土地収用法 第139条(土石砂れきを収用する場合の効果の特例)
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- 第七条の規定によつて土石砂れきを収用する場合においては、起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土石砂れきを採取する権利を取得し、当該土石砂れきの属する土地に関するその他の権利は、その採取に支障を及ぼす限度において、行使することができない。
- 2.前項の場合においては、土石砂れきの属する土地の所有者及び関係人その他当該土地に関して権利を有する者は、明渡裁決において定められた明渡しの期限までに、当該土地を起業者に引き渡さなければならない。
この条文の基本情報
土石砂れきを収用する場合の効果の特例とは何ですか?
定義土石砂れきを収用する場合の効果の特例とは、土地収用法第139条に定められた規定で、「第七条の規定によつて土石砂れきを収用する場合においては、起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土石砂…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第139条(土石砂れきを収用する場合の効果の特例)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第139条の条文原文は「第七条の規定によつて土石砂れきを収用する場合においては、起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期において、裁決で定められたところにより、当該土石砂…」で始まります。
- 土地収用法第139条は第十一章に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第139条の前の条は土地収用法第138条です。
- 土地収用法第139条の次の条は土地収用法第139条の2です。
- 土地収用法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第139条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/139
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法139条は、土石砂れき収用で起業者が採取権を取得し、土地の所有権等は存続するが、採取に支障を及ぼす限度で行使できないと定める。
Q · 土地の土砂だけを収用されたら、土地の所有権はどうなるの?
所有権は残るが、採取の邪魔になる範囲では使えない
土地収用法139条1項により、土石砂れきの収用で起業者が取得するのは、権利取得裁決で定められた時期に土石砂れきを「採取する権利」だけです。通常の収用(101条)のように所有権が移転し他の権利が消滅することはありません。ただし所有権や賃借権・抵当権などは、採取に支障を及ぼす限度で行使できなくなります。さらに同条2項により、所有者・関係人等は明渡裁決で定められた期限までに土地を起業者へ引き渡さなければなりません。
解説
山を削って堤防やダムの盛土に使う公共事業では、起業者(事業を行う国・自治体・事業者)が狙うのは土地そのものではなく、そこに眠る土・石・砂・砂利だけ、という場面がある。土地収用法7条はその「中身だけの収用」を認め、本条はその効果を定めた特例だ。ポイントは三つある。第一に、起業者が権利取得裁決(収用委員会が、どの権利をいつ起業者に移すかを決める決定)で手に入れるのは、土石砂れきを「採取する権利」であり、土地の所有権ではない。通常の土地収用(101条)なら所有権が丸ごと移り、他の権利は消える。本条ではあなたの所有権も、抵当権や賃借権などの権利も残る。ただし、採取の邪魔になる範囲では使えない。第二に、残るとはいえ、明渡裁決(引き渡しの期限を決める決定)で決まった期限までに、所有者だけでなく借地人などの関係人も、土地を起業者に引き渡さなければならない。第三に、採取が終わったとき地形は元に戻らない。名義は自分のままでも、価値は大きく変わりうる。だから争うべきは「所有権を守れるか」ではない。採取の範囲と方法が裁決でどう書かれているか、そして削られた後の土地の価値低下まで補償に反映されているか、の二点である。
法的な位置づけ
土地収用法139条は、土石砂れき収用の効果を定める規定である。起業者は権利取得裁決で定められた時期に、裁決の定めに従って土石砂れきを採取する権利を取得する。土地の所有権その他の権利は消滅せず、採取に支障を及ぼす限度で行使が制限される。土地の所有者及び関係人等は、明渡裁決で定められた期限までに土地を起業者に引き渡す義務を負う。
よくある質問 AI による整理
Q1土石砂れきの収用とは何ですか?
公共事業に必要な土・石・砂・砂利だけを、土地から切り離して収用する制度です。根拠は土地収用法7条で、効果は同法139条が定めます。
Q2土砂の収用で抵当権は消えますか?
消えません。139条1項により土地に関するその他の権利は存続し、採取に支障を及ぼす限度で行使が制限されるだけです。ただし担保価値の低下は避けられません。
Q3土石砂れき収用の明渡しはいつまで?
明渡裁決で定められた明渡しの期限までです(139条2項)。権利取得の時期とは別に定められるため、両方の日付を裁決書で確認する必要があります。
Q4土砂を採取された後の土地は元に戻してもらえる?
139条自体は原状回復を定めていません。採取後の形状や法面処理は裁決の内容と補償交渉で扱われるため、審理段階で具体的に意見を出すことが重要です。
Q5土砂収用の補償額に不服があるときは?
裁決書の正本の送達を受けた日から6か月以内に、損失補償に関する訴えを提起できます(土地収用法133条)。審査請求では補償額の不服は主張できません。
Q6土地収用で土砂だけ取られるのは違法?
違法ではありません。土地収用法7条が事業に必要な土石砂れきの収用を認めており、事業認定と収用委員会の裁決という手続を経て行われます。
Q7借地人も土砂収用で土地を明け渡す必要がある?
あります。139条2項は所有者だけでなく関係人その他土地に権利を持つ者にも引渡義務を課しています。賃借権自体は存続します。
Q8土砂収用後も固定資産税はかかる?
所有権が残るため課税は続きます。採取で地形や利用状況が変わった場合は、評価の見直しを市町村に相談・申し出ることが考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1土砂を取られた後、その土地って誰のものなんですか?
所有権はあなたに残ります。本条1項で起業者が取得するのは「採取する権利」に限られ、通常の収用のように所有権が移る(101条)わけではありません。実務のポイント:名義が残る分、固定資産税の負担も残ります。採取後の地目や評価の変更を市町村に申し出なければ、削られた山に元の評価額で課税され続けることもあります
Q2借りてるだけの土地なのに、立ち退かなきゃいけないんですか?
本条2項により、所有者だけでなく関係人やその他の権利者も、明渡しの期限までに土地を起業者へ引き渡す義務を負います。賃借権自体は消えませんが、採取に支障がある範囲では行使できません。実務のポイント:関係人も移転料などの補償を受けられる立場にあります。地主任せにせず、収用委員会に自分名義で損失を申し出ることで、補償を受けられるかどうかが分かれます
間違えやすい点 AI による整理
- 「所有権が残るなら大した損害ではない」と考えがちだが、それは逆だ。土石砂れきを採取された土地は形状が変わり、宅地や農地としての使い道を失うことがある。名義が残る分、損失は登記簿に表れず、交渉で主張しなければ補償から漏れやすい
- 収用は「所有者と国の問題」だと思われているが、本条2項の引渡義務は所有者だけでなく、関係人(借地人、抵当権者など)やその他その土地に権利を持つ者全員にかかる。借りているだけの人も、明渡しの期限を守らなければ代執行(102条の2)の対象になりうる
- 「土砂を取られるのを止められるか」と問う人が多いが、裁決が出た段階では、その問いの立て方自体がずれている。勝負所は事業認定と裁決手続の中で、採取の範囲・時期・補償額をどう特定させるかにある。裁決後は、補償額の増額を求める訴え(133条)が主な戦場になる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 起業者が取得するもの | 139条:土石砂れきを採取する権利のみ | 101条:土地の所有権(通常の収用) 7条:収用対象として土石砂れきを認める根拠 |
| 所有権・他の権利の運命 | 存続する。採取に支障を及ぼす限度で行使不可 | 所有権は起業者に移転し、他の権利は原則消滅 効果は定めず、139条に委ねる |
| 引渡義務 | 所有者・関係人等が明渡裁決の期限までに土地を引き渡す | 102条:明渡裁決に基づく引渡し・物件移転の原則 102条の2:義務不履行時の代執行 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では土地徴収は原則として土地そのものを対象とし、土石の採取は土石採取法の許可制で規律される。土石だけを公用徴収する日本型の特則は見当たらない
韓国の土地補償法も、土地に属する土・石・砂・砂利に関する権利を取得・使用の対象として明示しており、日本法と発想が近い
フランスでは公共工事のための一時占用制度の中で資材の採取が規律され、所有権を移さずに資材を確保する点で本条と機能的に共通する
米国では eminent domain により所有権の全部または一部の権利を収用でき、正当な補償が要求される。土砂に特化した連邦規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 相続した山林に、県から「河川改修の築堤用土砂として採取したい」という通知が届いた。土地を売る話かと思ったら、欲しいのは土砂だけだという。所有権は自分に残る。では、削り取られた後の斜面の崩落リスクは誰が負うのか?
- あなたは採石場の隣地を借りて資材置場にしている賃借人だ。地主の土地に土石砂れきの収用裁決が出た。賃借権は消えない。ただし採取に支障がある限度で使えなくなり、明渡しの期限までに資材を撤去しなければならない。期限まで残り3週間しかない
- 自治体の担当者として、ダム工事の盛土材を近くの民有地から確保する計画を立てている。土地を丸ごと買収するより土石砂れきの収用の方が補償額を抑えられそうだ。だが裁決書で採取の範囲と深さを特定しなければ、後で「どこまで削ってよいのか」をめぐって必ず揉める
- 土地に抵当権をつけて事業資金を借りている。その土地の砂利が収用された。抵当権は残るが、担保価値は確実に下がる。銀行から追加担保を求められる可能性がある
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁決申請書と添付図面を入手し、採取の範囲・深さ・期間を確認する2. 土地家屋調査士や不動産鑑定士に、採取後の土地の形状と価値低下を試算させる3. 収用委員会の審理で、法面保護や排水措置、残地の利用可能性への影響について意見を出す4. 抵当権者や賃借人がいれば早めに情報を共有し、各自の補償請求の要否を整理する5. 裁決後の補償額に不満があれば、期限内に損失補償の訴えを検討する
訴えられた側:起業者側で採取する立場にあるなら、裁決申請の段階で採取の範囲と方法を図面で特定し、残る権利の行使を制限する範囲を明確にしておく。関係人として引渡しを求められた側なら、明渡し期限を手帳に記入し、移転にかかる費用の補償を収用委員会に主張する。期限を無視すると代執行(102条の2)の対象となり、費用を請求される可能性がある
時効(請求できる期限):収用委員会の裁決に関する取消訴訟は、裁決書の正本の送達を受けた日から3か月以内。損失補償に関する訴えは6か月以内(土地収用法133条)。国土交通大臣への審査請求は、裁決書の正本の送達を受けた日の翌日から起算して30日以内(同法129条)。ただし審査請求では損失補償についての不服を理由にできない(同法132条2項)。引渡しは明渡裁決で定められた明渡しの期限まで(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:土石砂れき収用は、事業に必要な限度でのみ権利を取得させる点で、収用を必要最小限にとどめる考え方の表れとされる。存続する権利の行使制限や残る土地の価値低下は、損失補償によって調整されるべきものと理解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定。旧土地収用法(明治33年)を全面的に改め、日本国憲法の下での収用制度として再構築された。
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