要点実用新案法 20 条は、特許が無効となり同一考案の実用新案権が残る場合、無効審判の請求登録前から善意で実施していた者に、相当の対価を条件として通常実施権(中用権)を認める規定である。
Q · 信じて投資した特許が無効になったら、もう製品を作れなくなるの?
いいえ。善意なら対価を払って作り続けられます
実用新案法 20 条により、特許が無効審判で無効とされ、同一の考案について他人の実用新案権が残っても、無効審判の請求登録より前から「特許が無効になる事情を知らないで」事業をしていた、または準備していた原特許権者等は、その発明および事業の目的の範囲内で通常実施権(中用権)を法律上当然に取得します。ただし 2 項により、実用新案権者または専用実施権者へ相当の対価を支払う義務がセットになります。差止めを受けて撤退する代わりに、対価を払って操業を続ける中間の道が用意されています。
特許を信じて製造ラインを組み、量産に何千万円も注ぎ込んだ。ところが数年後、その特許が他社の実用新案登録と同一の考案だったとして、無効審判で消し飛ぶ。普通なら、あなたの投資は丸ごとパーになり、しかも今度はその実用新案権者から差止めを食らう側に回る。だがこの条文は別の結末を用意している。無効審判の請求が登録される前に、特許が無効になる事情を知らずに事業をしていた、または準備に入っていたなら、あなたはその実用新案について通常実施権、つまり「使い続ける権利」を法律上当然に手にする。代わりに相当の対価は払う。ゼロか百かではなく、対価を払って事業を生かす中間の道がここにある。条文番号を知らないまま交渉に臨むと、相手の弁理士はこの権利の存在を自分からは教えてくれない。
実用新案法 20 条の中用権とは、特許を無効にした場合の実用新案権または専用実施権について、無効審判の請求登録前から善意で当該発明を実施または準備していた原特許権者等に、法律上当然に発生する通常実施権をいう。発明および事業の目的の範囲内に限られ、実用新案権者に相当の対価を支払う義務を伴う。
AI 輔助整理,以條文原文為準
特許が無効になり同一考案の実用新案権が残る場合に、無効審判の請求登録前から善意で実施していた者へ法律上当然に発生する通常実施権です。実用新案法 20 条が根拠です。
先用権は出願時に既に実施していた者の保護、中用権は特許が無効になった後に同一考案の実用新案権から守る保護です。発生の基準時と前提が異なります。
無効審判の請求の登録時が基準です。それより前から善意で事業をしていたか準備に入っていれば成立し、登録後の着手では認められません。
実施規模・利益・業界相場をもとに当事者の協議で決めます。折り合わなければ最終的に裁判所が相当の対価を判断します。実用新案法 20 条 2 項が根拠です。
特許が無効になる事情(無効理由)を知らなかったことを指します。知って実施していた場合は中用権が成立しません。立証は実施者側に課されます。
通常実施権は原則として実用新案権者の承諾や事業とともにする等の要件下で移転し得ます。事業の目的の範囲を超える拡大利用には及びません。
構造はほぼ同じで、特許法 80 条は無効になった特許と同一発明に別の特許がある場合、実用新案法 20 条は実用新案権が残る場合を扱います。
請求登録前から善意で実施していれば、中用権を主張して操業を継続できます。相手に残るのは差止めではなく相当の対価の請求権です。
いつもそうとは限りません。無効になった特許と同一の考案について他人の実用新案権が存続していれば、その権利が技術を独占し続けます。本条はそうした場面で、善意の実施者に通常実施権を与えて救済します(実用新案法 20 条 1 項)。業界裏話ヒント:特許が消えても周辺の実用新案が生きているケースは実務でよくあり、無効審判の勝訴イコール自由実施とはならない。勝った後にこそ実用新案の存在を確認する
守られます。本条は原特許権者だけでなく、その特許権についての専用実施権者や通常実施権者も保護対象に含めています(20 条 1 項 3 号)。あなたが特許権者本人でなくても、無効審判の請求登録前から善意で実施していれば通常実施権を得られます。業界裏話ヒント:保護範囲が下請け・ライセンシーまで及ぶことを知らず、警告書一通で操業を止めてしまう中小製造業は少なくない。契約上の地位を確認してから対応を決める
タダではありません。本条 2 項で、実用新案権者または専用実施権者は通常実施権者から相当の対価を受ける権利を持ちます。対価額は実施規模・利益・業界相場で決まり、当事者の協議で折り合わなければ最終的に裁判所が判断します。業界裏話ヒント:相手が対価交渉に応じる時点で、差止めという最悪のカードはすでに消えている。だから対価交渉に持ち込めること自体が、実施者にとって大きな勝ちだと理解しておく
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 権利が発生する場面 | 20 条(中用権):特許が無効になり同一考案の実用新案権が残る場合 | — |
| 発生の根拠 | 請求登録前の善意の実施・準備(法定) | — |
| 対価の有無 | 2 項により相当の対価の支払義務あり | — |
| 保護される範囲 | 実施・準備をしている発明及び事業の目的の範囲内 | — |
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