土地収用法 第95条(権利取得裁決に係る補償の払渡し又は供託等)
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- 起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金、加算金及び過怠金(以下「補償金等」という。)の払渡、替地の譲渡及び引渡又は第八十六条第二項の規定に基く宅地の造成をしなければならない。
- 2.起業者は、次に掲げる場合においては、前項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに補償金等を供託することができる。
- 一補償金等の提供をした場合において、補償金等を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
- 二補償金等を受けるべき者が補償金等を受領することができないとき。
- 三起業者が補償金等を受けるべき者を確知することができないとき。ただし、起業者に過失があるときは、この限りでない。
- 四起業者が収用委員会の裁決した補償金等の額に対して不服があるとき。
- 五起業者が差押え又は仮差押えにより補償金等の払渡しを禁じられたとき。
- 3.前項第四号の場合において補償金等を受けるべき者の請求があるときは、起業者は、自己の見積金額を払い渡し、裁決による補償金等の額との差額を供託しなければならない。
- 4.起業者は、第四十八条第五項の規定による裁決があつた場合においては、第一項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに、その裁決においてあるものとされた権利に係る補償金等(その裁決において併存し得ない二以上の権利があるものとされた場合においては、それらの権利に対する補償金等のうち最高額のもの)を供託しなければならない。裁決手続開始の登記前に仮登記又は買戻しの特約の登記がされた権利に係る補償金等についても、同様とする。
- 5.起業者は、次に掲げる場合においては、第一項の規定にかかわらず、権利取得の時期までに替地を供託することができる。
- 一替地の提供をした場合において、替地を受けるべき者がその受領を拒んだとき。
- 二替地を受けるべき者が替地の譲渡又は引渡しを受けることができないとき。
- 三起業者が差押え又は仮差押えにより替地の譲渡又は引渡しを禁じられたとき。
- 6.起業者は、裁決で定められた工事を完了すべき時期までに、権利取得裁決に係る第八十三条第二項の規定に基く耕地の造成をしなければならない。
この条文の基本情報
権利取得裁決に係る補償の払渡し又は供託等とは何ですか?
定義権利取得裁決に係る補償の払渡し又は供託等とは、土地収用法第95条に定められた規定で、「起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金、加算金及び過怠金(以下「補償金等」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 土地収用法第95条(権利取得裁決に係る補償の払渡し又は供託等)は、日本の土地収用法に含まれる条文です。
- 土地収用法第95条の条文原文は「起業者は、権利取得裁決において定められた権利取得の時期までに、権利取得裁決に係る補償金、加算金及び過怠金(以下「補償金等」という。」で始まります。
- 土地収用法第95条は第七章 収用又は使用の効果に置かれています。
- 土地収用法の公布日は昭和26年6月9日です。
- 土地収用法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 土地収用法第95条の前の条は土地収用法第94条です。
- 土地収用法第95条の次の条は土地収用法第96条です。
- 土地収用法第95条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
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下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第95条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0100000219 - 本サイト収録
土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第95条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/326AC0100000219/95
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点土地収用法95条は、起業者に権利取得の時期までの補償金等の払渡しを義務づけ、受領拒否や受領者不明など法定の5つの場合に限って供託を認める規定である。
Q · 土地収用の補償金は、いつまでに払われないといけないの?
裁決で定めた権利取得の時期までに払渡しか供託が必要
土地収用法95条1項により、起業者は権利取得裁決で定められた権利取得の時期までに、補償金・加算金・過怠金を払い渡さなければなりません。受領拒否や受領者不明など2項の5つの場合に限り供託で代えられます。起業者が裁決額に不服で供託する場合でも、被収用者が請求すれば見積額は先に現金で払われます(3項)。期限までに払渡しも供託もなければ、同法100条により権利取得裁決は効力を失います。
解説
収用委員会の裁決書が届いても、その日に土地を失うわけではない。所有権が起業者(道路やダムなどの事業を行う国・自治体・会社)へ移るのは、裁決に書かれた「権利取得の時期」だ。しかも起業者は、その日までに補償金・加算金・過怠金をまとめた「補償金等」を払い渡すか、法律が認める場合に限って供託(法務局に預けて支払いに代えること)をしなければならない。期限までに払渡しも供託もなければ、土地収用法100条により権利取得裁決そのものが効力を失う。本条は国や自治体に「土地を取る前に、まず払え」と命じる順番のルールなのだ。もう一つ知っておくべき点がある。起業者が裁決額を高すぎると考えて供託に回した場合(2項4号)でも、あなたが請求すれば、起業者は自分の見積額を現金で先に払い、差額だけを供託しなければならない(3項)。争いが何年続いても、手元資金ゼロで引っ越し先を探す事態は避けられる。
法的な位置づけ
土地収用法95条は、権利取得裁決に係る補償金等の払渡し義務とその期限を定める規定である。起業者は権利取得の時期までに補償金等の払渡し、替地の譲渡・引渡し、宅地の造成を行う義務を負い、受領拒否、受領不能、受領者不確知、裁決額への不服、差押えの各場合に限り供託によって払渡しに代えることができる。権利不明裁決がある場合には供託が義務となる。
手順
- 1.裁決書の権利取得の時期と補償額を確認する 裁決書が届いたら、補償額より先に「権利取得の時期」の日付を確認し、カレンダーに記入する。補償金・加算金・過怠金の内訳も控えておく
- 2.起業者に払渡日と方法を書面で確認する 起業者(国・自治体・事業者)の用地担当に、払渡予定日と振込口座を書面で確認する。期限を過ぎても払渡しも供託もなければ100条で裁決が失効するため、記録を残しておく
- 3.起業者が裁決額不服で供託したら見積額の払渡しを請求する 起業者が95条2項4号により全額を供託してきた場合、3項にもとづき見積額の払渡しを書面で請求する。請求しなければ全額が供託されたままになる
- 4.補償額に不服なら出訴期間内に損失補償の訴えを検討する 受領とは別に、裁決書正本の送達から6か月以内に損失補償に関する訴え(133条)を起こせる。受け取る際は増額請求の権利を留保する旨を書面で残し、早めに弁護士に相談する
よくある質問 AI による整理
Q1土地収用の補償金はいつ振り込まれる?
権利取得裁決で定められた「権利取得の時期」までに払い渡されます(土地収用法95条1項)。具体的な日付は裁決書に記載されています。
Q2土地収用 補償金 供託とは?
起業者が補償金を法務局(供託所)に預けて支払いに代える手続です。受領拒否や受領者不明など95条2項の5つの場合に限り使えます。
Q3収用の補償金を受け取らないとどうなる?
起業者は補償金を供託でき(95条2項1号)、収用手続はそのまま進みます。受け取り拒否で収用を止めることはできません。
Q4供託された補償金はどうやって受け取る?
供託所(法務局)に還付請求をして受け取ります。供託通知書や本人確認書類、相続の場合は相続関係を示す書類が必要です。
Q5補償金が期限までに払われないと裁決は無効?
権利取得の時期までに払渡しも供託もなければ、土地収用法100条により権利取得裁決は効力を失います。
Q6相続登記していない土地の補償金はどうなる?
受領者を確知できない場合、起業者は補償金を供託できます。ただし起業者が調査を怠った過失がある場合は供託できません(2項3号ただし書)。
Q7差し押さえられている人の収用補償金は?
差押え・仮差押えで払渡しが禁じられた場合、起業者は補償金を供託します(95条2項5号)。本人には直接振り込まれません。
Q8抵当権付きの土地の補償金は誰に払われる?
権利の存否が裁決で確定しない権利不明裁決(48条5項)の場合、起業者は供託が義務になり、両立しない権利があれば最高額で供託します(95条4項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1補償金を受け取ると、金額に納得したことになっちゃいますか?
受け取っても、金額を争う道は閉ざされない。補償額への不服は、裁決書正本の送達から6か月以内に起こす損失補償の訴え(土地収用法133条)で争う仕組みで、受領とは切り離されている。実務のポイント:受け取りを拒んでも起業者は95条2項1号で供託するだけなので、拒否は交渉材料にならない。経験のある代理人ほど「受け取ってから争う」を勧める
Q2県が補償額に不服だと言って供託しました。判決が出るまで一円ももらえないんですか?
もらえる。95条3項により、あなたが請求すれば、起業者は自分の見積額を払い渡し、裁決額との差額だけを供託しなければならない。実務のポイント:この請求は待っていても起業者から案内されるとは限らない。黙っていれば全額が法務局に眠ったままになる。供託通知が届いた週のうちに、内容証明郵便で請求するのが定石だ
Q3期日を過ぎても市から振込みがありません。どうなるんですか?
権利取得の時期までに払渡しも供託もない場合、土地収用法100条により権利取得裁決は効力を失う。土地は移転せず、起業者は手続をやり直す必要がある。実務のポイント:実際には起業者側は期限管理を徹底しているので、失効は珍しい。ただし相続人の一部への払い漏れなど、個別の権利者ごとに要件の欠けが生じることはある。自分の分が確実に払われたかは、自分で確認すること
間違えやすい点 AI による整理
- 「補償金を受け取ったら、もう金額に文句は言えない」と思い込み、受け取りを拒む地権者は少なくない。だが受け取りを拒んでも起業者は供託するだけで(2項1号)、収用は予定どおり進む。金額を争う道は、受領とは別に、裁決書正本の送達から6か月以内に起こす損失補償の訴え(133条)として用意されている。受け取りを拒んで得られるのは、資金繰りの悪化だけになりかねない
- 供託は起業者の逃げ道だと考えがちだが、使える場面は2項の5つに限定されている。特に「相手が誰か分からない」場合でも、起業者が調査を怠っていれば供託は認められない。要件を満たさない供託は有効な支払いとは扱われず、100条の失効リスクを起業者自身に跳ね返す
- 地権者の視点では「国が相手だから払いは確実」と見える。だが法律の視点では、期限までの払渡しが裁決の効力を保つ条件そのものになっている。役所の会計処理の遅れは、そのまま裁決の失効という形で起業者に返ってくる。この落差は、交渉の材料として地権者の側に残る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律する内容 | 95条:権利取得の時期までの補償金等の払渡し・供託義務 | 100条:期限内に払渡し・供託がない場合の裁決失効 133条:損失補償に関する訴えと出訴期間 |
| 主な名宛人 | 起業者(払う側) | 起業者(失効の不利益を負う側) 被収用者・起業者(金額を争う側) |
| 被収用者にとっての使い方 | 期限の確認、見積額の先払い請求(3項) | 不払い時に裁決失効を前提に再交渉 受領とは別に補償額の増額を争う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も公告期満了後15日以内の補償費発給を求め、期限内に発給しない場合は徴収が効力を失うとの解釈が確立している。受領拒否等の場合は保管専用口座に寄託する点で日本の供託と機能が近い
韓国も収用開始日までの補償金支払いまたは公託を求め、受領拒否・受領者不明・起業者の不服などを公託事由とする構造で日本と類似する
ドイツでは補償の支払いまたは供託を収用決定の執行命令の前提とする構造をとる
米国連邦の Declaration of Taking では、見積補償額を裁判所に預託することで権原が移転し、最終補償額は後の手続で確定する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 裁決書に書かれた権利取得の時期まであと10日なのに、市役所から補償金の振込みの連絡がない。見落としがちなのは、期限までに払渡しも供託もなければ裁決が失効するという点だ。焦って明け渡す必要はない。まず起業者に支払予定日を書面で確認する
- 裁決で4,800万円と決まったのに、県は「高すぎる」として全額を供託し、損失補償の訴えを起こしてきた。もし判決まで3年かかったら、その間の転居費用はどうなる? 3項にもとづいて請求すれば、県が見積もった額は先に現金で受け取れる
- 亡くなった祖父名義の土地が収用対象になったが、相続人が20人近くに散らばっていて、起業者は誰に払えばいいか分からない。こういうときこそ「受領者を確知できない」として供託が使われる。ただし、戸籍を調べれば分かったはずなのに怠った起業者は、この供託を使えない(2項3号ただし書)
- あなたは自治体の用地担当。権利取得の時期の前日に、地権者の口座が差押えを受けていることが判明した。迷わず2項5号の供託に切り替える。振込みを強行すれば二重払いのリスクを自分で抱えることになる
- 替地として別の農地が用意されたが、地権者は「条件が悪い」と受け取りを拒否。起業者は替地そのものを供託できる(5項1号)。拒否を続けても、収用手続は止まらない
- 抵当権が付いた土地か、仮登記が付いた土地か。権利の存否が裁決で決めきれなかった場合(48条5項の裁決)、起業者には供託が「できる」ではなく「しなければならない」と義務づけられる。両立しない権利が並ぶなら、最も高い補償額で供託する
取るべき行動
被害を受けた側:1. 裁決書の「権利取得の時期」「補償金等の額」を確認し、カレンダーに記入する2. 起業者に払渡日と振込口座を書面で確認する3. 額に不満でも、受領と増額の訴えは別々に進められる。受け取る際は増額請求の権利を留保する旨を書面で残すと安全である4. 起業者が額を不服として供託してきたら、3項にもとづき見積額の払渡しを直ちに請求する5. 期限を過ぎても払渡しも供託もない場合は、100条の失効を前提に弁護士へ相談する
訴えられた側:1. 権利取得の時期から逆算して予算執行と支払決裁を前倒しする2. 受領拒否、受領不能、受領者不明、裁決額への不服、差押え、のどれに当たるかを確認し、要件を満たす場合だけ供託を選ぶ3. 受領者不明を理由にする場合は、戸籍や登記の調査記録を残して過失がないことを示せるようにする4. 48条5項の裁決や仮登記がある場合は、供託が義務であることを忘れない5. 見積額の払渡し請求には速やかに応じる
時効(請求できる期限):起業者の払渡し・供託の期限は、裁決で定められた権利取得の時期。これを過ぎると権利取得裁決は失効する(土地収用法100条)。補償額を争う損失補償の訴えは、裁決書正本の送達を受けた日から6か月以内(同法133条2項、最新の改正状況をご確認ください)。供託金の還付請求権にも消滅時効があるので、供託されたら放置しない
学説
通説:95条は補償の事前払いを収用の前提とする規定であり、100条の失効制度と一体となって被収用者の生活保障を担保する。供託は払渡しに代わる例外であり、2項各号の要件を満たさない供託は有効な弁済とは扱われない。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:現行土地収用法の制定により、補償金の払渡しと供託に関する規定として設けられた。
- 土地収用法 第100条期限内に払渡し・供託がない場合の裁決失効
- 土地収用法 第101条権利取得の時期における権利の移転
- 土地収用法 第48条権利取得裁決の内容、権利不明裁決
- 土地収用法 第133条損失補償に関する訴えと出訴期間
- 土地収用法 第86条替地・宅地造成による補償の方法
- 民法 第494条弁済供託の一般原則に対する特則
- 供託法 第1条供託所における供託事務の根拠
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