要点実用新案法 14 条の 2 は、実用新案権者が明細書・請求の範囲・図面を原則一回限り訂正できると定める。請求の範囲の減縮や誤記訂正に限られ、技術評価書の謄本送達から二月以内が期限となる。
Q · 実用新案を登録したあと、請求の範囲って後から直せるんですか?
原則一回だけ、技術評価書の送達から二月以内に減縮等ができます
実用新案法 14 条の 2 により、実用新案権者は明細書・実用新案登録請求の範囲・図面を原則一回限り訂正できます。目的は請求の範囲の減縮、誤記の訂正、明瞭でない記載の釈明、引用形式の変更に限られます。期限は実用新案技術評価書の謄本送達日から二月、または無効審判で最初に指定された期間の経過まで。なお請求項の削除を目的とする訂正は本条 7 項で別枠とされ、原則訂正とは別にできます。
特許と違い、実用新案は中身を審査されずに登録される。書類さえ整っていれば、新規性があろうがなかろうが、ほぼ自動的にあなたの権利になる。早くて安い、その引き換えに、登録された瞬間のあなたの権利は「まだ強さを試されていない仮の権利」だ。本条が握らせるのは、その仮の権利を一度だけ鍛え直せる権利である。広すぎて無効にされそうな請求の範囲を自分から狭め、誤記を直し、曖昧な記載を明確にする。ただし条件が厳しい。原則として一回限り。しかも実用新案技術評価書の謄本が届いた日から二月、あるいは無効審判で最初に指定された期間が過ぎるまで。この窓を逃すと、自分から権利を補強する手段がほぼ閉ざされる。狭めるのは負けではない。広いまま無効にされる権利はゼロ、適切に狭めて生き残る権利は有効、この非対称を理解した者だけが、無審査制度の弱点を強みに変えられる。
実用新案法 14 条の 2 が定める訂正とは、無審査で登録された実用新案について、権利者が願書に添付した明細書・実用新案登録請求の範囲・図面を、原則一回限り、請求の範囲の減縮や誤記の訂正等の目的の範囲内で修正する制度をいう。記載した事項の範囲内に限られ、請求の範囲を実質的に拡張・変更することは許されない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
無審査で登録された実用新案について、権利者が明細書・請求の範囲・図面を原則一回限り修正する制度です。実用新案法 14 条の 2 が根拠で、減縮や誤記訂正に限られます。
本条 1 項の原則訂正は原則一回限りです。ただし請求項の削除を目的とする訂正は 7 項で別枠扱いとなり、原則訂正とは別にできます。
広すぎる請求の範囲を狭めて、先行技術に引っかからない範囲だけを残す訂正です。広いまま無効になるより、狭くても有効な権利のほうが実務では強くなります。
誤記の訂正(2 項 2 号)の場合だけは、願書に最初に添付した明細書等の範囲まで遡れます。他の訂正目的より射程が広いのが特徴です。
実用新案技術評価書の謄本送達日から二月、または無効審判で最初に指定された期間の経過までです。二月の期間は特許法 4 条準用で延長されうります。
請求項の削除を目的とする訂正(7 項)は原則訂正の一回制限とは別枠で、複数回できます。ただし無効審判係属中の審理終結通知後はできません。
訂正書を特許庁に提出します(9 項)。原則訂正の場合は訂正書に訂正後の明細書・請求の範囲・図面を添付する必要があります(10 項)。
原則として権利消滅後でも訂正できます(8 項本文)。ただし無効審判により無効にされた後は訂正できません(8 項但書)。
できない。実用新案は無審査登録のため、権利を行使するには実用新案技術評価書を提示して警告するのが前提だ(実用新案法二十九条の二)。評価書なしで警告して相手に損害を与えると、後で権利が無効になった場合、あなたが賠償責任を負うリスクがある(同二十九条の三)。業界裏話ヒント:弁理士が積極的に言わないのは、評価書を取ると自分の権利の弱点まで他人に見えてしまう点だ。だからこそ評価書請求と本条の訂正準備はセットで動かす
そうとは限らない。評価が低いのは請求の範囲が広すぎて先行技術に引っかかっているケースが多く、本条二項一号の減縮訂正で、生き残る狭い範囲だけに絞り直せる。広いまま無効にされるより、狭くても有効な権利の方が実務では強い。業界裏話ヒント:低評価=即終了と諦めて訂正窓(謄本到達から二月)を逃す権利者が驚くほど多い。評価書が手元に来た瞬間が、防衛の始まりであって終わりではない
本条一項の原則訂正(減縮・誤記訂正・釈明・引用形式の変更)は原則一回限りだ。ただし請求項の削除を目的とする訂正は本条七項で別枠扱いとなり、原則訂正とは別にできる。だから無効審判で個別請求項を狙われても、削除でコアを守る道は残る。業界裏話ヒント:『一回だけ』に縛られて全請求項を抱えたまま無効にされる人が多い。削除という別ルートを知る者は、攻められた請求項だけ切り捨ててコアを生かす
可能性はある。まず相手が実用新案技術評価書を提示しているか確認し、なければ権利行使の前提を欠く。次に請求の範囲が広すぎないか先行技術を調べ、無効審判(実用新案法三十七条)を検討する。業界裏話ヒント:無効審判を仕掛けると相手は本条で慌てて訂正・減縮に走る。相手が範囲を狭めた結果、あなたの製品が侵害範囲の外に出るケースは珍しくない。攻撃が相手の自己減縮を誘い、結果的に勝つという筋が読めるかどうかで動き方が変わる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 回数制限 | 原則一回限り(1 項本文) | — |
| 訂正目的 | 減縮・誤記訂正・釈明・引用形式の変更(2 項) | — |
| 期間・係属の制約 | 技術評価書送達から二月/無効審判の最初の指定期間まで(1 項) | — |
| 権利消滅後 | 可。ただし無効にされた後は不可(8 項) | — |
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