実用新案法 第11条(特許法の準用)
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- 特許法第三十条(発明の新規性の喪失の例外)、第三十八条(共同出願)、第四十三条から第四十四条まで(パリ条約による優先権主張の手続等及び特許出願の分割)の規定は、実用新案登録出願に準用する。
- 2.特許法第三十三条並びに第三十四条第一項、第二項及び第四項から第七項まで(特許を受ける権利)の規定は、実用新案登録を受ける権利に準用する。
- 3.特許法第三十五条(仮専用実施権に係る部分を除く。)(職務発明)の規定は、従業者、法人の役員又は国家公務員若しくは地方公務員がした考案に準用する。
この条文の基本情報
特許法の準用とは何ですか?
定義特許法の準用とは、実用新案法第11条に定められた規定で、「特許法第三十条(発明の新規性の喪失の例外)、第三十八条(共同出願)、第四十三条から第四十四条まで(パリ条約による優先権主張の手続等及び特許出願の分割)の規定は、…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第11条(特許法の準用)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第11条の条文原文は「特許法第三十条(発明の新規性の喪失の例外)、第三十八条(共同出願)、第四十三条から第四十四条まで(パリ条約による優先権主張の手続等及び特許出願の分割)の規定は、…」で始まります。
- 実用新案法第11条は第二章 実用新案登録及び実用新案登録出願に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第11条の前の条は実用新案法第10条です。
- 実用新案法第11条の次の条は実用新案法第12条です。
- 実用新案法第11条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第11条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第11条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/11
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法11条は、特許法の新規性喪失の例外・共同出願・職務発明などの規定を実用新案登録出願に準用する。考案者は特許発明者と同様に相当の利益を請求できる。
Q · 会社で考えた工夫が実用新案になったら、考案者の自分は何ももらえないの?
いいえ。11条3項で「相当の利益」を請求できます
実用新案法11条3項は特許法35条(職務発明)を準用するため、従業者・法人の役員・公務員が業務上した考案が会社名義で登録された場合でも、考案者には「相当の利益」を請求する法的権利が保障されています。請求しないのは自らの権利放棄にすぎず、義務ではありません。会社の支払基準が不合理に低ければ、裁判所が社内規程を離れて相当額を算定し直す余地もあります。
解説
実用新案法11条は、一見するとただの引っ越し案内に見える。「特許法の○条を準用する」と並ぶだけだ。だがこの一条が、特許の世界で確立した強力なルールを、まるごと実用新案の世界へ運び込んでいる。中でも見逃せないのが3項、特許法35条(職務発明)の準用だ。工場の現場で、オフィスで、あなたが業務の中で小さな工夫を考案し、それが会社名義で実用新案登録されたとする。このとき、あなたは特許の発明者とまったく同じ立場に立つ。会社に対して「相当の利益」を請求できるのだ。さらに1項では新規性喪失の例外(特許法30条)も準用される。展示会やクラウドファンディングで先に発表してしまっても、一定期間内なら救済される。多くの技術者は、自分の考案にこれほどの権利が眠っていることを知らないまま、何も請求せずに会社を去っていく。
法的な位置づけ
実用新案法11条は、特許法の諸規定を実用新案制度に準用する技術的規定である。新規性喪失の例外(特許法30条)、共同出願(38条)、パリ条約による優先権と出願分割(43条・44条)、特許を受ける権利(33条・34条)、職務発明(35条)を、実用新案登録出願および実用新案登録を受ける権利、従業者等がした考案に準用する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.考案の経緯を示す証拠を保全する 考案日・開発ノート・設計図・関係メールを日付ごとに整理し、誰が・いつ考案したかを客観的に立証できる状態にする。公表前に発表予定があるなら、発表が新規性喪失に当たるかも同時に確認する
- 2.社内の職務発明規程を確認する 勤務規則・対価規程を入手し、相当の利益の算定基準が定められているか、その基準が合理的かを点検する。規程がない、または基準が著しく低い場合は裁判所が規程を離れて算定する余地があると把握する
- 3.考案がもたらした利益を裏づける資料を集める 売上・ライセンス収入・コスト削減効果など、考案が会社にもたらした利益を示す資料を収集する。相当の利益の算定根拠として、利益と考案の因果関係を整理しておく
- 4.社内協議で請求し、決裂すれば法的手続へ まず社内協議で相当の利益を請求する。決裂した場合は労働審判または民事訴訟を検討する。新規性喪失の例外を使う駆け込み出願なら、公表から1年以内の期限を厳守する
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案 職務発明 いくらもらえる?
金額は会社の職務発明規程や考案がもたらした利益によります。11条3項が準用する特許法35条により、規程が不合理に低い場合は裁判所が相当の利益を算定し直す余地があります。
Q2実用新案 技術評価書 なしで警告できる?
形式的には可能ですが危険です。実用新案権は無審査登録のため、技術評価書(実用新案法12条)なしで警告し後に登録が無効になると、29条の3で逆に損害賠償を負うことがあります。
Q3実用新案 準用 特許法 何条?
11条は特許法30条・38条・43〜44条(1項)、33条・34条(2項)、35条(3項・職務発明)を準用します。実用新案の権利関係の多くは特許法のルールが流用されています。
Q4実用新案 発表後 何ヶ月 出願できる?
11条1項が準用する特許法30条のグレースピリオドにより、自ら公表した日から1年以内であれば新規性を失わなかったものとして出願できます。最新の改正状況は要確認です。
Q5実用新案 共同出願 しないと どうなる?
11条が準用する特許法38条は、共同考案の場合に全員での共同出願を義務づけます。単独で出願すると拒絶または登録無効の対象になります。
Q6実用新案 出願 分割 いつまで?
11条が準用する特許法44条により、一定の時期までは出願を分割できます。問題のない部分を別出願として生かせますが、時期を逃すと分割の機会自体が消えます。
Q7職務発明規程 ない 会社 請求できる?
請求できます。規程がなくても11条3項・特許法35条により相当の利益請求権は発生し、規程がない場合は裁判所が一から相当額を算定します。
Q8実用新案権 何年 有効?
実用新案権の存続期間は出願日から10年です。特許の20年より短く、ライフサイクルの短い製品向けの制度設計になっています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実用新案って特許と何が違うんですか?
最大の違いは審査の有無です。特許は特許庁が中身を審査してから登録されますが、実用新案は形式さえ整えば中身を審査せずに登録されます(実用新案法14条)。保護期間も出願から10年と、特許の20年より短い。実務のポイント:無審査ゆえに、権利を行使する前に「実用新案技術評価書」(実用新案法12条)を取得しておかないと危険です。評価書なしで相手に警告し、後で権利が無効になると、今度はあなたが相手に損害賠償を負う(29条の3)。持っているだけの権利と、行使できる権利は別物です
Q2会社で考えた工夫、本当にお金をもらえるんですか?
もらえる権利があります。実用新案法11条3項が特許法35条(職務発明)を準用するため、業務上の考案が会社のものになる代わりに、考案者には「相当の利益」を請求する権利が保障されています。実務のポイント:2015年の改正で「相当の対価」が「相当の利益」に変わり、金銭以外の処遇も認められるようになりました。ただし会社の支払基準が不合理に低ければ、裁判所は社内規程を離れて相当額を算定し直します(最新の改正状況をご確認ください)。規程に書いてある額が上限とは限りません
Q3展示会で発表しちゃった後でも、まだ出願できますか?
条件付きで可能です。実用新案法11条1項が準用する特許法30条により、自分の意思で公表した考案でも、公表の日から1年以内に出願すれば新規性を失わなかったものとして扱われます。実務のポイント:このグレースピリオドは救済措置であって万能ではありません。海外で権利を取りたい場合、国によっては猶予が認められず、日本での公表が即アウトになることがある。国内出願だけで安心せず、海外展開を考えるなら公表前の出願が鉄則です
間違えやすい点 AI による整理
- 実用新案は特許の簡易版だと知ってはいても、その権利行使がどれほど危ういかは知られていない。無審査で登録される分、技術評価書なしに権利を行使して相手に警告すると、後で登録が無効になった場合、今度はあなたが相手に損害賠償を負う(実用新案法29条の3)。持っている権利が逆に牙をむく
- 「会社で考えた工夫は当然会社のもの、自分には何も入らない」と思い込んでいる人が大半だ。実は11条3項が職務発明の規定を準用するため、考案者であるあなたには相当の利益を請求する法的権利がある。請求しないのは自らの権利放棄であって、義務ではない
- 「実用新案を取れば特許と同じように守られる」という前提そのものが間違っている。実用新案権は技術評価書という関門を通らなければ実質的に行使できず、保護期間も出願から10年と短い。守られ方の質が違うことを知らずに出願先を選ぶと、戦略を根本から誤る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 審査の有無 | 実用新案:無審査登録(実用新案法14条)、形式が整えば中身を審査せず登録 | 特許:特許庁が新規性・進歩性を実体審査してから登録 意匠:意匠登録も実体審査あり |
| 存続期間 | 実用新案:出願日から10年 | 特許:出願日から20年 意匠:出願日から25年 |
| 権利行使の前提 | 実用新案:技術評価書(12条)なしの行使は危険、無効時に賠償責任(29条の3) | 特許:審査済みのため評価書は不要 意匠:審査済み、評価書不要 |
| 職務発明・考案の扱い | 実用新案:11条3項が特許法35条を準用、考案者に相当の利益請求権 | 特許:35条が直接適用、発明者に相当の利益請求権 意匠:意匠法15条が特許法35条を準用 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾も新型専利について発明専利の規定を準用する構造をとる。形式審査のみで登録され、権利行使に新型専利技術報告を要する点が日本の技術評価書に類似
韓国も実用新案制度を持ち、職務発明の補償は発明振興法が規律。無審査・登録後審査の運用変遷を経ている点で日本と歴史的に近い
実用新案制度の母国。Gebrauchsmuster は無審査登録で、従業者発明は ArbnErfG が独立の法律として詳細に規律する
米国に実用新案制度はなく、小発明も特許で保護。職務発明は制定法ではなく雇用契約と判例法理(shop right 等)で処理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- Makuake で先行公開した自作の便利グッズが好評で、いざ実用新案を出願しようとしたら、公開から11か月が経っていた。残された猶予はあと1か月。特許法30条準用のグレースピリオドぎりぎりで駆け込めるか、それとも権利を永久に失うかの瀬戸際に立つ
- もし、工場のライン作業者であるあなたが、不良率を半分にする治具を考案し、それが会社名義で実用新案登録されたら、あなたの取り分はゼロなのか。答えは否。11条3項が職務発明の規定を準用するため、あなたには相当の利益を請求する権利がある
- 退職した元エンジニアから内容証明が届く。「在職中に私が考案した実用新案について、相当の利益を支払え」。会社は職務発明規程を整備していなかった。規程がなければ、裁判所が一から相当額を算定し、想定外の支払いを命じることがある
- 同僚と二人で練り上げた考案を、相手が黙って単独で出願していた。11条が準用する特許法38条は共同出願を義務づける。違反した出願は拒絶または無効の対象になる
- 一つの出願に複数のアイデアを詰め込みすぎて、審査で一部だけが問題視された。特許法44条準用の出願分割を使えば、問題のない部分を別出願として生かせる。締切を逃すと分割の機会自体が消える
取るべき行動
被害を受けた側:1. 考案の経緯を示す証拠を保全する。考案日、開発ノート、設計図、関係メールを日付ごとに整理2. 社内の職務発明規程(勤務規則・対価規程)を入手し、相当の利益の算定基準が定められているか、その基準が合理的かを確認3. 会社の売上・ライセンス収入など、考案がもたらした利益を裏づける資料を集める4. まず社内協議で請求し、決裂すれば労働審判または民事訴訟へ。規程が不合理なら裁判所が相当額を算定し直す余地がある
訴えられた側:1. 職務発明規程を整備し、相当の利益の決定手続(協議・開示・意見聴取)が経済産業大臣の指針に沿っているかを点検2. 過去の登録について、考案者・共同考案者を正確に特定し、誰に請求権があるかを洗い出す3. 支払基準が著しく低くないか検証、不合理と判断されれば規程を離れた高額算定のリスクがある4. 退職者からの請求にも備え、当時の規程と支払記録を保存しておく
時効(請求できる期限):相当の利益(旧・相当の対価)の請求権に特定の時効はないが、一般債権として民法166条(権利を行使できる時から5年または10年)が適用される。新規性喪失の例外の適用を受けるには、公表の日から1年以内の出願が必要(特許法30条準用、最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:11条は特許法の発明者保護・出願手続の諸規定を実用新案に流用する準用条文と解される。とりわけ3項の職務発明準用により、考案者の相当の利益請求権が保障される。無審査登録主義(14条)の下では、技術評価書(12条)を欠く権利行使に賠償リスク(29条の3)が伴う点が、特許権との実務上の最大の違いとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 改正:実用新案制度に無審査登録主義を導入。実体審査を経ずに登録される制度へ転換し、権利行使には技術評価書を要する構造が確立した
- 2.平成16年(2004年) 改正:実用新案権の存続期間を出願日から6年から10年へ延長(平成17年施行)。制度の利用価値を高める改正
- 3.平成27年(2015年) 改正:本条3項が準用する特許法35条が改正され、「相当の対価」が「相当の利益」へ。金銭以外の処遇も認められるようになった
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