要点実用新案法 27 条は、権利者が侵害者に侵害の停止・予防や侵害品の廃棄・設備除却を請求できると定める。ただし無審査登録のため、行使には技術評価書の提示が必要である。
Q · 実用新案権を侵害されたら、すぐに販売差止めを請求できる?
請求できるが、先に技術評価書の提示が必要です
実用新案法 27 条により、権利者は侵害の停止・予防、侵害品の廃棄、製造設備の除却まで請求できます。ただし実用新案権は無審査で登録されるため、29 条の 2 により、行使前に実用新案技術評価書を提示して警告する必要があります。さらに行使後に登録が無効となれば、29 条の 3 により相手の損害を賠償する側に回るため、自分の権利が無効審判に耐えるかを先に確かめることが重要です。
差止請求権は、知的財産の世界で最も鋭い刃である。損害賠償が終わった侵害への金銭の話なら、差止めは今まさに売られている商品を市場から消し、在庫を廃棄させ、製造設備まで撤去させる力だ。だがあなたが実用新案権でこの刃を振るうとき、特許とは決定的に違う落とし穴がある。実用新案権は中身を審査されずに登録される。出願すれば、新規性も進歩性もチェックされないまま権利になる。だから 27 条本体には書かれていないが、別の条文(実用新案法 29 条の 2)が、差止請求をする前に実用新案技術評価書を提示して警告せよと縛りをかけている。さらに、差止めをかけた後でその登録が無効になれば、請求したあなたが相手に賠償を払う側に回る(同法 29 条の 3)。つまり 27 条の力は本物だが、抜く前に自分の権利が無効審判に耐えられるかを確かめないと、刃が自分に返ってくる。
実用新案法 27 条は差止請求権を定める規定であり、実用新案権者及び専用実施権者が、権利を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、侵害の停止又は予防、並びに侵害品の廃棄及び製造設備の除却を請求できる旨を規定する。無審査登録制度の下では、技術評価書の提示が行使の前提となる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実用新案権者が侵害者に対し、侵害の停止・予防、侵害品の廃棄、製造設備の除却を求める権利です。実用新案法 27 条が根拠で、損害賠償と違い「今の侵害」を止める力があります。
特許庁が無審査の実用新案について新規性・進歩性を事後評価した書面です。29 条の 2 により、これを提示して警告しなければ差止め等の権利行使はできません。
差止請求(27 条)は現在進行中の侵害を止める将来向けの救済、損害賠償(28 条・民法 709 条)は過去の侵害を金銭で填補する救済です。両者は併用できます。
出願日から 10 年です(実用新案法 15 条)。期間満了後は差止めを請求できないため、行使可能な時間に限りがあります。
特許庁に対し、先行技術などを根拠に登録無効審判を請求します(37 条)。差止め警告を受けた側の代表的な反撃手段で、認められれば権利は遡って消滅します。
他人の出願前から同じ考案を実施・準備していた者に認められる継続実施の権利です。先に作っていた事実を示せれば、差止めを受けても事業を続けられる場合があります。
民事保全法に基づく仮処分は本案訴訟より速く、事案により数週間で出荷停止命令が出ることもあります。ただし権利者は担保を積む必要があります。
早期権利化や短いライフサイクルの製品形状は実用新案、審査による強い権利が欲しいなら特許が向きます。実用新案は無審査ゆえ権利行使に技術評価書が必要な点に注意が必要です。
差止めの内容は特許とほぼ同じで、販売停止も廃棄も設備除却も請求できます(27 条)。決定的に違うのは中身が審査されていない点です。特許は新規性・進歩性を審査されますが、実用新案は方式だけ見て登録されます。だから 29 条の 2 で、行使前に技術評価書の提示と警告が義務づけられています。業界裏話ヒント:相手が出した評価書の評価が低い(先行技術が見つかっている)と、その権利は無効審判で簡単に倒れる脆い権利です。警告が来たら、まず評価書の中身を弁理士に読ませる
止められます。27 条は現に侵害している者だけでなく、侵害するおそれがある者にも予防請求を認めています。展示会への出展、カタログ掲載、製造準備が進んでいれば、販売前でも対象になりえます。業界裏話ヒント:逆に言えば、相手が「おそれ」を立証できなければ予防請求は通りません。まだ設計段階で具体的な販売計画がない、と示せれば反論の余地がある。証拠を残さず慌てて事業をたたむ前に、おそれの有無を争う
判決を待たずに民事保全法の仮処分で止められる可能性があります。仮処分は本案訴訟より速く、数週間で出荷停止命令が出ることもあります。ただし権利者は担保金を積む必要があり、無審査の実用新案では裁判所も慎重です。業界裏話ヒント:仮処分を申し立てられたら、技術評価書の評価の低さや先行技術を即座に出して争う。ここで権利の脆さを示せれば、仮処分が却下され、相手は積んだ担保と申立てコストを失う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 機能・救済の中身 | 27 条:侵害の停止・予防、侵害品の廃棄、製造設備の除却(将来向けの差止め) | — |
| 行使の前提 | 技術評価書を提示して警告したこと(29 条の 2 経由) | — |
| 無効時のリスク | 行使後に登録無効なら 29 条の 3 で相手に賠償する側に回る | — |
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