構える人もいるが、問いの立て方がずれている。行政不服審査法には、誤った教示や申立先の取り違えを救済する仕組みがある。本当に怖いのは宛先の間違いではなく、たらい回しにされているうちに3か月の期限を過ぎてしまうことだ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 委任する者 | 生活保護法20条:都道府県知事 | 生活保護法19条4項:保護の実施機関(知事・市長・福祉事務所を設置する町村長) 生活保護法64条:委任の有無を前提に審査請求先を定める |
| 委任の対象 | 同法に定める知事の職権の一部(一般規定) | 保護の決定及び実施に関する事務 委任の対象ではなく、処分に対する審査請求の審査庁を定める |
| 委任先 | 知事の管理に属する行政庁 | 実施機関の管理に属する行政庁 該当なし(審査庁は都道府県知事) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では行政機関の権限委任は行政程序法の一般規定で規律され、委任には法規の根拠と公告が求められる
韓国も法令に基づく権限の委任・委託を一般規定で認め、詳細は大統領令で定める
ドイツの社会扶助は郡・郡独立市が担い、州法により郡所属の市町村に実施を委ねる仕組みがある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 町村部に住む母親の生活保護が打ち切られた。通知書の差出人は県の福祉事務所長になっていた。役場に電話すると「うちの判断ではない」と言われ、県庁に電話すると「現地の事務所に聞いてほしい」と言われた。どちらも嘘は言っていない。本条と19条4項による委任で、決定権が福祉事務所長に移っているからだ。審査請求の期限は、処分があったことを知った日の翌日から3か月である。このたらい回しで一週間が過ぎた
- 医療扶助を受ける患者を診るクリニックに、県から指導や検査の連絡が来たら、相手は誰の権限で動いているのか。本庁ではなく出先機関の名前で書面が届くこともある。知事の職権が委任されている場合、その機関は自分の権限で動いている。どこまで委任されているかは各都道府県の規則で決まる
学説
行政法の一般的理解:権限の委任は法令の根拠を要し、委任により権限は受任者に移転する。受任者は自己の名で権限を行使し、委任者は委任した範囲で自ら当該権限を行使できなくなると解されている
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和25年(1950年) 新設:現行生活保護法(昭和25年法律第144号)の制定とともに設けられた
- 生活保護法 第19条実施機関と保護事務の委任(4項)
- 生活保護法 第21条社会福祉主事を補助機関とする
- 生活保護法 第64条知事を審査請求の審査庁とする
- 地方自治法 第153条長の権限委任の一般規定
- 社会福祉法 第14条委任先となる福祉事務所の設置根拠
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める