実用新案法 第30条(特許法の準用)
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特許法第百四条の二から第百五条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで(第三者の意見、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、秘密保持命令の取消し、訴訟記録の閲覧等の請求の通知等、当事者尋問等の公開停止及び信用回復の措置)の規定は、実用新案権又は専用実施権の侵害に準用する。この場合において、同法第百四条の四中「次に掲げる決定又は審決が確定した」とあるのは「第一号に掲げる審決が確定した又は第三号に掲げる訂正があつた」と、「当該決定又は審決が確定した」とあるのは「当該審決が確定した又は訂正があつた」と、同条第三号中「訂正をすべき旨の決定又は審決」とあるのは「実用新案法第十四条の二第一項又は第七項の訂正」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
特許法の準用とは何ですか?
定義特許法の準用とは、実用新案法第30条に定められた規定で、「特許法第百四条の二から第百五条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで(第三者…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第30条(特許法の準用)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第30条の条文原文は「特許法第百四条の二から第百五条まで(具体的態様の明示義務、特許権者等の権利行使の制限、主張の制限及び書類の提出等)及び第百五条の二の十一から第百六条まで(第三者…」で始まります。
- 実用新案法第30条は第二節 権利侵害に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第30条の前の条は実用新案法第29条の3です。
- 実用新案法第30条の次の条は実用新案法第31条です。
- 実用新案法第30条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第30条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第30条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/30
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法30条は、特許法の侵害訴訟手続を実用新案権の侵害に準用する。証拠開示・損害計算の鑑定・秘密保持命令まで特許と同一だが、権利行使には技術評価書の提示が前提となる。
Q · 審査なしで取れる実用新案権でも、特許と同じように侵害で戦えるの?
訴訟手続は特許と同一。ただし技術評価書が前提
実用新案法30条は、特許侵害訴訟で使える手続一式(具体的態様の明示義務、書類提出命令、損害計算の鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復措置)を実用新案権の侵害に丸ごと準用します。訴訟ツールは特許と一字一句同じです。ただし権利行使には実用新案技術評価書の提示が前提(29条の2)で、これなしに警告し後で権利が無効になれば、与えた損害をあなたが賠償する側に回ります(29条の3)。武器は同じでも、足元の地面は特許より柔らかい点に注意が必要です。
解説
コストも時間も惜しんで、特許ではなく実用新案権を選んだ。審査がないぶん早く安く登録できる、その代わり訴訟になったら丸腰なのでは、とどこかで諦めていないか。実用新案法30条はその不安を覆す。この一条が、特許侵害訴訟で使える強力な手続を丸ごと実用新案権の侵害にも準用する。相手に侵害の具体的態様を明示させる義務、書類提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、製造ノウハウを守る秘密保持命令、傷ついた信用を回復する措置。特許権者が振るう武器と一字一句同じものが、あなたの手にも握られている。ただし忘れてはいけない。実用新案権は無審査で登録された権利だ。準用される特許法104条の3の無効の抗弁で、相手はあなたの考案そのものの有効性を突いてくる。武器は同じでも、足元の地面が特許より柔らかい。それが実用新案という選択の本当の意味だ。
法的な位置づけ
実用新案法30条は、特許法104条の2から106条までに定める侵害訴訟手続を、実用新案権又は専用実施権の侵害に準用する規定である。具体的態様の明示義務、書類提出命令、損害計算のための鑑定、相当な損害額の認定、秘密保持命令、信用回復措置などが、特許侵害と同一の内容で実用新案侵害にも適用される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.権利行使の前に実用新案技術評価書を取得 いきなり警告状を送らず、まず実用新案技術評価書を請求する(29条の2)。肯定的な評価を取得してから動くことで、29条の3の賠償リスクを避け、相手を和解志向へ振らせる
- 2.侵害の証拠と損害概算を整理 相手の製品、カタログ、販売実績を確保し、損害額の概算を項目別に整理する。実用新案法29条の損害額推定規定の活用を前提に、相手の利益額を推認できる材料を集める
- 3.営業秘密が絡むなら先に秘密保持命令を申立て 自社の製造ノウハウが争点に絡む場合、証拠開示を求める前に秘密保持命令(準用される特許法105条の4)を申し立て、開示と同時に相手の情報利用を封じる檻を用意する
- 4.訴訟で証拠開示と損害立証の手続を行使 準用される特許法104条の2で相手に具体的態様の明示を求め、105条で書類提出命令を、105条の3と損害計算の鑑定で損害額の立証を補強する。立証の壁を裁判所側に埋めさせる
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案法30条とは何ですか?
特許法104条の2から106条までの侵害訴訟手続を、実用新案権・専用実施権の侵害に準用する規定です。証拠開示や損害立証の手続が特許と同一になります。
Q2実用新案権の侵害で書類提出命令は使えますか?
使えます。30条が特許法105条を準用するため、相手に侵害立証や損害計算に必要な書類の提出を裁判所に命じてもらえます。正当な理由がなければ拒めません。
Q3実用新案技術評価書を出さずに警告したらどうなりますか?
権利行使が制限され(29条の2)、後で考案が無効と判断されると、警告で相手に与えた損害を賠償する責任を負う場合があります(29条の3)。
Q4実用新案権の侵害訴訟でも信用回復措置を請求できますか?
できます。30条が特許法106条を準用するため、損害賠償に加えて謝罪広告など信用を回復する措置を裁判所に求められます。
Q5準用される無効の抗弁とは何ですか?
特許法104条の3の準用により、被告は『その考案は出願前に公知だった』など無効事由を主張して権利行使を阻止できます。無審査の実用新案では特に重要です。
Q6相当な損害額の認定とは何ですか?
損害の発生は確実だが額の立証が極めて困難な場合に、裁判所が口頭弁論の全趣旨から相当な損害額を認定できる制度です(特許法105条の3の準用)。
Q7実用新案権の侵害で秘密保持命令は使えますか?
使えます。30条が特許法105条の4を準用し、訴訟で開示された営業秘密を訴訟外で使用・開示した者に刑事罰を科せる枠を作れます。
Q830条で準用される条文の読み替えは何ですか?
特許の審決確定を、実用新案では審決確定または14条の2の訂正があった場合に読み替えます。実用新案特有の訂正手続に合わせた調整です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実用新案権って審査なしで取れるんですよね、それで侵害を訴えても勝てるんですか?
訴訟で使える手続は特許と完全に同じです。30条が特許法の証拠開示、損害計算の鑑定、秘密保持命令まで丸ごと準用します。ただし権利行使には実用新案技術評価書の提示が前提で(29条の2)、これなしに警告して後で権利が無効になれば賠償リスクを負います(29条の3)。実務のポイント:弁理士は内輪で「実用新案で訴えるなら、まず肯定的な技術評価書を取ってから動け」と言います。評価書が否定的なら、訴えること自体が自爆行為になるからです
Q2訴訟で製造方法を開示させられたら、競合に技術が全部バレませんか?
そのために秘密保持命令があります。30条が準用する特許法105条の4で、訴訟で開示された営業秘密を訴訟外で使ったり漏らしたりすれば刑事罰の対象になり、相手は事実上その情報を封じられます。実務のポイント:この命令は申立てのタイミングが鍵です。証拠開示を求める前に申し立てておかないと、開示が先行して漏れる隙ができる。先に檻を用意してから獲物を入れる、その順番を弁護士は崩しません
Q3相手の売上も製造数も分からないのに、損害額なんて立証できるんですか?
立証の壁は裁判所が埋めてくれます。30条が準用する相当な損害額の認定(特許法105条の3)で、損害の発生は確実だが額の立証が極めて困難な場合、裁判所が相当な額を認定できます。損害計算のための鑑定も使えます。実務のポイント:実用新案法29条の損害額推定規定と組み合わせると、相手の利益額をあなたの損害と推定させられます。この立証責任を相手側へ押し返す構造を知らずに「証拠がない」と諦める人が多い
間違えやすい点 AI による整理
- 実用新案権は審査がないから訴訟でも特許より不利、と思われているが、訴訟手続の武器は30条の準用で特許と完全に同じ。証拠開示も、損害計算の鑑定も、秘密保持命令も、信用回復措置も一字一句変わらない。差は訴訟ツールではなく、登録時の審査と権利行使に伴うリスクの側にある
- 実用新案技術評価書が必要なことは知っていても、その意味の深刻さを知らない人が多い。評価書を提示せず権利行使し、後で考案が無効と判断されれば、相手に与えた損害をあなたが賠償する側に回る(29条の3)。30条で強力な武器を握れる事実だけ見て足元を見ないと、振り上げた剣が自分に返ってくる
- 「うちの実用新案権を侵害されたから訴える」という問いの立て方そのものが危うい。先に問うべきは「この考案は技術評価で肯定的な結果が出るか」。否定的な権利で攻めれば、攻撃側のあなたが賠償リスクを背負う。誰が攻め手で誰が守り手か、その前提が入れ替わりうる構造を見落としている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 条文の役割 | 30条:特許侵害訴訟手続を実用新案侵害に準用(訴訟の武器) | 29条の2:技術評価書の提示なき権利行使を制限(権利行使の入口) 29条の3:不当な権利行使に対する賠償責任(権利者のリスク) |
| 誰のための規定か | 権利者:救済を厚くする攻めの手続 | 被疑侵害者:無審査権利の濫用を防ぐ盾 被疑侵害者:不当警告への反撃の根拠 |
| 発動の前提 | 実用新案権・専用実施権の侵害(訴訟段階) | 権利者が権利を行使しようとする時点 技術評価書の評価なしに権利行使し、権利が後に無効化された時 |
| 見落とすと起きること | 特許並みの強力な手続を使わず損害立証を諦める | 評価書未提示で警告が制限される 攻め手のはずが賠償する側に回る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は新型専利(実用新案に相当)について発明専利の侵害・訴訟規定を準用する点で日本30条と構造が酷似。新型専利も実質無審査の形式審査制。
韓国も特許法の侵害規定を実用新案権に準用。ただし韓国は2006年に無審査主義を廃止し審査主義へ回帰した点で、無審査を維持する日本と分岐する。
実用新案制度(Gebrauchsmuster)の発祥国。登録は無審査(形式審査のみ)で、侵害救済は特許に準じる。日本制度の母型。
米国には実用新案制度が存在せず、小発明も通常特許で保護する。仮出願(provisional application)はあるが権利化制度ではない。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 町工場で長年かけた治具の改良を実用新案登録した。展示会で競合がそっくりな製品を並べているのを見つけたが、うちが持っているのは審査のない権利。それでも30条のおかげで、特許権者と同じ証拠開示・損害計算の手続を侵害訴訟で使える。問題は戦えるかどうかではなく、技術評価書を先に取るかどうかだ
- あなたの会社が「実用新案権を侵害している」と警告書を受け取った。相手は無審査で登録された権利を振りかざしている。落ち着いて実用新案技術評価書(29条の2)の提示を求め、提示がなければ権利行使は制限される。さらに準用される特許法104条の3で、その考案は出願前に既に知られていた、と無効の抗弁を立てれば攻守が入れ替わる
- 訴訟で自社の製造ノウハウを開示させられたら、競合に技術が筒抜けになるのでは? 準用される秘密保持命令(特許法105条の4)で、訴訟外に漏らせば刑事罰がかかる檻を先に組める
- 侵害がもう何年も続いていて、相手の売上も製造数も分からず損害額を立証できない。準用される相当な損害額の認定(特許法105条の3)と損害計算のための鑑定が、その立証の壁を裁判所側に埋めさせる。だが損害賠償の消滅時効が迫れば請求できる範囲が毎月削れていく、起算点の確認は今夜やるべきだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. いきなり警告状を送らず、まず実用新案技術評価書を請求(29条の2)、肯定的評価を取得してから動く2. 侵害の証拠(製品、カタログ、販売実績)を確保し、損害額の概算を項目別に整理3. 訴訟では準用される特許法104条の2で相手に具体的態様の明示を求め、105条で書類提出を、105条の3と鑑定で損害額の立証を補強4. 製造ノウハウが争点に絡むなら、証拠開示の前に秘密保持命令(特許法105条の4)を申し立てておく
訴えられた側:1. まず相手に実用新案技術評価書の提示を求める(29条の2)、提示なき権利行使は制限される2. 準用される特許法104条の3で、その考案が出願前に公知だった等の無効事由を主張し無効の抗弁を立てる3. 評価書が否定的、または相手が無効を承知で権利行使していれば、29条の3の賠償責任を逆に追及できる余地を検討4. 自社の実施態様の開示を求められたら、秘密保持命令で営業秘密を守る枠を確保してから応じる
時効(請求できる期限):差止請求は権利の存続期間中いつでも可能だが、損害賠償請求権は不法行為の消滅時効に服する(民法724条、損害および加害者を知った時から3年、侵害行為時から20年)。実用新案権の存続期間は出願日から10年で、満了後は権利行使できない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
通説:30条は実用新案権侵害に特許並みの強力な救済手続を準用する一方、実用新案権は無審査主義で登録されるため有効性が担保されていない。そこで権利行使の入口に技術評価書の提示(29条の2)、不当行使に賠償責任(29条の3)を置き、訴訟ツールは特許と同一にしつつ濫用を抑える二段構えの均衡が図られていると解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和34年(1959年) 改正:実用新案法全部改正(昭和34年法律第123号)。侵害に対する特許法の訴訟手続準用の枠組みを整備。
- 2.平成5年(1993年) 改正:無審査登録制度を導入。早期・低コストで登録できる代わりに、権利行使には実用新案技術評価書の提示を要する仕組みを整備し、30条の準用手続と組み合わせた。
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