実用新案法 第18条(専用実施権)
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- 実用新案権者は、その実用新案権について専用実施権を設定することができる。
- 2.専用実施権者は、設定行為で定めた範囲内において、業としてその登録実用新案の実施をする権利を専有する。
- 3.特許法第七十七条第三項から第五項まで(移転等)、第九十七条第二項(放棄)並びに第九十八条第一項第二号及び第二項(登録の効果)の規定は、専用実施権に準用する。
この条文の基本情報
専用実施権とは何ですか?
定義専用実施権とは、実用新案法第18条に定められた規定で、「実用新案権者は、その実用新案権について専用実施権を設定することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第18条(専用実施権)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第18条の条文原文は「実用新案権者は、その実用新案権について専用実施権を設定することができる。」で始まります。
- 実用新案法第18条は第一節 実用新案権に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第18条の前の条は実用新案法第17条の2です。
- 実用新案法第18条の次の条は実用新案法第19条です。
- 実用新案法第18条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第18条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第18条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/18
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法18条は専用実施権を定め、専用実施権者は設定範囲内で登録実用新案の実施を専有する。特許法98条準用により登録が効力発生要件で、未登録では効力が生じない。
Q · 契約書に「独占でライセンスする」と書けば、その独占権は守られるの?
登録しなければ守られない。専用実施権は登録が効力要件
実用新案法18条の専用実施権は、設定行為で定めた範囲内でライセンシーが登録実用新案の実施を「専有」する強力な権利で、設定者本人すらその範囲では実施できなくなります。ただし特許法98条の準用により、登録して初めて効力が生じます。契約書に「独占」と書いただけでは多くの場合「独占的通常実施権」(当事者間の約束)にとどまり、特許庁に登録していなければ、設定者は翌日、別の会社にも同じ独占を約束できてしまいます。
解説
町工場が考えた便利な留め具、そのヒット商品を「うちだけに独占で卸してくれ」とある会社に言われた。そこで結ぶ契約が「独占ライセンス」だ。だが日本法にはまるで強度の違う二種類がある。通常実施権と専用実施権。多くの中小企業は契約書に「独占的に許諾する」と一文入れて握手し、それで独占を確保したつもりになる。それは当事者間の約束にすぎない。実用新案法18条が定める専用実施権は、設定行為で決めた範囲内で、ライセンシーがその登録実用新案を業として実施する権利を「専有」する。設定者本人すら、その範囲では作れなくなる。しかも特許法98条の準用で、登録しなければ効力が生じない。つまり契約書にサインしただけでは専用実施権は発生していない。あなたが大金を払って独占権を買ったつもりでも、特許庁に登録していなければ、設定者は翌日、別の会社にも同じ独占を約束できてしまう。
法的な位置づけ
実用新案法18条は専用実施権を定める規定であり、実用新案権者が設定した範囲内において、専用実施権者が登録実用新案を業として実施する権利を専有する独占的・準物権的な実施権を意味する。特許法98条の準用により、その設定・移転・変更・消滅は登録が効力発生要件となる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.通常実施権で足りるか専用実施権が要るかを判断 ライセンシーに完全な独占を与え設定者自身も排除してよいなら専用実施権、独占性は契約上の約束で足りるなら独占的通常実施権を選ぶ。専用実施権は自社実施も止まる点を必ず社内で確認する
- 2.設定範囲と留保を契約書に明記 地域・期間・実施態様で範囲を限定し、必要なら自社用の通常実施権を留保する。さらに不実施時の解除・登録抹消条項を入れ、ライセンシーの塩漬けに備える
- 3.調印と同時に登録書類へ署名をもらう 登録には設定者の協力が要る。交渉力が最も高い調印の場で、専用実施権設定登録申請書と委任状にも相手の署名を取得しておく。後から登録に応じてくれず揉める例が多い
- 4.特許庁へ即日で設定登録を申請 専用実施権は登録して初めて効力が生じ、二重許諾も登録の先後で決まる。契約直後、できれば調印当日に特許庁へ申請し、登録原簿で完了を確認する
- 5.権利行使前に技術評価書を準備 侵害を発見しても直ちに警告せず、まず実用新案技術評価書を取得・提示する(29条の2)。否定的評価のまま警告すると、後に無効と判断された場合に相手の損害を賠償する責任を負いうる(29条の3)
よくある質問 AI による整理
Q1専用実施権とは何ですか?
設定行為で定めた範囲内で、ライセンシーが登録実用新案の実施を専有する独占的・準物権的な権利です(実用新案法18条)。設定者本人もその範囲では実施できなくなります。
Q2専用実施権と通常実施権の違いは何ですか?
専用実施権は登録が効力要件で誰にでも独占を主張でき、設定者も排除されます。通常実施権(19条)は実施できる地位にとどまり、独占性も対抗力も原則ありません。
Q3専用実施権はどうやって登録しますか?
特許庁に専用実施権設定登録を申請します。設定者の協力が必要で、申請書・委任状を整え原簿に登録されて初めて効力が生じます(特許法98条準用)。
Q4専用実施権を他人に譲渡できますか?
実用新案権者の承諾など一定の要件のもとで移転でき、質権設定も可能です(特許法77条の準用)。移転も登録が効力要件です。
Q5実用新案技術評価書とは何ですか?
実用新案は無審査で登録されるため、権利の有効性を特許庁が事後評価した書面です。権利行使の前にこれを提示して警告する必要があります(29条の2)。
Q6専用実施権の範囲はどう決めますか?
設定行為で地域・期間・実施態様を限定できます。全範囲で設定すると設定者も実施できなくなるため、自社用に通常実施権を留保する組み方が実務の定石です。
Q7専用実施権が登録されているか確認するには?
特許庁で登録原簿(実用新案登録原簿)を取得して確認します。M&A や独占購入の前には、第三者の専用実施権が登録されていないか必ず調べます。
Q8専用実施権が二重に設定されたらどうなりますか?
登録が効力要件のため、先に登録した者が優先します。契約調印が早くても登録が遅ければ独占を失うので、調印後即日の登録が鉄則です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1契約書に「独占でライセンスする」と書いたのに、相手がうちにも卸せと言ってきます。なぜですか?
「独占」と書いただけでは、多くの場合『独占的通常実施権』、つまり当事者間の約束にとどまります。設定者が約束を破って第三者に許諾しても、契約違反の損害賠償は請求できますが、その第三者の実施自体は止められません。専用実施権(18条)を設定し特許庁に登録して初めて、誰に対しても独占を主張できます。実務のポイント:弁護士は契約書の「独占」の二文字を見たら必ず「専用実施権の登録までやりますか」と確認する。多くの依頼者は登録を知らず、独占したつもりで穴だらけのまま放置している。
Q2専用実施権を設定すると、権利者である自分はもうその商品を作れないんですか?
その範囲では作れません。専用実施権者が「専有」するため(18条2項)、設定者本人も業としての実施から排除されます。だから設定範囲(地域・期間・実施態様)を絞るのが実務の肝です。実務のポイント:全範囲で専用実施権を設定したうえで、別途自社用に通常実施権を留保する組み方も可能。これを知らずに丸ごと専用実施権を渡し、自社製品なのに自社で作れなくなる中小企業が後を絶たない。
Q3実用新案の専用実施権だから、特許と同じように侵害者をすぐ訴えられますよね?
そこが落とし穴です。実用新案は無審査で登録されるため、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示して警告しなければなりません(29条の2)。しかも権利が後に無効と判断されれば、警告した側が相手の損害を賠償する責任を負うことがあります(29条の3)。実務のポイント:専用実施権者が勇んで警告書を送る前に、まず技術評価書で否定的な評価が出ていないかを確認するのが鉄則。評価が低いまま警告すると、逆に賠償リスクを自分で背負い込む。
間違えやすい点 AI による整理
- 「契約書に『独占』と書けば独占できる」と思われているが、それは多くの場合『独占的通常実施権』、つまり当事者間の約束にとどまる。専用実施権は登録(特許法98条準用)して初めて発生し、それまでは設定者の二重許諾を止められない
- 「専用実施権を設定すると権利者も実施できなくなる」ことは知られているが、その深刻さは知られていない。ライセンシーが商品化をサボって不実施でも、設定者は自社製品なのに作れず、契約解除や登録抹消の手続を踏むまで自力では取り戻せない。範囲を絞るか自社用に通常実施権を留保しておかないと、自分で自分の手足を縛ることになる
- 「実用新案の専用実施権だから、特許と同じようにすぐ侵害者を訴えられる」と問いを立てがちだが、その前提が誤っている。実用新案は無審査登録のため、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示して警告する義務があり(29条の2)、権利が後に無効と判断されれば警告した側が相手の損害を賠償する責任を負いうる(29条の3)。問うべきは「訴えられるか」ではなく「訴える資格を整えたか」だ
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 法的性質 | 専用実施権(18条):準物権的な独占権、登録が効力要件 | 通常実施権(19条):実施を許される地位、登録は対抗要件 独占的通常実施権:当事者間の独占の約束(債権的) |
| 設定者の実施可否 | 設定範囲では設定者本人も実施できない(専有) | 設定者も実施可能(非排他) 契約上は設定者も実施しない約束だが、実施しても第三者には対抗不可 |
| 第三者への対抗 | 登録すれば誰にでも独占を主張、差止請求も可能(29条) | 原則対抗できない(独占性なし) 対抗不可、二重許諾された第三者の実施を止められない |
| 効力発生のタイミング | 特許庁への設定登録時(特許法98条準用) | 当事者の合意時(許諾契約成立時) 当事者の合意時(契約成立時) |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も専属授権(専用実施権に相当)は登録しなければ第三者に対抗できないとし、日本の登録対抗の発想と共通する。新型専利は専利法の枠内で扱われる
韓国実用新案法も特許法の専用実施権規定を準用し、設定登録を効力要件とする点で日本とほぼ同型
ドイツは Gebrauchsmuster についても特許のライセンス規定を準用し、ausschließliche Lizenz(排他的ライセンス)を認める。日本の専用実施権の母法的位置にある
米国には実用新案制度がなく、独占的ライセンスは特許のライセンス・譲渡の枠組みで処理される。登録は対抗のためのもので効力要件ではない点が日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先に「御社だけに独占で卸す」と口約束し、契約書も交わした。半年後、ネット通販に同じ商品が並んだ。あなたは独占を主張して止められるか。答えは、専用実施権を特許庁に登録したかどうかで真逆に分かれる
- あなたが実用新案権者で、大手に専用実施権を設定した。数年後、その大手は商品化をサボって権利を塩漬けにした。あなたは別の会社に作らせたいが、専用実施権の範囲では自分自身すら実施できない。契約に不実施解除条項を入れ忘れていれば、登録抹消まで身動きが取れない
- 下請けに金型を渡し、独占で作らせていた。下請けが倒産した。専用実施権は財産として破産管財人の管理下に入り、見知らぬ第三者の手に渡る恐れがある
- あなたの会社が「うちの実用新案の専用実施権を侵害している」と警告書を受け取った。だが相手は実用新案技術評価書を付けていない。実用新案は無審査で登録される。まず評価書の提示を求めるのが定石だ
- 買収契約の調印まであと5日。対象会社の主力商品の実用新案を登録原簿で調べたら、専用実施権が別の代理店に登録されていた。このまま買えば、看板商品を自社で作れない会社を抱え込むことになる
取るべき行動
被害を受けた側:1. まず特許庁で登録原簿を取得し、自分の専用実施権が実際に登録されているか確認。未登録なら最優先で設定者に登録協力を求める2. 設定者が二重に許諾した疑いがあれば、先に登録した者が優先する。即日で登録申請へ3. 第三者が無断実施していれば差止請求・損害賠償が可能だが、実用新案では技術評価書(29条の2)の提示・警告が前提4. 設定者が登録に非協力なら、登録手続を求める訴えも視野に入れる
訴えられた側:設定する権利者側なら:1. 通常実施権で足りるか専用実施権が要るかを見極める。専用にすると自社実施もできなくなる2. 不実施時の解除・登録抹消条項を必ず契約に入れる。侵害を疑われた第三者なら:1. 警告書に実用新案技術評価書が付いているか確認、なければ提示を求める2. 評価が否定的なら強気で交渉してよい。権利者は無効リスクと29条の3の賠償責任を抱えている
時効(請求できる期限):専用実施権の設定登録自体に法定の期限はないが、登録するまで効力は生じず第三者にも対抗できない。設定者の二重許諾を防ぐには調印後即日が鉄則。侵害による損害賠償請求権は、損害および加害者を知った時から3年、不法行為時から20年で消滅する(民法724条)。
学説
通説:専用実施権は設定範囲内で実施を専有する準物権的権利であり、特許法98条の準用により登録が効力発生要件かつ対抗要件と解される。契約上の独占(独占的通常実施権)と峻別され、登録なくして第三者対抗力は生じないとするのが一般的理解である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 改正:実用新案法の大改正により無審査登録制を導入(平成6年施行)。早期登録と引き換えに、権利行使には実用新案技術評価書の提示・警告(29条の2)と無効時の賠償責任(29条の3)の枠組みが整備された
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