出入国管理及び難民認定法 第60条(日本人の出国)
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- 本邦外の地域に赴く意図をもつて出国する日本人(乗員を除く。次条第一項において同じ。)は、有効な旅券を所持し、その者が出国する出入国港において、法務省令で定める手続により、入国審査官から出国の確認を受けなければならない。
- 2.前項の日本人は、出国の確認を受けなければ出国してはならない。
この条文の基本情報
日本人の出国とは何ですか?
定義日本人の出国とは、出入国管理及び難民認定法第60条に定められた規定で、「本邦外の地域に赴く意図をもつて出国する日本人(乗員を除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第60条(日本人の出国)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の条文原文は「本邦外の地域に赴く意図をもつて出国する日本人(乗員を除く。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第60条は第七章 日本人の出国及び帰国に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の前の条は出入国管理及び難民認定法第59条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条の次の条は出入国管理及び難民認定法第60条の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第60条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第60条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第60条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/60
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法60条は、外国へ出国する日本人に有効な旅券の所持と出入国港での入国審査官による出国の確認を義務付け、確認を受けない出国を禁じる規定。
Q · 日本人が出国審査で出国を拒否されることはあるの?
原則ない。有効な旅券があれば確認を受けて出国できる
入管法60条が日本人の出国について定めているのは「許可」ではなく「確認」です。有効な旅券を持ち、出入国港で入国審査官の確認を受ければ出国できます。憲法22条2項が海外渡航の自由を保障しているため、審査官が裁量で拒む仕組みにはなっていません。実際に出国が止まるのは、旅券法に基づく返納命令や発給拒否で有効な旅券がない場合や、保釈条件などの刑事手続上の制限がある場合です。
解説
空港の出国審査カウンターで、係官がパスポートに目を落とす数十秒。あの手続きが法律上どんな意味を持つか、考えたことはあるだろうか。入管法60条は、外国へ向かう意図を持って日本を出る日本人に対し、二つの義務を課している。有効な旅券を所持すること、そして出入国港で入国審査官から「出国の確認」を受けること。しかも2項は念押しする。確認を受けなければ出国してはならない、と。ここであなたが掴んでおくべき急所は、これが「許可」ではなく「確認」だという点だ。日本国憲法22条2項は外国移住と国籍離脱の自由を保障しており、国家は日本人の出国を裁量で止められない。だから条文は「出国の許可」ではなく「出国の確認」と書かれている。旅券が有効で本人確認が取れる限り、審査官には拒む権限がない。逆に言えば、あなたの出国を実際に止めうるのは60条ではなく、旅券法に基づく旅券の返納命令や発給拒否、あるいは刑事事件での出国制限といった別ルートである。どこで誰があなたを止めうるのか、その配線図が見えているかどうかで、トラブル時の打ち手が変わる。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法60条は、日本人の出国の確認を定める規定である。本邦外の地域に赴く意図をもって出国する日本人(乗員を除く)は、有効な旅券を所持し、出国する出入国港において法務省令で定める手続により入国審査官から出国の確認を受けなければならず、確認を受けずに出国することは禁止される。
よくある質問 AI による整理
Q1出国の確認とは何ですか?
日本人が外国へ出国する際、出入国港で入国審査官が有効な旅券と本人を確認し出国の事実を記録する手続です。入管法60条が根拠で、許可ではなく確認にとどまります。
Q2出国審査で日本人が止められることはある?
有効な旅券を持つ日本人を審査官が裁量で止める権限はありません。止まるのは旅券が返納命令等で効力を失った場合や、刑事手続上の出国制限がある場合です。
Q3旅券の返納命令とは?
旅券法19条に基づき、外務大臣または領事官が一定の事由がある場合に旅券の返納を命じる処分です。返納されると有効な旅券がなくなり、事実上出国できなくなります。
Q4保釈中に海外旅行はできる?
保釈の条件として海外渡航の禁止や裁判所の許可が付されるのが通例です。入管法60条ではなく刑事手続側の制限なので、弁護人を通じて裁判所の判断を確認する必要があります。
Q5子どもだけで海外に出国できる?
入管法60条に年齢要件はなく、有効な旅券を持っていれば出国の確認を受けられます。ただし未成年者の旅券申請には親権者の同意が必要で、航空会社の単独搭乗規程も別にあります。
Q6二重国籍の人はどのパスポートで出国する?
日本人として出国する以上、60条が求めるのは有効な日本国旅券です。外国旅券で出国し日本旅券で帰国すると記録が不整合になり、後の手続で説明を求められることがあります。
Q7船で海外へ行くときも出国審査は必要?
必要です。空路か海路かを問わず、出入国港で入国審査官から出国の確認を受けなければなりません。出入国港以外から船で出ると60条2項違反になりえます。
Q8出国日は税金に関係ある?
関係します。出国日は所得税の居住者・非居住者の区分や住民税の課税判断の基準となりえます。出国の確認の記録が公式な証拠になるため、日付は事前に税理士と確認すると安全です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1顔認証ゲートでスタンプが押されないんですけど、あれで出国確認は済んでるんですか?
済んでいる。顔認証ゲートの通過は60条1項の「法務省令で定める手続」による出国の確認として扱われ、記録も残る。スタンプは確認の成立要件ではない。実務のポイント:それでもスタンプが必要になる場面はある。渡航先での滞在日数証明、海外の銀行口座開設、非居住者の税務説明などだ。ゲート横の係官に一言頼めば押してもらえるので、必要そうな渡航では最初から申し出ておくと後で慌てない
Q2パスポートの期限が残り3か月しかないけど、出国できますか?
日本の出国審査については、有効期間内であれば60条の「有効な旅券」の要件を満たすので出国できる。問題は相手国側で、残存有効期間を3か月や6か月求める国が多く、その場合は航空会社が搭乗を拒否する。実務のポイント:搭乗拒否は入管ではなく航空会社の判断で起きる。航空会社は相手国から罰金を課されるリスクを負っているため、規程は入管より厳しく運用される。出国できるかを気にするなら、見るべきは日本の法律ではなく渡航先の入国要件と航空会社の規程である
Q3出国確認を受けずに海外へ出たら、どうなるんですか?
60条2項違反となり、入管法71条により1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金の対象になる(最新の改正状況をご確認ください)。プレジャーボートで正規の出入国港以外から出るケースが典型だ。実務のポイント:この種の事件では「外国へ行く意図があったか」が構成要件の核心になる。海上でエンジントラブルに遭い結果的に領海外へ出た場合と、最初から外国の港を目指していた場合では、まったく評価が違う。航跡ログや事前の通信記録が意図を裏付ける最大の証拠になるので、削除してはならない
Q4自分が過去にいつ出国していつ帰国したか、調べる方法はありますか?
出入国在留管理庁に対して本人の出入国記録の開示を請求できる。本人確認書類を添えて手続すれば、出国日と帰国日の一覧が交付される。実務のポイント:この記録は税務上の居住者・非居住者判定、相続税の国内滞在日数の主張、外国人配偶者の在留手続などで決定的な証拠になる。記憶やパスポートのスタンプだけで日数を主張すると、税務署や入管に覆されることがある。争いになりそうな案件では、最初に公式記録を押さえてから主張を組み立てるのが定石である
間違えやすい点 AI による整理
- 「出国審査で止められたら終わり」と思われているが、そもそも審査官には裁量で止める権限がない。憲法22条2項の海外渡航の自由(最大判昭和33.9.10で憲法上の権利として承認)を受け、60条は確認行為として設計されている。あなたを止めうるのは旅券の効力を奪う旅券法19条の返納命令か、刑事手続上の制限であり、審査官の判断ではない
- 出国確認は「形式的な手続きだから軽い」と軽視されがちだが、確認を受けずに出国する行為は入管法71条の処罰対象で、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金が定められている(最新の改正状況をご確認ください)。手続の軽さと違反の重さは比例しない。港湾からプレジャーボートで出て帰ってくる、という一見のどかな行為が犯罪になりうる
- 「パスポートさえ持っていれば出国できる」という問いの立て方自体がずれている。60条は日本側の出国要件しか定めておらず、渡航先国の入国要件、航空会社の搭乗規程、ESTA や査証の要否はすべて別の法体系である。日本の法律を完璧に満たしても、チェックインカウンターで止まる人は毎日いる
- 「乗員は楽でいいな」と思うかもしれないが、法律から見れば乗員が60条の対象外なのは優遇ではない。乗員には25条の2や乗員上陸許可など別の規律体系が組まれており、義務の総量はむしろ多い。この落差を知らずに「船員だから自由に出入りできる」と考えると、別の条文で足をすくわれる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 入管法60条:外国へ出国する日本人(乗員を除く) | 入管法61条:外国から帰国する日本人(乗員を除く) 入管法25条:出国しようとする外国人(乗員を除く) |
| 所持すべき書類 | 有効な旅券 | 有効な旅券(所持できないときは日本国籍を証する文書) 旅券等(在留資格に応じた書類) |
| 確認の留保 | 制度なし(海外渡航の自由が前提) | 制度なし(日本人の帰国は拒めない) 25条の2により一定の刑事事件関係者は出国確認を留保されうる |
| 違反時 | 確認を受けない出国は71条の罰則対象 | 帰国の確認を受けない上陸は別途罰則の対象 確認を受けない出国は71条の罰則対象 |
他国ではどう定めているか 5 か国
台湾も戸籍を有する国民の出入国は許可不要とし、査験を受ける義務と、出国禁止事由を法律で限定列挙する構造。確認制と例外的制限の二層構造は日本と近い
韓国は国民の出国に出国審査を義務付けつつ、同じ法律の中に法務部長官による出国禁止制度を置く点で、制限を旅券法や刑事手続に委ねる日本と異なる
中国は出入境検査の義務と出境不許可事由を同一法で定め、刑事事件関係者等の出境を行政的に止める仕組みを明文で持つ
ドイツは旅券携帯義務を定め、旅券拒否事由がある場合に国境機関が出国を禁止できる規定を置く。シェンゲン域内移動では国境審査自体が原則ない
米国は市民の出入国に有効な米国旅券を要求するが、日本のような出国時の対面確認は一般的でなく、航空会社の乗客情報で出国を把握する方式が中心
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 出張前夜、パスポートの残存有効期間を確認したら2週間後に切れることに気付いた。60条が要求するのは「有効な旅券」であり、有効期限内なら法律上は出国できる。ただし渡航先国が入国条件として残存6か月を求めていれば、航空会社が搭乗を拒否する。日本の出国審査と相手国の入国要件は完全に別レイヤーだと知らないと、空港で初めて足止めを食う
- 顔認証ゲートを通って出国した。スタンプが押されていない。帰国後に「出国の事実を証明しろ」と会社や税務署に言われて困る。実は出国確認の記録は入管のシステムに残り、出入国記録の開示請求で証明できる。スタンプが欲しければゲート横の係官に申し出れば押してもらえる、その場で言えば10秒で済む話だ
- もし刑事事件の被疑者として捜査を受けている最中に海外出張の予定が入ったら、どうなる? 60条そのものはあなたを止めない。止めるのは旅券法に基づく旅券返納命令や、保釈条件としての出国制限、あるいは空港での任意同行だ。出国できるかどうかを調べたいなら、入管法ではなく自分の事件の処分状況と旅券の効力を確認する
- 密出国を手助けしたと疑われる立場になった。あなたは友人を船に乗せただけのつもりだった。あと数日で事情聴取。60条2項違反は71条の罰則につながり、幇助であっても刑事責任は及びうる。渡航の意図を知っていたかどうかが分水嶺になる
- 二重国籍の子どもを連れて出国しようとしたら、審査官に日本旅券と外国旅券のどちらで出るか聞かれた。日本人として出国する以上、60条が求めるのは有効な日本国旅券である。外国旅券で出て日本旅券で帰る、といった運用は記録上の不整合を生み、後の在留資格や戸籍の手続で説明を求められる
取るべき行動
被害を受けた側:出国を不当に妨げられたと感じた場合、1. その場で拒否の理由と根拠条文を書面または口頭で明確に確認し、担当者の所属と氏名を記録する2. 理由が旅券の効力(旅券法19条の返納命令など)にあるのか、刑事手続上の制限なのかを切り分ける3. 旅券の発給拒否や返納命令は行政処分(役所があなたに直接下す具体的な決定)なので、審査請求や取消訴訟の対象になりうる4. 渡航自由は憲法上の権利であり、制限には法律上の根拠が要る。根拠が示されないまま止められたなら、弁護士に相談して処分性の有無から検討する
訴えられた側:出国確認を受けずに出国したと疑われた場合、1. まず「本邦外の地域に赴く意図」があったかを事実として整理する。漂流や緊急避難など意図がない場合は構成要件を欠く2. 出国確認を受けられなかった経緯(設備の不備、係官の指示、天候や緊急事態)を時系列で記録し、航跡や通信記録を保全する3. 取調べでは意図の有無が核心になるので、記憶が曖昧な部分を推測で埋めない4. 他人の密出国を手助けしたと疑われる場合は幇助の成否が争点になるため、早期に弁護人を選任する
時効(請求できる期限):出国確認は出国時に受けるものであり、事後に追完する制度はない。60条2項違反に対応する罰則(入管法71条)は拘禁刑1年以下にあたるため、公訴時効は犯罪行為が終わった時から3年(刑事訴訟法250条2項)。特定の民事的時効はないが、出入国記録の保有期間には制度上の限りがあるため、証明が必要な場合は早めに開示請求を行う(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:日本人の出国の確認は、出国の事実を把握するための確認行為であって許可ではない。有効な旅券の所持と本人確認という要件を満たす限り、入国審査官は確認を拒むことができないと解される
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和26年(1951年) 新設:出入国管理令(昭和26年政令第319号)の制定により、日本人の出国の確認に関する規定が設けられた
- 2.昭和56年(1981年) 改正:難民条約等への加入に伴う改正で法令名が「出入国管理及び難民認定法」に改められた(本条の確認制の骨格は維持)
- 出入国管理及び難民認定法 第61条日本人の帰国確認、本条と対をなす入国側規律
- 出入国管理及び難民認定法 第71条出国確認を受けない出国に対する罰則
- 出入国管理及び難民認定法 第25条外国人の出国確認、本条の外国人版に相当する規律
- 出入国管理及び難民認定法 第2条旅券、出入国港、乗員等の定義規定
- 旅券法 第19条旅券の返納命令、出国を実際に阻止しうる別ルート
- 旅券法 第13条旅券の発給拒否事由、有効な旅券の前提を規律
- 国際観光旅客税法 第4条出国という事実に課税を結び付ける特則
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