要点実用新案法 17 条の 2 は、冒認登録や共同出願違反の場合に、真の権利者が実用新案権の移転を請求できると定める。移転登録があれば権利は初めから請求者に帰属したとみなされる。
Q · 自分が考えた構造を、取引先が勝手に実用新案登録していました。取り戻せますか?
潰すだけでなく、名義ごと移転請求できます
実用新案法 17 条の 2 により、冒認登録(無権利者による登録)や共同出願義務違反があった場合、本来権利を有するあなたは、無効審判で「潰す」だけでなく、実用新案権そのものの移転を請求できます。第 2 項の遡及効により、移転登録があればその権利は初めからあなたに帰属していたものとみなされます。共有事案では第 3 項により他の共有者の同意(特許法 73 条 1 項)が不要となるため、相手が結託しても持分回収は止まりません。手続は経済産業省令で定められ、専門は弁理士です。
町工場であなたが図面に起こした便利な留め具の構造。試作を頼んだ取引先が、いつの間にか自分の名義で実用新案登録していた。2012 年 3 月以前なら、あなたにできたのは無効審判で「その登録を潰す」ことだけだった。潰せば権利は消えるが、消えた権利はあなたのものにはならない。誰のものでもなくなるだけだ。実用新案法 17 条の 2 が変えたのはここである。冒認登録(あなたの考案を、権利のない他人が勝手に登録したもの)や共同出願違反の場合、本来の権利者であるあなたは、その実用新案権そのものを「よこせ」と請求できる。しかも移転登録がされれば、第 2 項により、その権利は初めからあなたに帰属していたものとみなされる。過去にさかのぼってあなたが権利者だったことになる。潰すのではなく奪い返す。この一条が、盗まれた考案の運命を分ける。
実用新案法 17 条の 2 は、移転の特例を定める規定である。冒認登録(無権利者による登録)または共同出願義務違反により実用新案登録がされた場合、本来実用新案登録を受ける権利を有する者が、実用新案権者に対して当該実用新案権の移転を請求できる旨を規定する。無効審判による登録抹消とは別個の、真の権利者への権利回復手段として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実用新案登録を受ける権利を持たない者が、他人の考案を勝手に出願・登録することです。実用新案は無審査で登録されるため、特許より冒認が成立しやすい構造があります。
経済産業省令の定めにより、実用新案権者に対して移転を請求し、移転登録まで進めます。冒認・共同出願違反の事実と、自分が真の権利者であることを示す証拠が必要です。専門は弁理士です。
本条の移転請求権に固有の時効規定はありませんが、一般の消滅時効の適用が議論されます。なお実用新案権の存続期間は出願日から 10 年で、満了すれば移転の実益が失われます。
共同で考案した相手が、あなたに無断で単独名義の実用新案登録を済ませた場合です。特許法 38 条(実用新案法 11 条で準用)の共同出願義務に違反し、移転請求の要件となります。
第 2 項の遡及効により権利は初めから請求者に帰属していたものとみなされます。冒認者がその間に与えたライセンスの効力や実施に対する立場まで、過去にさかのぼって請求者の問題になり得ます。
移転請求そのものに評価書は必須ではありませんが、移転後に権利行使する段階では実用新案技術評価書(12 条)が事実上必要です。無審査登録の弱点を補う書面です。
図面の作成日、相手へ開示した日のメールや LINE、試作の記録、開発ノートなどを時系列で保全します。自分発の創作であることを客観的に示せる資料が鍵になります。
まず自分の登録が本当に冒認・共同出願違反に当たるか精査します。独自に到達した考案なら創作の独自性を示す証拠で争い、相手の「権利を有する者」該当性も検証します。弁理士・弁護士と早期に相談を。
あなた自身がその考案を事業に使いたいなら移転請求が圧倒的に有利です。無効審判(実用新案法 37 条)で潰すと権利は消滅し、誰のものでもなくなる。あなたは権利を得られません。移転請求(17 条の 2)なら権利はあなたに移り、第 2 項で初めから自分のものだったとみなされます。業界裏話ヒント:実務では、相手をただ排除したいだけなら無効審判、自分が権利者として市場を押さえたいなら移転請求、と目的で使い分けます。両方を同時に持ち出すと矛盾しかねないので、最初の方針決めが弁理士の腕の見せ所です
詰みません。本条 3 項が、共有持分を移転請求で移す場合には特許法 73 条 1 項(持分移転に他の共有者の同意が必要というルール、実用新案法 26 条で準用)を適用しないと定めています。つまり他の共有者が反対しても、あなたの持分回収は止まりません。業界裏話ヒント:冒認側は『共有だから君は勝手に動けない』と牽制してくることが多い。この 3 項を知っているかどうかで、その牽制が効くか空振りに終わるかが決まります
問いの立て方がずれています。無審査で登録される(実用新案法 14 条 2 項)からこそ、他人があなたの考案を横取り登録しやすく、しかも登録されれば一応の権利として機能し、あなたの製造販売を止める根拠に使われます。だから名義を取り戻す実益があります。業界裏話ヒント:権利行使には実用新案技術評価書(12 条)が事実上必要で、相手が無理筋の権利行使をすれば責任を負うこともある。『弱い権利だから放置』ではなく『弱点を突いて名義を取り戻す』のが定石です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 得られる結果 | 17 条の 2 移転請求:権利が自分に移り、遡及して自分のものとみなされる | — |
| 適する目的 | 自分が権利者として市場を押さえたいとき | — |
| 遡及効 | あり(2 項:初めから帰属していたものとみなす) | — |
| 共有の同意要件 | 3 項で適用除外(他共有者の同意不要) | — |
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