要点実用新案法 28 条は間接侵害を定め、登録実用新案品にのみ用いる専用品の供給や、侵害品を譲渡・輸出目的で所持する行為を侵害とみなす。権利者は技術評価書の提示が前提となる。
Q · 完成品を作っていないのに、部品を納めただけで実用新案の侵害になることがあるの?
完成品を作らなくても専用部品の供給で侵害になります
実用新案法 28 条の間接侵害(みなし侵害)により、登録実用新案品にのみ用いる専用品の供給(1 号)、課題解決に不可欠な部品を知りながら供給する行為(2 号)、侵害品を譲渡・輸出目的で所持する行為(3 号)は、完成品を作らなくても侵害とみなされます。下請けで金型や部品を作っただけでも差止・損害賠償の対象になりえます。ただし権利者は技術評価書(29 条の 2)を提示しないと権利行使できず、『にのみ用いる物』でない汎用品なら 1 号は成立しません。
あなたが町工場を営んでいて、取引先の図面どおりに特殊な金型や成形治具を作って納めているとする。その金型が、他社の登録実用新案品『だけ』を作るための専用品だったら、あなたは完成品を一度も作っていなくても、実用新案権の侵害者とみなされる。これが実用新案法28条の『間接侵害』だ。条文は三つの型を用意している。第一に、その物品の製造に『のみ』用いる物の生産・譲渡・輸入・譲渡の申出。第二に、日本国内で広く流通していない部品であって考案の課題解決に『不可欠』なものを、登録実用新案だと知りながら供給する行為。第三に、侵害品を譲渡・貸渡し・輸出の目的で『所持』するだけの行為。つまり直接コピー品を作らなくても、その周辺を支える、あるいは在庫を抱えるだけで網にかかる。ただし、ここに反撃の鍵がある。実用新案は特許と違い無審査で登録される弱い権利だ。権利者は技術評価書を提示して警告しない限り、あなたに権利を行使できない(29条の2)。網は広いが、網を引く側にも重い縛りがかかっている。
実用新案法 28 条は間接侵害(みなし侵害)を定める規定であり、登録実用新案品の製造にのみ用いる物の供給、課題解決に不可欠な物を知りながら行う供給、譲渡・輸出目的での侵害品の所持という三類型を、直接の実施でなくとも実用新案権の侵害とみなす。供給網の上流と在庫の段階にまで保護範囲を拡張する装置として機能する。
AI 輔助整理,以條文原文為準
完成品を作らなくても、その専用部品を供給したり侵害品を所持したりする行為を侵害とみなす制度です。実用新案法 28 条が三類型を定め、供給網と在庫の段階に保護を広げます。
本来は直接の侵害ではない行為を、法律上『侵害とみなす』ことです。実用新案法 28 条の間接侵害がこれにあたり、専用品供給・不可欠品供給・侵害品の所持が対象となります。
実用新案は無審査で登録されるため、特許庁が新規性・進歩性を事後評価する書面です。29 条の 2 により、これを提示して警告しないと権利行使できません。
その登録実用新案品の製造だけに使え、他の用途がない専用品を指します。他用途のある汎用品は『にのみ用いる物』にあたらず、28 条 1 号の間接侵害は成立しません。
まず技術評価書が添付されているかを確認します。評価書のない警告は権利行使の前提を欠きます。次に行為が 1〜3 号のどれかを切り分け、『にのみ』要件や汎用品該当で反論を組みます。
その部品が登録実用新案品の専用品(1 号)か、課題解決に不可欠で相手の権利を知りながら供給(2 号)した場合に間接侵害が成立します。汎用品で他用途があれば対象外です。
28 条 3 号により、譲渡・貸渡し・輸出の目的で侵害品を所持する行為は、実際に売っていなくても侵害とみなされます。輸出向けの在庫保有は税関の差止リスクと連動します。
両者は同一構造の間接侵害規定ですが、特許は審査済みで評価書が不要なのに対し、実用新案は無審査のため技術評価書の提示(29 条の 2)が権利行使の前提となる点が異なります。
その部品が登録実用新案品の製造に『のみ』用いる専用品なら、28条1号で間接侵害とみなされるからだ。完成品を作っていなくても、専用品の供給自体が侵害行為になる。業界裏話ヒント:鍵は『にのみ』の二文字。その部品が他の用途にも使える汎用品なら1号の対象外になる。だから供給側は、他用途での販売実績やカタログを残しておくと、いざというとき『専用品ではない』と反証できる。証拠は紛争後には作れない
1号(専用品)は知っているかどうかを問わず成立する。一方2号(不可欠品)は『登録実用新案だと知りながら』が要件なので、知らなければ成立しない。問題は、警告状が届いた時点で『知った』ことになる点だ。業界裏話ヒント:権利者はわざと警告状を送って、相手を『知った』状態に置く戦術を取る。だから警告が届いたら、即座に出荷を止めるか、それとも『にのみ』要件を崩して争うかを、その日のうちに決める必要がある
無視は危険だ。確かに無審査だが、だからこそ権利者は技術評価書(29条の2)を提示して警告しないと権利を行使できない。評価書なしの警告は前提を欠く。業界裏話ヒント:技術評価書には新規性・進歩性の評価が点数のように示される。評価が低い権利なら実質的にほぼ無力で、無効審判で倒せる見込みも高い。警告状が来たら、まず評価書が添付されているか、その評価がどうかを確認するのが第一手だ
なる。28条3号は、譲渡・貸渡し・輸出の目的で侵害品を『所持』する行為を侵害とみなす。実際に売ったり輸出したりしていなくても、在庫を抱えるだけで対象になる。業界裏話ヒント:この所持類型は税関での輸出差止(関税法の水際措置)と連動して効いてくる。在庫があると差止・廃棄のリスクを負う。海外向けに大量在庫を持つ業態は、仕入れ前に他社の実用新案権を確認しておかないと、倉庫ごと止められかねない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 28 条(間接侵害):専用品の供給・不可欠品の供給・侵害品の所持 | — |
| 主観要件(知っているか) | 1 号は不問、2 号は『登録実用新案と知りながら』が必要、3 号は譲渡等の目的 | — |
| 権利行使の前提 | 技術評価書の提示が必要(29 条の 2) | — |
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