公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある考案については、第三条第一項の規定にかかわらず、実用新案登録を受けることができない。
要点実用新案法 4 条は、公序良俗・善良の風俗・公衆衛生を害するおそれのある考案を登録対象から除外する規定。ただし無審査主義のため登録自体は通り、無効審判で争われる。
Q · 公序良俗に反する考案でも、実用新案って登録できちゃうの?
形式が整えば一度は登録されるが、無効審判で覆される
実用新案法 4 条は、公序良俗・善良の風俗・公衆の衛生を害するおそれがある考案を登録対象から除外します。ただし実用新案は無審査主義(基礎的要件と方式のみチェック)のため、第 4 条違反の考案でも形式が整えば登録番号が付きます。問題はその先で、権利を行使しようとした瞬間に第 4 条違反が無効理由(37 条)として持ち出され、無効審判で権利が崩されます。登録されていること自体は、権利が有効である保証ではありません。
特許より一段気軽に権利化できる、それが実用新案だ。だがこの仕組みには多くの人が知らない断層が走っている。実用新案は1994年から無審査主義になり、出願して形式さえ整えばほぼ自動的に登録番号が付く。新規性も進歩性も、そしてこの第4条が定める「公の秩序、善良の風俗、公衆の衛生を害するおそれ」も、登録の段階では誰も審査しない。つまり第4条に真正面から反する考案でも、いったんは堂々と「登録」されてしまう。しかしそれは砂上の楼閣だ。第4条違反は実用新案登録無効審判(実用新案法37条)の無効理由であり、あなたが権利を振りかざした瞬間、相手から無効審判を起こされて足元から崩れる。さらに実用新案権を行使するには実用新案技術評価書を相手に示す必要があり、評価書なしに警告して権利が後で無効になれば、逆にあなたが損害賠償を負う(実用新案法29条の3)。登録番号があること自体は、あなたの権利が有効である保証では全くない。
実用新案法 4 条は登録の消極的要件を定める規定であり、公の秩序、善良の風俗又は公衆の衛生を害するおそれがある考案を、第 3 条第 1 項の積極的要件を満たすか否かにかかわらず実用新案登録の対象から排除する。無審査主義の下では登録段階で審査されず、実用新案登録無効審判(37 条)における無効理由として機能する。
公の秩序・善良の風俗・公衆衛生を害するおそれのある考案は実用新案登録を受けられないという制限です(実用新案法 4 条)。賭博装置や脱法的な仕組み、効果を偽った健康器具などが典型例です。
1994 年から無審査主義になり、小発明を迅速・安価に権利化して産業発達を促すためです。形式が整えば登録番号が付きますが、新規性も第 4 条も登録時には審査されません。
登録番号があることと権利が有効であることは別物です。無審査のため実体要件は登録時に判断されず、無効審判で第 3 条・第 4 条違反が認められれば権利は遡って消えます。
効果を偽った医療類似器具、有害物質を含む構造、危険を招く健康・美容器具などが想定されます。薬機法の規制領域とも重なります。
実用新案登録無効審判(37 条)は原則として権利の存続中いつでも、また権利消滅後も請求できます。存続期間は出願日から 10 年です(15 条)。
権利行使には実用新案技術評価書を相手に提示する必要があります(29 条の 2)。評価書なしに警告して権利が後で無効になると、逆に損害賠償を負うおそれがあります(29 条の 3)。
無審査主義のため第 4 条で拒絶査定が出ることは基本的にありません。第 4 条は登録の入口ではなく、無効審判という出口で機能する無効理由です。
健康・美容器具は「公衆の衛生を害するおそれ」と薬機法の両面に触れやすく、二重に脆い権利になりがちです。出願前に構造を見直すことが重要です。
基礎的要件と方式の形式チェックはあるが、第4条のような実体要件は審査されない。だから公序良俗に反する考案でも形式が整えば登録される。問題はその先で、権利を使おうとした瞬間に第4条違反(37条の無効理由)として崩されうる。業界裏話ヒント:登録されても、実用新案技術評価書(12条)を取ると第3条・第4条などの観点で評価され、無効理由があれば低い評価が付く。権利行使の前に評価書を取れば、自分の権利の弱点が先に分かる
効果を偽った医療類似器具、有害物質を含む構造、危険を招く健康・美容器具などが典型例で、薬機法の規制領域と重なる。実際に第4条そのもので拒絶された例は多くないが、後の無効審判や侵害訴訟で持ち出される伏兵だ。業界裏話ヒント:健康・美容分野で実用新案を取る人ほどこのリスクが高い。出願前に薬機法と第4条の両面で構造を見直しておかないと、権利化できても使えない権利になりやすい
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|---|---|---|
| 要件の性質 | 第 4 条:消極的要件(公序良俗・公衆衛生を害する考案を排除) | — |
| 登録時の審査 | 無審査(登録時に判断されない) | — |
| 違反した場合の帰結 | 登録は通るが無効審判(37 条)の無効理由となる | — |
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