要点実用新案法22条は、登録実用新案が他人の先願特許を利用する場合に、実用新案権者が通常実施権の許諾を協議で求め、不成立なら特許庁長官の裁定を請求できると定める。相手も逆にライセンスを求めうる。
Q · 実用新案を登録できたのに、他社の特許があると製品を売れないって本当?
協議が決裂しても特許庁長官の裁定で実施権を得られます
本当です。実用新案法17条により、自分名義の登録実用新案でも他人の先願特許・実用新案・意匠を利用する関係にあると、業として実施できません。そこで22条が、まず相手に通常実施権の許諾を協議で求め、協議が成立しないか協議自体ができないときは特許庁長官の裁定を請求できると定めます(3項)。ただし相手の利益を不当に害する場合は裁定が下りず(5項)、相手もあなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められます(2項)。強制ライセンスは一方的勝利ではなくクロスライセンスの均衡点です。
町工場で他社の特許製品を改良し、構造のちょっとした工夫で使い勝手を倍にした。その工夫で実用新案登録も取れた。さあ売り出そうと思った瞬間、弁理士から待ったがかかる。あなたの改良品は、元になった他社特許の技術範囲をそっくり含んでいる。実用新案法17条により、自分名義の登録実用新案であっても、他人の先願特許を利用する関係にあれば、業として実施できない。登録できることと、実施できることは別なのだ。ここで22条が効いてくる。まず相手に通常実施権の許諾を求めて協議する。相手が応じなければ、特許庁長官に裁定を請求できる。国がライセンスを強制する制度だ。ただし条件がある。相手の利益を不当に害するなら裁定は下りない。そして相手は、あなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められる(クロスライセンスの強制)。改良者と先発明者が睨み合ったまま市場が止まる、その膠着を国が解く仕組みである。
実用新案法22条は裁定通常実施権を定める規定であり、登録実用新案が他人の先願特許権・実用新案権・意匠権を利用する関係(17条)にある場合に、実用新案権者または専用実施権者が相手方へ通常実施権の許諾を協議で求め、協議が成立しないときは特許庁長官の裁定を請求できる旨を規定する。相手方も改良技術の範囲内で逆に通常実施権を求めうる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
協議でライセンスが得られないとき、特許庁長官の裁定によって強制的に設定される通常実施権です。実用新案法22条が根拠で、改良発明が他社特許の壁で死蔵されるのを防ぎます。
登録実用新案を実施すると、必然的に他人の先願特許・実用新案・意匠の技術範囲も使ってしまう関係です(17条)。この場合は自分の登録権利でも業として実施できません。
まず相手に協議を申し入れ、不成立または協議不能のときに裁定請求書を特許庁に提出します(3項)。特許法84条以下が準用され、答弁書提出など正式な手続きが進みます。
22条2項により、協議を求められた特許権者は、改良実用新案の範囲内で逆に通常実施権を求められます。裁定の場面でも双方がライセンスを出し合う均衡が予定されています。
実用新案は無審査登録ですが、22条の請求権者は実用新案権者・専用実施権者です。ただし権利行使の前提として技術評価書が実務上重要になります。
特許法84条準用により特許庁長官が指定する答弁書提出期間内に限られます(4項)。この窓を逃すと相手だけがライセンスを得る片務的結果になります。
利用関係に基づく裁定が現実に下された例はごくわずかです。制度の価値は発動回数ではなく、交渉での背圧として相手を和解に向かわせる点にあります。
まず弁理士に17条の利用関係を鑑定させ、相手に協議を申し入れます。決裂しても22条3項の裁定請求という公的救済が残るため、最初から諦める必要はありません。
あなたの改良品が他社の先願特許の技術範囲を含んでいる(利用関係にある)からです。実用新案法17条は、自分名義の登録実用新案でも、他人の先願特許・登録実用新案・登録意匠を利用または抵触する場合は業として実施できないと定めています。救済が22条の協議と裁定です。業界裏話ヒント:登録できることと実施できることは完全に別で、特許庁は出願時に「他社特許を踏んでいないか」までは審査してくれません。登録証を手にして安心した瞬間が一番危ない
必ずではありません。22条5項により、その通常実施権の設定が相手の利益を不当に害する場合、特許庁長官は裁定をできません。さらに2項で、相手もあなたの改良技術の範囲内で逆にライセンスを求められます。業界裏話ヒント:裁定は「一方的にもぎ取る制度」ではなく、双方が技術を出し合うクロスライセンスを国が後押しする制度です。だからこそ実際の裁定例は極めて少なく、本当の効き目は交渉の場での背圧として現れる
確かに利用関係の裁定が実際に下された例はごくわずかです。しかし制度の価値は、発動回数ではなく交渉力にあります。相手が「裁定を請求されれば自分も逆ライセンスを強制される」と理解した瞬間、決裂寸前だった交渉が和解に向かいます。業界裏話ヒント:弁理士が一流かどうかは、この22条を「最後の手段」ではなく「交渉開始時に相手へ示すカード」として使えるかで分かれる。出さずに見せるのが上手な使い方
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 実用新案法22条:利用関係を解く裁定通常実施権 | — |
| 請求できる主体 | 実用新案権者・専用実施権者 | — |
| クロスライセンス | 相手も改良技術の範囲で逆に実施権を求めうる(2項) | — |
| 裁定が下りない場合 | 相手の利益を不当に害するとき(5項) | — |
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