受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 8 分8 分8 分

自動車損害賠償保障法 第3条(自動車損害賠償責任)

クイックジャンプ

自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が自動車の運行に関し注意を怠らなかつたこと、被害者又は運転者以外の第三者に故意又は過失があつたこと並びに自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかつたことを証明したときは、この限りでない。

この条文の基本情報

自動車損害賠償責任とは何ですか?

定義自動車損害賠償責任とは、自動車損害賠償保障法第3条に定められた規定で、「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 自動車損害賠償保障法第3条(自動車損害賠償責任)は、日本の自動車損害賠償保障法に含まれる条文です。
  2. 自動車損害賠償保障法第3条の条文原文は「自己のために自動車を運行の用に供する者は、その運行によつて他人の生命又は身体を害したときは、これによつて生じた損害を賠償する責に任ずる。ただし、自己及び運転者が…」で始まります。
  3. 自動車損害賠償保障法第3条は第二章 自動車損害賠償責任に置かれています。
  4. 自動車損害賠償保障法の公布日は昭和30年7月29日です。
  5. 自動車損害賠償保障法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 自動車損害賠償保障法第3条の前の条は自動車損害賠償保障法第2条です。
  7. 自動車損害賠償保障法第3条の次の条は自動車損害賠償保障法第4条です。
  8. 自動車損害賠償保障法第3条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)第3条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/330AC0000000097
  • 本サイト収録自動車損害賠償保障法(昭和三十年法律第九十七号)第3条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/330AC0000000097/3
裁判例 68件に引用されています

関連度の高い3件を表示しています

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点自動車損害賠償保障法3条は、運行供用者に、運行による他人の生命・身体の損害を賠償する責任を負わせる。免責には三要件すべての証明が必要で、物損は対象外。

Q · 車を貸しただけで運転していないのに、人身事故の賠償を払う必要があるの?

運行供用者に当たれば、運転していなくても責任を負う

自動車損害賠償保障法3条は、責任を負う者を運転者ではなく「自己のために自動車を運行の用に供する者」(運行供用者)と定めています。車の使い方を支配し利益を得る立場にあれば、所有者や会社も対象になります。免責されるには、注意を怠らなかったこと、被害者か第三者の故意・過失、車の欠陥・故障がなかったことの三点をすべて運行供用者の側が証明しなければなりません。対象は生命・身体の損害に限られ、物損は民法709条で請求します。

解説

運転していなかった車の持ち主が、人身事故の賠償を負うことがある。自賠法3条はそういう条文である。民法709条なら、被害者の側が加害者の「過失」を証明しなければならない。本条はこの負担を逆にした。責任を負うのは「自己のために自動車を運行の用に供する者」、つまり運行供用者(車の使い方を決められる立場にあり、その使用から利益を得ている人。所有者、社用車を使わせる会社、レンタカー業者などが当たりうる)である。責任を免れるには、①自分と運転者が注意を怠らなかったこと、②被害者か第三者に故意・過失があったこと、③車に構造上の欠陥や機能の障害がなかったこと、の三つを運行供用者の側が全部証明しなければならない。一つでも証明できなければ責任は残る。実務上、免責が認められる事案はごく少ない。ただし、本条が守るのは「生命又は身体」の損害だけである。へこんだバンパーや壊れたスマホは対象外で、民法709条に戻って過失を立証する必要がある。人身か物損か。この線引きを知っているかどうかで、事故直後の動き方が変わる。

法的な位置づけ

自動車損害賠償保障法3条は運行供用者責任を定める規定であり、自己のために自動車を運行の用に供する者が、その運行によって他人の生命又は身体を害したときに生じた損害を賠償する責任を負う旨を規定する。民法709条の過失責任に対する特則として証明責任を転換し、免責三要件の全部証明を運行供用者に課す。

手順

  1. 1.警察に届け出て人身事故として扱ってもらう 事故直後に警察へ届け出る。けががある場合は診断書を提出して人身事故扱いにしてもらい、自動車安全運転センターで交通事故証明書を取得できる状態にする
  2. 2.運行供用者の候補を記録する 運転者との口論より先に、相手車両の車検証の所有者・使用者欄、自賠責保険証明書の保険会社名と証明書番号、社用車なら会社名を撮影して控える。運転者以外にも請求先がいるかを見極める材料になる
  3. 3.当面の資金が必要なら仮渡金を請求する 治療費や生活費に困る場合は、相手の自賠責保険会社に仮渡金(17条)を請求する。傷害の程度に応じて一定額が早期に支払われる
  4. 4.自賠責へ被害者請求を出す 任意保険会社の一括対応を待たず、相手の自賠責保険会社へ被害者請求(16条)を出す。時効は損害と保有者を知った時から3年なので、期限を手帳に書いておく
  5. 5.物損は別枠で民法709条として交渉する 車の修理代などの物損は本条の対象外なので、人身部分と切り分けて相手の過失を立証する形で交渉する。示談書も人身と物損を分けて作る

よくある質問 AI による整理

Q1運行供用者とは?

自己のために自動車を運行の用に供する者をいいます。判例は車の運行を支配し、その利益を受ける者と捉え、所有者、社用車を使わせる会社、レンタカー業者などが当たりうるとしています。

Q2自賠法3条の免責要件とは?

①自己と運転者が注意を怠らなかったこと、②被害者か運転者以外の第三者に故意・過失があったこと、③車に構造上の欠陥・機能障害がなかったこと。三つ全部の証明が必要です。

Q3自賠法3条で物損は請求できる?

できません。本条の対象は他人の生命又は身体の損害だけです。車の修理代や持ち物の損害は、民法709条に基づき相手の過失を立証して請求します。

Q4車を盗まれて事故を起こされたら所有者の責任は?

原則として所有者の運行供用者責任は否定されやすい一方、キーを差したまま放置するなど管理に落ち度があった場合は、判断が分かれる余地があります。

Q5従業員がマイカー通勤中に事故を起こしたら会社の責任は?

会社がその車の運行を支配し利益を得ていたと評価されれば、運行供用者責任を問われえます。業務利用の黙認や通勤手当の支給状況などで判断が分かれます。

Q6民法709条と自賠法3条の違いは?

709条は被害者が加害者の過失を証明する必要があります。自賠法3条は人身損害に限り、運行供用者の側が免責三要件を証明しない限り責任を負う点が違います。

Q7レンタカーで事故を起こしたらレンタカー会社も責任を負う?

レンタカー業者も運行供用者に当たりうるとされ、被害者は業者側に請求できる場合があります。実務では業者が加入する自賠責・任意保険で処理されるのが通常です。

Q8自賠責保険の支払限度額はいくら?

施行令2条により、死亡は3,000万円、傷害は120万円、後遺障害は等級に応じ75万円から最大4,000万円(常時介護)が上限です。超える分は任意保険や加害者本人に請求します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1友達に車を貸して事故られたんだけど、持ち主の自分も払わないといけないの?

人身損害については、貸した持ち主も運行供用者として本条の責任を問われうる。無断で乗り出されたなら事情は変わるが、自分の意思で貸した以上、責任を否定するのは難しい。実務のポイント:任意保険に「本人・配偶者限定」などの運転者限定特約が付いていると、友人の運転では任意保険が出ない。自賠責だけでは上限を超えた分が自腹になるので、貸す前に特約を確認しておくこと

Q2相手が「任意保険に入ってない」って言うんだけど、泣き寝入りするしかない?

自賠責保険は強制加入なので、人身損害は相手の自賠責に直接請求できる(16条)。相手が自賠責にも入っていない場合や、ひき逃げで相手がわからない場合は、政府保障事業(72条)が同じ水準の補償を行う。実務のポイント:政府保障事業の窓口は損害保険会社である。ひき逃げ被害者の多くはこの制度を知らず、自分の人身傷害保険だけで済ませてしまう。両方使えるかを確認すること

Q3自分にも結構過失あるんだけど、それでも自賠責って出るの?

出る。自賠責では、被害者の過失が7割以上という重大な過失がある場合にだけ段階的に減額され、それ未満なら過失相殺による減額はない。裁判や任意保険では5割の過失があれば賠償額も半分になるのと比べると、大きな違いである。実務のポイント:自分の過失が大きい事故では、任意保険の一括対応に任せず、まず自賠責に被害者請求を出す方が手元に残る金額が多くなることがある

Q4夫の運転で事故って私がけがした。家族でも夫の車の保険に請求できるの?

できる。運転者の妻も本条の「他人」に当たるとした最高裁判決がある(最判昭和47.5.30)。運行供用者でも運転者でもない家族は、原則として自賠責に請求できる。実務のポイント:任意保険の対人賠償では、配偶者や同居の親族は免責とされるのが一般的である。家族のけがで頼れるのは自賠責と人身傷害保険になる。「身内だから保険は出ない」と思い込んで請求しない人が多い

間違えやすい点 AI による整理

  • 「運転していない自分には関係ない」と考える車の所有者は多い。だが本条が責任を負わせるのは運転者ではなく運行供用者である。家族や従業員、友人に車を使わせていたなら、あなたの名前で賠償請求が届く可能性がある。本人に無断で車を盗まれた場合は、キーの管理状況などによって判断が分かれる
  • 「ほぼ無過失責任」という説明は聞いたことがあっても、その重さまでは知られていない。免責の三要件は「どれか一つ」ではなく「全部」を証明する必要がある。たとえ運転に落ち度がなくても、ブレーキの整備不良が見つかれば三つ目の要件で崩れる。定期点検の記録を残していない車は、それだけで免責の見込みが大きく下がる
  • 被害者からすれば、一度の事故による損害はひとまとまりに見える。しかし法律上は「人身」と「物損」の二本に分かれる。本条と自賠責保険が担うのは人身だけである。物損まで同じ感覚で請求すると、過失の立証という別の壁にぶつかる。示談の場で両者を混ぜて交渉すると、有利な人身部分まで押し込まれやすい
比較の観点この条文ほかの条文
何を定めるか自賠法3条:運行供用者の賠償責任(誰が払うか)自賠法16条:被害者から保険会社への直接請求(どこに請求するか)
自賠法72条:ひき逃げ・無保険事故の政府保障事業(保険がないとき)
請求の相手方運行供用者(所有者・会社・レンタカー業者など)加害車両の自賠責保険会社
国(窓口は損害保険会社)
支払の上限上限なし(実損害の全額)施行令2条の保険金額が上限
自賠責と同水準が上限
時効・期限民法の適用(4条):知った時から5年、事故から20年損害と保有者を知った時から3年(19条)
原則3年

他国ではどう定めているか 5 か国

台湾
民法第191条の2・強制汽車責任保険法

台湾は民法で動力車両運転者の過失を推定し、強制汽車責任保険法で人身被害に対する保険給付を別途用意する二本立て。責任主体を運転者中心に置く点で日本の運行供用者概念と異なる。

韓国
자동차손해배상 보장법 제3조

韓国は日本の本条とほぼ同じ構造で「자기를 위하여 자동차를 운행하는 자」の責任と免責要件を定めている。

ドイツ
StVG § 7

ドイツは保有者(Halter)の危険責任を定め、不可抗力(höhere Gewalt)の場合に限り免責する。日本の三要件より免責の幅が狭い。

フランス
Loi n° 85-677 du 5 juillet 1985

フランスのバダンテール法は、交通事故の被害者救済を過失責任から切り離し、運転者以外の被害者の過失による減免を大きく制限する。

アメリカ
New York Vehicle and Traffic Law § 388ほか州法

米国は州ごとに異なり、許可を得た運転者の事故について所有者に責任を負わせる州法や、ノーフォールト自動車保険制度を採る州がある。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 大学生の息子にマイカーを貸したら、息子が歩行者をはねて骨折させた。運転していたのは息子だが、車検証の所有者も使用者もあなたである。被害者側の弁護士から届いた内容証明には、息子と並んであなたの名前が書かれていた。運転を許していた以上、あなたは運行供用者として責任を問われうる
  • 横断歩道を渡っているとき、配送会社のトラックと接触して全治二か月。ドライバーは「そっちが飛び出した」と言い張る。本条のもとでは、会社の側が三つの免責要件をすべて証明しないかぎり責任を免れない。あなたが相手の過失を一つずつ証明する必要はない
  • 友人の車に乗せてもらい、帰り道に友人が電柱に衝突した。助手席のあなたはむち打ちになった。乗せてもらっていた立場でも請求できるのだろうか? 同乗者も本条の「他人」に当たり、友人の加入している自賠責保険に請求できる。好意同乗を理由に賠償が減額されることはあるが、請求権そのものは消えない
  • 追突された。車の修理代は80万円、首の治療は半年に及んだ。修理代は民法709条、治療費は自賠法3条。同じ一回の事故でも、請求の根拠は二本に分かれる
  • 事故から2年10か月が経った。相手の任意保険会社とのやりとりは途中で止まったままである。自賠責保険への被害者請求の時効は、損害と保有者を知った時から3年。残りは2か月しかない。保険会社の返事を待っているうちに、自賠責から回収できる分まで失いかねない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 警察に届け出て人身事故として扱ってもらい、交通事故証明書を取れるようにする。物損扱いのままだと後で手続が面倒になる2. 車検証の所有者・使用者欄、相手の自賠責保険証明書の会社名と証明書番号を控える3. 当面の治療費に困ったら仮渡金(17条)を請求し、任意保険会社の対応が遅い場合は自賠責へ直接被害者請求(16条)を出す4. 物損は民法709条として別に扱い、人身部分と混ぜて示談しない

訴えられた側:1. 本条の責任は原則として免れないと考え、まず自賠責保険と任意保険の会社にすぐ連絡する2. 免責を主張するなら、ドライブレコーダーの映像、点検整備記録簿、目撃者の証言で三要件をすべて固める。一つでも欠ければ主張は成り立たない3. 被害者側に大きな過失がある場合は、過失相殺(民法722条2項)で減額を求める4. 被害者に直接示談金を渡す前に保険会社と調整する。先に払った分は加害者請求(15条)で精算する

時効(請求できる期限):本条に基づく損害賠償請求は、自賠法4条により民法が適用される。人の生命・身体の侵害なので、損害と加害者を知った時から5年(民法724条の2)、事故の時から20年(同724条)で時効にかかる。自賠責保険への被害者請求(16条)は、損害と保有者を知った時から3年(19条、平成22年4月1日以降の事故)である(最新の改正状況をご確認ください)

学説

二元説(判例・通説):運行供用者は運行支配と運行利益の二つを基準に判断するという立場。近時は運行利益を緩やかに捉え、運行支配を中心に判断する傾向が指摘されている。

危険責任・報償責任:危険な自動車を支配する者がその危険を負担し、利益を得る者が損失も負担すべきという考え方が、証明責任転換の正当化根拠とされる。

改正沿革 AI による整理

  • 昭和30年(1955年)制定 自動車損害賠償保障法の制定とともに設けられた。運行供用者責任と免責三要件の証明責任の転換を定め、自賠責保険の強制加入と一体で人身被害者を救済する仕組みを作った。本条の文言は制定以来改正されていないとみられる

改正の年表

  1. 1.昭和30年(1955年) 新設:自動車損害賠償保障法の制定とともに新設。運行供用者責任と免責三要件の証明責任転換を定め、自賠責保険の強制加入と一体で人身被害者を救済する仕組みを作った。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

自動車損害賠償保障法の全文を見る所属する編章節を開く:第二章 自動車損害賠償責任

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›