実用新案法 第14条(実用新案権の設定の登録)
クイックジャンプ
- 実用新案権は、設定の登録により発生する。
- 2.実用新案登録出願があつたときは、その実用新案登録出願が放棄され、取り下げられ、又は却下された場合を除き、実用新案権の設定の登録をする。
- 3.前項の登録があつたときは、次に掲げる事項を実用新案公報に掲載しなければならない。
- 一実用新案権者の氏名又は名称及び住所又は居所
- 二実用新案登録出願の番号及び年月日
- 三考案者の氏名及び住所又は居所
- 四願書に添付した明細書及び実用新案登録請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
- 五願書に添付した要約書に記載した事項
- 六登録番号及び設定の登録の年月日
- 七前各号に掲げるもののほか、必要な事項
- 4.特許法第六十四条第三項の規定は、前項の規定により同項第五号の要約書に記載した事項を実用新案公報に掲載する場合に準用する。
この条文の基本情報
実用新案権の設定の登録とは何ですか?
定義実用新案権の設定の登録とは、実用新案法第14条に定められた規定で、「実用新案権は、設定の登録により発生する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 実用新案法第14条(実用新案権の設定の登録)は、日本の実用新案法に含まれる条文です。
- 実用新案法第14条の条文原文は「実用新案権は、設定の登録により発生する。」で始まります。
- 実用新案法第14条は第一節 実用新案権に置かれています。
- 実用新案法の公布日は昭和34年4月13日です。
- 実用新案法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 実用新案法第14条の前の条は実用新案法第13条です。
- 実用新案法第14条の次の条は実用新案法第14条の2です。
- 実用新案法第14条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第14条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000123 - 本サイト収録
実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第14条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/334AC0000000123/14
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点実用新案法14条は、実用新案権が設定の登録により発生すると定める。出願は実体審査を経ず登録され(無審査登録)、考案の内容は実用新案公報に掲載される。
Q · 実用新案の登録証が届いたら、もう模倣を止められるの?
いいえ。無審査登録のため技術評価書を提示しないと権利行使できません
実用新案法14条により、実用新案権は設定の登録によって発生します。ただし出願は実体審査を経ない無審査登録のため、登録証は新規性や進歩性を保証しません。権利を行使するには実用新案技術評価書を提示する必要があり(29条の2)、評価書なしの警告は、後に登録が無効と判明すると相手への賠償責任(29条の3)を招きます。登録は権利化の終点ではなく折り返し地点です。
解説
机に届いた『実用新案登録証』。番号が刻まれ、いかにも強そうな書面だ。だがこの14条が定める『実用新案権は、設定の登録により発生する』という一文の裏側には、日本の知的財産制度で最も誤解されている事実が隠れている。実用新案権は、特許と違って中身を審査せずに登録される(無審査登録、形式さえ整えば新規性や進歩性をチェックされないまま権利が発生する)。つまり登録証は『この技術は本物だ』というお墨付きではない。さらに3項により、出願した明細書も図面も要約も実用新案公報に全文掲載され、あなたの考案の構造が競合の目に丸見えになる。登録された瞬間に守られると思っていたものが、実は審査も受けず、内容も世間に晒される。この条文を読む前と後で、あなたが登録証を見る目は完全に変わるはずだ。
法的な位置づけ
実用新案法14条は実用新案権の発生時点を定める規定であり、出願が放棄・取下げ・却下されない限り、実体審査を経ずに設定の登録によって権利が発生する旨を規定する。登録時には明細書・実用新案登録請求の範囲・図面・要約書の内容が実用新案公報に掲載され、考案の内容が公示される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.設定登録後すぐ技術評価書を請求する 登録証が届いたら、警告より先に実用新案技術評価書を請求する(実用新案法12条)。無審査の権利は評価書という裏書きを得て初めて実効的な武器になる
- 2.評価書の結論を確認し方針を決める 肯定的評価(新規性・進歩性あり)なら権利行使へ進む。ネガティブ評価なら警告や訴訟は避け、権利範囲の見直しや別戦略を検討する
- 3.評価書を提示して警告する 模倣相手への警告状には必ず技術評価書を提示する(29条の2)。提示なしの権利行使は、後に登録無効と判明すると29条の3の賠償責任を招く
- 4.差止・損害賠償を地方裁判所へ提起する 交渉が決裂したら、知財専門部のある地方裁判所に差止・損害賠償を提起する。評価書がネガティブな場合は提訴を避け、戦略を練り直す
よくある質問 AI による整理
Q1実用新案登録とは何ですか?
考案(物品の形状・構造・組合せ)について設定の登録を受け、実用新案権を取得する制度です。実用新案法14条により、登録によって権利が発生します。
Q2実用新案は無審査って本当ですか?
本当です。出願が放棄・取下げ・却下されない限り、新規性や進歩性の実体審査を経ずに設定登録されます(14条2項)。形式さえ整えば権利が発生します。
Q3実用新案は意味ないと言われるのはなぜですか?
無審査ゆえ有効性が保証されず、権利行使に技術評価書が必須で(29条の2)、無効時には賠償責任(29条の3)も負うためです。使い方を誤ると逆効果になります。
Q4実用新案技術評価書とは何ですか?
登録された考案の新規性・進歩性を特許庁が客観評価する書面です(12条)。権利行使の前にこれを請求・提示することで、差止の実効性が高まります。
Q5実用新案権はいつから発生しますか?
設定の登録の時点で発生します(14条1項)。出願時でも公報掲載時でもなく、登録原簿への設定登録がされた日が権利発生日です。
Q6実用新案の出願内容は公開されますか?
公開されます。設定登録があると、明細書・登録請求の範囲・図面・要約書が実用新案公報に全文掲載されます(14条3項)。考案の構造が競合に開示されます。
Q7実用新案権の行使はどんな流れですか?
技術評価書を請求し(12条)、肯定的評価を得てから、評価書を提示して警告し(29条の2)、差止・損害賠償を地方裁判所に請求するのが基本の流れです。
Q8実用新案権の存続期間はどれくらいですか?
出願の日から10年です(15条、平成16年改正で6年から延長)。特許の20年より短く、早く安く取れる代わりに保護期間が限られます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1実用新案って特許より弱いって聞いたけど、本当ですか?
実務上はそう言える。実用新案は無審査で登録されるため(本条1項)、権利を行使するには別途技術評価書を取る必要があり(12条、29条の2)、存続期間も出願から10年と特許の20年より短い。実務のポイント:弁理士が『とりあえず実用新案で早く安く』と勧めることはあるが、使う段階で評価書を取らないと差止が機能しない点や、無効時の賠償リスク(29条の3)まで踏み込んで説明されることは少ない。出願前に『これは権利行使まで見据えた選択か』を必ず確認する
Q2登録証が届いたんですが、もう真似されても安心ですよね?
残念ながら、登録証は安心の保証ではない。実用新案は審査なしで登録されるので(本条1項)、有効性は別途技術評価書や無効審判で初めて確かめられる。しかも3項により考案の内容は公報で公開され、競合は中身を丸ごと見られる。実務のポイント:登録番号があるだけで満足して評価書を取らない権利者は多い。だが評価書なしで警告すると、相手に無効を突かれて立場が逆転し、賠償義務まで負いかねない。登録は終わりではなく、権利化の折り返し地点だと考える
間違えやすい点 AI による整理
- 『登録された=権利として有効』だと思い込みがちだが、実用新案は無審査登録。登録は権利の存在を示すだけで、新規性や進歩性があるかは一切保証されない。有効性は登録後に技術評価書や無効審判で初めて争われる、まったく別の問題だ
- 『登録証があれば真似した相手をすぐ差し止められる』。この問いの立て方そのものが誤っている。実用新案権は、技術評価書を提示して警告した後でなければ権利行使できない(実用新案法29条の2)。手順を飛ばした権利行使は、止められないどころか後で自分が責任を問われる
- 『無審査だから早く安く取れる』ことは知られているが、その代償の深刻さは見落とされている。出願内容は公報で全世界に公開され、しかも権利を行使した後にその実用新案登録が無効と判明すれば、警告された相手の損害をあなたが賠償する責任を負う(実用新案法29条の3)。安く取れる権利は、安く使えるとは限らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 登録までの審査 | 実用新案法14条:実体審査なし(無審査登録、形式審査のみ) | 特許法66条:実体審査を経て設定登録(新規性・進歩性を審査) |
| 権利の信頼性 | 登録は有効性を保証しない。技術評価書・無効審判で別途検証 | 審査済みのため一定の有効性が推定される |
| 権利行使の前提 | 技術評価書の提示が必須(29条の2)、無効時は賠償責任(29条の3) | 原則そのまま行使可(提示義務なし) |
| 存続期間 | 出願の日から10年(15条) | 出願の日から20年 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾の新型専利も形式審査のみで登録され、権利行使には新型専利技術報告が事実上必要。日本の技術評価書と機能的に類似する
韓国も実用新案制度を持ち、過去に無審査主義を採用した経緯がある。日本法の影響を受けた継受国
ドイツの Gebrauchsmuster も無審査登録(形式審査のみ)。実用新案制度発祥国であり日本法の源流
米国には実用新案制度が存在せず、仮出願(provisional application)が早期・低コストの出口として部分的に機能するにとどまる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたが個人で便利グッズを考案し、実用新案を登録。模倣品を出した競合に意気揚々と警告状を送ったら、相手から『技術評価書を見せろ』と返ってきた。無審査で取った権利は、評価書という裏書きがないと差止が事実上機能しない。出す順番を間違えると、攻撃側のはずが立ち往生する
- 登録できたのに、なぜ相手は平然と同じ商品を売り続けるのか? 答えは、相手があなたの権利を『無審査で取っただけの紙』と見抜いているから。実用新案登録無効審判(実用新案法37条)を請求されれば、新規性なしで簡単に潰れる可能性がある
- 取引先が『実用新案登録済み』と謳う部品。仕入れる前に、それが本当に有効か。登録番号だけでは判断できない。公報と技術評価書まで遡って初めて、その権利の強さが見える(短い確認で大金が動く)
- クラウドファンディングで新製品を公開する三日前。出願を済ませないまま世に出せば、自分の考案が『公知』になり、3条の新規性を失って二度と登録できなくなる。設定登録に辿り着く前の、出願タイミングが権利の生死を分ける
取るべき行動
被害を受けた側:1. 模倣を見つけたら、いきなり警告せず、まず実用新案技術評価書を請求(実用新案法12条)、肯定的評価を確保する2. 警告は必ず技術評価書を提示して行う(同29条の2)、提示なしの権利行使は後で29条の3の賠償リスクを背負う3. 公報と登録原簿で自分の権利範囲(請求の範囲)を正確に確認4. 差止・損害賠償は地方裁判所(知財専門部)へ、評価書がネガティブなら訴訟は避けて戦略を練り直す
訴えられた側:1. 相手が技術評価書を提示しているか確認、提示がなければ権利行使の要件を欠いている2. 無効理由(新規性・進歩性の欠如)を先行文献で調査、無審査ゆえ無効と判断される余地は特許より大きい3. 実用新案登録無効審判(同37条)を請求、または評価書がネガティブなら堂々と販売を継続4. 相手が無効な権利で不当に警告してきたなら、被った損害を29条の3で賠償請求できる可能性がある
時効(請求できる期限):実用新案権の存続期間は出願の日から10年(実用新案法15条、平成16年改正で6年から延長、最新の改正状況をご確認ください)。設定の登録は、出願が放棄・取下げ・却下されない限り行われる(本条2項)。技術評価書の請求は権利消滅後は原則できないため、権利を使うなら存続期間内に動くこと。新規性喪失を避けるには公開前の出願が鉄則(同3条)
学説
通説:実用新案法は平成5年改正以降、無審査登録主義を採る。設定登録は権利の発生要件にすぎず有効性を担保しないため、権利の信頼性は技術評価書(12条)と無効審判(37条)によって事後的に担保される、という理解が一般的である。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成5年(1993年) 改正:実体審査主義を廃し無審査登録制度を導入。早期・低コストの権利付与と引換えに、技術評価書の提示義務(29条の2)と無効時の賠償責任(29条の3)を設けて均衡を図った
- 2.平成16年(2004年) 改正:存続期間を出願の日から6年から10年へ延長(15条)。利用低迷を受けた制度活性化策の一環
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める