要点実用新案法 18 条は専用実施権を定め、専用実施権者は設定範囲内で登録実用新案の実施を専有する。特許法 98 条準用により登録が効力発生要件で、未登録では効力が生じない。
Q · 契約書に「独占でライセンスする」と書けば、その独占権は守られるの?
登録しなければ守られない。専用実施権は登録が効力要件
実用新案法 18 条の専用実施権は、設定行為で定めた範囲内でライセンシーが登録実用新案の実施を「専有」する強力な権利で、設定者本人すらその範囲では実施できなくなります。ただし特許法 98 条の準用により、登録して初めて効力が生じます。契約書に「独占」と書いただけでは多くの場合「独占的通常実施権」(当事者間の約束)にとどまり、特許庁に登録していなければ、設定者は翌日、別の会社にも同じ独占を約束できてしまいます。
町工場が考えた便利な留め具、そのヒット商品を「うちだけに独占で卸してくれ」とある会社に言われた。そこで結ぶ契約が「独占ライセンス」だ。だが日本法にはまるで強度の違う二種類がある。通常実施権と専用実施権。多くの中小企業は契約書に「独占的に許諾する」と一文入れて握手し、それで独占を確保したつもりになる。それは当事者間の約束にすぎない。実用新案法18条が定める専用実施権は、設定行為で決めた範囲内で、ライセンシーがその登録実用新案を業として実施する権利を「専有」する。設定者本人すら、その範囲では作れなくなる。しかも特許法98条の準用で、登録しなければ効力が生じない。つまり契約書にサインしただけでは専用実施権は発生していない。あなたが大金を払って独占権を買ったつもりでも、特許庁に登録していなければ、設定者は翌日、別の会社にも同じ独占を約束できてしまう。
実用新案法 18 条は専用実施権を定める規定であり、実用新案権者が設定した範囲内において、専用実施権者が登録実用新案を業として実施する権利を専有する独占的・準物権的な実施権を意味する。特許法 98 条の準用により、その設定・移転・変更・消滅は登録が効力発生要件となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
設定行為で定めた範囲内で、ライセンシーが登録実用新案の実施を専有する独占的・準物権的な権利です(実用新案法 18 条)。設定者本人もその範囲では実施できなくなります。
専用実施権は登録が効力要件で誰にでも独占を主張でき、設定者も排除されます。通常実施権(19 条)は実施できる地位にとどまり、独占性も対抗力も原則ありません。
特許庁に専用実施権設定登録を申請します。設定者の協力が必要で、申請書・委任状を整え原簿に登録されて初めて効力が生じます(特許法 98 条準用)。
実用新案権者の承諾など一定の要件のもとで移転でき、質権設定も可能です(特許法 77 条の準用)。移転も登録が効力要件です。
実用新案は無審査で登録されるため、権利の有効性を特許庁が事後評価した書面です。権利行使の前にこれを提示して警告する必要があります(29 条の 2)。
設定行為で地域・期間・実施態様を限定できます。全範囲で設定すると設定者も実施できなくなるため、自社用に通常実施権を留保する組み方が実務の定石です。
特許庁で登録原簿(実用新案登録原簿)を取得して確認します。M&A や独占購入の前には、第三者の専用実施権が登録されていないか必ず調べます。
登録が効力要件のため、先に登録した者が優先します。契約調印が早くても登録が遅ければ独占を失うので、調印後即日の登録が鉄則です。
「独占」と書いただけでは、多くの場合『独占的通常実施権』、つまり当事者間の約束にとどまります。設定者が約束を破って第三者に許諾しても、契約違反の損害賠償は請求できますが、その第三者の実施自体は止められません。専用実施権(18条)を設定し特許庁に登録して初めて、誰に対しても独占を主張できます。業界裏話ヒント:弁護士は契約書の「独占」の二文字を見たら必ず「専用実施権の登録までやりますか」と確認する。多くの依頼者は登録を知らず、独占したつもりで穴だらけのまま放置している。
その範囲では作れません。専用実施権者が「専有」するため(18条2項)、設定者本人も業としての実施から排除されます。だから設定範囲(地域・期間・実施態様)を絞るのが実務の肝です。業界裏話ヒント:全範囲で専用実施権を設定したうえで、別途自社用に通常実施権を留保する組み方も可能。これを知らずに丸ごと専用実施権を渡し、自社製品なのに自社で作れなくなる中小企業が後を絶たない。
そこが落とし穴です。実用新案は無審査で登録されるため、権利行使の前に実用新案技術評価書を提示して警告しなければなりません(29条の2)。しかも権利が後に無効と判断されれば、警告した側が相手の損害を賠償する責任を負うことがあります(29条の3)。業界裏話ヒント:専用実施権者が勇んで警告書を送る前に、まず技術評価書で否定的な評価が出ていないかを確認するのが鉄則。評価が低いまま警告すると、逆に賠償リスクを自分で背負い込む。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 法的性質 | 専用実施権(18 条):準物権的な独占権、登録が効力要件 | — |
| 設定者の実施可否 | 設定範囲では設定者本人も実施できない(専有) | — |
| 第三者への対抗 | 登録すれば誰にでも独占を主張、差止請求も可能(29 条) | — |
| 効力発生のタイミング | 特許庁への設定登録時(特許法 98 条準用) | — |
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