出入国管理及び難民認定法 第60条の2(日本人の出国確認の留保)
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- 入国審査官は、日本人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該日本人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の通知を受けているときは、前条の出国の確認を受けるための手続がされた時から二十四時間を限り、その者について出国の確認を留保することができる。
- 一出国の制限を受けている者(裁判所の許可を受けている者を除く。)
- 二死刑若しくは無期若しくは長期三年以上の拘禁刑に当たる罪につき訴追されている者(当該訴追に係る刑につき出国の制限を受けている者を除く。)又はこれらの罪を犯した疑いにより逮捕状、勾引状、勾留状若しくは鑑定留置状が発せられている者
- 三拘禁刑以上の刑に処せられ、その刑の全部につき執行猶予の言渡しを受けなかつた者で、刑の執行を終わるまで、又は執行を受けることがなくなるまでのもの(当該刑につき、出国の制限を受けている者、仮釈放中の者及びその一部の執行猶予の言渡しを受けて執行猶予中の者を除く。)
- 四逃亡犯罪人引渡法の規定により仮拘禁許可状又は拘禁許可状が発せられている者
- 2.入国審査官は、前項の規定により出国の確認を留保したときは、直ちに同項の通知をした機関にその旨を通報しなければならない。
この条文の基本情報
日本人の出国確認の留保とは何ですか?
定義日本人の出国確認の留保とは、出入国管理及び難民認定法第60条の2に定められた規定で、「入国審査官は、日本人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該日本人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の通知を受けてい…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2(日本人の出国確認の留保)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2の条文原文は「入国審査官は、日本人が本邦外の地域に赴く意図をもつて出国しようとする場合において、関係機関から当該日本人が次の各号のいずれかに該当する者である旨の通知を受けてい…」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2は第七章 日本人の出国及び帰国に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2の前の条は出入国管理及び難民認定法第60条です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2の次の条は出入国管理及び難民認定法第61条です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第60条の2 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第60条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/60_2
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法60条の2は、関係機関から通知を受けた日本人について、入国審査官が出国確認を手続開始時から24時間を限り留保できると定める。延長規定はない。
Q · 空港で出国を止められたら、何時間まで足止めされるの?
最長24時間。延長はなく、逮捕とは別の手続です
入管法60条の2第1項により、入国審査官が出国確認を留保できるのは、出国確認を受けるための手続がされた時から24時間が上限で、延長規定はありません。留保は出国確認をしないという行政上の措置にとどまり、身柄を拘束する逮捕とは法的性質が異なります。ただし2項により審査官は通知元の機関へ直ちに通報するため、その間に逮捕状が執行されれば刑事手続に移ります。
解説
空港の出国審査ブースで、パスポートを差し出したあなたが足止めされる。理由は説明されない。入管法60条の2は、関係機関(検察庁、警察、裁判所など)から「この日本人は四つの類型のどれかに当たる」という通知を受けている場合、入国審査官が出国確認を最大24時間だけ留保できると定める。ここであなたが握っておくべき数字は三つ。第一に24時間、これは絶対上限で、延長できない。第二に起算点は「出国確認手続がされた時」、つまりブースに並んで手続を始めた瞬間から時計が回る。第三に、これは逮捕でも勾留でもない。あなたの身柄を拘束する権限ではなく、「出国のハンコを押さない」という不作為の権限にすぎない。そして2項が効いてくる。審査官は留保したら直ちに通知元の機関に通報しなければならない。つまりこの24時間は、捜査機関が逮捕状を持って空港に駆けつけるための時間なのである。24時間を過ぎて誰も来なければ、あなたは飛行機に乗れる。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第60条の2は、日本人の出国確認の留保を定める規定である。関係機関から出国制限・訴追・刑の未執行・引渡し手続に係る令状発付のいずれかに該当する旨の通知がある場合に限り、入国審査官は出国確認手続の開始時から24時間を上限として出国確認を留保でき、留保した場合は通知機関へ直ちに通報しなければならない。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.留保か逮捕かを確認する 足止めされたら、審査官に「これは逮捕ですか、出国確認の留保ですか」と明確に確認し、回答内容と担当者をメモする。留保であれば身柄拘束ではない。
- 2.24時間の起算時刻を記録する 出国確認を受けるための手続を開始した時刻を記録する。これが24時間上限の起算点になり、別室案内の時刻とは異なりうる。
- 3.直ちに弁護士へ連絡する 留保中は逮捕前の段階であり、弁護士への連絡に接見の制約はない。私選弁護士または弁護士会の法律相談窓口に連絡し、想定される被疑事実と今後の対応を相談する。
- 4.任意の質問への対応を決める 留保中の質問に応じる法的義務の有無を確認し、弁護士の助言を受けてから話すかどうかを判断する。
- 5.24時間経過時の扱いを確認する 24時間が経過しても逮捕状等による身柄拘束がなければ、留保の継続根拠はない。出国確認を求め、応じられない場合は根拠の説明を求めて記録する。
よくある質問 AI による整理
Q1出国確認の留保とは?
関係機関から通知を受けた日本人について、入国審査官が出国の確認を一時的に行わない措置です。入管法60条の2が根拠で、上限は24時間です。
Q2出国確認の留保24時間はいつから数える?
「前条の出国の確認を受けるための手続がされた時」から起算します。別室に案内された時刻ではなく、出国審査の手続を始めた時点が基準です。
Q3起訴されていると海外に行けない?
死刑・無期・長期3年以上の拘禁刑に当たる罪で訴追され、関係機関から通知があれば1項2号の対象です。すべての起訴が対象になるわけではありません。
Q4執行猶予中でも出国できる?
刑の全部について執行猶予の言渡しを受けた人は1項3号の対象外です。ただし一部執行猶予や他の号に当たる事情があれば別途確認が必要です。
Q5仮釈放中は出国確認の留保の対象?
1項3号は仮釈放中の者を明文で除外しています。ただし仮釈放中の遵守事項など、別制度による制約がないかは個別に確認すべきです。
Q6裁判所の許可があれば出国できる?
1項1号は出国の制限を受けている者のうち、裁判所の許可を受けている者を除外しています。許可があれば同号による留保の対象にはなりません。
Q7出国確認の留保中に空港を離れられる?
留保は身柄拘束の権限ではないため、法律上は拘束されていません。ただし通知機関に通報されるため、弁護士と相談のうえ行動するのが現実的です。
Q8逃亡犯罪人引渡しの対象だと出国できない?
逃亡犯罪人引渡法に基づく仮拘禁許可状または拘禁許可状が発せられていれば1項4号の対象となり、出国確認が最長24時間留保されえます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1空港で止められたら、そのまま逮捕されるんですか?
留保自体は逮捕ではありません。本条1項は出国確認を24時間留保する権限を定めるだけで、身柄拘束の根拠になりません。ただし2項で審査官は通知元機関に直ちに通報する義務があり、その機関が逮捕状を用意して来る流れは現実にあります。実務のポイント:この24時間のうち、あなたが「逮捕されていない状態」で弁護士と自由に話せる時間は、逮捕後の接見よりはるかに条件が良い。ここを黙って座って過ごすか、電話をかけるかが分岐点です
Q224時間を過ぎたら、本当に出国できるんですか?
本条に延長規定はないので、24時間経過後は出国確認をしなければなりません。ただし、その間に逮捕状が執行されれば刑事訴訟法上の身柄拘束に切り替わり、出国は事実上不可能になります。実務のポイント:起算点は「出国確認を受けるための手続がされた時」であって、別室に連れて行かれた時刻ではありません。この差を把握して時刻を主張できるかどうかで、最後の数十分の扱いが変わります
Q3前科があると、もう海外には行けないんでしょうか?
1項3号の対象は、拘禁刑以上の刑で全部執行猶予が付かなかった人が、刑の執行を終えるまでの間です。刑の執行が終われば対象外で、仮釈放中の者と一部執行猶予中の者も明文で除外されています。実務のポイント:日本側で出国できても、渡航先の入国審査で前科を理由に入国拒否される話は別制度です。出国と入国は完全に別の関門なので、両方確認しないと現地の空港で戻される(最新の各国要件をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「出国確認の留保=逮捕」と受け取る人が圧倒的に多いが、法的性質がまったく違う。留保は出国確認という行政行為を行わないだけで、身柄拘束の権限ではない。あなたはその場を立ち去ることも、電話をかけることも、弁護士を呼ぶこともできる。逮捕されていないのに「もう抵抗しても無駄だ」と誤解して取調べに応じてしまうのが、この場面で最も高くつく勘違いである
- 「24時間なら短い、待てばいい」と軽く考えている人は、この24時間が何のための時間かを理解していない。2項が審査官に通知元機関への即時通報を義務付けているのは、捜査機関に「今この人が空港にいる」と知らせるためだ。つまり留保の24時間は待機時間ではなく、相手方が動く時間である。この時間の深刻度は、あなたが何もせず座っているほど増していく
- 「自分は起訴されていないから関係ない」という前提そのものがずれている。1項2号は訴追されている者だけでなく、死刑・無期・長期3年以上の拘禁刑に当たる罪の疑いで逮捕状や勾留状が発せられている者も対象にする。逮捕状が出ていることを本人が知らないケースは現実に存在し、空港で初めて知る人がいる
- この条文は「外国人の出入国管理の話」だと思われがちだが、条文の主語は日本人である。入管法という名前から外国人向けと連想する人が多い中、7章のこの条文は日本国籍を持つあなた自身に向けられている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 入管法60条の2:通知を受けた日本人の出国確認の留保 | 入管法60条:日本人の出国確認手続そのもの 入管法61条:日本人の帰国確認手続 |
| 審査官の権限 | 出国確認を24時間を限り留保できる | 出国の確認を行う 帰国の確認を行う |
| 発動要件 | 関係機関からの通知+1項各号のいずれかに該当 | 本邦外に赴く意図をもつて出国しようとする日本人 本邦外から帰国する日本人 |
| 時間制限 | 手続開始時から24時間、延長規定なし | 特段の時間制限規定なし 特段の時間制限規定なし |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は司法機関の通知や刑事手続上の限制出境処分に基づき移民署が出国を禁止する構造で、時間制限付きの暫定留保ではなく処分として継続する点が異なる
韓国は法務部長官による出国禁止処分として期間を定めて制限する方式で、日本の24時間の暫定留保より長期的な措置となる
中国は刑事被告人・犯罪嫌疑人や刑罰未執行者などを「不准出境」とする類型列挙型で、日本の各号列挙と構造が近い
ドイツは旅券拒否事由がある場合に国境で出国を禁止できる仕組みで、旅券制度と出国管理を連動させている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 会社の資金使途をめぐって告訴され、捜査中だが逮捕はされていない。出張で成田から海外へ。ブースでパスポートを渡すと審査官がどこかへ電話をかけ、別室へ案内される。この時点であなたに必要な判断は「これは逮捕か、それとも留保か」の一点。留保なら身柄拘束ではないので、弁護士に電話する自由も、その場を離れる自由もある
- 執行猶予が付かなかった実刑判決が確定したが、まだ収監されていない状態で海外旅行を計画した友人から相談を受けたとしたら、あなたは何と答える? 1項3号がそのまま当たる。刑の執行が終わるまで、この人は空港で止まる。ただし仮釈放中の者と一部執行猶予中の者は除外されている、この除外の存在を知っているかどうかで助言の質が変わる
- 外国から日本人の引渡しを求められ、逃亡犯罪人引渡法に基づく拘禁許可状が出ている。本人はそれを知らずに空港へ。4号該当で留保される。国際的な刑事共助が空港のブースで現実になる瞬間
- 留保されたが、審査官は何も説明してくれない。あと24時間。捜査機関が逮捕状を取れれば逮捕、取れなければ解放。この24時間をどう使うか、弁護士への連絡を何時間目にするかで、その後の数か月が変わる
- 海外赴任の辞令が出た社員に前科がある。人事としてこの条文を知っていれば、赴任前に「出国確認の留保対象に当たらないか」を本人に確認させられる。知らなければ、着任日に空港で止まって全社的なスケジュール崩壊が起きる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 留保されたら「これは逮捕ですか、出国確認の留保ですか」と明示的に確認し、回答を記録する2. 出国確認手続を開始した時刻をメモ、24時間の起算点はここ3. 留保中は身柄拘束されていないので、直ちに弁護士へ連絡する。当番弁護士制度は逮捕後の制度なので、私選または法律相談窓口を使う4. 取調べのような質問には応じる義務がない、任意であることを確認してから話す5. 24時間経過後も出国確認が下りない場合、留保の根拠を書面で求める
訴えられた側:1. 捜査対象になっている自覚がある段階で海外渡航を計画するなら、事前に弁護人を通じて出国制限の有無を確認しておく2. 1項2号の対象は長期3年以上の拘禁刑に当たる罪、自分の被疑事実の法定刑を確認する3. 実刑判決確定後で未収監なら3号に直撃する、渡航は事実上不可能と考える4. 留保されたら、その24時間は逮捕状請求の準備時間であると理解し、逮捕後を見据えた弁護方針を弁護人と即座に固める
時効(請求できる期限):出国確認を受けるための手続がされた時から24時間が絶対上限(本条1項)。延長規定はない。24時間経過後は、別途逮捕状等による身柄拘束がない限り出国確認をしなければならない
- 出入国管理及び難民認定法 第60条日本人の出国確認手続、本条の前提規定
- 出入国管理及び難民認定法 第61条日本人の帰国確認手続、出入国の対概念
- 出入国管理及び難民認定法 第2条入国審査官等の定義規定
- 刑事訴訟法 第199条逮捕状、留保中に執行されうる身柄拘束
- 逃亡犯罪人引渡法 第5条拘禁許可状、1項4号の該当根拠
- 旅券法 第13条旅券発給制限、出国制限と重なる場面
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