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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

実用新案法 第22条(自己の登録実用新案の実施をするための通常実施権の設定の裁定)

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  1. 実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案が第十七条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録実用新案の実施をするための通常実施権又は特許権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
  2. 2.前項の協議を求められた第十七条の他人は、その協議を求めた実用新案権者又は専用実施権者に対し、これらの者がその協議により通常実施権又は特許権若しくは意匠権についての通常実施権の許諾を受けて実施をしようとする登録実用新案の範囲内において、通常実施権の許諾について協議を求めることができる。
  3. 3.第一項の協議が成立せず、又は協議をすることができないときは、実用新案権者又は専用実施権者は、特許庁長官の裁定を請求することができる。
  4. 4.第二項の協議が成立せず、又は協議をすることができない場合において、前項の裁定の請求があつたときは、第十七条の他人は、第七項において準用する特許法第八十四条の規定によりその者が答弁書を提出すべき期間として特許庁長官が指定した期間内に限り、特許庁長官の裁定を請求することができる。
  5. 5.特許庁長官は、第三項又は前項の場合において、当該通常実施権を設定することが第十七条の他人又は実用新案権者若しくは専用実施権者の利益を不当に害することとなるときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
  6. 6.特許庁長官は、前項に規定する場合のほか、第四項の場合において、第三項の裁定の請求について通常実施権を設定すべき旨の裁定をしないときは、当該通常実施権を設定すべき旨の裁定をすることができない。
  7. 7.特許法第八十四条、第八十四条の二、第八十五条第一項及び第八十六条から第九十一条の二まで(裁定の手続等)の規定は、第三項又は第四項の裁定に準用する。

この条文の基本情報

自己の登録実用新案の実施をするための通常実施権の設定の裁定とは何ですか?

定義自己の登録実用新案の実施をするための通常実施権の設定の裁定とは、実用新案法第22条に定められた規定で、「実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案が第十七条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録実用新案の実施をするための通常実施権又は特許権…」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 実用新案法第22条(自己の登録実用新案の実施をするための通常実施権の設定の裁定)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
  2. 実用新案法第22条の条文原文は「実用新案権者又は専用実施権者は、その登録実用新案が第十七条に規定する場合に該当するときは、同条の他人に対しその登録実用新案の実施をするための通常実施権又は特許権…」で始まります。
  3. 実用新案法第22条は第一節 実用新案権に置かれています。
  4. 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
  5. 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 実用新案法第22条の前の条は実用新案法第21条です。
  7. 実用新案法第22条の次の条は実用新案法第23条です。
  8. 実用新案法第22条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第22条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123
  • 本サイト収録実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第22条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/22

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点実用新案法22条は、登録実用新案が他人の先願特許を利用する場合に、実用新案権者が通常実施権の許諾を協議で求め、不成立なら特許庁長官の裁定を請求できると定める。相手も逆にライセンスを求めうる。

Q · 実用新案を登録できたのに、他社の特許があると製品を売れないって本当?

協議が決裂しても特許庁長官の裁定で実施権を得られます

本当です。実用新案法17条により、自分名義の登録実用新案でも他人の先願特許・実用新案・意匠を利用する関係にあると、業として実施できません。そこで22条が、まず相手に通常実施権の許諾を協議で求め、協議が成立しないか協議自体ができないときは特許庁長官の裁定を請求できると定めます(3項)。ただし相手の利益を不当に害する場合は裁定が下りず(5項)、相手もあなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められます(2項)。強制ライセンスは一方的勝利ではなくクロスライセンスの均衡点です。

解説

町工場で他社の特許製品を改良し、構造のちょっとした工夫で使い勝手を倍にした。その工夫で実用新案登録も取れた。さあ売り出そうと思った瞬間、弁理士から待ったがかかる。あなたの改良品は、元になった他社特許の技術範囲をそっくり含んでいる。実用新案法17条により、自分名義の登録実用新案であっても、他人の先願特許を利用する関係にあれば、業として実施できない。登録できることと、実施できることは別なのだ。ここで22条が効いてくる。まず相手に通常実施権の許諾を求めて協議する。相手が応じなければ、特許庁長官に裁定を請求できる。国がライセンスを強制する制度だ。ただし条件がある。相手の利益を不当に害するなら裁定は下りない。そして相手は、あなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められる(クロスライセンスの強制)。改良者と先発明者が睨み合ったまま市場が止まる、その膠着を国が解く仕組みである。

法的な位置づけ

実用新案法22条は裁定通常実施権を定める規定であり、登録実用新案が他人の先願特許権・実用新案権・意匠権を利用する関係(17条)にある場合に、実用新案権者または専用実施権者が相手方へ通常実施権の許諾を協議で求め、協議が成立しないときは特許庁長官の裁定を請求できる旨を規定する。相手方も改良技術の範囲内で逆に通常実施権を求めうる。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.弁理士に17条の利用関係を鑑定させる 登録実用新案を実施すると、相手の先願特許・実用新案・意匠の技術範囲も使ってしまう「利用関係」にあるか(17条)を弁理士に技術鑑定させる。利用関係がなければそもそも22条の問題は生じない
  2. 2.相手に通常実施権の協議を書面で申し入れる 利用関係があるなら、いきなり実施せず、相手の特許権者に通常実施権の許諾を求めて書面で協議を申し入れる。実施範囲・対価・期間を具体的に提示し、交渉記録を残す
  3. 3.協議不成立なら特許庁長官に裁定を請求する 協議が成立しない、または相手が応じず協議できないときは、特許庁長官に裁定を請求する(3項)。5項を意識し、相手の利益を不当に害さない実施範囲・対価を自ら示すと裁定が通りやすい
  4. 4.相手が先に裁定請求したら期間内に逆裁定請求する 自分が特許権者の側で相手から裁定請求された場合は、特許法84条準用で特許庁長官が指定した答弁書提出期間内に必ず逆裁定を請求する(4項)。この窓を逃すと片務的な結果になる

よくある質問 AI による整理

Q1裁定通常実施権とは何ですか?

協議でライセンスが得られないとき、特許庁長官の裁定によって強制的に設定される通常実施権です。実用新案法22条が根拠で、改良発明が他社特許の壁で死蔵されるのを防ぎます。

Q2実用新案の「利用関係」とは具体的に何ですか?

登録実用新案を実施すると、必然的に他人の先願特許・実用新案・意匠の技術範囲も使ってしまう関係です(17条)。この場合は自分の登録権利でも業として実施できません。

Q3特許庁長官への裁定請求はどんな手続きですか?

まず相手に協議を申し入れ、不成立または協議不能のときに裁定請求書を特許庁に提出します(3項)。特許法84条以下が準用され、答弁書提出など正式な手続きが進みます。

Q4クロスライセンスは強制できますか?

22条2項により、協議を求められた特許権者は、改良実用新案の範囲内で逆に通常実施権を求められます。裁定の場面でも双方がライセンスを出し合う均衡が予定されています。

Q5無審査で登録された実用新案でも裁定請求できますか?

実用新案は無審査登録ですが、22条の請求権者は実用新案権者・専用実施権者です。ただし権利行使の前提として技術評価書が実務上重要になります。

Q6逆裁定請求の答弁書提出期間はいつまでですか?

特許法84条準用により特許庁長官が指定する答弁書提出期間内に限られます(4項)。この窓を逃すと相手だけがライセンスを得る片務的結果になります。

Q7利用関係の裁定が実際に通った事例はありますか?

利用関係に基づく裁定が現実に下された例はごくわずかです。制度の価値は発動回数ではなく、交渉での背圧として相手を和解に向かわせる点にあります。

Q8改良発明が実施できないと言われたらどうすればいいですか?

まず弁理士に17条の利用関係を鑑定させ、相手に協議を申し入れます。決裂しても22条3項の裁定請求という公的救済が残るため、最初から諦める必要はありません。

この条文についての質問 AI による整理

Q1実用新案って登録すれば自分のものなのに、なんで他社の特許で売れなくなるんですか?

あなたの改良品が他社の先願特許の技術範囲を含んでいる(利用関係にある)からです。実用新案法17条は、自分名義の登録実用新案でも、他人の先願特許・登録実用新案・登録意匠を利用または抵触する場合は業として実施できないと定めています。救済が22条の協議と裁定です。実務のポイント:登録できることと実施できることは完全に別で、特許庁は出願時に「他社特許を踏んでいないか」までは審査してくれません。登録証を手にして安心した瞬間が一番危ない

Q2特許庁に裁定を頼めば、相手が嫌がっても必ずライセンスがもらえるんですか?

必ずではありません。22条5項により、その通常実施権の設定が相手の利益を不当に害する場合、特許庁長官は裁定をできません。さらに2項で、相手もあなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められます。実務のポイント:裁定は「一方的にもぎ取る制度」ではなく、双方が技術を出し合うクロスライセンスを国が後押しする制度です。だからこそ実際の裁定例は極めて少なく、本当の効き目は交渉の場での背圧として現れる

Q3裁定なんて滅多に出ないと聞きました。それなら知っていても意味ないのでは?

確かに利用関係の裁定が実際に下された例はごくわずかです。しかし制度の価値は、発動回数ではなく交渉力にあります。相手が「裁定を請求されれば自分も逆ライセンスを強制される」と理解した瞬間、決裂寸前だった交渉が和解に向かいます。実務のポイント:弁理士が一流かどうかは、この22条を「最後の手段」ではなく「交渉開始時に相手へ示すカード」として使えるかで分かれる。出さずに見せるのが上手な使い方

間違えやすい点 AI による整理

  • 「実用新案が登録されれば自由に使える」と思い込んでいる人が多いが、登録と実施はまったく別の話だ。あなたの登録実用新案が他人の先願特許を利用する関係にあるなら、自分名義の権利であっても業として実施できない(17条)。登録証は「使える証明書」ではない
  • ライセンス交渉が決裂したら終わり、と知識のある人ほど早合点する。だが決裂は終点ではなく分岐点だ。協議が成立しない、または協議そのものができないときに初めて、特許庁長官への裁定請求という公的救済の扉が開く(3項)。多くの人は、この扉の存在を知らずに決裂の手前で折れる
  • 「裁定さえ請求すれば必ずライセンスがもらえる」という前提が、そもそも誤っている。相手の利益を不当に害する場合は裁定が下りないし(5項)、あなたが裁定で実施権を得れば、相手もあなたの改良技術をクロスで使える(2項)。強制ライセンスは一方的勝利ではなく、双方が技術を出し合う均衡点なのだ
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割実用新案法22条:利用関係を解く裁定通常実施権実用新案法17条:利用関係があると実施できない(22条発動の前提)
特許法92条:自己の特許実施のための裁定(22条の対応規定)
請求できる主体実用新案権者・専用実施権者規定なし(実施制限の効果規定)
特許権者・専用実施権者
クロスライセンス相手も改良技術の範囲で逆に実施権を求めうる(2項)なし
あり(92条にも逆裁定の仕組み)
裁定が下りない場合相手の利益を不当に害するとき(5項)—
相手の利益を不当に害するとき(特許法92条準用)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国専利法第87条・第88条

台湾も再発明・利用関係について強制授権の制度を持ち、クロスライセンス的な相互授権が予定される点で日本と類似する

韓国
대한민국 특허법 제138조(통상실시권 허락의 심판)

韓国は特許審判院の審判で通常実施権許諾を判断し、実用新案にも準用される。日本の裁定制度に近い

ドイツ
PatG § 24 Abs. 2(abhängige Erfindung)

ドイツは従属発明のZwangslizenzを連邦特許裁判所が判断し、公共の利益要件を重視する。日本より発動要件が厳格

アメリカ
米国(一般的強制実施許諾制度なし)

米国は従属特許の強制ライセンス制度を持たず、ブロッキング状況は当事者間のクロスライセンスや反トラスト法理で処理される

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 町工場で他社の基本特許製品を改良し、独自の構造で実用新案を登録した。技術は優れている、登録証も手元にある。それなのに製品を出荷した瞬間に特許権者から警告書が届く。あなたの改良品は元特許の範囲を踏んでいて、17条で実施できない。ここで諦めるか、22条の協議と裁定に進むかで、その改良品が世に出るかどうかが決まる
  • もし基本特許を持つ大手が「うちは絶対にライセンスしない、あなたの市場参入を潰す」と突っぱねてきたら、どうなる? 交渉決裂は終点ではない。3項により、あなたは特許庁長官に裁定を請求できる。相手の一存だけでは、あなたの改良技術を永久に封じ込められない
  • あなたが基本特許の保有者で、改良実用新案を持つ中小メーカーから協議を求められた側に立ったとする。相手の改良技術は、実はあなたの次期製品にも使いたいものだった。2項により、あなたは逆に相手の改良技術の範囲内で通常実施権の許諾を求め返せる。守りが攻めに転じる
  • 相手が先に裁定を請求してきた。あなたが逆クロスライセンスを取れる窓は、特許法84条準用で特許庁長官が指定した答弁書提出期間内だけ。あと数日でその窓が閉じる。今逆裁定を出さなければ、相手だけがライセンスを得て、あなたは何も取り返せない片務的な結果になる
  • クロスライセンス交渉が三度目の決裂。弁理士が静かに「裁定」の二文字を口にする。相手の代理人の顔色が変わる。次の打ち合わせで、相手は条件を緩めてきた

取るべき行動

被害を受けた側:1. まず弁理士に、あなたの登録実用新案が相手の先願特許・意匠を利用または抵触しているか(17条)を技術的に鑑定させる2. 利用関係があるなら、いきなり実施せず、相手に通常実施権の許諾を求めて書面で協議を申し入れる3. 協議が成立しない、または相手が応じず協議できないなら、特許庁長官に裁定を請求する(3項) 4. 裁定条件は5項を意識し、相手の利益を不当に害さない実施範囲・対価を自ら提示しておくと通りやすい

訴えられた側:1. 協議を求められたら、相手の改良技術が自社の今後の製品に使えるかを検討、使えるなら2項で逆に通常実施権の許諾を求め返す2. 相手が裁定請求してきたら、特許法84条準用で指定される答弁書提出期間内に必ず逆裁定を請求する(4項)、この窓を逃すと片務になる3. 裁定阻止を狙うなら、当該実施権の設定が自社の利益を不当に害することを具体的事実で主張する(5項)

時効(請求できる期限):本条に基づく協議の申入れ自体に固有の時効はないが、相手の特許権・実用新案権・意匠権の存続期間内でなければ意味がない。逆裁定請求(4項)は、特許法84条の準用により特許庁長官が答弁書提出期間として指定した期間内に限られる。この指定期間が事実上の締切となる(最新の改正状況をご確認ください)

学説

通説:本条の裁定は、相手の利益を不当に害さない限度で改良発明の実施を確保する制度と理解される。利用関係の裁定が現実に下された例はごく僅かで、制度の主たる機能は交渉における背圧(強制ライセンスの可能性)にあるとされる。

改正沿革 AI による整理

改正の年表

  1. 1.昭和34年(1959年) 新設:現行実用新案法(昭和34年法律第123号)の制定により、利用関係に基づく裁定通常実施権の枠組みが置かれた。特許法92条と同型の制度設計。

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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