出入国管理及び難民認定法 第73条の5
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- 第七十三条の三第一項又は第四項の犯罪行為の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
- 2.第七十三条の三第四項の犯罪行為の用に供する目的で、在留カード電磁的記録の情報を取得し、又は提供した者も、前項と同様とする。
- 3.不正に取得された在留カード電磁的記録の情報を、第七十三条の三第四項の犯罪行為の用に供する目的で保管した者も、第一項と同様とする。
- 4.第二項の罪の未遂は、罰する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5は、日本の出入国管理及び難民認定法に含まれる条文です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5の条文原文は「第七十三条の三第一項又は第四項の犯罪行為の用に供する目的で、器械又は原料を準備した者は、三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5は第九章 罰則に置かれています。
- 出入国管理及び難民認定法の公布日は昭和26年10月4日です。
- 出入国管理及び難民認定法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5の前の条は出入国管理及び難民認定法第73条の4です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5の次の条は出入国管理及び難民認定法第73条の6です。
- 出入国管理及び難民認定法第73条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/326CO0000000319 - 本サイト収録
出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第73条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/326CO0000000319/73_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点入管法73条の5は、在留カード偽造等に使う目的で器械・原料を準備する行為やIC情報の取得・提供・保管を、偽造前でも3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金で罰する。
Q · 在留カードの偽造カードを作っていなくても、準備しただけで罪になるの?
偽造目的があれば、準備だけで3年以下の拘禁刑等になる
入管法73条の5第1項により、在留カードの偽造等(73条の3第1項・第4項)に使う目的で器械や原料を準備すると、偽造カードが完成していなくても3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金になります。IC チップの情報を偽造目的で取得・提供する行為(2項、未遂も処罰)や、不正取得された情報を保管する行為(3項)も同じ刑です。ただし、同じ機器を正当な用途で持つだけなら罪にはなりません。
解説
刑法の世界では、犯罪は原則として「実行に着手」してはじめて処罰される。準備段階まで罰する規定は、殺人予備や通貨偽造準備など、ごく一部しかない。入管法73条の5は、在留カードをその少数派に加えた条文である。在留カードの偽造(73条の3第1項)や IC チップの電磁的記録に関わる偽造類型(同条第4項)に使う目的でカードプリンターや白地カード、ホログラムフィルムをそろえた時点で、偽造カードが一枚もできていなくても、3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金になる。IC チップの情報を偽造目的で取得・提供すること(2項)、不正に取得された情報を保管すること(3項)も同じ刑で、取得・提供は未遂も罰せられる(4項)。ここで押さえるべき分かれ目は「目的」だ。同じプリンターを買っても、社員証を作るためなら何の罪にもならない。偽造に使うためなら犯罪になる。捜査で問われるのは、あなたがその機械を何に使うつもりだったかである。SNS で「荷物を受け取るだけ」「データを送るだけ」の仕事を引き受けたとき、あなたは自分の知らないうちにこの線の内側に立っているかもしれない
法的な位置づけ
出入国管理及び難民認定法73条の5は在留カード偽造等の準備罪を定める規定であり、73条の3第1項又は第4項の犯罪行為に供する目的での器械・原料の準備、在留カード電磁的記録の情報の取得・提供、不正に取得された同情報の保管を、偽造の実行着手前の段階で処罰する目的犯である。
よくある質問 AI による整理
Q1在留カード偽造準備罪とは?
在留カードの偽造等に使う目的で、器械や原料をそろえる行為を罰する罪です。入管法73条の5が根拠で、偽造カードが完成していなくても成立します。
Q2在留カード偽造準備罪の刑罰はどのくらい?
3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です(入管法73条の5)。2025年6月の刑法改正施行で、懲役から拘禁刑に表記が変わりました。
Q3在留カードの IC チップを読み取るのは違法?
読み取り自体は違法ではありません。偽造等(73条の3第4項)に使う目的で情報を取得・提供した場合に限り、73条の5第2項で処罰されます。
Q4在留カード偽造 準備罪 未遂も処罰される?
IC 情報の取得・提供(2項)は未遂も罰せられます(4項)。器械・原料の準備(1項)と情報の保管(3項)には未遂処罰の規定がありません。
Q5闇バイトで荷物を転送しただけでも捕まる?
中身が偽造用の機器だと知っていた、またはそう疑うべき事情があった場合、準備行為への加担として捜査対象になりえます。目的の認識が分かれ目です。
Q6他人の在留カードのデータを保存していたら罪になる?
不正に取得された情報を偽造等に使う目的で保管すれば73条の5第3項にあたります。雇用管理など正当な目的での保存は対象外です。
Q7在留カード偽造準備罪の時効は何年?
公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は犯罪行為が終わった時で、保管罪は保管をやめた時から進むと解される余地があります。
Q8外国人が在留カード偽造準備罪で有罪になるとどうなる?
刑罰に加え、在留資格の更新・変更の不許可や退去強制の判断に影響しうるため、入管実務に詳しい専門家への早期相談が重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1カードプリンターで自作グッズを作ってるんですが、これって捕まる可能性あります?
在留カードの偽造に使う目的がなければ、73条の5第1項の対象外である。処罰の要件は、機器を準備したことに加えて、73条の3第1項・第4項の罪に使う「目的」があることだ。実務のポイント:捜査で目的の有無を判断する材料になるのは、機器そのものより周辺の証拠である。他人の顔写真データ、在留カード券面のテンプレート画像、外国人名義の個人情報リストがパソコンにあれば、趣味の説明は通りにくい。無関係なデータを放置しないこと自体が身を守る
Q2偽造カードを買った側と、作る準備をした側、どっちが重いんですか?
目的をもって偽造カードを収受する行為は73条の3の罪となり、法定刑は1年以上10年以下の拘禁刑である(現行条文の項番号は要確認)。73条の5の準備罪(3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)より重い。実務のポイント:実際の事件では、準備罪だけで終わることは少ない。捜索で完成品が見つかれば偽造罪そのもので起訴され、準備罪は、完成品が押収されなかったときや関与が周辺的な人物にとどまるときの受け皿として使われることが多い(最新の改正状況をご確認ください)
Q3会社で外国人スタッフの在留カードをスキャンして保存してるけど、これって保管罪になりますか?
雇用管理や在留資格の確認という正当な目的での保存は、73条の5第3項の「保管」にはあたらない。同項が対象にするのは、不正に取得された電磁的記録の情報を、偽造等に使う目的で保管することである。実務のポイント:刑事責任とは別に、個人情報保護法上の管理義務は残る。スキャンデータが流出して偽造グループの手に渡れば、あなたの会社が偽造の原料の供給源になる。アクセス権限を絞り、保存期間を決めておくことが、実務上いちばん効く対策になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「偽造カードを作っていなければ罪にならない」と思われがちだが、73条の5は偽造の着手より前の準備行為そのものを処罰する。偽造品が一枚も存在しなくても、機械・原料の準備、IC 情報の取得・提供・保管の段階で既遂になる
- カードプリンターや白地の IC カードを持っていること自体が違法だと恐れる人もいるが、そうではない。同じ機器は社員証や会員証の製作で日常的に使われている。処罰の分かれ目は「在留カード偽造等に使う目的」があったかどうかで、捜査ではやり取りのメッセージ、発注内容、他人名義のデータの有無などから目的が推認される
- 外国人の雇い主から見れば、偽造カードは「偽造した犯人の問題」にとどまる。だが入管法73条の2の不法就労助長罪では、在留資格がないことを知らなかったとしても、過失がない場合でなければ処罰を免れない(同条2項)。準備罪で量産された精巧な偽造カードが出回るほど、券面を目で確認するだけの雇用主は「過失あり」と言われやすくなる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 処罰する段階 | 入管法73条の5:偽造の着手前(器械・原料の準備、IC 情報の取得・提供・保管) | 入管法73条の3:在留カードの偽造・変造等の実行行為 刑法163条の4:支払用カード電磁的記録の不正作出の準備 |
| 主観要件 | 73条の3第1項又は第4項の犯罪行為に供する目的 | 行使の目的など各類型に応じた目的 支払用カード電磁的記録不正作出の用に供する目的 |
| 法定刑 | 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 | 偽造罪本体は1年以上10年以下の拘禁刑(各項の刑は e-Gov で要確認) 3年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 未遂処罰 | IC 情報の取得・提供(2項)のみ未遂処罰 | 各項ごとの規定による(e-Gov で要確認) 刑法163条の5で一部類型の未遂を処罰 |
他国ではどう定めているか 3 か国
居留証の偽造は特種文書偽造罪で処罰されうるが、準備行為を独立に罰する規定は信用カード等の偽造準備(204条)にとどまり、在留証明書類の準備罪は日本ほど明確ではない
ドイツは公的身分証の偽造準備を独立に処罰し、§ 276a で滞在許可関係書類にも拡張している。日本の本条と発想が近い
米国連邦法は移民関係書類の偽造に加え、偽造用の版や材料の所持も処罰対象に含めている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- SNS で「在宅で荷物受け取り、1件5,000円」という募集に応じた。届いたのはカードプリンターと、何も印刷されていない IC カード200枚。指示どおり別の住所に転送した。偽造カードを一枚も見ていなくても、偽造に使われると分かっていた、あるいはそう疑わせる事情があったとされれば、準備行為への加担として捜査対象になりうる
- もし、知人から「在留カードの IC チップを読むアプリを作ってくれ。読んだデータは別のカードに書き込む」と頼まれたら、どうなる? 報酬が出るからとコードを書いて渡すと、2項の「提供」や共犯の問題になる。技術そのものは中立でも、依頼文の「別のカードに書き込む」という一文が目的の証拠として残る
- あなたは外国人スタッフを受け入れる派遣会社の担当者だ。来週月曜に20名が入社する。そのうち1枚の在留カードで、券面の写真と IC チップの顔写真が一致しない。残り3日で雇用の可否を決めなければならない
- 警察の家宅捜索で、自宅のパソコンから他人名義の在留カードの IC データが数十件見つかった。自分で読み取ったものではなく、仲間から受け取って保存していただけだ。それでも3項の「保管」にあたりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の在留カードの情報が勝手に読み取られた、コピーを悪用された疑いがあれば、最寄りの地方出入国在留管理局と警察に相談し、相談日時と担当者を記録する2. 雇用主として偽造カードをつかまされた場合は、カード原本やコピー、読取アプリの結果、面接記録を保全し、本人への処分より先に入管と警察に報告する3. 以後は入社時の IC 照合を社内手順として文書化し、確認記録を保存する
訴えられた側:1. 取調べの前に弁護人を依頼し、当番弁護士(初回無料)も使う2. 争点は「偽造に使う目的」の有無なので、機器の購入理由、依頼者とのやり取り、報酬の流れを弁護人と時系列で整理する。推測で供述しない3. 外国籍の場合、有罪判決は在留資格の更新・変更や退去強制の判断に直結しうるので、入管実務に詳しい弁護士か行政書士にも早めに相談する4. 法定刑の上限が3年なので執行猶予の余地があり、関与の程度と反省の具体的な中身が量刑を左右する
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号、長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)。起算点は犯罪行為が終わった時(同法253条)。3項の「保管」は保管が続く限り犯罪が続いているとみなされる可能性があり、時効は保管をやめた時点から進むと解される余地がある
学説
一般的理解:本条は在留カード偽造の実行着手前の行為を独立に処罰する準備罪であり、処罰範囲の広がりを「73条の3第1項又は第4項の犯罪行為に供する目的」という主観要件と、偽造罪本体より軽い法定刑で限定していると理解されている。
改正沿革 AI による整理
- 平成21年(2009年)新設、平成24年(2012年)7月施行 外国人登録制度を廃止して在留カード制度を導入した新しい在留管理制度の一部として、在留カード偽造関連の罰則とともに準備罪が新設された
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正により懲役と禁錮が拘禁刑に統合され、本条の法定刑が「三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」に改められた
改正の年表
- 1.平成21年(2009年) 新設:外国人登録制度を廃止して在留カード制度を導入する入管法改正の一部として、在留カード偽造関連罪とともに準備罪を新設(平成24年(2012年)7月施行)
- 2.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部改正に伴う整理により、懲役刑が拘禁刑に改められ、法定刑が「三年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金」となった(令和7年(2025年)6月1日施行)
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