実用新案法 第21条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)
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- 登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者又は専用実施権者に対し通常実施権の許諾について協議を求めることができる。ただし、その登録実用新案に係る実用新案登録出願の日から四年を経過していないときは、この限りでない。
- 2.前項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
- 3.特許法第八十四条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、前項の裁定に準用する。
この条文の基本情報
不実施の場合の通常実施権の設定の裁定とは何ですか?
定義不実施の場合の通常実施権の設定の裁定とは、実用新案法第21条に定められた規定で、「登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者又は専用実施権者に対し通常実…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第21条(不実施の場合の通常実施権の設定の裁定)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第21条の条文原文は「登録実用新案の実施が継続して三年以上日本国内において適当にされていないときは、その登録実用新案の実施をしようとする者は、実用新案権者又は専用実施権者に対し通常実…」で始まります。
- 実用新案法第21条は第一節 実用新案権に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第21条の前の条は実用新案法第20条です。
- 実用新案法第21条の次の条は実用新案法第22条です。
- 実用新案法第21条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第21条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第21条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/21
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法21条は、登録実用新案が三年以上不実施のとき、第三者が通常実施権の協議を求め、不調なら特許庁長官に裁定を請求できると定める。ただし出願から四年の経過が必要。
Q · 他社が使っていない実用新案が邪魔。使わせてもらう方法はある?
出願から四年経過+三年以上不実施なら、第三者は使用許諾を請求できます
実用新案法21条により、登録実用新案が継続して三年以上日本国内で適当に実施されていない場合、その実施を望む者は権利者に通常実施権の許諾について協議を求めることができます。協議が成立しない、または協議できないときは、特許庁長官に裁定を請求できます(特許法84条以下を準用)。ただし出願日から四年を経過していることが要件です。裁定では相応の対価(実施料)も定められ、無償で使えるわけではありません。
解説
実用新案を登録すれば、その権利は自分が好きなだけ寝かせておける、誰にも文句は言わせない。そう思っているなら、この条文があなたの足元をすくう。登録された実用新案が、日本国内で三年以上きちんと実施されていないとき、その技術を使いたい第三者は、権利者に対して「通常実施権を許諾してくれ」と協議を求めることができる。協議が決裂、または相手が応じないなら、次は特許庁長官に裁定を請求できる。つまり、登録という独占の鎧を着ていても、技術を眠らせ続ける者からは、国家の力で使用許諾を引き剥がす仕組みが用意されている。ただし条件がある。出願日から四年が経過していなければこの裁定は使えない。生まれたての権利には四年の猶予が与えられ、その後に三年寝かせれば、扉が開く。あなたが眠った実用新案に道を塞がれている側なら、これは突破口だ。逆にあなたが防衛目的で実案を取って放置している側なら、その盾はいつまでも無傷ではない。
法的な位置づけ
実用新案法21条は、不実施を理由とする通常実施権設定の裁定を定める規定である。登録実用新案が継続して三年以上日本国内で適当に実施されていない場合、その実施を望む者は権利者に協議を求め、協議が調わないときは特許庁長官の裁定を請求できる。ただし出願日から四年の経過が要件となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.出願日と登録状況を J-PlatPat で確認 障壁となっている実用新案の出願日・登録日を特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で調べ、出願日から四年を経過しているかを押さえる。四年未満なら裁定請求の前提を欠く
- 2.三年以上の不実施を裏付ける証拠を集める 権利者が当該登録実用新案を日本国内で実施しているかを調査し、製品の不存在・カタログ調査・市場調査などで継続三年以上の不実施を裏付ける証拠を整える
- 3.通常実施権の協議を求める書面を送付 二要件を満たすことを確認したうえで、通常実施権の許諾について協議を求める書面を権利者へ送付する。協議の事実と日付を残すため内容証明郵便が望ましい
- 4.協議不成立なら特許庁長官に裁定を請求 協議が成立しない、または協議できないときは特許庁長官に裁定を請求する(特許法84条以下準用)。弁理士に相談し、実施料率を含む許諾条件案を主導的に準備する
よくある質問 AI による整理
Q1不実施裁定とは何ですか?
登録実用新案を三年以上使わない権利者に対し、第三者が特許庁長官の裁定で通常実施権を得る制度です。実用新案法21条が根拠で、出願から四年経過が要件です。
Q2実用新案の強制実施権はどうやって請求しますか?
まず権利者に協議を求め、成立しないときに特許庁長官へ裁定請求します。手続は特許法84条以下を準用し、実施計画と許諾条件案の準備が必要です。
Q3出願から四年とはいつから数えますか?
登録日ではなく実用新案登録出願の日が起算点です。J-PlatPat で出願日を確認できます。四年未満なら不実施でも裁定請求はできません。
Q4協議請求は内容証明で送るべきですか?
法律上の必須形式ではありませんが、協議を求めた事実と日付を立証するため内容証明郵便が実務上望ましいです。後の裁定請求の前提になります。
Q5三年不実施の「適当に実施されていない」とは?
国内で正当な規模・態様の実施がない状態を指します。形だけの僅少な実施は「適当な実施」と認められない場合があります。
Q6実用新案と特許で不実施裁定の扱いは違いますか?
基本構造は同じで、実用新案法21条は特許法84〜91条の2を準用します。実用新案は無審査登録のため権利が不安定な点が背景にあります。
Q7防衛目的で取った実用新案は不実施裁定の対象になりますか?
なります。使う意思がなく押さえているだけの登録でも、四年経過+三年不実施の要件を満たせば第三者が協議・裁定を請求できます。
Q8裁定の対価(実施料)はどう決まりますか?
裁定で通常実施権の設定とあわせて支払うべき対価が定められます(特許法84条以下準用)。当事者合意より硬直的になりやすいのが実務上の特徴です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1他人が使ってない実用新案、勝手に使ったらダメなんですか?
勝手に使えば実用新案権の侵害になります(実用新案法16条)。使われていないからといって権利が消えるわけではありません。本条21条が用意するのは、協議請求から特許庁長官の裁定という正規ルートを通じて通常実施権を得る道です。実務のポイント:実務では裁定まで至る例はほぼなく、協議請求が相手をライセンス交渉のテーブルに着かせる圧力装置として機能します。いきなり使うのではなく、まず協議請求で相手の出方を見るのが定石です
Q2出願してから四年経たないと裁定は使えないって、なぜそんな縛りがあるんですか?
登録直後の権利者にも、製品化や実施準備のための猶予が必要だからです(本条1項ただし書)。生まれたての権利を即座に他人が使わせろと迫れるなら、誰も安心して権利を取れません。実務のポイント:実用新案は無審査で早く登録される分、特許より権利が不安定です。だからこそ四年の猶予と三年の不実施という二段構えで、権利者保護と技術活用のバランスを取っている。この時間軸を読み違えると、要件を欠いた請求は門前払いになります
Q3裁定で許諾が認められたら、タダで使えるんですか?
無償ではありません。裁定では通常実施権の設定とあわせて、支払うべき対価(実施料)も定められます(特許法84条以下の準用)。権利者の利益を一方的に奪うものではなく、相応の対価を払って使わせてもらう仕組みです。実務のポイント:裁定で決まる対価は交渉で合意するより硬直的になりがちです。だから多くの当事者は、裁定請求という札をちらつかせつつ、最終的には任意のライセンス契約で柔軟な条件に着地させます。裁定はゴールではなく交渉のテコと捉えるのが実務感覚です
間違えやすい点 AI による整理
- 「実用新案を登録したのだから、使うも使わないも自分の自由」と思い込んでいる人は多い。確かに使う義務そのものはない。だが三年以上の不実施は、第三者に協議請求と裁定請求の権利を発生させる。使わない自由はあっても、独占を維持する力は時間とともに削られていく
- 「不実施裁定なんて条文上の飾りで、実際には誰も使わない」と侮る向きがある。これは半分正しい。実際に裁定で許諾まで至った例はごくわずかだ。だが本当の力は裁定そのものではなく、協議請求が相手に与える圧力にある。手続を起こせる立場にあるという事実が、買取交渉やライセンス交渉のテーブルをひっくり返す(実務上、運用は厳格である点に留意)
- あなたが「他人の権利が邪魔だ、無効審判で潰すしかない」と問いを立てているなら、その問いの立て方自体がずれているかもしれない。権利を潰す(無効)のではなく、使わせてもらう(通常実施権の裁定)という第三の道がある。潰す戦いは長く高くつくが、使わせろという要求は、相手が現に使っていないという弱点を突く
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 目的・効果 | 実用新案法21条:不実施を理由に通常実施権を取得(使わせてもらう) | 実用新案法22条:自己の権利と利用関係にある場合の実施権設定 実用新案法23条:公共の利益のための実施権設定 |
| 発動要件 | 出願から四年経過+継続三年以上の不実施 | 後願の登録実用新案等が先願の権利を利用する関係 公共の利益のため特に必要であること |
| 請求できる者 | 当該登録実用新案を実施しようとする第三者 | 利用関係にある後願権利者 実施を必要とする者 |
| 手続 | 協議請求 → 特許庁長官の裁定(特許法84条以下準用) | 協議 → 裁定 協議 → 裁定 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は専利法が新型専利(実用新案に相当)も含めて強制授権を定める。不実施・公益などを事由とし、対価支払いを前提とする点で日本と類似する
韓国も不実施等を理由とする通常実施権設定の裁定を特許法に置き、実用新案法が準用する。出願後・登録後の一定期間経過を要件とする構造が近い
ドイツは特許法で強制実施許諾を定め、公益・不実施を事由とする。判断は連邦特許裁判所が行い、行政庁裁定型の日本とは手続主体が異なる
米国は不実施を理由とする一般的な強制実施許諾制度を持たず、実用新案制度も存在しない。反トラスト・公衆衛生など限定的場面でのみ実施が命じられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 町工場で新しい部品形状を製品化しようとしたら、十年前に登録された他社の実用新案がドンピシャで被っていた。その他社は当の製品をどこにも出していない。出願日から四年は優に過ぎ、三年以上まったく実施されていないなら、あなたは協議請求から裁定請求へ進める。塞がれていた道に、合法的な抜け道が現れる
- もし、あなたが新規参入を狙って市場を調べた矢先、業界大手が防衛目的で押さえただけの未実施の実用新案が壁になっていたら、どうする。権利を買い取る交渉が決裂しても、不実施を理由に通常実施権の裁定を求める手が残されている
- あなたが実用新案権者の側。ある日、見知らぬ会社から「貴社の登録実用新案について通常実施権の協議を求める」という書面が届く。これを無視すれば、相手は特許庁長官への裁定請求に進める。放置こそが相手に次の一手を与える
- 登録から二年、あなたはまだ製品化の準備中で実施していない。だが出願日からはまだ四年未満。この四年の壁があるうちは、誰もあなたに不実施裁定を仕掛けられない。残された準備期間がカウントダウンしていると意識できているか
- 資金繰りに詰まり、自社の実用新案を眠らせたまま三年が過ぎようとしている。あと数か月で「継続三年不実施」のラインに届く。実施の実績を作るか、ライセンス交渉を自ら主導するか、動くなら今しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 障壁となっている実用新案の出願日と登録日を特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)で確認、出願から四年経過しているか押さえる2. 相手が当該登録実用新案を日本国内で実施しているかを調査、三年以上の継続不実施を裏付ける証拠(製品の不存在、カタログ調査等)を集める3. 二条件を満たすなら、まず通常実施権の許諾について協議を求める書面を送付(内容証明が望ましい) 4. 協議が決裂、または相手が応じないときは、特許庁長官への裁定を請求(特許法84条以下の手続を準用)。弁理士に相談し、実施計画と許諾条件の案を準備する
訴えられた側:1. 協議請求を受けたら、まず自社の実施実績を整理、三年以内に実施した事実があれば不実施の前提を否定できる2. 出願日から四年未満であれば、そもそも裁定請求の要件を欠くと反論できる3. 不実施が事実でも、正当な理由(実施準備中、許諾交渉の継続等)を主張する余地を検討4. 裁定が避けられない局面なら、受け身で条件を決められるより、自ら有利な許諾条件で和解的にライセンス契約を結ぶ方が得策。実施料率を主導的に提示する
時効(請求できる期限):特定の消滅時効はないが、要件としての時間軸が二重にある。第一に、出願日から四年を経過していなければ裁定請求はできない(本条1項ただし書)。第二に、継続して三年以上日本国内で適切に実施されていないことが要件(本条1項本文)。この二条件を満たした時点で協議請求が可能になる
学説
通説:実用新案法21条の不実施裁定は、独占権の保護と技術の社会的活用の調整規定と位置づけられる。出願から四年・継続三年不実施という二重の時間的ハードルにより権利者に実施準備の猶予を与えつつ、対価支払いを前提に第三者の実施を可能にする。実務上は裁定そのものより協議請求の交渉的機能が重視される。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 新設:実用新案法(昭和34年法律第123号)の制定により、不実施の場合の通常実施権設定の裁定が規定され、手続は特許法の裁定規定を準用する構造が採られた。
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