実用新案権者は、業として登録実用新案の実施をする権利を専有する。
要点実用新案法 16 条は、実用新案権者が業として登録実用新案を独占的に実施できると定める。ただし専用実施権を設定した範囲では権利者自身も実施できず、行使には技術評価書の提示を要する。
Q · 実用新案を登録したら、特許みたいに『真似するな』ってすぐ言えるの?
言えるが、まず技術評価書の提示が必要
実用新案法 16 条により、権利者は業として登録実用新案を独占的に実施できます。ただし実用新案は無審査で登録されるため、他人に権利を行使するには『実用新案技術評価書』を提示するのが前提です(29 条の 2)。評価書なしで警告し、後に権利が無効と判明すれば、逆に相手の損害を賠償する責任を負います(29 条の 3)。また専用実施権を設定した範囲では、16 条ただし書により権利者自身も実施できなくなる点に注意が必要です。
あなたが思いついた便利な道具の構造を、実用新案として登録すれば、業として独占的に使える権利が手に入る。それが実用新案法16条の与える「専有権」だ。だが、ここに一般人が知らない罠がある。実用新案は特許と違い、中身を審査せずに登録される。新しくない考案でも形式さえ整えば権利は付与されるのだ。だから16条の独占権は、紙の上では強力でも、実際に他人へ「使うな」と言うには、別途「実用新案技術評価書」を取って相手に提示しなければならない(29条の2)。しかも、権利を振りかざして相手を止めた後にその権利が無効と判明すれば、今度はあなたが相手の損害を賠償する側に回る(29条の3)。専有権は与えられる。だが安全装置を外さずに引き金を引けば、暴発するのはあなた自身だ。
実用新案法 16 条は実用新案権の効力を定める規定であり、実用新案権者が業として登録実用新案の実施をする権利を専有することを規律する。ただし専用実施権を設定した範囲については、専用実施権者がその実施権を専有し、本条本文による権利者の専有はその範囲で及ばない。無審査登録制度の下で付与される独占権の基本規定である。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実用新案権者が業として登録実用新案を独占的に実施できる効力です(実用新案法 16 条)。第三者の無断実施を排除でき、差止・損害賠償の根拠となりますが、行使には技術評価書の提示が必要です。
登録実用新案の新規性・進歩性などを特許庁が評価した書面です。実用新案は無審査登録のため、権利行使(警告)には原則この評価書の提示が必要です(29 条の 2)。誰でも請求できます。
存続期間は出願日から 10 年です。満了後は権利が消滅し、誰でも自由に実施できるようになります。特許(出願から 20 年)より短い点が特徴です(最新の改正状況をご確認ください)。
まず証拠を確保し、特許庁に技術評価書を請求します。評価が肯定的であることを確認してから評価書を提示して警告し、止まらなければ差止請求(27 条)・損害賠償(29 条)へ進みます。
『業として』の実施に及びます。個人的・家庭内の使用には及びません。また登録請求の範囲(考案の技術的範囲)に入る実施に限られ、範囲外の類似品には及びません。
できます。新規性・進歩性を欠くなどの無効理由があれば、無効審判(実用新案法 37 条)を請求できます。無審査登録のため、本来無効な考案が登録されている例も少なくありません。
取れます。物品の形状・構造・組合せに係る考案であれば個人でも出願・登録でき、業として実施する独占権を得られます。費用も特許より安く、ライフサイクルの短い商品に向きます。
実用新案は物品の構造・機能(技術的アイデア)を、意匠は物品の見た目(デザイン)を保護します。同じ製品でも、仕組みは実用新案、外観は意匠と、両方で守ることも可能です。
特許は実体審査を経て登録されますが、実用新案は方式審査のみで登録されます(無審査登録)。16条で専有権は同じように与えられますが、行使には技術評価書の提示が必須です(29条の2)。業界裏話ヒント:弁理士が「その発明なら特許で出した方がいい」と勧めるのは、実用新案権は無効リスクが高く、いざ訴訟で振りかざしても評価書次第で空振りしやすいから。ライフサイクルの短い商品でなければ特許が無難です
番号だけでは不十分です。29条の2で、警告には実用新案技術評価書の提示が求められます。評価書なしの警告で相手に損害を与え、後に権利が無効になれば29条の3で賠償責任を負います。業界裏話ヒント:実務では、相手から警告が来たらまず「評価書を出してください」と返すのが定石。出せない相手は、そもそも行使要件を満たしていないことが多い
本当です。16条ただし書により、専用実施権を設定した範囲では専用実施権者が独占し、権利者自身も実施できなくなります(18条)。自社利用を残したいなら、独占を渡さない通常実施権(19条)にすべきです。業界裏話ヒント:契約書で安易に「専用実施権を許諾」と書くと自社の製造ラインまで止まる。ライセンス実務では『通常実施権+独占的許諾』という折衷型を使うことが多く、これなら登録不要で柔軟に設計できる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 実施権を専有する主体 | 16 条本文:実用新案権者本人 | — |
| 権利者自身の実施 | 原則可能(業としての独占実施) | — |
| 登録の要否・第三者対抗 | 権利登録により発生 | — |
| 向いている使い方 | 自社で独占実施したい | — |
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