出入国管理及び難民認定法 第61条の4(武器の携帯及び使用)
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- 入国審査官及び入国警備官は、その職務を行うに当り、武器を携帯することができる。
- 2.入国審査官及び入国警備官は、その職務の執行に関し、その事態に応じ、合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、左の各号の一に該当する場合を除く外、人に危害を加えてはならない。
- 一刑法第三十六条又は第三十七条に該当するとき。
- 二収容令書又は退去強制令書の執行を受ける者がその者に対する入国審査官若しくは入国警備官の職務の執行に対して抵抗しようとする場合又は第三者がその者を逃がそうとして入国審査官若しくは入国警備官に抵抗する場合において、これを防止するために他の手段がないと入国審査官又は入国警備官において信ずるに足りる相当の理由があるとき。
この条文の基本情報
武器の携帯及び使用とは何ですか?
定義武器の携帯及び使用とは、出入国管理及び難民認定法第61条の4に定められた規定で、「入国審査官及び入国警備官は、その職務を行うに当り、武器を携帯することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4(武器の携帯及び使用)は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4の条文原文は「入国審査官及び入国警備官は、その職務を行うに当り、武器を携帯することができる。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4は第八章 補則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年10月2日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4の前の条は出入国管理及び難民認定法第61条の3の2です。
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4の次の条は出入国管理及び難民認定法第61条の5です。
- 出入国管理及び難民認定法第61条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第61条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第61条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年10月2日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/61_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法61条の22は、入国審査官と入国警備官に武器の携帯・使用を認める一方、人への危害を正当防衛・緊急避難と令書執行への抵抗防止で他に手段がない場合に限定する。
Q · 入管の職員は、収容されている人に武器を使ってけがをさせてもいいの?
原則禁止。例外は正当防衛等と令書執行への抵抗防止のみ
出入国管理及び難民認定法61条の22により、入国審査官と入国警備官は武器を携帯でき、職務の執行に関し合理的に必要な限度で使用できます。ただし人に危害を加えてよいのは、刑法36条(正当防衛)・37条(緊急避難)に当たるときか、収容令書・退去強制令書の執行を受ける者や逃がそうとする第三者の抵抗を防ぐ手段がほかにないと信ずる相当の理由があるときに限られます。施設内の抗議や口論は、それだけでは危害を加える理由になりません。
解説
空港でパスポートに判を押す入国審査官も、収容施設で被収容者を見張る入国警備官も、法律上は武器を携帯できる(1項)。ただし「持てる」ことと「人を傷つけてよい」ことは別であり、本条はこの二つをはっきり分けている。武器の使用は、その場の状況に照らして合理的に必要な範囲に限られる。人に危害を加えてよい場面は二つしかない。一つは刑法36条の正当防衛か37条の緊急避難にあたるとき。もう一つは、収容令書(身柄を収容施設に移すための令書)や退去強制令書(国外へ送還するための令書)を執行している最中に、本人が抵抗しようとしたり、第三者が逃がそうとして抵抗したりしたときで、しかも「ほかに止める手段がない」と信じる相当の理由がある場合に限られる。つまり、面会中の口論、施設内での抗議、手続への不満の表明は、どれも危害を加えてよい理由にならない。職員の力の行使に疑問を感じたとき、あなたが最初に確認すべきことは一つである。その瞬間に令書の執行が行われていたか、そしてほかに手段はなかったのか。
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法第61条の22は、入国審査官及び入国警備官の武器の携帯と使用を定める規定である。武器の使用は職務執行に関し事態に応じて合理的に必要な限度に限定され、人への危害は刑法36条・37条に該当する場合、または令書執行に対する抵抗を防止する他の手段がない場合に限り許容される。
手順
- 1.けがを記録し施設外の診断書を取る けがの部位を写真で残し、できるだけ早く施設外の医療機関で診断書を取得する。日付入りの記録が、後の国家賠償請求や告訴で損害と時期を裏付ける
- 2.本人から経緯を聞き取り時系列で記録する 日時、場所、職員の人数、制圧に至った経緯、そのとき収容令書・退去強制令書の執行中だったか、ほかに取りえた手段があったかを本人から聞き取り、面会当日のうちに書き留める
- 3.弁護士を通じて監視映像の証拠保全を申し立てる 施設の監視カメラ映像や記録類は保存期間の経過で失われうるため、弁護士に依頼し、民事訴訟法234条の証拠保全を裁判所に申し立てる
- 4.国家賠償請求と告訴を検討する 本条2項の要件(令書執行中か、他の手段がなかったか、合理的に必要な限度か)を軸に、国家賠償法1条に基づく請求と刑法195条2項での告訴を検討する。不起訴になった場合は付審判請求の7日の期限に注意する
よくある質問 AI による整理
Q1入国警備官とは何をする職員ですか?
出入国在留管理庁に属し、入管法違反事件の調査、収容令書や退去強制令書の執行、収容施設の警備などを担う公務員です。本条により武器の携帯が認められています。
Q2入管法61条の22で人に危害を加えてよいのはどんなとき?
二つの場面に限られます。刑法36条・37条(正当防衛・緊急避難)に当たるときと、令書執行への本人または第三者の抵抗を防ぐ手段がほかにないと信ずる相当の理由があるときです。
Q3収容令書とは何ですか?
退去強制事由に該当すると疑われる外国人を収容施設に収容するため、主任審査官が発付する令書です(入管法39条)。その執行中の抵抗が、本条2項2号の危害許容の前提場面になります。
Q4入管施設での制圧は違法になりますか?
必要最小限を超えれば違法になりえます。武器を使わない素手の制圧や戒具の使用でも、限度を超えれば国家賠償法1条の違法評価を受けうるため、状況と手段の相当性が問われます。
Q5特別公務員暴行陵虐罪とは?
法令により拘禁された者を看守・護送する者などが、その者に暴行や陵辱・加虐の行為をしたときに成立する罪です(刑法195条2項)。入管職員による過剰な制圧で問題になりえます。
Q6入管での暴行の国家賠償はいつまで請求できる?
損害と加害者を知った時から3年、生命・身体の侵害は5年です(民法724条・724条の2、国家賠償法4条)。不法行為の時から20年を過ぎても請求できなくなります。
Q7入管施設の監視カメラ映像は証拠保全できる?
訴え提起前でも、証拠保全の申立て(民事訴訟法234条)により裁判所を通じて確保を求められます。映像は上書きされうるため、弁護士に早期に相談することが重要です。
Q8付審判請求とは何ですか?
公務員職権濫用罪や特別公務員暴行陵虐罪などの告訴が不起訴になったとき、裁判所に審判に付すよう求める制度です。通知を受けた日から7日以内に請求します(刑訴法262条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1入管の職員って、本当に拳銃とか持ってるんですか?
本条1項は武器を携帯できると定めるだけで、種類は特定していない。実際にどの装備を持つかは、配置や任務に応じた運用による。条文上は入国審査官も携帯できる点が見落とされがちである。実務のポイント:争いになったとき重要なのは装備の種類ではなく、2項の「合理的に必要な限度」を超えたかどうかである。警棒や手錠でも限度を超えれば違法評価の対象になる
Q2収容中に押さえつけられてけがをしました。訴えられますか?
国家賠償法1条に基づき、国を相手に賠償を請求できる。本条2項は、危害を加えてよい場面を正当防衛・緊急避難か、令書執行への抵抗を防ぐ手段がほかにないときに限っている。実務のポイント:国側は「本人が暴れた」と主張するのが定番であり、勝敗を分けるのは監視映像である。訴訟を起こす前に証拠保全で映像を確保できるかどうかで、立証の難しさがまるで変わる
Q3送還のとき、家族が止めに入ったら罪になりますか?
職員の職務執行に暴行や脅迫を加えれば公務執行妨害罪(刑法95条)、拘禁された者の逃走を手助けすれば逃走援助罪(刑法100条)になりうる。さらにその家族は本条2項2号の「第三者」として、実力行使の対象にもなる。実務のポイント:送還を止めたいなら、身体で止めるのではなく、弁護士を通じた送還停止の申立てなど法的手段を事前に準備しておく。現場での数秒の行動が、家族全員の立場を悪くする
間違えやすい点 AI による整理
- 入管職員は丸腰の事務官だと思われがちだが、法律上は入国審査官も入国警備官も武器を携帯できる(1項)。実際にどの装備が配備されているかは条文に書かれておらず、運用による。「持っていないはず」という前提で現場の危険を見積もるのは誤りである
- 「武器さえ使わなければ、制圧は職員の裁量だ」と考える人は多い。しかし本条が定めているのは武器の使用に限った枠組みであり、素手による制圧や手錠などの戒具(身体を拘束する器具)の使用が無制限になるわけではない。必要最小限を超える実力行使は、武器の有無と関係なく国家賠償法1条の違法評価を受けうる。武器が出てこなかったことは、違法性を否定する材料にならない
- 「抵抗したのだから、何をされても文句は言えない」という発想は、問いの立て方そのものが誤っている。法律が問うのは抵抗の有無だけではない。(1)令書の執行中だったか、(2)ほかの手段がなかったと信じる相当の理由があったか、(3)その場で合理的に必要な限度だったか、の三点である。抵抗の事実は入口にすぎない
- 被収容者の側から見れば、声を荒げただけ、座り込んだだけでも「抵抗」とみなされて一気に押さえ込まれる。職員の側から見れば、それが「抵抗しようとする場合」の予兆に映る。この認識の落差が、施設内の制圧事件で繰り返し争点になっている。本人の感覚ではなく、記録と映像がどう見えるかが勝負を分ける
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では移民業務を担う職員の実力行使について、警械使用の要件と比例原則を定める枠組みが参照される
韓国も出入国管理公務員の武器携帯・使用を出入国管理法で直接規定しており、日本と同じ構造をとる
ドイツでは送還の執行を担う連邦警察に、連邦執行官の直接強制法が武器使用の要件を定める
米国は移民執行官の実力行使基準を連邦規則で定め、合理性と必要性を要件とする
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 収容中の友人が「送還の日に職員に押さえつけられ、肩を脱臼した」と面会室で話した。本人は抵抗していない、ただ泣いていただけだと言う。本条2項で危害が許されるのは抵抗の防止に「他の手段がない」ときに限られる。その日の時刻、人数、けがの部位を、面会当日のうちに書き留めておく
- 送還便に乗せられる支援対象者を空港で見送っていたとき、思わず腕をつかんで引き戻そうとしたらどうなるか? あなたは本条2項2号にいう「逃がそうとして抵抗する第三者」になる。職員の実力行使の対象になるうえ、公務執行妨害罪(刑法95条)や逃走援助罪(刑法100条)の容疑者にもなりうる
- 入国警備官として勤務するあなたが、収容令書を執行している最中に相手が暴れ出した。警棒を抜いてよいか、どこまで打ってよいか。判断の基準は「ほかに止める手段がないと信じる相当の理由」があったかであり、あとで報告書に書けない一撃は、国家賠償請求(国家賠償法1条)とあなた個人への刑事告訴の両方を呼び込む
- 兄が収容施設内で職員に制圧され、救急搬送された。施設側は「本人が暴れた」と説明している。監視カメラの映像は、保存期間が過ぎれば上書きされることがある。証拠保全の申立て(民事訴訟法234条)を急がなければならない
- 告訴した特別公務員暴行陵虐罪が不起訴になった。付審判請求ができる期間は、不起訴処分の通知を受けた日からわずか7日である
取るべき行動
被害を受けた側:1. けがの写真を撮り、できるだけ早く施設外の医療機関の診断書を取る2. 日時、場所、職員の人数、制圧に至った経緯、令書の執行中だったかどうかを本人から聞き取って記録する3. 弁護士を通じ、監視映像などの証拠保全を申し立てる(民事訴訟法234条) 4. 国家賠償請求(国家賠償法1条)を検討し、必要に応じて特別公務員暴行陵虐罪(刑法195条2項)で告訴する。不起訴になれば付審判請求の7日の期限に注意する
訴えられた側:1. 職員の立場なら、事案の直後に、令書執行の有無、相手の具体的な抵抗、他の手段を検討した過程、使った手段と程度を時系列で報告書に残す2. 映像記録の保存を所属長に求める3. 告訴された場合は、2項の各要件と刑法36条・37条の該当性を軸に防御を組み立てる。国家賠償では原則として国が賠償責任を負い、職員個人への求償は故意または重過失がある場合に限られる(国家賠償法1条2項)
時効(請求できる期限):国家賠償請求は、損害と加害者を知った時から3年(生命・身体の侵害は5年、民法724条・724条の2、国家賠償法4条で準用)、不法行為の時から20年。特別公務員暴行陵虐罪の公訴時効は5年(刑事訴訟法250条2項5号)。付審判請求は、不起訴処分の通知を受けた日から7日以内(刑事訴訟法262条2項)。致傷結果がある場合などは公訴時効が変わるため、最新の改正状況をご確認ください
学説
通説:本条2項の「合理的に必要と判断される限度」は警察比例の原則を具体化したものであり、武器使用に限らず、素手の制圧や戒具使用などの実力行使全般にも同じ比例の考え方が及ぶと解される。
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